強誘電体メモリ

強誘電体メモリとは

強誘電体メモリ (FeRAM: Ferroelectric RAM) とは、読み書き可能な半導体メモリ (RAM: Random Access Memory) の1種で、強誘電体キャパシタに電圧を加えて分極させ、残留分極の方向でデータを記憶するメモリです。

電源を切ると記憶内容が失われるメモリを揮発性メモリ、失われないメモリを不揮発性メモリといいます。RAMの主流であるSRAM (Statistic RAM) とDRAM (Dynamic RAM) は揮発性メモリですが、強誘電体メモリは不揮発性メモリです。

強誘電体メモリの使用用途

強誘電体メモリは、高速動作、低消費電力、高書き換え回数の不揮発性メモリであるということから、リアルタイムで頻繁にデータの書き換え動作が発生する用途に非常に適しています。そのため、メモリチップ単体として、ICカード、RFタグ、電気・ガスのスマートメーター、ドライブレコーダー、医療モニター、POS、複合機のカウンタ、産業用ロボットなど、幅広い分野で使用されています。

また、強誘電体メモリをマイコンに搭載することで、フラッシュメモリやEEPROMを搭載した従来製品よりも高速動作、低消費電力が実現できることから、汎用マイコンへの応用も期待されています。 

強誘電体メモリの原理

強誘電体メモリには、電源を切ってもデータが保持されるという長所の他、消費電力が低く、書き込み速度が速く、データの書き換え保証回数が多いという特長があります。 

1. データの書き込み

データの書き込み時は、ワード線をHighにしてトランジスタをON状態にし、ビット線とプレート線を駆動することで強誘電体キャパシタを分極させます。ビット線電位を電源電圧 (Vcc) 、プレート線電位を0Vとするとデータ「1」が、ビット線電位を0V、プレート線電位をVccとするとデータ「0」が書き込まれたことになります。

2. データの読み込み

データの読み込み時は、ビット線を0Vにした後、Vccにトランジスタのしきい電圧を加えた電圧をワード線に印加してトランジスタをON状態にし、プレート線電位を0VからVccまで上げます。キャパシタにデータ「1」が記憶されている場合、分極反転により大きな電荷移動が起こり、ビット線電位が大きく上昇します。

データ「0」が記憶されている場合は分極反転が起こらず、ビット線電位の変化も小さくなります。この電位差を、ビット線に接続されたセンスアンプが感知して、データを読み出します。

強誘電体メモリには、1T1C型の他に、2T2C型と呼ばれる種類もあります。2T2C型は、1T1C型のメモリセル2個を基本のメモリセルとする構成です。ペアになっている強誘電体キャパシタを互いに異なる方向に分極させ、読み出し時の電位差を大きくすることで、メモリの読み出し精度を上げています。

なお、強誘電体メモリでは、データ「1」を読み出した後はデータが破壊され、キャパシタ内のデータが「0」になります。したがって、データ読み出し後は、プレート線の電位をVccから0Vにして、データの再書き込みを行う必要があります

強誘電体メモリの構造

強誘電体メモリは、一般的に1つのトランジスタと1つのキャパシタの組み合わせを基本のメモリセルとします。このタイプの強誘電体メモリは1T1C型と呼ばれ、DRAMと似た構成をしています。

DRAMとの違いは、強誘電体メモリではPZT (チタン酸ジルコン酸鉛) やSBT (タンタル酸ビスマスストロンチウム) などの強誘電体キャパシタを使用していることと、DRAM構造におけるワード線とビット線に加えてプレート線が必要になることです。

強誘電体メモリのその他情報

1. プレート線の役割

強誘電体メモリは、トランジスタをONにしただけではビット線にデータを出力することはできません。データの保存は強誘電体膜中に保存されており、キャパシタに電圧が印加されなければ情報を読み出せないためです。

強誘電体の分極を外部に読み出す必要があるので、強誘電体メモリはプレート線と特定セルのプレート線を駆動させるためのデコーダー回路を持ちます。

2. キャパシタ型以外の強誘電体メモリ

キャパシタ型の強誘電体メモリ以外に、FETのゲート絶縁膜に強誘電体を使用するFET型の強誘電体メモリがあります。トランジスタのサイズに合わせてセル面積を小さくする設計が可能です。

FET型の強誘電体メモリは電源オフ後に電極がグランドレベルになった際に、短期間でデータが消失するデメリットがあります。記憶保持時間は最長で30日程度です。

3. 残留分極

誘電体に電界をかけた際に誘電体を構成する原子または分子内部で電荷の偏りが生じます。電界を0にすると通常の誘導体では電荷の偏りは無くなり、元の状態に戻ります。

一方で、強誘電体では電界が0の状態であっても分極状態は戻りません。このように、電界が0の状態で存在する電荷の偏りのことを残留分極と呼びます。上述した通り、強誘電体メモリは残留分極の方向でデータ記憶を行っています。

