X線CT装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、X線CT装置のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。X線CT装置関連企業の2022年4月注目ランキングは1位:カールツァイス株式会社、2位:株式会社精工技研、3位:コメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社 エクスロン事業部となっています。
X線CTは、X線を照射して物体内部の材質や構造を調べる技術です。
X線CTでは、物体に対して360度全方向からX線を照射して物体を透過・物体が吸収したX線量を調べ、得られたデータをコンピュータで再構成することで物体の断面画像を得ることができます。最近では得られた断面画像を三次元構造へ変換することも行われています。
物体の内部構造を調べる技術としてはX線CTの他にNMRがありますが、NMRはX線ではなく磁場と電波を利用して検査を行う技術であり、X線CTとは全く異なるものです。
X線CT装置は、主に医療用途と産業用途に分類されます。
医療用X線CTは、人体の内部情報を得て病状を判断するために使用されます。医療用X線CTには単純CTと造影剤を用いる造影CTとがあり、目的に応じてどちらかを選択します。
また産業用途では、主に物質の非破壊検査に利用されています。例としては、半導体パッケージなどの形状評価及び欠陥調査、錠剤の内部構造評価、炭素繊維強化プラスチックの形状や繊維配向評価などが挙げられます。
X線CTには医療用と産業用があります。物体に360度全方向からX線を照射して透過・吸収X線量を調べるという点ではどちらも同じですが、医療用と産業用では撮影方法が異なります。
撮影で得られたデータは、フィルタ補正逆投影法や逐次近似画像再構成法といった画像再構成法を用いて断面画像へと変換されます。
X線CT装置は医療で活用されています。
装置から得られたデータから脳出血・脳梗塞・がんなど多様な疾患の治療や診断のための検査装置として活用されています。
マルチスライスCTという装置は短時間で撮影が可能なので、患者が息を止める時間が短いです。それに加えて、3D画像の構成ができます。
医療用途として使用する際の注意事項として、
・妊娠中の方やその可能性がある方に対しての検査は原則として行われません。
・ヨード造影剤を使う場合は、検査前に食事ができません。
・ペースメーカを使用している方は検査が実施できるかどうかの確認を取る必要があります。
樹脂は一般的に炭素・水素・酸素などの径元素で構成されているため、X線の吸収率が低いです。樹脂のみをCT装置で解析すると、コントラストが明確にみられないことが多いです。
樹脂の内部にガラスが含まれている場合はケイ素の影響で、軽元素との差が明確に見えます。より明瞭に見えるためには、解像度を上げる必要があります。
X線CT装置は樹脂で作られた自動車部品の検査にも用いられています。
検査できる主な内容として、気泡・ひび割れを含む欠陥・接合状態があります。
検査をする際のポイントとして、低エネルギーのX線を使用があります。複数の軟X線を出力できる装置は、樹脂部品の検査に適しています。
X線CT装置はの3次元画像処理の方法は複数あります。
1.多断面再構成法(MPR)
三次元のデータから横断面に加え、冠状断面・矢状断面などの画像を構築できます。この方法は現在のCT三次元処理で最も使用されています。
2.最大値投影法(MIP)
三次元のデータに対して、任意の視点を設定します。その視点と投影面を結ぶ経路にある最大値を2次元面に投影します。
特徴として、画像ノイズの影響が小さいことや低コントラストの画像であってもコントラストよく出力ができます。しかしながら、最大値以外は画像に反映されないので、前後の位置を正しく把握したい場合は何種類かの角度が異なる観察が必要です。
3.ボリュームレンダリング法(VR)
目的とする領域のCT値の上限/下限を設定し、設定した範囲に不透明というパラメータを追加して陰影処理を行って画像を構成します。"
参考文献
https://www.matsusada.co.jp/column/xxct1.html
https://www.nims.go.jp/personal/XrayCT/about/index.html#:~:text=CT%E3%81%A8%E3%81%AFComputed%20Tomography,%E5%BE%97%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://www.mst.or.jp/method/tabid/1341/Default.aspx
https://jp.medical.canon/general/CT_construction
https://jp.medical.canon/general/CT_Comparison
https://www.innervision.co.jp/ressources/pdf/innervision2013/iv201311_028.pdf
http://www.kasadera.or.jp/bumon/radiology/xray_ct.html
