サイリスタのメーカー17社・61製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
サイリスタは、ダイオードと同様に整流作用のある半導体素子です。
ダイオードと異なる点は、アノード・カソードに加えて、ゲートと呼ばれる三番目の端子を持っており、ゲート端子に電流を流したときだけダイオードのような整流作用を示すという点です。
したがってサイリスタは、ゲート電流でスイッチ制御できるダイオードであると言うこともできます。
また、サイリスタはシリコン制御整流子(SCR)とも呼ばれます・
サイリスタは、ゲート電流による制御ができるので、主にスイッチとして利用されています。特に、大電流が流れる回路のスイッチに適しています。
特に、LED調光は人間の目で識別できないほどのON/OFFの繰り返しを行い、そのONとOFFの間隔によって行われています。サイリスタのスイッチングは交流電流の周波数よりも十分に早いためこのような高速制御を行いことができます。そのためLEDドライバには必ずといって良いほど搭載されています。
サイリスタは、p型半導体とn型半導体からなるPNPNの4重構造をしています。中間のnまたはp型半導体からゲート端子を引き出した構造になっており、それぞれNゲート、Pゲートと呼びます。
4重構造を持っているため、3つの接合部を持つことになりますが、、アノード側からカソード側にかけて一番目と三番目の接合部が順バイアスになっているのに対し、二番目の接合部では逆バイアスになっています。この状態でアノードからカソードに電流を流そうとしても、二番目の接合部でわずかに漏れ電流が流れるにとどまります。
しかし、サイリスタに順バイアスをかけてからPゲートにゲート電流を流すと、漏れ電流が加速してアバランシェ・ブレークダウンによって導通します。こうしてサイリスタをターンオンすることができます。
交流電流には周期的に電圧が0になる瞬間があるため、サイリスタのターンオフは自然に起こります。しかし、アバランシェ・ブレークダウンは、ゲート電流をオフにしても止まらいないため、基本的には任意のタイミングではOFFににできません。
整流とは、交流を直流に変換することです。整流回路のキーパーツである整流器には、一般的にダイオードが用いられますが、サイリスタも整流作用があります。サイリスタによる整流器はダイオード整流器よりも小型軽量が実現できますが、高周波が発生することで電源系統に雑音の影響があり、高調波が抑えられているトランジスタ整流器の普及が進んでいます。
トランジスタ整流器はPWM制御で電圧を制御しているため、サイリスタ整流器の位相制御よりも出力電圧が安定に制御できます。
サイリスタはアノード-カソード間の導通をゲートで制御できます。つまり、アノードに電圧を掛けただけではカソードに電圧は出力されないということです。アノードに電圧を掛けた状態でゲートにトリガ電流を掛けて初めてカソードに電圧が出力されます。ここで、アノードに正弦波を掛けた時、トリガ電流が無いとカソードへの出力はありません。また、トリガ電流を流すと、初めてサイリスタがONしてカソードに正弦波が現れます。このトリガ電流のタイミングを変えることでアノードの波形を変えることができます。この調整はカソードへの電圧が遅れて出てくるように見えるため、その様子を制御遅れ角と表します。
このようにサイリスタは元のアノードの位相を遅らせるような制御を行っていることから位相制御と呼ばれています。
このように、サイリスタは大電力を制御することが得意です。ということで、大電力をコントロールする機器の電力部に使用されます。
参考文献
https://www.electronics-tutorials.ws/power/thyristor.html
https://link.springer.com/chapter/10.1007%2F978-1-349-81538-8_11
https://electric-facilities.jp/denki7/se/004.html
energychord.com/children/energy/pe/inv/contents/onv_conv_cont.html
https://www.ad.ipc.fukushima-u.ac.jp/~p142/power.elec2/2019/13.pdf