参考文献
https://www.fujitsu.com/jp/group/fsm/products/fram/overview/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oubutsu1932/70/1/70_1_74/_pdf
https://www.ieice-hbkb.org/files/10/10gun_04hen_03.pdf
https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/migration/corp/techReviewAssets/tech/review/2001/01/56_01pdf/b06.pdf

減圧弁

減圧弁とは

減圧弁

減圧弁とはその名の通り、ある流体を減圧するための調整バルブ(弁)のことです。1次側から流れてくる流体を減圧し2次側に一定圧に維持することができます。

これは流体の脈動を低下させたり、ウォーターハンマーなどの軽減にも役立ちます。もちろん、使用目的に対し高すぎる供給圧力を、適正圧力に減圧することも使用目的です。

流体が減圧弁内の弁体や弁座を通過すると、絞られるため抵抗となり圧力損失が生まれます。この圧力損失を利用し減圧し、設定圧力としています。

減圧弁の使用用途

減圧弁は生活の中で使用されていますが、あまり目につくところにはありません。使用例として、配管やタンクなどの1次側、水道蛇口の1次側、スチーマーなどの1次側などがあります。

圧力が高いままタンクなどに入ると、破裂の危険性があります。そこで、減圧弁を設置することで防ぐことができます。また、毎日使う水道蛇口が直接供給される高圧の水のままだと、蛇口をひねった途端勢いよく水が噴出し手を洗うどころではなくなります。さらに高圧の蒸気のままではそのエネルギーを十分に使用することができず損失が大きくなってしまったり、高温すぎるあまり使用先で製品を溶かす、変形させるなど不具合が発生する可能性もあります。

減圧弁の特徴

減圧弁の減圧方法には”直動式”と”パイロット式”の2種類があります。直動式は小~中流量、パイロット式は大流量のラインに使用されます。

直動式はバルブ内部にあるスプリングと流体圧力の釣り合いにより圧力を調整、保持する仕組みです。バルブの調整ねじを操作することによりスプリングにかかる力を調整することができます。またバルブ弁体より流れ込む流体圧力がダイヤフラムを介しスプリングを押し戻そうとし、これらの力が均衡するところで2次側圧力が保持されます。パイロット式は2つの大きさが異なる減圧弁を使用して圧力を調整、保持する仕組みです。2次側流体の圧力を小さい減圧弁で検出し、その圧力で大きな減圧弁を動作させます。

直動式は簡単な内部構造であり、故障が比較的少ないことが特徴です。また、脈動が少なく作動に圧力差を必要としません。ただし、オフセットが大きく流量変化が大きい箇所には向きません。

パイロット式は複雑な内部構造であるために、少量のゴミなどで動作不良となることがあります。また、作動に圧力差を必要とします。しかし、オフセットが小さく大流量に対応可能です。さらに、レンジアビリティ(バルブで調整できる最小流量と最大流量の比)も大きいです。

参考文献
https://www.yoshitake.co.jp/ys/ys01_3_3.html
http://www.jwrc-net.or.jp/qa/07-71.pdf
https://techmation.co.jp/techinfo/pressure_regulator/no001.html

光ファイバケーブル

光ファイバケーブルとは

光ファイバケーブル

光ファイバケーブルとは、石英やガラスから作られた光ファイバ線を束ね、レーザーやLEDの光などによって通信を行うためのケーブルです。

ケーブルを透過する信号の減衰が非常に小さく、数百kmに及ぶ長距離の通信も可能になります。

ファイバの破損を防ぐためにシリコンやナイロン、紫外線硬化樹脂などで強化してあります。

またケーブルに掛かる張力を緩和するために、ケーブルにテンションメンバと呼ばれる鋼線を束の一部として使用します。

光ファイバケーブルの使用用途

光ファイバケーブルは主に光通信システムを行う際の伝送路として使用され、大容量の信号通信を高速で行う場面で求められています。

インターネットなどの公衆回線が代表的ですが、工業用照明などの短距離通信にも利用されています。

一般的なLAN用光ファイバであれば数百mほどを1 Gbpsという速度で通信できますが、より高速大容量の光ファイバになると数10 kmほどを40 Gbpsという高速度で通信できるようになります。

使用する光通信システムに応じて、光ファイバケーブルの通信速度と通信容量を選ぶ必要があります。 

光ファイバケーブルの原理

光ファイバケーブルは複数の光ファイバが束状になったものです。

光を効率的に輸送するための構造として、光ファイバはコアとクラッドという二層構造を形成します。

中心付近のコアは光の屈折率が大きく、その周囲を覆うクラッドはより屈折率が小さいため、コア内部で光は反射を繰り返しながら進行していきます。この現象は全反射と呼ばれます。

