パラレルロボットのメーカー7社・18製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
パラレルリンクロボットとは、主にリンクやジョイントで構成される3本のアームが並列に繋がれ、この機構を介したアーム先端部1点の動きを制御する産業用ロボットです。
パラレルリンクロボットは、主にモーターやベアリング、リンクアームなどによってシンプルに構成されているため、メンテナンス性に優れながらも、複数のモーター出力がアーム先端部の1点に集中する機構により、高出力で高精度な動作を実現していることから、自動化設備のピックアップ作業などで活用されています。
スカラロボット以外の産業用ロボットは、一般的に高性能であるが故に導入コストが高く、複雑なメンテナンス作業や管理、専門的なティーチング作業など、多くのコスト負担を考慮しなければなりません。
一方、パラレルリンクロボットは、スカラロボット以外の産業用ロボットと比較して、簡易的な構造であるが故に用途は限られますが、導入コストが低く、メンテナンスや管理も容易でありながら、高速かつ精密な動作を実現するため、ワークの仕分けや選別、移動を含めたピックアップなど、比較的軽作業の用途で利用されています。
パラレルリンクロボットは、主にモーターやベアリング、リンクアームなどによってシンプルに構成されているため、メンテナンス性に優れながらも、複数のモーター出力がアーム先端部の1点に集中する機構により、高出力で高精度な動作を実現しています。
パラレルロボットの特徴である「パラレルリンク機構」についてもう少し詳しく説明します。
パラレルリンク機構の最大の特徴は、上記したように「複数のモーター出力がアーム先端部の1点に集中する」ことです。通常このような多関節ロボットは、最終出力先(ロボット先端部:例えばワークを持つ部分)を動かすために、各関節を順番に動作させる必要があります。これをシリアルリンクメカニズムと呼びます。一方、パラレルリンク機構は、複数の関節が同じ最終出力先に接続されているため、それぞれを並列に動作させることで最終出力先を動かします。これをパラレルリンクメカニズムと呼び、シリアルリンクメカニズムで動作するロボットよりも高速に動作させることが可能になります。
パラレルリンク機構は、主にモーターとベアリングから成る仕組みです。そのため、構造が簡単で安価に実現することができます。各メーカーから販売されているパラレルリンクロボットも、他の多関節ロボットに比べるととても安く、製造現場の担当者が手を出しやすい製品です。安価で手に入る製品ですが、その特徴(高速動作が可能)を活かせば、例えばピックアンドプレースのような作業を自動化することができ、工場自動化に大きく貢献することが可能です。
スカラロボットとは、水平方向に動作する回転軸を3軸備え、上下方向に動作する1軸を備えた水平多関節型の産業用ロボットです。一見すると、パラレルリンクロボットとスカラロボットは同じような用途で使われるように感じます。実際に、ベルトコンベア上のワークをピックアンドプレースするような作業であればどちらも適用可能です。それではこの二つの製品をどう使い分けるのでしょうか?答えは「水平作業と高速性」です。
スカラロボットは別名水平多関節ロボットと呼ばれる、シリアルリンクメカニズムのロボットです。これは地面に対して水平方向の動きに強みを持つロボットであり、例えば水平方向のネジ締めやワーク吸着を行うことができます。一方、パラレルロボットは、基本的に地面に対して垂直方向の仕事を得意とします。つまり、スカラロボットで行えるようなネジ締め作業などを行うことは難しいのです。しかし、パラレルロボットはスカラロボットよりも高速で仕事を行うことが可能なため、垂直方向の仕事に関してはスカラロボットよりも効率的に行えるのです。
このように、ロボットに行わせる仕事を考えれば、どちらのロボットを使うべきなのかが見えてくるようになります。
参考文献
https://global.yamaha-motor.com/jp/profile/technical/publish/pdf/browse/48ss_08.pdf
https://www.robot-befriend.com/blog/parallellink-robot
https://robotics.kawasaki.com/ja1/xyz/jp/1804-03/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
4軸パラレルリンク MOTOMAN-MPP3Sは、クラス最高の基本性能を備えたピッキングやパッキングに適したパラレルリンクです。
クラス最速の搬送能力を有しているほか、頭一つ抜けた主首の許容慣性モーメントの高さが特徴です。
