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【2021年版】走査型プローブ顕微鏡 メーカー2社一覧

走査型プローブ顕微鏡のメーカー2社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。


目次


走査型プローブ顕微鏡とは

走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、針のような鋭いプローブで試料の表面の凹凸を観察することができ、最も分解能が高いクラスの顕微鏡です。
理論分解能は水平方向で0.14㎚、垂直方向は0.5Å程度で原子レベルの観察ができます。
大気中、液体中でも使用できることが強みですが、試料表面を清浄化するため高真空下で用いられることが多くあります。
走査型プローブ顕微鏡といっても種類がさまざまあり、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)などがあります。

走査型プローブ顕微鏡の使用用途

走査型プローブ顕微鏡は非常に微細な数㎚程度の表面を観察できますので、半導体やガラス、液晶などの表面状態の観察や粗さの測定に利用されています。
例えば、シリコン単結晶の原子配列や、有機化合物のフェニル基も観察できます。
また、微生物や細菌、生体膜といった生体試料のDNAの観察や操作が可能です。
走査型プローブ顕微鏡は1980年代に開発された新しい顕微鏡ですが、原子レベルの観察技術の発展はめざましく、摩擦や粘弾性、表面電位を測定できる機種も開発されており、どんどん用途が広がっています。

走査型プローブ顕微鏡の原理

走査型プローブ顕微鏡の中でよく利用される原子間顕微鏡(AFM)と走査型トンネル顕微鏡(STM)について説明します。
細い針のようなプローブの先端が試料表面をスキャンすることにより、非接触で画像や位置情報を取得しています。
プローブが細く、原子レベルのスキャンを行うため凹凸が激しすぎたり、大きすぎる試料の測定には向いていません。

  • 走査型トンネル顕微鏡(STM)
    プローブからトンネル電流を流して試料との距離を測り、針が1㎚程度の一定距離を保って走査することによって表面の凹凸を記録し、画像として観察することができます。
    プローブの先端と試料に電流を流すので、絶縁体の試料は観察できません。
  • 原子間顕微鏡(AFM)
    プローブと試料表面の微細な原子間力の違いを測定し、走査することで表面観察しています。
    有機物や無機物に関係なく、絶縁体や生体試料でも観察できることから、広い用途で利用されています。
    AFMの技術を応用して摩擦力や粘弾性、誘電率、表面電位を測定する多彩な機種が開発されています。

走査型トンネル顕微鏡

走査型トンネル顕微鏡(STM)は、金属プローブの先端から試料に向けて出るトンネル電流の強さが、間にある真空という絶縁体の厚みに敏感に依存することを利用して、物質表面の原子を個別に分解して見る高い分解能(隣りあって存在する2点を見分ける時、この 2点間の最短距離)を持ちます。試料面の局所的な高さを正確に測定することができ、試料面をプローブが走査することで、原子スケールでの凹凸パターンを観測できます。

プローブには、先端のとがったタングステンや白金などを用います。双方の電子雲が重なる程度の至近距離までプローブと試料を近づけ、微小なバイアス電圧(増幅器の小信号増幅を行うために直流で動作点を定めるための電圧)を加えると、トンネル効果によりトンネル電流が流れます。

ニュートン力学によれば、粒子があるポテンシャル障壁を乗り越えるためには、一定以上のエネルギーを持っていなければなりません。しかし、量子力学によれば、それ以下のエネルギーでも有限の確率で障壁をすり抜けることができます。これをトンネル効果と呼びます。

トンネル電流とは、トンネル効果により絶縁体の膜という障壁をすり抜ける電子の流れです。トンネル電流は、距離に対して指数関数的に変化するので、プローブと試料の間の距離が0.1~0.2nm変化すると、トンネル電流は1桁変化します。つまり、トンネル電流を1/10の変動に収まるように制御できれば、プローブ-試料間の距離は0.01nmの精度に保たれます。

STMは、金属のプローブを試料の表面上で水平(X,Y)に移動させ、プローブ-試料間の距離(Z)をフィードバック制御することで、トンネル電流を常に一定にしています。通常、原子1個の大きさよりも小さい精度で距離を制御できるスキャナ(圧電素子)で垂直方向の移動を行い、単原子同士の相互作用を検出します。このため、STMは3次元的に原子分解能を持ちます。圧電素子は、圧力を加えると電圧が発生する圧電効果という現象を利用した受動素子です。

SPMとAFM

SPM(走査型プローブ顕微鏡)とAFM(原子間力顕微鏡;Atomic Force Microscope)は、広義では同義です。AFMは、コンタクトAFMやコンタクトモードとも呼ばれます。

AFMは、プローブと試料に作用する、化学結合していない原子同士に働く弱い凝集力(原子間力)を検出します。

カンチレバー(cantilever;片持ちバネ)の先端に取り付けたプローブと試料表面を、微小な力で接触させます。プローブ-試料間の距離(Z)をフィードバック制御してカンチレバーに働く力(たわみ量)が一定になるようにしながら、水平(X,Y)に走査して、表面形状を画像にします。

プローブが試料表面に近づくと、プローブと試料表面の近距離で引力が働きます。これにより、カンチレバーが試料表面に対して偏向します。しかし、カンチレバーがさらに試料表面に近づいて、プローブと試料表面が接触する程度になると、反発力が有効になり、カンチレバーを試料表面から偏向させます。

コンタクトAFMモードは、多機能型SPMの基本になる測定モードです。カンチレバーの種類や信号の検出法を変えることで、様々な物性測定が可能です。

スキャナを上下に動かし、プローブ-試料間の距離とたわみ量との関係を表す曲線をフォースカーブと呼びます。プローブ-試料間に作用する吸着力や試料の硬さに関する情報を得られます。

参考文献https://www.jeol.co.jp/science/spm.html#:~:text=SPM%20%E3%81%AF%E4%B8%BB%E3%81%AB%E8%A9%A6%E6%96%99,%E3%82%82%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://www.hitachi-hightech.com/jp/science/technical/tech/microscopes/spm/principle/b_2_afm.html
https://imidas.jp/genre/detail/K-128-0064.html
https://www.hitachi-hightech.com/jp/science/technical/tech/microscopes/spm/principle/b_1_stm.html
https://www.parksystems.co.jp/index.php/jp/service/how-afm-works 

走査型プローブ顕微鏡のメーカー情報

*一部商社などの取扱い企業なども含みます。

走査型プローブ顕微鏡のメーカー2社一覧


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