現在最も普及している光ファイバのコアとクラッドはともに石英ガラスを材料としています。

石英ガラスだけでは非常に脆いことから、破損を防ぐために保護被膜で加工してあります。またケーブルの張力を緩和するために、ケーブルの中心にテンションメンバが挿入されています。

光ファイバには光の伝搬するモード(通り道)に応じて、マルチモードとシングルモードに分類されます。

マルチモードは伝送損失が大きいものの、ネットワークの構築が安価であるため、LANなどの近距離通信で広く使用されています。

シングルモードは伝送損失が低く高い透過特性を持つことから、長距離通信で多く使用されます。 

参考文献
https://www.sanwa.co.jp/product/network/hikaricable/index.html
https://www.optigate.jp/basic/cable.html

在庫管理システム

在庫管理システムとは

在庫管理システム

在庫管理システムとは、物流現場で製品の在庫量をリアルタイムで把握し、その量を管理するために使用するソフトウェアです。

工場や店舗の在庫管理や受注システム、売上管理など、業務に必要なあらゆる工程を一元して行うことで、作業の効率化を実現します。

小売業や商社、製造業など、業種に応じて適切な在庫管理システムが提案されており、さらに基本パッケージをベースとして、多くの場合オプションの追加も柔軟に対応することができます。 

在庫管理システムの使用用途

在庫管理システムは、事業によって管理するものが異なるため、在庫を管理する目的・使用用途も変化します。

1. 小売業における用途

小売業では、店頭での会計が済むと同時に、在庫管理システム上の在庫も変動します。この場合は、会計用システムと在庫管理システムが連動している必要があります。商品ごとに発注点を設定しておくことで、その発注点の数量を下回ったタイミングで自動発注を行うことも可能です。

また、オンラインショップを展開している小売店では、リアルタイムで在庫管理を行うことで、在庫状況に合わせた受注可否を判断できます。在庫が無いにも関わらず受注をすると、トラブルにつながりかねません。

2. 食品業における用途

食品業では、食品の賞味期限などの鮮度管理に必要な納入期限を管理することで、先入れ先出しを行うことができます。古いものから先に使う管理をすることで、賞味期限切れによる廃棄ロスの削減につながります。

また、仕入れた食品の流通情報の把握 (トレーサビリティ)  にもつながるため、原産地や仕入れ元の管理もしやすいです。

3. 製造業における用途

製造業では、部品の在庫数を管理することで欠品トラブルを未然に防げるようになります。製造が始まるタイミングで必要な部品がないことが判明すると、生産性の低下や納品遅れにもつながります。

あらかじめ製造に必要な部品の数量を把握しておくことで、不足分を注文できます。

在庫管理システムの原理

在庫管理システムでは、管理するものの数量の受払いを行います。受払いは、ものが入ってくるときを「受」、出ていくとき「払」を意味しています。

製造業を例として挙げると、製造するための部品が工場に納入されたタイミングで、システム内の部品の数量が増えます。製造完了後、出荷されるタイミングで、システム内の部品の数量が減る仕組みです。

在庫管理システムは、このようなプラス (受) とマイナス (払) の管理を自動で行いますが、この受払いのタイミングはシステムや企業の管理方針によって異なります。その他、在庫管理システムには、最適な在庫数量に調整する機能もあります。

余裕を持って在庫を保持しておきたいケースや必要なときに必要な分だけあればよいケースに有効です。利用目的に応じた設定を行うことで、在庫管理システムを効果的に活用できます。

在庫管理システムのその他情報

在庫管理システムの重要性

在庫管理システムは、店舗が抱える在庫を販売や製造、会計に至るまで一括して管理し、一連のフローを効率化するためのソフトウェアです。販売や製造、会計は企業にとって中心的な活動であり、基幹システムと呼ばれます。

基幹システムが帳簿在庫によって、実在庫とズレがなく適切に運用されていれば問題がないものの、帳簿在庫と実在庫が合わないことが見受けられます。特に店舗が複数にまたがるなど在庫管理が複雑になればなるほど、こうした実在庫とのズレが生じるリスクは大きくなります。過剰在庫を防ぐためにも、適切な在庫管理が必要です。

在庫管理システムは、実在庫を正確に把握するために強力なツールとなります。データ入力の手間を要せず、処理の不備を減らし、在庫をリアルタイムで正確に把握することが可能です。

また、過去の製品を検索する場合でも、簡単に参照できます。近年はクラウド型が増えており、遠隔地からの管理も一層進んでいます。

参考文献
https://aladdin-office.com/zaiko/
https://infusion.co.jp/column/zaikokanrisystem/

