サーボドライバについての概要、用途、原理などをご説明します。また、サーボドライバのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。サーボドライバ関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:オムロン株式会社、2位:住友重機械工業株式会社、3位:サーボランド株式会社となっています。
サーボドライバとは、サーボシステムにおいて、コントローラーで設定した値に従ってサーボモーターを制御するための装置です。
サーボシステムは、高速・精密制御を行うため産業機器に欠かせないモータードライブのシステムのことですが、これを実現するのがサーボドライバといっても過言ではありません。サーボドライバはサーボモーターの負荷トルクに応じた仕事を行うための電力を供給することが主な役割です。
電力変換を行う部分とモーターの状態を検出し、制御演算を行う部分に大きく分けることができます。
サーボドライバは、産業機器から工作機械まで幅広い分野で使用されているサーボシステム内にモーターと対に用いられています。例えば、自動車製造工場の産業用ロボットです。産業用ロボットは、予め決まった動作を正確に繰り返すことが要求され、その目的に沿うための動作を具体化しています。
これを実現するためには、行う動作に必要なモーターの負荷に見合った電力を正確に供給する必要があります。サーボドライバは、モーターの状態を監視しながら、的確な電力を供給し、決められた位置への移動やトルクを実現しています。
他にも半導体製造装置や医療機器など、精密な動作が要求される場面で広範囲に使用されている状況です。
サーボドライバの原理は、モーターの制御を非常に精密に行うために、回転角度やその速度、電流などのモーターの状態を緻密に、センサーで監視しながら電気的にフィードバックするアンプ動作にあります。そのアンプ動作の実現のためのコントローラー部は、一般にPLC (Programmable Logic Controller) などが用いられ、設定値の設定と情報の送信が行われます。
サーボドライバは、目標の設定値制御に向け必要な電力を供給しますが、より正確な制御を行うためにはサーボモーターの動作が設定値を達成したかどうかをモニタし、適切なフィードバックを行う必要があります。そのため、サーボドライバには通常エンコーダと呼ばれるセンサーが内蔵されています。
エンコーダとは、モーターの角速度や回転数を検出するためにスリットが入った円盤とフォトダイオードが組み込まれています。円盤はモーターのロータと連動して回転するため、スリットを通過する光信号を検出すれば回転数や速度をモニタすることが可能です。
フォトダイオードでこれらの光信号を検出し、電流に変換してアンプ部へフィードバックします。アンプ部は一般にPWM方式が用いられ、交流を直流に変換したのち、任意の周波数に変換することでモーターを駆動しています。このブロックは、コンバータ部と平滑回路部、およびインバータ部の構成です。エンコーダ情報は通常、インバータ部へフィードバックされます。
モーター制御という意味では、インバータもサーボも同じなのですが、両者はその特徴が大きく異なり、その使用用途も大きくは2分類に区分されます。
インバータ
インバータは、エアコンやエレベータ、エスカレータなど社会インフラや、産業機器、家電品にいたるまで幅広い分野で用いられています。特徴は、モーターの速度を制御し滑らかに安定化させて動かしたい用途向けであり、特に定期的に連続動作を低消費電力で実施したい場合にその強みが発揮可能です。
サーボ
サーボは速度制御を緻密に調整可能であるため、高い精度が特徴です。機械の動作の位置に関する制御を高速かつ高精度に行いたい場合に、サーボが選定されます。
エンコーダからのセンサー情報をもとにクローズドループ制御が通常用いられるサーボドライバですが、実際にはワークの収縮や軸間毎のズレなどにより、フィードバック制御を用いても所望の動作からのズレが発生する可能性があります。このために、各種の位相補正機能が用意されているサーボドライバが存在します。
また、制御のタイミングによっては立ち上がりや立ち下がりの時間において、必要な回転数や位相角に到達するまでの時間を短縮し、通常動作時には一定の回転数を確保するといった角速度の微調整が重要なアプリケーションも実在します。
参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/products/column/servo/servo_01.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj1983/25/7/25_7_1036/_pdf
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サーボドライバのカタログ一覧はこちら企業
株式会社バンガードシステムズ*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | オムロン株式会社 |
26.9%
|
2 | 住友重機械工業株式会社 |
23.1%
|
3 | サーボランド株式会社 |
15.4%
|
4 | CKD日機電装株式会社 |
15.4%
|
5 | 株式会社ワコー技研 |
11.5%
|
6 | コアレスモータ株式会社 |
7.7%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のサーボドライバページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
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小型で高性能なDCサーボドライバ「μ(ミュー)シリーズ」様々なメーカーのモータに対応!