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
SKT130は、ディスクリートサイリスタであり、堅牢性と容易な組付けが求められるアプリケーションに適している、スタッド型および、大電力用の平型です。
定格電流は1200Aまで、定格オフ/逆電圧1800Vまでの位相制御用で、主要なアプリケーションをカバーしています。
特徴としては、ガラス絶縁体付き密閉金属ケースで、スレッドスタッドISOM16x1,5であり、国際標準ケースであることです。
代表的な用途としては、: ソフトスターター、抵抗加熱、静止スイッチ、バッテリー充電器、溶接機、静止励磁などあり、特にDCモーター制御(工作機械など)、制御された整流器(例:バッテリー充電用)、ACコントローラー(例:温度制御用)であり、推奨されるスナバネットワーク(例:VVRMS≤400Vの場合):R =33Ω/ 13W、C =0,47μFとなっています。
4-Quadrant Triacs(164)のZ0109NN0は、SOT223(SC-73)表面実装可能な、プラスチックパッケージの、平面パッシベーションセンシティブゲート4象限トライアックは、ノイズに対する耐性を強化し、ロジックレベルICおよび低電力ゲートドライバーへの直接インターフェースを必要とする用途を対象とした、サイリスタです。
主な特徴としては、ロジックレベルICへの直接インターフェース可能で、強化された電流サージ機能を保持し、強化されたノイズ耐性を誇り、高いブロッキング電圧機能を有していて、電圧の耐久性と信頼性のために不動態化された平面をしていて、4象限の高感度ゲートを持っていて、表面実装可能なパッケージであり、4つの象限すべてでトリガーを保持していることが挙げられます。
主な用途としては、汎用低電力モーター制御や、家電向け、そして産業プロセス制御用途や、低電力ACファンコントローラーなどが挙げられます。
VS-ST083SP Seriesは、主な特徴として、中央増幅ゲートを備え、高サージ電流能力を誇り、かつ低熱インピーダンスのサイリスタです。
主な仕様としては、パッケージはTO-94(TO-209AC)で、回路構成がシングルSCRであり、I T(OFF)は85Aとなっていて、T C / T hsが85℃で、I TSM @ 50 Hzは2450Aかつ、I TSM @ 60 Hzが2560Aとなっています。
また、V DRM / V RRMは400~1200Vで、t qが10~20μsであり、V TMは2.15Vとなっていて、GTが200mAかつ、T Jは-40℃~125℃の範囲です。
高温対応サイリスタ(SCR)は、電力損失が小さいうえ、150℃においても、より高い電力密度が得ることができるので、更に大きな電流を回路に引き込むことが可能になるため、突入電流制限回路及びコンバータや、SSR(ソリッド・ステート・リレー)の冷却を、小型化することを可能にしました。
これにより、最大限の過渡耐性を得ることが出来るようになったうえ、ゲートのトリガ電流を低く保つことが可能なり、更にSTのテクノロジーによって、トレードオフにおける厳密な調整をできるようになりました。
また、革新的な表面実装型D3PAKパッケージによって、EV用バッテリ充電器や、産業用電源と、充電器及び、オートバイのボルテージ・レギュレータや、モータ駆動アプリケーションと、および無停電電源(UPS)だけでなく、コンバータのさらなる電力密度の向上に貢献できるようになっています。
SCRサイリスタのうち、EC103xx/SxSx シリーズ - 0.8 Amp センシティブ SCRは、熱とモーター速度制御のような、位相制御のアプリケーション用に、優れている単一方向スイッチとなっています。
高精度であるゲート SCR は、センスコイル及び、近接スイッチとマイクロプロセッサからの、マイクロアンペアの電流でも、簡単に作動することが可能です。
その特徴としては、RoHS に適合していて、ガラスパシベーションされたジャンクションであり、最大 600V までの電圧に対応し、最大 20A までのサージに対応可能です。
また主な用途としては、一般的なアプリケーションはストロボライトと、ガスエンジン点火用の容量放電システムであり、更に、電動工具と、家電製品及び、白物家電用の制御も含まれています。
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