酸素発生装置

酸素発生装置とは

酸素発生装置のイメージ

図1. 酸素発生装置のイメージ

酸素発生装置とは、空気を原料とし、窒素ガスなどの混合物を取り除く方法で高純度の酸素ガスを取り出す装置です。

空気中の混合物を取り除く方法では、吸着剤を利用するなどの方法が用いられています。液体酸素と比べて安価で多量の酸素が供給可能で、工業利用も広く進んでいます。

また、高圧ボンベを使用しないため、小型の酸素発生装置であれば特に場所の制限はありません。 

酸素発生装置の使用用途

酸素発生装置は、高純度で多量の酸素ガスを使用したい場合に用いられます。各種工業や産業で幅広く使用されている他、在宅酸素療法などの医療用でも用いられます。

1. 工業用

酸素発生装置は、各種工業において酸素を必要とする現場でで幅広く使用されている装置です。具体的な用途例は、以下の通りです。

  • 各種炉の酸素吹込用 (製鋼用電気炉、銅・亜鉛・アルミなどの非鉄金属溶解や、ガラス製造など)
  • 酸素漂白、酸素原料オゾン漂白などの製紙工業
  • 酸素ばっ気、酸素原料オゾン発生などの排水処理設備、酸素活性汚泥法排水処理や水処理プラント
  • 化学工業における各種酸化反応用途
  • 魚介類養殖用途

この他、発酵工業などでも用いられています。また、小型の酸素発生装置も製造されており、酸素ガスを必要とする燃焼装置、金属加工、バイオ関連、空調機器などに使用されています。

2. 医療・健康

酸素発生装置は、医療用途では主に呼吸器疾患や循環器疾患などの患者が自宅や外出先で酸素を吸入する目的で用いられています (在宅酸素療法) 。近年増えている酸素発生装置の利用目的の1つは、健康増進用途です。

このような健康増進目的の製品は、家庭用健康機器として販売されている他、スポーツジムや公共施設をはじめ接骨院・整骨院へ設置されています。

酸素発生装置の原理

1. PSA方式

PSA方式の模式図

図1. PSA方式の模式図

PSA (Pressure Swing Adsorption) 方式とは、圧力スイング吸着式もしくは吸着式とも呼ばれる方法です。加圧、減圧を繰り返しながら吸着剤を用いて空気中の窒素を吸着して酸素を濃縮します。酸素97%程度まで濃縮が可能です。

吸着剤としては、モレキュラシーブ (合成ゼオライト) のような多孔質物質が用いられます。モレキュラシーブはアルミノケイ酸塩の結晶性材料で、結晶中に細孔を持ち、透過分子に応じて吸着特性が変化する物質です。

合成ゼオライトはある一定量の窒素を吸着すると、窒素を吸着出来なくなるため、PSA方式では大気圧への減圧で吸着した窒素を脱着し、再び窒素を吸着出来るように再生します。具体的には、吸着塔 (吸着槽) を2塔 (2槽) で構成し、1塔で吸着が行われている間に他方を減圧下におくことでゼオライトの再生を行う仕組みです。

また、一定時間が経過すると塔が切り換わるようになっています。原料の空気は空気圧縮機やブロワーを用いて、吸着槽へと輸送されます。

2. その他

PSA方式の他にも、ゼオライトの再生の際に真空ポンプを使用して吸着塔内を大気圧よりもさらに減圧するPVSA方式や、酸素富化膜式などがあります。酸素富化膜とは、空気を通すと窒素より酸素が多く透過する特徴を持ち、酸素と窒素を分離する膜です。

酸素発生装置の種類

医療用酸素発生装置のイメージ

図3. 医療用酸素発生装置のイメージ

工業用では非常に大きな吸着塔を備えた超大型のものから、卓上型のものまで非常に多くの種類があります。卓上型は主に研究室や小規模生産ラインのガス供給用に使用されている製品です。

医療用の製品は、在宅酸素療法の目的で用いられることが多いため、家庭で使用することを想定した小型の製品が主流です。居室への設置を想定した据え置き型の他、外出時にも使用可能なポータブル型の製品もあります。

流量設定や酸素濃度などは製品によって異なる場合があるため、使用者に合わせて選択することが必要です。

参考文献
https://www.sdk-kk.co.jp/prd/gas/O2.html
https://www.veolia.jp/sites/g/files/dvc2651/files/document/2016/03/467813PSA.pdf
https://shinko-airtech.com/equip_o2.html#composition

歯車

歯車とは

歯車

歯車とは、歯形を介して動力伝達を行う機械部品です。

ギアとも呼びます。歯の形状によって水平方向や直角方向に動力を伝達可能です。

歯車による動力伝達ではVベルトなどで発生する滑りをなくせるため、伝達タイミングが重要視される場面で非常に役に立ちます。歯車のサイズや歯数を組み合わせると回転数を加減速可能で、小さなモーターで大きな機械を動かせます。

