CMOSセンサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、CMOSセンサーのメーカー15社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。CMOSセンサー関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社、2位:浜松ホトニクス株式会社、3位:シャープ株式会社となっています。
CMOSセンサーは、デジタルカメラなどの撮影機器に用いられるイメージセンサーです。センサー面上には多数の受光素子が配置されていて、個々の受光素子で受けた光は電荷に変換されますが、その電荷はCMOSで構成した増幅回路を経て光の強さに応じた電圧もしくは電流として取り出されます。
かつてはCCDセンサーがイメージセンサーの主流として採用されてきました。CCDセンサーは電荷をCCDで転送して、フローティング・ディヒュージョン・アンプ(FDA)を介して電圧に変換する構造が特徴です。
CCDセンサーは感度、S/N比、暗電流の少なさの面でCMOSセンサーより有利ですが、電源構成が複雑になること、スミアの発生が避けられないこと、製造プロセスが特殊で一般的なCMOS LSIの生産設備が使えないことなどの面で不利です。最近では、CMOSセンサーにおける暗電流の影響を軽減する手法やS/N比の改善方法が進化した為、CMOSセンサーがイメージセンサーの主力となりました。
以前は安価に製造できることから、スマートフォンやタブレットに搭載されるカメラにはCMOSセンサーが採用されてきました。一方、高画質が要求される一眼レフカメラやビデオカメラではノイズが少ないCCDセンサーが主に使われていました。
しかしながら、CCDセンサーのノイズ除去の手段が進化すると、CCDセンサーで問題となっていたスミアやブルーミングが発生しないことから、徐々にCCDセンサーからCMOSセンサーへの置き換わりが進み、今ではあらゆる撮影装置の撮像素子としてCMOSセンサーが採用されています。
イメージセンサーは表面に多数配置された受光素子が光を受けたときに発生する電荷を、蓄積・転送し、電圧もしくは電r流に変換して出力することが基本な機能です。この点においてCCDセンサーもCMOSセンサーも共通しています。
両者の大きな相違点は電荷転送の仕組みにあります。CCDセンサーは受光素子としてのフォトダイオードが格子状に形成されていますが、このフォトダイオードのN型領域に電荷を一時的に蓄積しておくことができます。
このフォトダイオードに隣接して垂直CCDが設置され、各フォトダイオードが一定時間に蓄積した電荷は全て同時に垂直CCDに移動されます。その電荷は順次転送され、水平CCDに届けられます。
水平CCDは垂直CCDから転送されてくる電荷を順次FDAまで転送します。FDAは電荷量に応じた電圧を出力しますので、フォトダイオードに照射された光の強さに応じた電圧出力が得られます。以上の様にCCDセンサーでは、すべてのフォトダイオードの電荷量が順次出力されます。
一方、CMOSセンサーでは各受光素子であるフォトダイオードと、その出力を増幅するアンプ、アンプ出力を信号線に接続するスイッチ素子を備えており、受光・変換・増幅・出力がフォトダイオード毎に実行されます。
この構成から、CMOSセンサーでは水平走査信号と垂直走査信号を組み合わせて個々のフォトダイオード指定し、その電荷量に応じた電圧、もしくは電流の取り出しが可能です。従って、任意のフォトダイオードを選択して信号を読み出すことができます。
このような構造上の違いにより、CMOSセンサーは必要な領域の信号に限定すること等により高速読み出しが可能になる事やCCDの転送ノイズが発生しないメリットがあります。さらに、CCDセンサーではCCDに流れ込むノイズ成分によるスミアが避けられませんが、CMOSセンサーにはそれが起こりません。
CMOSセンサーは受光素子であるフォトダイオードにアンプやスイッチ素子を組み合わせ、更にそれらを多数集積したものです。フォトダイオードの製造プロセスはトランジスタとは異なる特殊なものですが、その他の構成要素はCMOS LSIと全く同じなので、CMOSの製造設備が流用できる点がCCDより有利です。
フォトダイオードの配置についても新たな動きが出ています。アンプやスイッチ素子などの回路が形成される表面に対し、フォトダイオードを裏面に配置する裏面照射型と云われる構造です。フォトダイオードと回路とは内部配線を介して接続されます。製造プロセスが複雑になりますが、フォトダイオードを隙間なく配置できるので、特に集光効率が改善されます。
また、CMOSセンサー内の回路は片電源で動作しますので、基本的に3.3V程度の一つの電源を用意するだけで済みますが、CCDセンサーは転送路であるCCD に複数の電圧を供給する必要があり、その分電源構成が複雑になります。消費電力の面でもCMOSセンサーの方が有利です。
CCDセンサーが全盛の頃Sonyは独占的なシェアを誇っていましたが、CMOSセンサーが主役となり、その最大の用途がスマートホンに移行した現在、徐々にSonyのシェアは低下する傾向が見られます。2021年におけるイメージセンサーの市場シェアは、金額ベースで首位のSonyが45%、2位のSamsungが26%、3位のOmniVisionが11%との調査結果が発表されています。
CMOSイメージセンサーには大きいサイズから小さいサイズのものまで様々な大きさのセンサーが発売されています。