https://tokyoh.johas.go.jp/medical/b_chuohousyasen/b_chuohousyasen_01.html
http://www.ysh.pref.yamagata.jp/section/radiation03.html
http://www.nvs.co.jp/files/1513/6963/8014/rd200801.pdf
https://www.an.shimadzu.co.jp/ndi/first_x/first03.htm
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mit/27/4/27_258/_pdf
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X線CT装置のカタログ一覧はこちら企業
カールツァイス株式会社 日本ベーカーヒューズ株式会社&ベーカーヒューズ・エナジージャパン株式会社 ヤマト科学株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年4月の注目ランキングベスト4
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | カールツァイス株式会社 | 47.4% |
2 | 株式会社精工技研 | 26.3% |
3 | コメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社 エクスロン事業部 | 15.8% |
4 | 株式会社菱光社 | 10.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年4月のX線CT装置ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているX線CT装置が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
ZEISS VoluMax 9 flashは、カールツァイス株式会社が製造するX線CT装置です。
試料のローディングから断面画像の解析までを全自動で行うことが可能であり、検出器の大型化やスキャニングと画像処理の高速化などにより、1回の解析を60秒で完了させることができ、多量の工業用部品の解析に適しています。
ZADDという自動欠陥検出ソフトウェアにより、CADモデルに基づき、スキャンした部品内の欠陥品を自動的で検出し、その位置を特定し、欠陥の分類・評価を行い、他の部品と選別することが可能です。
PiWebデータ管理ソフトウェアにより、統計解析に基づき頻発する欠陥を検出し、部品の製造工程にフィードバックすることなども可能です。
YXLON FF35 CTは、エクスロン・インターナショナル株式会社が製造するX線CT装置であり、小・中型の工業用部品の断層検査に適します。
ナノフォーカストランスミッションX線管と高出力マイクロフォーカスX線管の2個のX線管を搭載し、これらを個別に制御することが可能です。
ヘリカルCTスキャンと画像再構成を行う機能であるHeliExtendにより、縦長の試料についても上から下まで精度の高い断面画像を取得することが可能です。
スキャンの回転中心を選択できるようにする機能である仮想回転軸(FlexCenter)機能により、解析の効率化・高速化が図られています。
inspeXio SMX-225CT FPD HR Plusは、株式会社島津製作所が製造するX線CT装置です。
マイクロフォーカスX線発生装置と大型高解像度フラットパネル検出器が搭載されており、超高速演算処理システムHPCinspeXioが採用され、最大1400万画素相当の入力解像度で、対象物の広範囲にわたり高コントラストの断面画像を取得することが可能です。
撮影対象の材質・断面画像解像度・コントラストを選ぶと最適な撮影条件が設定される「おまかせCT」機能も搭載されています。
傾斜CT専用ナノフォーカスX線検査装置 TUX-3210Nは、株式会社マーストーケンソリューションが製造するX線CT装置であり、傾斜CTにより、プリント基板、ウエハ、システムLSI等の板状のものの断面画像を取得することに適しています。
分解能を0.4μm・0.6μm・1μm・2μm・3μmの5段階に切り替えることができ、最大1000倍の幾何学倍率と最大4700倍のモニター倍率を搭載しています。
ステージサイズは440mm × 440mmであり、傾斜CT撮影の際の検出器の最大傾斜は60°です。
スケール表示機能、オートアライメント、オートフォーカス機能、2点間距離測定機能、ボイド率計算機能などを搭載しています。
工業用高速X線検査装置 CTH200FPDは、日本装置開発株式会社が製造するX線CT装置です。
スキャンと断面画像再構成の高速化が図られており、200kVの高電圧管が採用されています。
起動・スタートアップに係る時間の短縮も図られており、スイッチを入れてから2分以内にスタートアップします。
2方向に開閉する自動扉が備えられており、ボタン一押しで画像を取得することができ、オプションで良否自動判別プログラム、作業自動化ロボット、防塵・高温耐性等を付与することも可能です。