歯車の使用用途

歯車は日々の生活であらゆる場所に使用されており、とくに回転運動を用いた動力機器にはほとんど採用されています。身近な例では車やバイク、自転車などの乗り物、時計や扇風機、掃除機などの家電に使われています。他の例は発電所のタービンやブロア風力発電機などの大型機械です。

例えば自転車にはスプロケットと呼ばれるギアがついており、チェーンを経由してペダルを回すと後輪が回転して前に進めます。ギアを変えると変速でき、ペダルを回す量と進む量を変えられます。

歯車の特徴

歯車には滑りがないため確実な動力伝達が可能で、タイミングを合わせられます。しかし経年劣化により歯車の歯が摩耗し、バックラッシと呼ばれる歯と歯の隙間が大きくなります。連続的な稼働で負荷も少なければ大きな問題にはなりませんが、発停を繰り返したり負荷変動も多い場合にはバックラッシによる異音や動作不良が発生する恐れがあり、定期的なメンテナンスが必要です。

歯車の歯数と大きさを変えると加減速でき、減速機の内部によく利用されます。減速機で減速させると小さなモーターでも大きな機械を動かせてモーターを小さくするとコストを抑えられます。具体的にはモーター単体のコスト、電気代や整備部品費などのランニングコストを抑えられ、設備の縮小化も可能です。

歯車は金属同士で接触するためオイルやグリスによる潤滑が必要です。潤滑状態が悪いと摩耗速度が上昇して交換頻度が高くなります。潤滑方法は機器能力や設置場所など総合的に検討して選定する必要があります。

歯車の種類

歯車の歯すじの形状には数多くの種類があります。歯車2つを組み合わせたときに軸の位置関係は、平行、交差、食い違いとなるタイプがあります。

1. 平歯車

歯が回転軸と平行に切られた歯車です。容易に製造できるため動力伝達用に最も使用されます。

2. 内歯車

平歯車の一種で、内側に歯が付いています。小径の歯車と組み合わせます。

3. はすば歯車

平歯車の歯を斜めに切って、螺旋状にした歯車です。

4. ねじ歯車

はすば歯車のような形状の歯車と組み合わせ、2軸間に動力を伝達します。

5. やまば歯車

ねじれ方向が逆向きの2つのはすば歯車を組み合わせます。はすば歯車の軸方向に生じる推力を打ち消し合います。

6. かさ歯車

傘のような形で、円錐面上に歯を刻んでいます。

7. 冠歯車

かさ歯車の一種で、歯車の形が王冠に似ています。歯が回転軸に対して垂直に付いています。

8. ウォームギヤ

ウォームとウォームホイールを直角で交わらない位置で組み合わせています。

9. 球状歯車

球体の表面に2軸が直交した歯を有します。

10. スプロケット

ローラーチェーンと歯車1枚をかみ合わせて回転を伝えます。歯車2枚による機構ではないため、歯車機構ではありません。

歯車の構造

歯車の歯の形状は数学的に計算された曲線であり、歯形曲線と呼ばれています。伝動用の歯車の形はインボリュート歯形、サイクロイド歯形、トロコイド歯形の3種類に分けられます。

1. インボリュート歯形

インボリュート曲線で形成された歯形です。歯車の中心距離がわずかに変化しても正しいかみ合いが保持されます。容易にホブ盤で製造でき、滑りが少ないため一般的に使用されています。

2. サイクロイド歯形

サイクロイド曲線の歯形で、インボリュート歯形よりも歯の干渉や滑りが少なく、滑りが均一です。製作は難しいですが、時計の機構に使われます。

3. トロコイド歯形

トロコイド曲線で形成され、内接歯車ポンプに用いられます。

参考文献
https://www.khkgears.co.jp/khk_products/Spurgear.html
https://www.nissei-gtr.co.jp/gear/

小型真空ポンプ

小型真空ポンプとは

小型真空ポンプ

小型真空ポンプ (英: small vacuum pump) とは、密閉容器から空気を排気して、容器内を真空状態にする小型のポンプです。

小型真空ポンプの場合、排気速度は200l/min程度のものが多く、到達圧力は0.1 Paから10Pa程度です。さらに、高真空環境を得るための粗引きポンプとして用いられたり、低真空下で操作可能な各種分析機器や理化学機器に多く使用されたりします。

種類にもさまざまで、油回転ポンプやドライポンプ、ダイアフラムポンプなど、原理や使用条件などに応じて選ぶことができます。

小型真空ポンプの使用用途

小型真空ポンプは、0.1 Pa程度の真空度や、さらに高真空環境を必要とする分析機器や実験装置に使用されます。例えば、電子顕微鏡やX線分析、質量分析装置、ガスクロマトグラフィーなどでは真空環境を必要とするため、小型真空ポンプが最適です。

また、半導体製造の場合、スパッタや真空蒸着、CVD (化学気相成長) などにより薄膜形成するために、真空環境が必要になります。その他、食品加工では、真空包装や真空パックなどを行う際に、小型真空ポンプが活用されます。