2023年4月20日
GPX2シリーズは、オートチューニングも可能でピーク電流ごとに様々なラインナップのあるコンパクトな汎用サーボドライバです。
位置制御のためのモーターセンサーは、インクリメンタルエンコーダタイプとレゾルバタイプのどちらにも対応できるため、サーボモータの種類にかかわらず装置構成ができます。
省配線化を目的に機能を必要最小限に絞っているため、小型なサーボドライバですが、位置制御から速度およびトルク制御まで一括で指令することができます。
ABH3シリーズは、2軸制御が必要な場面に適した2軸一体ACサーボドライバで、AGV等の走行部などに最適です。
モーターは各軸それぞれについて速度とトルク制御ができ、サーボドライバ2軸の組み合わせ制御を搭載したことで、マスタ制御スレーブ制御ともに対応することができます。
従来シリーズと比べて65%と小型化したことに加え、1つの制御入力端子に対して同時に複数機能を制御させることで、組み込み製品の小型化を推進することができます。
GPR2-B4シリーズは、単軸用のバッテリー駆動サーボドライバで、自動搬送台車や車載機器に適しています。
位置制御から速度、トルク制御の機能はそのままにバッテリー対応できるため、配線による動力が供給できない場面で活用できます。
省配線化を目的としたスマートなサーボドライバですが、位置制御から速度およびトルク制御まで一括で指令することができます。
過電流や電圧降下の際の保護機能も備えているため、万が一の際は自動で動作を停止します。
SDLN/SDPHシリーズは、半導体の製造や品質検査から、機械数値制御加工など超精密分野向けの高性能なサーボドライバです。
リニア動作は超高精度でナノメートルクラスの制御が可能な一方で、自動切り替え機能によって大出力動作も表現できます。
精密な制御が必要な場面は低出力での機械制御を行いつつ、粗動が必要な場面では大出力動作による高速動作と使い分けができるため、生産ラインの時間効率を最大限に高めることができます。
R88M-1シリーズは、モーション制御を進化させることで装置の性能を向上し、かつ装置立ち上げの効率化を可能とした、複数軸制御に対応できるサーボドライバです。
バッテリーをなくすことで省スペース化したため、装置セットアップのコンパクト化ができる上、メンテナンスも簡単になっています。
モーターの選定とシステムの効率化およびゲイン調整を最適設定とすることで、装置のセットアップにかかる時間を半減することができます。
VPHシリーズは、位置決めユニットなど、なめらかな動作を短い時間で制御する必要がある場面に最適な高性能サーボドライバです。
イナーシャが大きい高負荷条件下においてもチューニングを簡単に行うことが可能で、速度安定性と停止安定性に優れています。
各種リニアステージ、リニアモータおよびダイレクトドライブモータに対応し、出力容量もAC100VからAC400Vまで幅広く対応している上、システム支援ツールが充実していることも特長の1つです。
VCⅡシリーズは、主動作軸とそれに追従するスレーブ軸について多岐にわたる動作を表現できる高機能型サーボドライバで、多種多様な製造装置に適しています。
Dタイプは、超低速条件から、高応答条件まで幅広い条件下でモータの性能を発揮させることができます。
Cタイプは、制御システムに自由曲線制御を採用することで、複雑な動作のセクショナル化を実現した結果、シンプルな制御システムを構築しています。
出力容量はAC100VからAC400Vまで幅広く対応しており、システム支援ツールも充実しています。
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