ゼオライトについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ゼオライトのメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ゼオライト関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:日本化学工業株式会社、2位:水澤化学工業株式会社、3位:東ソー株式会社となっています。
博士研究員として大阪府立大学の装置工学グループで全固体電池のための正極複合粒子の製造に関する研究に従事。
長岡技術科学大学では、資源エネルギー循環研究室に所属し、CO2分離を目的としたDDR型ゼオライト膜の開発とそれを用いた下水処理場から発生する消化ガスからのCO2回収に関する研究を実施。
https://researchmap.jp/eiji-hayakawa
論文
https://doi.org/10.3390/membranes11080623
http://www.ijcea.org/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=109&id=1177
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1387181119305529?via%3Dihub
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S138358661833154X?via%3Dihub
早川栄二のプロフィール
ゼオライト(英語: zeolite)は結晶性のアルミノケイ酸塩です。主成分はケイ素、アルミニウム、酸素で多孔性の結晶構造を形成しています。ゼオライトの最小基本単位はSiO4四面体で、これが三次元的に組み合わさった構造をしています。ケイ素の一部はアルミニウムに置換されており、その周辺に電荷を調整するための陽イオンが存在します。
一般的にゼオライトは、その特異な結晶構造を由来とするイオン交換能や吸着能を有しています。この性質は、ガスの吸着や陽イオン交換、触媒などに応用されています。
ゼオライトには分子レベルの細孔が無数に存在しており、その構造により吸着能、イオン交換機能、触媒能といった様々な性質を持っています。
ゼオライトはモレキュラーシーブとも呼ばれており、細孔径により分子をふるい分けすることができます。この性質を利用して、気体や溶媒中の水分や不純物を取り除く目的で使用されています。また土壌改良剤や水処理剤、二酸化炭素や窒素の吸着材、石油化学製品の触媒などに使用されています。
ゼオライト(英語: zeolite)は多孔性の有する結晶性アルミノケイ酸塩です。SiO4四面体とAlO4四面体が組み合わさってできており、アルミニウム置換部位は負に帯電していることから電荷を合わせるために、ナトリウムやカリウムなどの陽イオンが結晶構造中に含まれています。
ゼオライトはSiO4四面体とAlO4四面体が組み合わせにより多岐にわたる結晶構造が存在し、現在では240種以上の構造が見つかっており、それぞれ細孔の大きさや吸着能なども大きく異なります。
ゼオライトには大きく3種類あり、天然ゼオライト、合成ゼオライト、人工ゼオライトに分類されます。天然ゼオライトにはホウ沸石、モルデナイト、クリノプチロライトなどたくさんの種類があります。これらの多くは均一な結晶構造を持たず、石英や炭酸塩などと一緒になって産出します。合成ゼオライトは人工的に合成されたゼオライトです。天然ゼオライトよりも吸着能やイオン交換能が高いことが特長ですが、その分合成に高いコストがかかります。人工ゼオライトは合成ゼオライトの高コストを抑えて合成されたゼオライトです。石炭灰を苛性ソーダと反応させることで、合成することができます。配合や条件を変化することで、高機能を有する人工ゼオライトを合成することができます。
ゼオライトは分離膜用の材料として使用されてきました。ゼオライトを逆浸透膜という無機膜に加工することによって、有機溶媒の脱水、気体中の水蒸気の除去、海水中の塩分の除去など行うことができます。例えば、有機溶媒の脱水に関しては、有機溶媒分子と水分子の分子量に僅かな差があることを利用して水を除去します。エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、アセトンなどの親水性有機溶媒の脱水も行うことができます。
水処理にゼオライトを用いるメリットを3つ紹介します。
1つ目は均一な細孔を有するため、高精度で分子篩作用による分離を行うことができる点です。ゼオライトは分子レベルの細孔を無数に有しており、分子レベルでふるい分けができることから分子篩と呼ばれます。
2つ目は耐熱性、耐薬品性があるので、高温条件下での使用や様々な物質に適用することができる点です。特に化学プラントや塗料工場などで使用される、人体に有害な化学物質にも対応することができます。
3つ目はゼオライト自体の種類が豊富で、それぞれ様々な組成、孔径を有している点です。これにより、処理する対象や用途に合わせて素材選定を行うことができるので、処理工程の自由度が格段に増します。
ゼオライトの組成が変わると、水処理の性質も変化します。例えば、ゼオライトにはケイ素(Si)やアルミニウム(Al)が多く含まれていますが、Si/Al比を低くした場合は親水性が増し、高い水吸着性を示すため、溶媒などの脱水に適しています。逆に、Si/Al比を高くした場合は疎水性が増し、酸などに対する耐薬品性が高いことから、酸性が強い薬品の処理に用いられます。