小型真空ポンプの原理

小型真空ポンプの分類法は、排気方法による分類、圧力領域による分類、油を用いるか用いないかの分類などがあります。

1. 排気方法

真空ポンプの排気方法による分類には、気体輸送式真空ポンプと気体溜め込み式真空ポンプがあります。気体輸送式真空ポンプは、空気を吸気側から排気側へ輸送する方式です。

また、気体溜め込み式真空ポンプは、排気する空気をポンプ内に溜めこみ、溜まった空気を別の真空ポンプで排気する方式です。

2. 圧力領域

1台の真空ポンプで、大気圧から高真空までカバーするのは不可能です。通常は、高真空用の主ポンプの他に、補助ポンプ又は粗引きポンプを併用します。

3. ドライ・ウェット

真空ポンプには、油を使用しないドライ真空ポンプと、油を使用するウェット真空ポンプがあります。油を使用するポンプで作られた真空領域には、ポンプ自体で発生した油の蒸気や水蒸気が含まれています。

特に微細なコントロールが必要な半導体の製造工程では、ドライ真空ポンプが必要です。また、油を嫌う食品や医薬品の製造でもドライ式が使われます。

小型真空ポンプの種類

1. 油回転真空ポンプ

各種真空ポンプの中で、排気量、到達圧力、価格などの面から、多く使用されるのは、油回転真空ポンプです。このタイプはポンプタイプにより多くの種類があり、ロータリー型と呼ばれます。

オイルはベアリングの潤滑や、シリンダ内のシール性を高めるために機能します。ロータリー型油回転真空ポンプには、回転翼形、カム形、揺動ピストン形などの種類があります。0.1Pa程度の中真空が容易に得られるポンプです。

回転翼形油回転真空ポンプ
回転翼形は、内部のシリンダに組み込まれたロータにベーンが取り付けられた構造です。ベーンによって分割された小部屋の気体がローターの回転とともに排出されることにより、減圧が進みます。

カム形油回転真空ポンプ
カム形は、円筒形ステータの中心に設置された偏芯ローターの一部がステータと接触しながら回転します。ステータとローターの隙間空間にある気体が排出されて減圧します。

揺動ピストン形油回転真空ポンプ
揺動ピストン形は、偏心ローターの回転によってピストンが上下運動を行います。シリンダ内部の空気がピストンにより圧縮・排出されることで減圧します。

2. ドライポンプ

ドライポンプは、油や液体を使用しない非接触型のクリーンな真空ポンプです。ポンプタイプにより、多くの種類があります。

ルーツ形ドライ真空ポンプ
ルーツ形のロータを使用したポンプです。冷却水不要で利便性が高い特徴があります。

スクロール形ドライ真空ポンプ
スクロールが旋回運動し、外側から内側へ空気を圧縮・排出することで真空状態を作り出す構造です。コンパクトで、高真空・低振動・低騒音・省エネなどの長所があります。

クロー形ドライ真空ポンプ
爪の形をした2本のクローローターが、互いに逆方向に回転することにより、真空を作ります。

ダイアフラム形ドライ真空ポンプ
ポンプシャフトと呼ばれるピストンが往復運動することにより、ダイアフラムを上下させ、空気を吸入、排出します。

その他
回転翼型や揺動ピストン型などがあります。油回転ポンプと類似の構造の真空ポンプです。

参考文献
https://www.ulvac-es.co.jp/categories/vacuum-pump/small-vacuum-pump/
https://www.ulvac-es.co.jp/component-guide/selection/vacuum-pump/small-oil-rotary-pump/
http://www.mekatoro.net/mechatro_parts/vol3/pdf/P01-235.html

焦電型赤外線センサー

焦電型赤外線センサーとは

焦電型赤外線センサー

焦電型赤外線センサーとは、焦電効果と呼ばれる物理現象を赤外線検出へと応用したセンサーです。

人体や物体から発生される熱を赤外線として検出し、熱源を捉えるセンサーとして機能します。焦電効果は、強誘電体に熱が加えられたときに固体内部に分極が生じる現象のことです。材料としてはケイ酸塩鉱物や酒石酸などが用いられます。

これまでに世界各国で取り入れられ、防犯用警報器や人感照明器のセンサーとして活用されています。

焦電型赤外線センサーの使用用途

焦電型赤外線センサーは、熱を持った物体から赤外線を検出し、熱源である人やモノを検知するための機器です。

小型かつ高性能の焦電型赤外線センサーが普及しており、センサーを必要とする様々な場面で使用されています。主に防犯を目的とした侵入者警報器や、人感照明器としての導入例は数多く存在します。さらに近年では一般家庭においても、冷暖房機器やテレビ、IoT機器などでも人を検知することを目的として焦電型赤外線センサーが使用されています。 