安川電機独自である中空ボディ構造を用いており、ボールジョイント部のグリーレス化を実現しています。
酸またはアルカリ薬剤で殺菌洗浄をすることができ、クリーンクラスはISOクラス5を誇っていることに加え、運搬可能な最大質量は3㎏、最大リーチは直径800㎜であり、動作範囲は-360℃~360℃となっています。
ロボテック社のパラレルリンクロボットであるPL3-80は、従来は困難とされていた押し付け制御を可能にしたロボットです。
手で直接操作をすることで容易にティーチングを実行することができます。
3台の電動トルクアチュエータを使用してパラレルリンクロボットを構成しており、うち1台は遠隔操作として用いることでバイラテラル制御により協調動作が可能になっています。
また、モータ出力軸のトルクを測定しながら制御することができるため、可動部に働く外力の検出も可能です。
GKMのXT500S1/700S1は、加工が難しい精密な角度の割り出しといった加工能率を飛躍的に向上させたい場合に最適なパラレルリンクマシンです。
一度の段取りで5面を加工することができるため段取りの回数を減らせるほか、取り換え時の寸法誤差の発生を大幅に削減することが可能となっています。
また、各軸には高剛性のローラースクリューと温度補正機能が搭載されており、位置決めや繰り返しの制度を高い水準で実現することができます。
さらに、独自のンパラレルリンク構造を採用していることから広域かつ高精度の加工が可能であり、自動生産設備の生産性向上に寄与すると言えます。
パラレルメカニズムロボットのMPS2シリーズは、高稼働の汎用性が高いパラレルリンクタイプのロボットです。
基本性能として高精度かつ高速稼動を有しており、ラッピング包装品のピッキングやピッキングなどに最適な一台です。
最大で2㎏の重量を持ち運ぶことができることに加え、上面設置のため設置スペースを抑えることが可能です。
アームと旋回軸には独自技術を用いることで軽量化と高剛性を実現しており、可動各部は高い耐久性を有しています。
川崎重工業株式会社のBU015Nは、コンパクトな本体であるものの、中空構造の手首や上部アーム、ベース部にケーブルやホースを内蔵することができます。
最大の可搬質量は15㎏、最大リーチは1550mmで7軸仕様のため塗布部分を大幅に拡大することが可能です。
また、周辺の器具との干渉の心配がなく、オフラインおよび現場でのティーチングの作業効率を大幅に向上させることができます。
このため、シーリングと下地塗装に最適な一台となっています。
パナソニック株式会社のパラレルリンクロボットであるPLR-D500は、繊細な作業に対応するロボットです。
衝突を探知し、ワークの破損を防止する衝突探知機能を搭載しており3~120Nのログ出力を検知することができます。
また、各軸最大127分割することができるパレタイジング機能を搭載しており、傾いたパレットにも対応することが出来ます。
ツールを変える必要のないマルチツール機能のほか、3D認識補正機能によりオフセット動作が可能となっています。
オムロンのHornet565は、食品、薬品、衣料品業界に最適なパラレルロボットであり、イーサネットを介して使い慣れたプログラミング言語を用いることによってロボット制御が可能となっています。
動くことが出来る最大範囲は直径1130㎜、垂直方向には425㎜であるほか、高速コンベア上でのPick&Placeに対応していることが特徴の一つです。
運ぶことの出来る質量を最大8㎏と高く設定していることから、マルチハンド(複数個どり)に対応することが出来ます。
オムロンのQuattro 650H/HSは、高速かつ高精度を実現することが出来る4軸パラレルロボットです。
イーサネットを介して使い慣れたプログラミング言語を用いることによってロボット制御が可能となっています。
また、可搬質量を高く設計していることに加え、アメリカの農務省が掲げる衛生基準をクリアしており、製品の異物混入を防げる製品となっています。
4軸アームでロボットへの負荷を均等に分散させており、高速かつ高精度に搬送や組み立てを実現したい場合に最適な製品です。
オムロンのQuattro800H/HSは高速かつ高精度を実現することが出来る4軸パラレルロボットです。
イーサネットを介して使い慣れたプログラミング言語を用いることによってロボット制御が可能となっており、最大可搬質量は10㎏です。
また、可搬質量を高く設計していることに加え、アメリカの農務省が掲げる衛生基準をクリアしており、製品の異物混入を防ぐことが出来ます。
4軸アームでロボットへの負荷を均等に分散させており、高速かつ高精度に搬送や組み立てを実現したい場合に最適な製品です。