CanonのCMOSイメージセンサーを例に取ると、次の6種類の異なるサイズのイメージセンサーがあります。
一般的に同じ画素数であれば、センサーサイズが大きいほど画質が良くなります。また、開口部が広いほど感度が向上します。
参考文献
https://www.baslerweb.com/jp/vision-campus/camera-technology/why-cmos-sensors/
https://www.tel.co.jp/museum/exhibition/principle/cmos.html
https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/003/05.html
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00134/121700187/
https://av.jpn.support.panasonic.com/support/dsc/knowhow/knowhow28.html
https://global.canon/ja/technology/interview/cmos/
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
CMOSセンサーのカタログ一覧はこちら企業
WHEC株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 23.8% |
2 | 浜松ホトニクス株式会社 | 12.7% |
3 | シャープ株式会社 | 11.9% |
4 | 株式会社ブルックマンテクノロジ | 8.7% |
5 | WHEC株式会社 | 7.4% |
6 | STマイクロエレクトロニクス株式会社 | 7.1% |
7 | 株式会社キーエンス | 6.1% |
8 | オン・セミコンダクター | 4.5% |
9 | ams AG | 3.2% |
10 | ZeeAnn | 3.2% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のCMOSセンサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているCMOSセンサーが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
IMX342LLAは約3100万画素、APS-Cサイズの高精細CMOSセンサーです。
グローバルシャッター方式を採用。高速で動作する物体を撮影しても画像歪みが発生しない、フラッシュバンドが発生しない
という特徴を備えています。
画素のサブサンプリング読み出しモードにより60fps以上のフレームレートでの読み出しも可能であり、
同社のCMOSセンサーラインナップの中でも上位クラスに位置づけされるセンサーです。
ファクトリーオートメーションにおいて高速に製造品検査を実施する用途に適しています。
RJ52S1DA0LTは撮像画素数506万画素のRGBカラーCMOSセンサーです。
動画撮影において1080p解像度で120fpsという高速なフレームレートでの動画撮影が可能です。
グローバルシャッター方式のため動く物体を撮影しても画像に歪みが発生しない利点があります。
モジュールのパッケージサイズは同社のCMOSラインナップの中でも最小クラスであり、
搭載機器の小型化・薄型化につながります。
デジタルカメラやビデオカメラなどの撮影装置に適したセンサーです。
ZA20S10はフルHD解像度(1920×1080)のCMOSセンサーです。
センサーの中にイメージシグナルプロセッサを組み込んだSystem On Chipとなっておりコスト面で優位性があります。
自動露光補正、自動ホワイトバランス、自動黒レベル補正、自動ホワイトバランス補正、など
充実した自動補正の機能を搭載しています。
監視カメラや車載カメラなど周辺の状況を観測する機器への利用に適しています。
テレダイン社のCMOS標準イメージセンサは、40年以上にわたって市場に供給し続けている信頼性が高い製品になります。
科学や医療、産業など、高精度の測定が要求される分野から、素早い測定が要求される分野まで、幅広い分野での使用に適しています。
超高速のセンシング技術とノイズが非常に少ない設計のため、どのような用途に対しても高いパフォーマンスを発揮します。
CMOSイメージセンサを搭載する製品に関する、市場状況や使用用途に応じて適切なカスタマイズを行ってくれます。
宇宙及び地上天文学用CMOSイメージセンサは、天文学や宇宙の測定に対して非常に高精度、高感度に想定することができる製品になります。
ESAやEUMETSAT、ASAAなどの先端の宇宙研究を行っている機関に対して納品を行っており、非常に信頼性が高いことが特徴です。
多様なパッケージオプションから設計仕様を選択することができるうえ、製造から納品、設置までサポートを行っています。
放射線に対する強い耐性や、低消費電力によって、宇宙環境でも使用可能な製品となっています。
PC7090Kは解像度640×480、フレームレート60fpsのCMOSセンサーです。
10bitのYUV422フォーマットで撮影データを生成します。
チップ上にはイメージシグナルプロセッサも搭載されており、ガンマ補正、エッジ強調、色補正、コントラスト改善、露光補正
などの各種画像処理を施すことが可能です。
I2C通信ラインにより制御することが可能であり、大きな画像データが不要な組み込み機器のイメージセンサーとしての用途に適しています。