焦電型赤外線センサーの原理

焦電効果とは誘電体の結晶を加熱した際に、誘電体表面の分子の分極により電荷が生じる現象のことです。温度の上昇により、誘電体内部の分極はただちに応答し、分極が緩和するように構成分子が応答します。

しかし、表面の電荷は分子の分極ほど即座に応答できないため、誘電体の表面では分極が緩和した分だけ電荷が現れます。誘電体の両面の電極に高インピーダンスの負荷を接続すると、電極間に電流が流れます (焦電流と言います) 。この焦電流により、表面に生じた電荷を検出します。

温度変化が生じたときに焦電流が生じるため、外部からの熱エネルギーが加えられたときにセンサーとして機能します。そこで外部の熱源から発せられた赤外線をフレネルレンズと呼ばれる光学レンズによってセンサーへと集光します。また太陽光や照明などの影響を避けるための光学フィルタも使用します。センサーからの出力は増幅器を透過させ、その信号強度を高めることで、波形として検出する仕組みです。

参考文献
https://www.murata.com/ja-jp/products/sensor/infrared
https://kotobank.jp/word/%E7%84%A6%E9%9B%BB%E5%8A%B9%E6%9E%9C-79568

信号リレー

信号リレーとは

信号リレー

信号リレーとは、比較的小電流の電気信号をオンオフする電気回路用部品です。

2A程度以下の信号を開閉する製品が一般的です。

信号リレーの使用用途

信号リレーは、電気信号のオン・オフ切り替えに使用します。電気回路を有する製品内に必ずと言って良いほど使用されており、家電から産業機器まで用途が幅広い部品です。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 家庭用テレビリモコン
  • 空調機や冷凍機に使用する制御基盤内部
  • 給湯器用制御基盤内部
  • 産業ロボット用制御基盤内部
  • PC制御基盤内部

主に制御基盤にマウントして使用します。ただし、制御盤DINレールにマウントして使用する専用ソケットをオプションとしている製品も販売されています。

信号リレーの原理

信号リレーは、ケーシング、入出力端子、絶縁パーツ、接点開閉部品などから構成されます。

1. ケーシング

信号リレーを保護するケースです。多くの場合は樹脂製の絶縁材料で製作されます。電気回路へ人が接触するのを保護します。また、簡単な仕様や製造番号などが印字されている場合もあります。

2. 入出力端子

信号を送受信する端子です。一般的な入出力端子はピン形状で、信号リレーから複数本突き出しています。専用のソケットに端子を差し込んだり、電気回路に半田付けしたりして使用します。

3. 絶縁パーツ

信号を絶縁しつつ支えるための部品です。金属製の構造物で支えると入出力回路が混触してしまうため、一般的に樹脂などの絶縁材料が使用されます。製品によって形状は様々です。

4. 接点開閉部品

入力信号を基に、接点を開閉する部品です。信号リレーの種類によって部品の構造が異なります。有接点リレーの場合は可動鉄片と接点、電磁コイルなどから構成されます。無接点リレーの場合は、フォトカプラなどが接点開閉部品に当たります。

信号リレーの種類

信号リレーは接点の方式によって、主に有接点リレーと無接点リレーの2種類に分類できます。

1. 有接点リレー

有接点リレーとは、実際に電磁コイルやばねを駆使して電気接点を開閉しているリレーです。メカニカルリレーとも呼ばれます。電磁コイルによって接点が付属する可動鉄片を動かして、接点を開閉する方式が一般的です。

接点の材料は電気抵抗が低い銀が用いられます。さらに、接触抵抗を低減するために柔らかい金でメッキした製品も販売されています。接点の摩耗や可動部の劣化が発生するため、接点開閉頻度による寿命があることが特徴です。

2. 無接点リレー

無接点リレーは機械的な接点を有さないリレーです。ソリッドステートリレーとも呼ばれます。

MOSFETなどの半導体電子部品によって接点を開閉させます。実際に接点を動かさないため、接点の開閉頻度による余寿命がありません。したがって、有接点リレーと比較して長寿命です。ただし、半導体部品が高温や熱に弱いため、高温環境下での使用に不向きと言えます。

信号リレーのその他情報

信号リレーの接点

リレーの接点は、a接点、b接点、c接点と分かれます。それぞれの接点を使い分けて制御回路を構成します。

1. a接点
a接点とは、入力端子に信号を入力していない場合は接点を開放しており、入力されると導通する接点です。ノーマルオープン接点や、メーク接点とも呼ばれます。信号絶縁のみを行う最も一般的な接点です。

2. b接点
b接点は、入力端子に信号を入力していない場合は接点を導通させており、入力されると開放する接点です。ノーマルクローズ接点や、ブレイク接点とも呼ばれます。a接点とは反対の動きをするのが特徴で、入力信号を反転出力させることができます。インターロック用回路や異常時遮断回路に多く使われます。

