はんだ付けロボットのメーカー17社・35製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
はんだ付けロボットは、ロボットにはんだごてが取り付けてあり、自動ではんだ付けを行います。はんだ付けの自動化はロボットの他にも、実装マウンターやはんだ付け装置など様々な方法があります。はんだ付けロボットのメリットは、従来人でないとできなかったような狭い場所のはんだが可能なことです。
はんだ付けロボットの種類は、スカラロボット、直交ロボットなどがあります。コテを使用するタイプが多いですが、レーザータイプもあります。
はんだ付けロボットは、大量に生産するというよりは、多品種で少量の生産に向いています。ロボットは局所的なはんだや耐熱温度の低い部品へのはんだなど、細かく精密な作業を得意としますが、他のはんだ付け自動化装置より時間がかかります。
例えば、スマートファイバーセンサのアンプの基板ではスライドはんだ工法でロボットを導入したはんだが行われています。ランド幅0.5㎜、ピッチが1㎜という精密な箇所のはんだをロボットが担当し、作業の効率化が図られています。
はんだ付けロボットは、主にロボット、はんだごて、コントローラ、ティーチングペンダントで構成されています。酸化防止のため、はんだごてに窒素ガス発生装置が装備されている機種もあります。ロボットの種類には、卓上ロボット、スカラロボット、直交ロボット等があります。用途に応じたロボットを選択します。また、ティーチングペンダントを利用してロボットの条件を決定します。はんだ付けの工法は従来からよく利用されているコテ工法が多いですが、レーザー工法も普及してきています。
はんだ付けロボットを導入するメリットは、人の手作業が自動化でき、さらに人作業に比べて高速で正確性が高いことにあります。
はんだ付けの良し悪しは、はんだや基板に対するはんだゴテの温度や接触時間、接触面積などの要素に左右されます。これら各要素が適切に管理されていないと、イモ付けはんだ(低温度や接触時間が短いことに起因し、強度が弱くもろい接着になる)やヤニ付けはんだ(熱の伝導不足に起因し、電気的な接続が不十分になる)を引き起こしてしまいます。特に経験不足の作業初心者が多い現場などではこのような事態が発生しやすく、不良品を多く生み出してしまい生産効率が低下してしまいます。
上記のような場合に、はんだ付けロボットを現場に導入してはんだ付け熟練者のような作業をロボットに実行させます。多くのはんだ付けロボットは位置の制御を0.1mm単位で行うことができるため、位置再現性(作業の正確さ)が高いです。さらに、モーター駆動による高速動作が可能であるため、人の手作業よりも高速で作業を進めることができ、疲れることを知りません。つまり、はんだ付けロボットを導入することで、プログラムされたはんだ付け動作を愚直に素早く正確にこなすことが可能になり、人作業よりも効率的な生産システムを構築できるのです。
はんだ付けロボットの多くは、比較的簡単にシステム化が可能です。
通常、ロボットを生産ラインなどに組み込む場合は複雑なプログラミング作業が必須です。例えば垂直多関節ロボットであれば、専用のロボット言語などを用いて「ロボットに行わせたい作業」をプログラム化してインプットする必要があります。しかし、はんだ付けロボットのように、ロボットに行わせたい作業がすでに決まっている場合は、ロボット開発元によってプログラミングが済んでいることが多いのです。そのためユーザーは、はんだ付けをしたい基板上の位置情報や、加熱時間、はんだ送り量などのパラメータを設定するだけですぐに生産ラインに組み込むことができるようになります。
参考文献
https://www.apolloseiko.co.jp/product/detail/8/
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1809/11/news072_3.html
https://www.hakko.com/japan/hikaru/pages/topic1.html
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているはんだ付けロボットのカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
白光株式会社のHU200は、4軸+1(フィーダー)制御のはんだ付けロボットシステムです。
タブレットPCが標準搭載されており、はんだ付け条件やロボットの制御をすべて画面一つで設定することが可能です。
Easy Positioning Systemにより、ジョイスティックで直感的に速度やインチングピッチを切り替えることができ、簡単にティーチングすることができます。
同じ基板を並べてティーチングする際には、作業原点、バレタイジング機能により、移動距離と回数を入力するだけで等間隔に並んだはんだ付けを行うことが可能です。
株式会社津々巳電気のMINIMAX Ⅴ(TX-861)は直交4軸タイプ自動はんだ付けロボットです。
大型のティーチングペンダントを備え、日英中の3ヶ国語に対応しています。
ツインフィーダー工法やフラクサーとの複合化も可能で、タクトタイムを短縮したはんだ付けや塗布が難しいスルーホール内への塗布など自由度の高いはんだ付けが可能になります。
仕様に合わせて軸数や軸サイズを自由にカスタマイズすることができます。
株式会社メイコーのLETHERシリーズは、独自のはんだ付け理論に基づき高クオリティのはんだ付け自動化を実現したはんだ付け専用ロボットです。
はんだ供給をダブルモーター化することで供給タイミングやスピードの安定化が図られています。
ティーチングBOX機能により設定の簡略化や情報のリアルタイム更新が可能になり、未経験者でも簡単に作業を行うことができます。
はんだ付けに特化した軽量、高剛性アームの採用により機敏な動きを実現し、はんだの作業性能が向上します。
株式会社ジャパンユニックスのDFシリーズは、IoTやI4.0を見据えた通信機能や、タクトタイムの短縮が図られた卓上型のはんだ付けロボットです。
専用のモニタリングソフトウェアで、温度やプログラム異常によるエラーを通知、インターネット・イントラネットでリアルタイムに対応することができます。
高精度の新型ヒーターを搭載し、より正確な温度動特性の測定や早い温度回復で作業効率の向上が可能になります。
標準4軸にさらに2軸追加でき、様々な形状の製品へのはんだ付けが容易になります。
アポロ精工株式会社のL-CAT EVO-Ⅱは、Y, Z, θの3軸が全てX軸に搭載されている世界で唯一のガントリー型はんだ付けロボットです。
他製品では固定のシーケンスになっており、はんだ量や速度を設定することしかできないものが多いですが、本機ではシーケンスを自由にプログラムできるため、柔軟なはんだ付けに対応することが可能です。
大気中の酸素を除去するフィルターが標準搭載されており、窒素雰囲気下でのはんだ付けが可能です。