ゼオライトはその吸着能やイオン交換能から農業や環境保全への利用が注目されています。
ゼオライトを池・沼や土壌に投入することで重金属や富栄養化のもととなる成分を吸着し、水質・土壌の環境を保全することができます。また、脱臭や自動車排ガスの有毒成分の分解など、ゼオライトは大気・水質・土壌のあらゆる環境を正常に保つために非常に優れた材料であります。
加えて、ゼオライトは農業や園芸用途にも使用されています。ゼオライトには規則的な孔があるので、適度な通気性を得ることができます。土とゼオライトを混ぜることで、根にも充分に酸素が供給される土ができ、植物の生育が良くなります。また、様々な物質を吸着することができるので、肥料成分の一部を保持しつつ、適度な量を植物に供給することができます。土壌に含まれる不純物を吸着して、土壌を浄化することもできます。ゼオライトから溶け出したミネラルが植物の栄養として使用される効果もあります。園芸分野での使用例として、鉢植えや花瓶、水耕栽培などがあります。
ゼオライトは石油化学分野においてなくてはならない触媒材料の一つです。ゼオライトは炭化水素類を異性化、分解、芳香族化などに使用されたり、メタノールからガソリンなどの燃料油生成に使用されています。特に代表的なものとして、流動床式接触分解(FCC : Fluid Catalytic Cracking)があげられます。これは、原油の上流から得られる成分をより炭素数の少ない分子に分解する反応で、ガソリンなどのより付加価値の高い成分を製造する手法であり、現在の私たちの生活にはなくてはならないものです。
また、近年では環境負荷の少ないエネルギー源として注目されているバイオガス・天然ガス・石炭ガス化複合発電等からの二酸化炭素を除去するためにゼオライトを用いた分離膜の開発も行われており、エネルギー・環境分野においてもゼオライトは非常に重要な存在であるといえる。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本化学工業株式会社 |
16.5%
|
2 | 水澤化学工業株式会社 |
8.4%
|
3 | 東ソー株式会社 |
8.1%
|
4 | 株式会社ゼオ |
6.8%
|
5 | 株式会社レゾナックユニバーサル |
5.0%
|
6 | 株式会社三井E&Sパワーシステムズ |
5.0%
|
7 | レンゴー株式会社 |
5.0%
|
8 | 株式会社イズカ |
5.0%
|
9 | ジークライト株式会社 |
4.7%
|
10 | 日東粉化工業株式会社 |
4.0%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のゼオライトページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているゼオライトが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
【ゼオライトを極小化したナノサイズゼオライト】ゼオライト本来の吸着、イオン交換、触媒、脱臭、抗菌などの機能を保持したまま、ナノサイズ化することによ...
2023年2月17日
ミズカシーブスは、合成ゼオライトを原料として製造され、主に吸着剤や触媒として利用されているゼオライトです。ゼオライトの持つ強力な脱水能力を活かして、細孔径や親水性などの性質を調節し、さまざまな分野における脱臭や不純物の除去に用いられています。
製品の形状は基本的なビーズタイプをはじめ、樹脂添加剤用途の微粉末タイプなどラインアップが豊富です。触媒用途での応用事例としては、ゼオライト自体の固体酸を触媒として利用するケースと、優れた耐水性・耐摩耗性などを活かして担体として利用するケースが挙げられます。
ナノサイズゼオライト Zeoalは、ゼオライトの粒子をナノサイズ化することによって基本性能を大幅に向上させたゼオライトです。
従来ナノサイズゼオライトの製造には多額のコストがかかる課題がありましたが、東京大学と共同開発したプロセスを用いて、低コストでのナノサイズ化に成功しています。
ナノサイズ化したことで同一重量における粒子数は従来品の100万倍となっており、吸着速度や触媒活性が改善可能です。粒子径が最小50nmと小さいことで、分散性が良好・狭小スペースにも適応可能など、ゼオライトとしての機能に加えてナノ材料ならではの特性を有しています。
水質・土壌浄化剤は、石灰岩などから生成された、吸着機能やイオン交換機能・触媒機能など多様な機能を持つ人工ゼオライトです。
人工ゼオライトの吸着力を活用して、汚染土壌中の農薬や排水中のBODなど、有害物質や悪臭の原因物質を除去できます。また陽イオン交換機能を活かせば、土壌の酸性を中和したり、排水からアンモニウムイオンを選択的に取り除くことも可能です。
ナトリウム型や鉄型・磁性型などさまざまなタイプが用意されており、脱臭には鉄型・放射性セシウムの吸着には磁性型といったように、仕様用途に応じて使い分けられます。
ゼオスター 合成ゼオライトは、ゼオライトおよび交換した陽イオンの種類が異なる多様な製品群を取りそろえたゼオライトです。樹脂添加剤としてポリオレフィンなどの熱安定性を改善したり、ポリウレタン樹脂塗料の発泡防止に用いたりと広く利用されています。
ゼオライトはA型とX型の2種類で、A型ゼオライトを使用したタイプは陽イオン交換機能が優れており、イオン交換樹脂に匹敵するイオン交換容量です。
交換に使用する陽イオンは4種類あり、カリウム型は水やアンモニア向きなど、イオンごとにガスの吸着特性が異なります。