工業用顕微鏡についての概要、用途、原理などをご説明します。また、工業用顕微鏡のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。工業用顕微鏡関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社ニコンソリューションズ、2位:株式会社島津理化、3位:ファイバーラボ株式会社となっています。
1987年~1991年昭和電線電纜勤務 高分子材料研究室にて電線の被覆材の研究に従事
1991年~1997年小池国際特許事務所にてパテントエンジニアとして勤務
1997年~2005年GE横河メディカルシステムにて知財部員として勤務
現在、ライターとして活動。
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鈴木裕子のプロフィール
工業用顕微鏡とは、半導体や電子部品および液晶ディスプレイなどを製造する際のプロセス検査や解析などに使用される顕微鏡です。
データ解析をしやすいように、ほとんどの工業用顕微鏡はデジタルカメラやCCDの映像をパソコンに取り込めるようになっています。
工業用顕微鏡は、半導体や電子部品などの工業製品の製造プロセス検査や解析などに使用されています。工業用顕微鏡としては、光を照射して反射光により表面観察する金属顕微鏡が最も一般的です。
金属顕微鏡は、セラミックの組織や金属および合金、部材の研磨面や電子部品といった不透明な工業用品の表面観察に用いられています。このほか、磁気ヘッドや液晶、フィルムなどの製品製造時の開発や分析、検査などにも使用されています。
また、基板におけるはんだ接合面の観察や、溶接部の溶け込みの深さなど、細かな観察も可能です。さらに、金属加工における鋳造や熱処理および冶金などを行なった後の評価分析にも使用されています。
工業用顕微鏡として最も一般的な金属顕微鏡には、試料の上方から観察する正立顕微鏡と下方から観察する倒立顕微鏡があります。正立顕微鏡は、よくある一般的な顕微鏡のタイプです。対物レンズの下に試料があり対物レンズの上から観察します。倒立顕微鏡では対物レンズの先端が上側になっており、試料を下から観察します。
正立顕微鏡と倒立顕微鏡のいずれにおいても、光源は対物レンズの内側に設けられています。この光源から試料表面に光を照射し、試料表面からの反射光により試料表面形状を観察する仕組みです。なお、対物レンズと接眼レンズの間にプリズムやレンズを挟んでおり、対物レンズ側から試料に照射され反射してきた光は拡大して観察されます。倍率は50倍~1,000倍程度です。
工業用顕微鏡として使用される金属顕微鏡には複合的な機能を持つ機種が多くあり、反射照明による明視野法や暗視野法、微分干渉法が可能な機種が豊富です。反射照明の暗視野法においては、細かい傷やクラックや細孔などが輝いて見え、試料表面の観察に適しています。反射照射の微分干渉法においては、明視野法では困難な細かい凹凸の検出が可能で、検査工程において多く使用されています。
工業用顕微鏡には、前述したように正立顕微鏡と倒立顕微鏡があります。
一般に正立顕微鏡では、照明方法によって透過・反射どちらも選択できるものが多く、光学系の設計も容易なことがメリットです。
倒立顕微鏡は観察する面を下向きに置くため、光軸に対する観察面の水平出しが容易にでき金属分野などで多く利用されています。
工業用顕微鏡としては、効率よく観察するべく金属顕微鏡としての機能だけでなく、他の機能も有するものがあります。例えば、通常の光学顕微鏡や偏光顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡などの機能も有しており、複数の観察方法を持つ機種もあります。
また、工業用顕微鏡は工業用品の製造プロセス検査や解析などに使用されることから、CCDやデジタルカメラの映像をPCに取り込めるようになっているのが一般的です。これにより、データ解析が容易に行えるため、検査や解析の効率がよくなります。
さらには、顕微鏡機能だけでなくカメラ、三次元測定などいくつかの機能を複合的に持つ工業用顕微鏡もあります。
工業用顕微鏡は、広い意味では製造業などの工業界で使われる顕微鏡の総称です。そのため、光学顕微鏡だけでなく、電子顕微鏡やデジタルマイクロスコープなども工業用顕微鏡に該当します。しかし、工業用顕微鏡としては、光学式の金属顕微鏡のみを指すのが一般的です。
金属顕微鏡は測定対象の表面に光を当てる反射照明を用いることが多く、主な使用目的は表面観察です。一方の測定顕微鏡は反射照明手段以外に透過照明手段も持っています。また、測定対象を載せるステージにはデジタルスケールやカウンタを標準で搭載しており、測定するための機構や機能を有しています。
すなわち、工業用顕微鏡は観察が主な用途であり,測定顕微鏡のようなステージの移動量や拡大された観察像に倍率保証はあまり必要とされません。
参考文献
https://www.nsl.nikon.com/jpn/industrial-products/microscope/industrial-microscope
https://www.wraymer.com/metallurgical/index.html
http://www.microscope.jp/knowledge/03.html
https://www.olympus-ims.com/ja/microscope/
https://www.keyence.co.jp/ss/products/microscope/beginner/microscope/metal.jsp
http://www.microscope.jp/knowledge/03-2.html
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LV150Nは、反射照明専用の三眼鏡筒工業用顕微鏡です。半導体デバイス、電子部品、素材・材料、精密金型など様々な産業分野での用途に合わせて観察方法や観察目的に応じてオプションが多数ラインナップされています。
従来の照明装置に加えてLED照明装置が採用され、省電力・長寿命を実現しています。 また、光学系にCFI60が採用され、長作動距離/色収差の向上/軽量化は世界トップレベルの性能を誇ります。
対物レンズなどの観察条件など様々な情報が画像ソフトウェア上で検出可能で、デジタルカメラとの連携を意識した設計となっています。
LV150NAは、電動レボルバーが搭載れされた反射照明専用の工業用顕微鏡です。高NAと長作動距離を両立させたCFI60光学系が採用されており、長作動距離、色収差の向上、軽量化が実現されています。
デジタルカメラとの連携が充実しており、画像ソフトウェアサイドから対物レンズ情報の検出、対物レンズの切替が可能です。
対物レンズの選定により明視野/暗視野/微分干渉/蛍光/偏光/二光束干渉観察の多彩な観察方法で観察することができます。
XSM100は、CMOSカメラ/CCDカメラ観察単眼鏡筒顕微鏡で、 PCやモニターなどと接続して対象物を観察することがでます。半導体分野、医療分野、バイオ分野などの製造プロセス検査や解析に幅広く応用可能で、安価でコストパフォーマンスが良い機種です。
対物レンズは1倍のものはが標準で付属していますが、0.25倍~2倍の対物レンズがオプションで揃っているので、モニター倍率を考慮して最適な総合倍率となる対物レンズを選定することができます。
XSK600は明暗視野、無限遠補正光学系、55-75mmの広い眼幅調整範囲などが特徴的な顕微鏡で、半導体分野や電子産業向けの工業用顕微鏡です。また、落射照明、ワーキングディスタンスが長いなどが特長となっており、良好なコントラストで鮮明に対象物を観察することができます。
3眼鏡筒なので、肉眼での観察に加えてデジタルカメラを顕微鏡に接続することが可能で、モニターなどに像を映して観察することができます。