ピエゾドライバについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ピエゾドライバのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ピエゾドライバ関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:アナログ・デバイセズ株式会社、2位:株式会社メステック、3位:Texas instrumentsとなっています。
ピエゾドライバ(英語: Piezo driver)はピエゾ素子を安定に制御するための電源装置です。
ピエゾ素子とは圧電効果・逆圧電効果を利用して、力学的な信号を電圧に変換したり、逆に電圧を力学的な動作に変換したりするもので圧電素子とも呼ばれます。特に力学的な動作に変換する場合、サブマイクロメートル以下の制御が高速に行えるという特徴があります。
ピエゾドライバはこのようなピエゾ素子による精緻な動作を制御する際の電源及び制御装置として働きます。
ピエゾドライバは微細な動作制御が必要とされる場面で使われます。
例えば、光学顕微鏡のX-Yステージや対物レンズの駆動において、正確な位置決めを高速に行う事ができるので、生きた細胞内のダイナミックな現象を高速三次元イメージングする場合に適しています。
また、旋盤などの工作機器で一マイクロメートル以下の精度が求められるような精密な作業を行う場合にも利用されます。
ピエゾ素子を使用したデバイスの性能を十分に引き出すためには、ピエゾドライバの性能が重要な役割を担っています。
ピエゾ素子はコンデンサとしての性質を持っています。したがって充電・放電に伴ってこれを駆動する電源側(ピエゾドライバ)には出力電流の吸い込みと吐き出しができるアンプ型電源としての特性が必要になります。
また、ピエゾ素子は極微小な電圧変化にも応答してしまうため、もし入力の無い定常状態でも回路内の電圧変化を感知してしまうと、何もしていないのにピエゾ素子が駆動してしまいます。
ピエゾドライバの電圧供給は十分に安定している必要があります。電源としての安定性を担保するためにシャントレギュレータなどを組み込み、ピエゾ素子にかかる電圧をモニターし、常にフィードバックをかけています。
こうして誤動作やドリフト・ノイズを最小限に押さえています。こうすることでピエゾ素子の静電容量を充填するのに十分な電流を安定的に供給し、入力としての制御電圧の急激な上昇に対して、わずか数マイクロ秒でその駆動を完了させることができます。
ピエゾドライバーの応用例として音響製品への適用例を紹介します。
圧電素子自体は以前から音響分野でも使用されていましたが、圧電スピーカ等の使用にとどまっていました。しかしここ数年、ハイレゾ再生用などの高級イヤホンにピエゾドライバーが採用され始めています。
すでに説明したように、ピエゾドライバーに電圧をかけるとピエゾ素子は圧力を発生します。この特性を用いて音楽信号を電圧としてピエゾドライバーに加えると、それに応じて振動板が振動します。すなわち電圧が音声に変換されます。
ピエゾドライバーをイヤホンに使用する利点は、ダイナミック型の様にコイルで音楽信号を磁力に変換して振動板を振動させるという信号の変換プロセスが無いことです。また、ピエゾドライバーが直接振動板を振動させるため、非常に高速に動作することから、超高域の再生能力が非常に優れています。このため、ハイレゾ音源の豊かな超高域の情報を再現するのに適していると言われています。
たたし、ピエゾドライバーを採用したイヤホンはピエゾドライバーの性能を活かすために、他の低中音向けドライバ等も高級なものを採用しており、結果として非常に高価な製品となっています。
もう1つのピエゾドライバーの音響製品への応用として、ピエゾドライバースピーカーを紹介します。
ピエゾドライバースピーカーの仕組みもピエゾドライバーイヤホンとほぼ同様です。しかし、あるメーカーの発売しているピエゾスピーカーは非常に薄型でフレキシブルな構造なために、色々なものを振動させて音を出すことが可能です。また、以前の圧電スピーカーよりも幅広い音域、特に苦手としていた低音域の出力が強化されています。
最近の液晶テレビは非常に筐体が薄くなっており、既存のスピーカーは搭載できなくなってきています。このような薄型テレビに上記の様なフィルム型の薄型ピエゾドライバースピーカーは最適で、今後もより高音質化が期待されています。
参考文献
https://www.physikinstrumente.com/en/technology/controllers-software/piezo-controllers-piezo-drivers/
https://www.matsusada.co.jp/column/words-piezo.html
https://www.phileweb.com/review/article/201605/27/2077_2.html#a3
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト8
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | アナログ・デバイセズ株式会社 | 20.9% |
2 | 株式会社メステック | 20.9% |
3 | Texas instruments | 14% |
4 | THKプレシジョン株式会社 | 11.6% |
5 | 株式会社エヌエフ回路設計ブロック | 11.6% |
6 | Dongwoon Anatech Co., Ltd. | 9.3% |
7 | Micro Analog Systems Oy | 7% |
8 | 株式会社ベルニクス | 4.7% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のピエゾドライバページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
M2691は超小型のピエゾドライバで、75x20x50 mmかつ重さも70 gというコンパクトさから、高い自由度で装置への組み込みが可能です。
また端子台は扱いやすい8ピンタイプなので、装置へ組み込む際の接続や配線など煩雑な操作を簡単に行うことができます。
低価格を実現しており、量産製品における徹底したコスト削減に貢献できる他、予算の限られた研究目的での使用や多数の導入が要求されるような実験にも適している製品です。
高速応答かつ大電力のコンパクトな圧電アクチュエータ駆動用のピエゾドライバで、低価格を実現した製品です。
ピーク電流対応型保護回路の搭載により、16 uFまでの大容量負荷の突入電流に対応していながら、最小限のノイズとオーバーシュートが起こりにくいという特徴を持っています。
電源は本体に内蔵されており、低電圧での動作が可能なほか、かさばる電源ユニットとの接続による、空間コストの圧迫などの心配がありません。
LT3469は5 Vまたは12 Vの電源を内蔵したスイッチングレギュレータで最大35 Vまで昇圧することができるので、ピエゾマイクロアクチュエータをドライブするのに十分広範な出力電圧を供給することができます。
ショットキーダイオードを採用することにより、1.3 MHzの高い周波数でスイッチングを行うことができるので、小型の外付け部品を組むことで拡張的な利用が可能です。
1 mmの薄さを持ったパッケージもラインナップされており、装置の小型化にも貢献します。
MAS6241は、高効率で扱いやすい低価格なピエゾドライバです。
圧電サウンドアプリケーションに特化しており、高効率なチャージポンプを搭載していることから、高い音圧を必要とする圧電ブザー・アラーム・白物家電などへの応用に適しています。
2.2 Vからの低電源電圧で作動し、-40~125℃までの非常に幅広い温度範囲でも動作します。
更に3x3x0.75 mmという非常に小型かつ薄型のパッケージのため装置のダウンサイジングにも貢献します。
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