エンコーダのメーカー33社・177製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
エンコーダ(英語: Encoder)とは、位置の変化を電気信号に変換して出力する装置です。測定する位置の対象は、回転角と直線変位で、回転角を測定するエンコーダはロータリーエンコーダと呼ばれ、直線変位を測定するエンコーダはリニアエンコーダと呼ばれています。
位置の変化を計測する方法として、インクリメンタル方式とアブソリュート方式に分類できます。測定には、光や磁力、電磁誘導などを用います。
エンコーダは、モーターを使用する機械で主に使用されます。
使用される機械としては、精密な動作制御が必要な機会が多く、産業用ロボットや自動車、エレベーター、無人搬送機などになります。特に工場の自動化が進んでいる現在では、工場で多く利用されます。
エンコーダを選定する際には、測定精度や分解能、反応時間、大きさや形状、振動や衝撃に対する耐久性、使用環境に対する保護機能を考慮する必要があります。
エンコーダは検出方法によって、光学式、磁気式、電磁誘導式に分けられます。それぞれの動作原理について説明します。
回転軸に取り付けた等間隔に穴の開いた回転円盤に光を当てて、穴を通過する光の周期を検出することで、変位を測定します。光は機械に対する影響が少ないため、一般的に広く利用されています。
また、光学式のエンコーダは出力の信号によって、インクリメンタル方式とアブソリュート方式の二つに分類できます。それぞれの方式について説明します。
インクリメンタル方式は、回転円盤の穴を光が何回通過したかを測定することで、位置の変位を測定する方法です。
アブソリュート方式は、回転円盤の穴にそれぞれ絶対位置の信号が割り振られており、その信号を検知することで、位置の変位を測定する方法です。
回転軸に取り付けた磁石の磁界が、回転により変動することを利用して、変位の測定を行います。
回転軸に周りに取り付けられたコイルに発生する電磁誘導を検出することで、変位の測定を行います。
エンコーダの分解能とは、ロータリエンコーダを1回転させた場合に出力されるパルス数のことを指します。
分解能の単位は[パルス数/回転数]で表され、分解能を向上させるためには1回転あたりのパルス入力数を多くする必要があります。
高分解能のエンコーダを選ぶことで、より精密な制御が必要なロボットや工作機械などの角度制御能力を大きく向上させることができます。
エンコーダは幅広い用途のなかでも主にモータに使われることで知られていますが、モータにはいくつかの種類があります。
そのなかでもエンコーダを使用するのが、ステッピングモータとサーボモータです。
ステッピングモータ
パルス信号によって回転速度・回転角度を正確に制御できるモータを指します。
パルスの間隔とモータに加えるパルス信号の数が、モータの回転角・速さを決め、正確な位置決めができることから製造現場などで使われています。
ステッピングモータのすべてにエンコーダが使われているわけではなく、エンコーダを使わずフィードバック制御しないオープンループ方式と、エンコーダを使ってフィードバック制御するクローズドループ方式の2種類があります。
オープンループ方式はクローズドループ方式に比べてシステムが簡略化されていますが、パルス速度に追従できなくなる「脱調」が起きないよう常に最大電流を流しているため、効率が悪くなってしまうのが弱点です。
そこで、エンコーダを使ってフィードバック制御することで、脱調が起きず効率よくモータを回転させることができます。
サーボモータ
1回の制御の移動距離・回転角を正確に制御して、連続的な直線運動や回転運動の速さを一定に保つ仕組みを持つモータを指します。
エンコーダ・ブラシレスACモータまたはDCモータ・サーボアンプ(ドライバー)の3点セットで構成されますが、現在はACモータが主流になっています。
サーボモータの構成要素であるブラシレスACモータまたはDCモータと、エンコーダ間の通信方式として、パルス伝送方式とシリアル伝送方式の2種類があります。
パラレル伝送方式(英語:parallel communication)
ロータリエンコーダから出力されるA・B・Zパルスをパラレルに伝送する方式で、並列伝送方式とも呼ばれます。
シリアル伝送方式(英語:serial communication)
位置データをシリアルで伝送する方式で、直列伝送方式とも呼ばれます。
シリアル伝送方式はパルス伝送方式と比較して配線が少なくなるほか位置ずれを起こしにくいため、最近では高分解能エンコーダはシリアル伝送方式を用いることが多いです。
参考文献
https://www.fujielectric.co.jp/company/jihou_archives/pdf/72-04/FEJ-72-04-228-1999.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1986/57/8/57_8_1369/_pdf
https://www.keyence.co.jp/ss/products/recorder/lab/pulse/glossary.jsp
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140423/pr20140423.html
https://www.fujielectric.co.jp/company/jihou_archives/pdf/72-04/FEJ-72-04-228-1999.pdf
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
RP-1710シリーズ・ロータリーエンコーダは、一般工業用の大型据置のロータリーエンコーダです。
ラジアルは80N、スラストは50Nの許容軸荷重に加え、980m/s²の耐衝撃性を備えた堅牢性が特徴です。
最高出力パルスが120,000P/Rと高分解能なうえ、出力パルスの形態も61種類と多彩なことも特徴です。
EUの工業規格である、CEマーキングに適合した、耐ノイズ性が高いことも特徴になります。
AMT21シリーズ・エンコーダは、静電容量式・アブソリュート型のエンコーダで、絶対位置の情報が必要な高精度の自動化の現場での使用に適しています。
自社開発されたOne Touch Zeroセットにより、設置や調整作業にかかる時間を短縮が可能です。
-40~105℃の動作環境に加え、埃や油、汚染の影響を受けにくいことが特徴です。
通常のシングルターン方式だけでなく、複数回転のデータの出力が可能なマルチターン方式にも対応しています。
超薄型ロータリーエンコーダRE29は、光学式ロータリーエンコーダとプッシュスイッチが一体となったエンコーダです。
プッシュスイッチ付きエンコーダでは、厚さが6.6㎜と、業界有数の薄さが特徴です。
樹脂材が使用されているため、質量が7gと軽量なうえ、長寿命で環境にやさしいことも特徴です。
通常の5Vの使用に加え、低電圧の3.3Vでの使用も可能なため、省エネルギー化にも有効です。
ジョイスティックエンコーダCJ25は、ジョイスティックとエンコーダ、プッシュスイッチが一体となった多機能の光学式のエンコーダになります。
エンコーダとプッシュスイッチにおいては100万回転、ジョイスティックは50万回の使用可能であり、長寿命なことが特徴です。
ジョイスティックやプッシュスイッチは、パネル操作に適した大きさなどの設計がされており、優れた操作性があります。
ジョイスティックの方向によって、2つのモデルがあります。
SIQシリーズ・スライド付ロータリーエンコーダスイッチは、ポータブル機器の使用に適した複合操作が可能なエンコーダです。
大きさが11.1×10㎜と業界有数の小型装置なことに加え、エンコーダをセットした状態でスイッチまでの実装高さが4㎜と非常に薄型なことが特徴です。
実装時は、表面実装やリフローはんだ付けに対応しており、実装後にツマミを自由にデザインして取り付けることが可能です。