3. c接点
c接点はa接点とb接点を組み合わせた3端子接点です。コモン端子とa接点端子、b接点端子の3端子を持ちます。入力端子に信号を入力していない場合はコモン―b接点端子間が導通しており、コモン―a接点端子は開放しています。

入力端子に信号を入力すると、コモン端子―b接点端子が開放し、コモン―a接点端子が導通します。正転―逆転切替の回路などに使用されます。また、c接点は有接点リレーのみに適応されるのも特徴の一つです。

参考文献
https://www.omron.co.jp/
https://emb.macnica.co.jp/articles/10201/

真空包装機

真空包装機とは

真空包装機

真空包装機とは、プラスチックフィルムなどで包装された密閉袋の中の空気を除去し、袋内部に真空状態を作る装置です。

空気と反応して腐敗しやすい食品でも真空包装によって長期間保存できます。袋内の空気を除去すると袋のフィルムと食品が密着した状態となり、体積が大幅に小さくなって保管しやすいです。

真空包装機は卓上型と据置型の2種類に分けられ、設置スペースやコストなどを考慮して選択できます。 

真空包装機の使用用途

真空包装機は食品の保存や衛生の管理が求められる場面で一般的に使用されています。食品を包装する袋内を真空状態とすると空気に触れずに長期間保存可能で、袋をコンパクト化して収納を容易にする効果もあります。

主に食品を包装するために使われ、使用先は食品工場や外食産業、スーパーマーケットなどです。食品の保存管理や衛生管理が容易なため、業務の効率化が期待できます。卓上型や据置型など、用途に応じたタイプの真空包装機が使用されています。 

真空包装機の原理

真空包装は食品などが空気と触れて酸化による微生物の発生と食品の腐敗を防ぐために真空状態で保存する方法です。真空包装の際にはインパルスシールと呼ばれる方法で密封される場合が多いです。リボン状のヒーターに瞬間的に大電流を流して発熱させ、対象を熱的に接着します。

真空包装機には大きく分けてノズル式とチャンバー式の2種類があります。包装方法は、真空包装、脱気包装、ガス置換包装の3種類に分類可能です。

1. ノズル式

袋にノズルを挿入して開口部をノズルと密着させ、袋内部の空気を排出します。

2. チャンバー式

密閉可能な容器内に食品が詰められた袋を設置し、容器全体を真空状態にします。

3. 真空包装

袋の中にある空気を抜いて真空にして、食品の酸化、腐敗、変色を防止します。

4. 脱気包装

袋の中を完全に真空にせず、空気の量を調整します。

5. ガス置換包装

袋を真空にして窒素ガスのような不活性ガスを封入します。

真空包装機の種類

真空包装機は業務用真空包装機と家庭用真空包装機に分類できます。

1. 業務用真空包装機

袋の中にある食品の空気も含めて抜きます。

2. 家庭用真空包装機

食品を入れた袋の中だけを脱気可能です。一般的に液体を包装できず、対応する袋が限定されます。

真空包装機の選び方

真空包装機には数多くの種類があり、それぞれメリットとデメリットがあるため用途に応じて選択できます。

1. 業務用

ほとんどの真空袋を使用でき、液体でも包装可能です。短時間で味を浸透させます。長期的に保存できますが、大きいため設置場所を取られます。オイルやヒーター線などの消耗品代が別に必要となり、導入コストが高いです。

2. 家庭用

導入コストが安く、長期的に保存しない場合にはコスパが良いです。袋の中の空気を抜くだけであれば十分効果があります。しかし使用できる袋が限られており、対応する真空袋が少ないです。液体を真空包装できないタイプが多いです。

3. 卓上型

コンパクトでスペースを問わず使用できます。

4. 据置型

サイズが大きいため一度に複数の商品を効率的に真空包装できます。

5. ノズル式

大きな袋でも効率的に真空排気できます。安価かつ短時間で真空にできますが、真空度が低いです。液体の真空包装にも向いていません。

6. チャンバー式

複数の小型の袋を同時に真空包装可能です。少量の液体を真空包装でき、真空状態が高いです。機械によって真空包装できる袋の大きさが決まっており、真空状態を得るために時間がかかります。

7. 真空包装

幅広い製品に使用可能です。ただし柔らかい製品や生野菜は潰れる可能性があります。

8. 脱気包装

保存の際に空気が多少必要な柔らかい製品や生野菜に適しています。

9. ガス置換包装

酸化や腐敗を防止し、不活性ガスがクッションとして働きます。柔らかい食品が形を崩すことなく保存できます。

参考文献
https://www.orikane.co.jp/orikanelab/3797/
https://www.sanko-shoji.jp/lecture/cn9/pg128394.html