AFMについての概要、用途、原理などをご説明します。また、AFMのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。AFM関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社、2位:パーク・システムズ株式会社、3位:株式会社日本レーザーとなっています。
AFM(Atomic Force Microscope)は、カンチレバーと呼ばれる探針(プローブ)と試料表面の原子間に作用する力を検出し、これを走査することで試料の微細な表面構造を可視化する顕微鏡で、日本語では原子力間顕微鏡と呼ばれます。
表面の微細構造を可視化する顕微鏡には走査型トンネル顕微鏡のほうが歴史がありますが、こちらはカンチレバーと試料間にトンネル電流を発生させることで測定を行うため、導電体試料の測定に限定されていました。 AFMは導電性試料はもちろん、絶縁体や生物試料まで、幅広い対象を測定することができるのが特徴です。
AFMは、ナノスケール(1nm=10-9m)からオングストローム(0.1nm)レベルで、表面の凹凸構造をあきらかにできることから、産業分野では主に検査目的で使用されます。
例えば、半導体基板の表面処理の均一さや粗さを測定や、金や銅などの金属をもちいた電極のメッキの腐食や劣化を検査するのに用いられています。 また、研究用途としては、タンパク質などの生体分子の反応や構造変化を低侵襲で観察するために用いられています。
カンチレバーとSampleの間に働く斥力が一定になるようにフィードバックをかけながらSample表面を操作するモード。AFMでは最も標準的な測定モードです。
呼称は、各メーカー事に異なりますが、カンチレバーを共振周波数付近で振動させます。この状態でカンチレバー先端が試料に接近するすると振幅が変化します。この現象を利用して振幅が一定になるように動作させ、Sample高さ方向の変位を取得するモードです。
AFMはカンチレバーと、試料表面に作用する原子間力によって、カンチレバーの変位を検出することで測定を行います。 最も一般的な変位の検出法は、カンチレバーの変位をフォトダイオードによって検出する方法です。
カンチレバーの裏側の平面に光を照射して反射光をモニターし、原子間力によってカンチレバーが試料表面に引き寄せられると反射光の角度が変わるので、これを検知して再びカンチレバーの角度を修正するようにフィードバックがかかります。このときの制御パターンが表面の凹凸の形状として可視化されます。このような検出法を光テコ法とよびます。
もう一つは、ピエゾ素子を用いてカンチレバーを上下に振動させ、このときの振幅、位相、周波数をモニターする方法です。これらが一定になるようにフィードバックをかけカンチレバーを走査することで測定を行います。
また、カンチレバーのしなりを測定し、かかる力を直接測定する方法もあります。特に細胞などの生体試料の観察に用いられますが、この場合は表面形状の測定というより、膜タンパク質の局在や細胞の力学的な特定を測定するために用いられます。
AFMを活用することで検知可能な力として引力、斥力、端子先端と資料の表面の付着力、結合力が挙げられます。 AFMは触媒分野でも活用されています。活用例を下記に挙げます。
AFMは測定をするにあたって、資料に特別な前処理を必要としないことに加え、大気・液体中などの幅広い環境で測定ができるという特徴があります。この特徴を活かして、表面局所領域での吸着現象や化学反応課程を測定する手段として使用されています。測定例として、やわらかい有機化合物の吸着過程の測定があります。 探針を修飾することで原子間力以外の力を選択的に測定することが可能です。一例として、探針に有機単分子膜で化学修飾することで化学センサとして機能させることができます。
フォースカーブは相互作用力の測定に活用されています。探針を往復運動させて、測定資料と探針の接触と引き離しを繰り返して測定されます。この往復運動によって探針と資料表面の間の力と距離の関数からフォースカーブを測定します。
フォースカーブはカンチレバー不安定性により本来のフォースカーブを追跡できずに、実測のフォースカーブがゆがんでしまうことがあります。この問題を避けるためには、力の配向に対して適切なカンチレバーを選択する必要があります。
空気中でのフォースカーブ測定では接触から引き離しまでにファンデルワールス力の他に表面張力に基づく凝着力とメニスカス力が測定されます。 フォースカーブ測定を固体表面の酸ー塩基の評価に応用された事例もあります。
STMは超高真空中で高い原子分解能を持ちますが、導電性を持たない資料の測定や大気中で起こる資料表面の汚染の影響を強く受けるという点があります。 AFMは資料と探針の間に働く力を検出するので、導電性を持たない資料でも測定ができ大気中でも測定も可能です。
参考文献
http://biophys.w3.kanazawa-u.ac.jp/AFM-text.pdf
https://www.hitachi-hightech.com/jp/science/technical/tech/microscopes/spm/principle/b_2_afm.html
https://www.tytlabs.com/japanese/review/rev312pdf/312_001okumura.pdf
https://www.an.shimadzu.co.jp/surface/spm/sol/faq/faq1.htm
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社 |
17.5%
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2 | パーク・システムズ株式会社 |
14.6%
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3 | 株式会社日本レーザー |
13.6%
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4 | WITec |
12.6%
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5 | 日本カンタム・デザイン株式会社 |
11.7%
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6 | ブルカージャパン株式会社 |
10.7%
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7 | 株式会社生体分子計測研究所 |
9.7%
|
8 | 株式会社アイテス |
9.7%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のAFMページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
MS-NEXは、モジュールシステムを採用しているため、必要に応じて加えることができます。
MS-NEXは、操作方法をアシストするガイド機能を搭載しているため、ビギナーの方でも簡単にサンプルの準備から測定までスムーズな操作が可能となっています。
DNAは高さが小さくて比較的壊れにくいので、高速観察が容易なサンプルであるが、現在は50 fpsの走査速度でプラスミドDNAまで観測できるようになっています。
高速原子間力顕微鏡に使用されています。
CoreAFMは、あらゆる測定が可能であり、簡単で且つ便利な操作を両立させるためにコンパクトに集約しました。
新コントローラとヘッドスキャナを持っているため、高分解能で低ノイズを実現しています。
最新のフレクシャスキャナやXYZサンプルステージ、カメラ、アクティブ防振が一つとなったコンパクトなAFMシステムです。
ステージの交換をするだけで、電気化学測定や環境制御などにも対応しています。
ナノスケールを研究している中で拡張性や高機能など史上最高の性能があります。
ナノ・ナノメ二カル電気とナノ電気化学特性の研究向けのパッケージソリューションです。
ナノスケールを研究している科学者の大気中や液中、電気反応、化学反応の環境と活性ナノスケールシステムの定量化を可能にしました。
Dimension XRはナノスケール研究者に対して、従来製品と比較して操作が簡単でより早い結果を得ることができるようになりました。
Park NX10はサンプルのセッティングから測定から解析までの工程において誰でも容易に操作することができます。
業界では、最高レベルの低ノイズであり、キーテクノロジーとNXプラットフォームの組み合わせです。
接近している表面をモニタリングし、高速Zスキャナのフィードバックと低ノイズの信号処理によって、面倒な手間がかからずにサンプルの表面に自動的に近づきます。
原子間力顕微鏡に主に使用されています。
ナノメートルのスケールでの表面の観察を行うことが可能であり、高分解能で試料の観察場所を特定することができることやカンチレバの位置合わせが可能です。
試料の処理が不要であるため試料を破壊することがなく観察することができ、大気中や液中なども観察することができます。
顕微鏡のレボルバーを回して対物レンズを切り替えると同時に、モードも簡単に切り替えることができます。
研究グレード光学顕微鏡などに主に利用されています。