搬送ロボットについての概要、用途、原理などをご説明します。また、搬送ロボットのメーカー35社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。搬送ロボット関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:株式会社安川電機、2位:アスザック株式会社、3位:THK株式会社となっています。
搬送ロボットは産業用ロボットの一つです。組立機械や加工機械の間に設けることで工程間切り替えを自動で行います。センサーで位置を設定してここまで移動させると設定させるものから、画像認識を行って搬送先を自動で判断して搬送する機器など様々存在します。
搬送ロボットには機構に応じて様々な種類が存在します。単純用途に適しているスライダー、EMS用途で有効であるスカラロボット、工場内を自由に動き回ることができる自律ロボットです。
スライダーは前後の2方向(1軸)しか移動できない特徴があります。モーターとしてはサーボモーターやステッピングモーターを用います。機構が簡単な分安価に利用することができます。
スカラロボットは水平移動に特化した多関節式のロボットです。コンベアから搬送されてきたワークをつかんで横のコンベアに移動させたり、容器の中に入れたりといった役割があります。
自律ロボットは工場内の離れた場所にワークを移動させることに特化しています。
一般的なロボットは6軸の構成となっています。産業用ロボットは動作を行い作業するマニピュレータ、マニピュレータを動かして制御するコントローラ、マニピュレータに動作を教えるプログラミングペンダントで構成されています。基本的にはこの3要素でできています。
マニピュレータの6つの軸にはACサーボモーターを使用して制御するのが一般的です。それぞれ体の旋回、体を前後に動かす下腕、腕を上下に動かす上腕、腕を回転させる手首旋回、手首を回転させる手首回転の6つに分かれます。
搬送ロボットがワークを認識して移動させる際、XYZの座標をあらかじめ設定することで動作させることができます。またその他の方法として最近主流になってきているのが、画像認識を用いた座標認識です。上部から撮影を行い、スペースを判断します。そして自動で積載すべき場所を判断して積載します。事前に座標を設定しなくてよいメリットはありますが、コストが多少かかってしまうところが難点です。
搬送ロボットの市場規模は年々増加してきており、2018年度時点では約160億円でしたが2020年度時点で約200億円程度となっています。
現在では、病院における利用や飲食店における配膳、倉庫でのピッキング用途などが主な市場となっています。労働人口の減少傾向もあり、搬送ロボットが活用される分野は今後増えていくことが期待されています。
労働力不足の解消に大きな期待がされている搬送ロボットですが、課題も存在します。
一番の課題は導入コストです。現在搬送ロボットが導入されている業界は、Amazonの巨大倉庫や病院など、大規模であったり高い売り上げが期待できる分野に限られています。搬送ロボットは今のところ高価格となっており、導入へのハードルは高くなっています。
また、動作が安定しないことも課題です。搬送ロボットは経路上に予定していない障害物があったり、イレギュラーが発生すると動作できません。搬送が必達であるようなクリティカルな現場にはなかなか導入することが難しいという状況です。
ただし、近年では自動で障害物を避けたり、AIを導入して自動でイレギュラーに対応したりする搬送ロボットも登場しており、今後の技術革新が期待されます。
搬送ロボットの活用が期待されている分野として、病院における利用があげられます。医療の分野では人手不足が慢性化しており、ロボットによる省力化が求められています。搬送ロボットは、看護師やスタッフに変わり自動で薬を患者のもとに届けたり、患者から検体を回収したりすることができます。
搬送ロボットに設置されたセンサーにより、自動で経路を判断し、最適な搬送経路により巡回を行うことができます。また、エレベータも自動で乗れるなど、実用性も高まっています。患者に対して情報を提示するためにディスプレイも設置されており、コミュニケーションを取ることもできます。
病院における活用は、搬送ロボットの応用として期待されている分野です。
参考文献
https://jss1.jp/column/column_068/
https://www.yano.co.jp/market_reports/C62106500
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2507
https://www.panasonic.com/jp/company/ppe/hospi.html
https://robotstart.info/2019/06/21/moriyama_mikata-no91.html
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
搬送ロボットのカタログ一覧はこちら企業
Innovation Matrix, Inc. 株式会社Piezo Sonic*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社安川電機 | 7.3% |
2 | アスザック株式会社 | 6% |
3 | THK株式会社 | 5.4% |
4 | 株式会社不二越 | 4.5% |
5 | ローツェ株式会社 | 4.5% |
6 | 株式会社デンソーウェーブ | 4.3% |
7 | 日本電産シンポ株式会社 | 4.1% |
8 | オムロン株式会社 | 4.1% |
9 | パナソニック プロダクションエンジニアリング株式会社 | 4.1% |
10 | 株式会社アルバック | 3.9% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の搬送ロボットページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
Metoreeに登録されている搬送ロボットが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
SEMISTAR-VD95Dは有機EL・液晶・太陽電池用ガラス基板の搬送に対応する、4軸の水平多関節ロボットです。
最大で730mm×920mmクラス・第4世代までのガラス基板の搬送に対応しており、アームに剛性の高いリンク機構を採用しているため最大95kgまでのワークを安定して搬送することができます。
ベルト駆動を採用していないため放出ガスを低く抑えることに成功しているため、1μPa(0.000001Pa)までの真空中で稼働させることが可能です。
ウエハ搬送ロボット(真空・耐熱)は真空・高温環境下でも動作可能な半導体ウエハ製造装置用のウエハ搬送ロボットです。
アームはステンレスのスチールベルト駆動でISO 14644に定めるClass 1で350度以上の高温環境下での動作に対応しており、300mmから450mmまでのウエハを搬送することができます。
また溶接ベローズと磁性流体シールによる真空シールで、真空構造は1μPa(0.000001Pa)となっているため安心して動作させることが可能です。
UTM-R3700Fは走行軸無しで広範囲な動作を可能とした6軸垂直多関節型のウェハ用搬送ロボットです。
従来必要であった走行軸とケーブルベアが不要となるため省スペースかつケーブルの断線リスクを低減し、パーティクルの発生リスクを低減させることができます。
ロボットの最小旋回径Φ520と小型ながら、横方向2.7m、高さ方向1.6mと広範囲へのアクセスが可能なため、様々なレイアウトをとることが可能です。
吸着ハンド仕様・アライナなしの条件下で毎時450ウェハ(450WPH)の理論値を誇る高速動作でタクトタイムを短縮し、装置のスループットを向上させることができます。
GTCR5280(300 mmウェーハ搬送)はクリーンルーム内での300mmウェーハ搬送を目的とする5軸水平多関節型の半導体搬送ロボットです。
アームにセラミックス、アルミニウム、CFRP等様々な材質のツインチャックを搭載させることにより、1本のアームで搬送対象に合わせた最適なチャックによる2フープの同時搬送で作業効率をあげることが可能となっています。
またサーボモータがアブソリュートエンコードを搭載しているため、原点復帰にかかる時間を短縮することにより稼働率を上げることができます。
CR-J1020CLは、大型ガラス基板の高速搬送が可能な、液晶ガラス基板用の搬送ロボットです。
搬送サイズは最大2,850mm×3,050mmまでと第10世代・世界最大級のガラス基板が搬送可能で、高さ方向も最大で3,700mmのZ軸ストロークをもつため、スペースを最大限に活かすことができます。
高剛性ツインマストでガラス基板を安全かつ高速に移載することで、タクトタイムの向上が可能です。
これまで数百台の生産・納入実績があるため、安心して導入することができます。