アブソリュートエンコーダについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アブソリュートエンコーダのメーカー21社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。アブソリュートエンコーダ関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:ミネベアミツミ株式会社、2位:旭化成エレクトロニクス株式会社、3位:株式会社ニコンとなっています。
アブソリュートエンコーダとは、原点からの絶対角度を検知することが可能なエンコーダです。ここでは一般的な光学式のエンコーダについて説明します。
スリットが繰り返しのパターンで設けられているインクリメンタル式エンコーダと異なり、アブソリュート式エンコーダでは角度によって特定の信号が送られるため、直前の角度情報が無くても現在の角度を知ることができます。
電源始動後に即座に角度を検出したい場合や、パルス信号を読み取り損ねても角度検出の信頼性を確保したい場合などに使用されます。
アブソリュート式エンコーダは絶対角度の検出により高い信頼性で回転軸の角度を検出することができるため、ロボティクス分野で急速に使用が拡大されています。とりわけ多関節アームの大量の正確な位置情報が必要な遠隔手術ロボットにおいてはほとんどの関節にアブソリュート式のエンコーダが使用されます。
今後の情報通信速度の高速化や人工知能による制御システムの高度化に伴い遠隔操作ロボットも急速に進化し多自由度化されていくことが予想されるため、アブソリュート式エンコーダのニーズも増加していくと思われます。
インクリメンタル式エンコーダは1~3相のスリットにより生じるパルスの通過数から回転量と回転方向、原点を検出するのに対し、アブソリュート式エンコーダは4相以上のスリットで角度を2進数化して示します。そのため、アブソリュート式エンコーダの分解能は360/(2の相数乗)となり、分解能を大きくするほど必要なスリットの相数は多くなります。
以上の理由から、同じ分解能のインクリメンタル式エンコーダと比較するとアブソリュート式エンコーダはスリットの相数が多いため高価になります。
また、アブソリュート式エンコーダは信号の伝送方式の違いによる利点と欠点もあります。信号の伝送は相数分の2進数バイナリコードをデジタル信号として伝送する方法とアナログ電圧に変換して出力する方法があります。
デジタル信号方式ではノイズに強いという利点がありますが、パラレル出力となるため信号線が多くなるという欠点があります。シリアル出力として伝送した場合にも通信遅れによる角度検知のずれが欠点として残ります。
アナログ電圧方式では信号線が1本で済み時間遅れが無いという利点がありますが伝送時のノイズに弱くなるという欠点があります。
以上のような特性を考慮したうえで目的に合わせた伝送方式の選択が必要となります。
アブソリュートエンコーダは磁気タイプと光学タイプがありますが、光学式が一般的です。光学式で回転ディスクの符号化の技法としてグレイコードがよく用いられる。グレイコードとは数値符号化の一つで、交番二進符号とよばれ、隣り合うビットの変化が1ビットしかないようにしたものです。これが用いられる理由とは、2ビット以上が同時に変化してしまう場合、精度上の問題で完全に同時に全ビットが変化することの保証が困難なためです。1ビットのみ変化することで次のデータといえるグレイコードを利用することで、前述による誤ったデータと認識する可能性がなくなります。
通常の二進数をグレイコードに変換する場合は、ニ進数の値を右に1文字シフトして 元の二進数の値とビットごとの排他的論理和をとればグレイコードになります。たとえば10進数で6をグレイコードにする場合、2進数で表現すると0110です。これを右に1ビットシフトすると0011となります。0110と0011の排他的論理和は、0101です。これが10進数で6のグレイコードとなります。
サーボモータ用にバッテリレスのアブソリュートエンコーダがあります。アブソリュートエンコーダとインクリメンタルエンコーダの一番の違いは、絶対位置と相対位置の検出です。インクリメンタルは、位置情報を保持しないため、電源を切って再度運転を再開する際には、原点復帰作業を行い位置を知る必要があります。その点アブソリュートエンコーダは、絶対値スリットで検出し、バッテリを用いて位置情報を保存するため、電源を一度オフして運転再開時の原点復帰作業がいりません。ただしバッテリを搭載するということは、バッテリ寿命があるためにメンテナンスの必要がでてきてしまいます。
それに対して、バッテリレスのアブソリュートエンコーダが各メーカーで販売されています。バッテリレスを行う原理は各社様々な方法で実現をさせていますが、一例をあげるとモータが回転するときに磁石も一緒に回転し自己発電することで、不揮発性メモリへの電源供給なしで、メモリ保持を行う等です。
参考文献
https://www.akm.com/jp/ja/technology/technical-tutorial/basic-knowledge-encoder/type-mechanism-2/
https://www.fa.omron.co.jp/product/special/knowledge/re/principle_structure.html
https://www.orientalmotor.co.jp/tech/teruyo/vol46/
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株式会社小野測器*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ミネベアミツミ株式会社 | 12.3% |
2 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | 10.8% |
3 | 株式会社ニコン | 9.2% |
4 | マイクロテック・ラボラトリー株式会社 | 9.2% |
5 | RLS | 7.7% |
6 | 多摩川精機株式会社 | 7.7% |
7 | ハイデンハイン株式会社 | 6.2% |
8 | フォーティブICGジャパン株式会社 | 6.2% |
9 | 光洋電子工業株式会社 | 4.6% |
10 | エクストコム株式会社 | 4.6% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のアブソリュートエンコーダページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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