NFCリーダーとは
NFCリーダーとは、近距離無線通信技術であるNFCを利用してICチップからデータを読み取る装置です。
ICカードやスマートフォンを数cm程度の距離まで近づけることで、無線通信を行いデータを瞬時に取得します。採用されている通信技術はNFCと呼ばれ、国際標準規格として世界中で広く利用されています。機器にかざすという直感的な動作だけで認証やデータ通信を完了できる点が特徴です。
読み取り装置の形状は多岐にわたり、USBケーブルで接続する小型の卓上タイプや、レジカウンターに設置される決済用端末などが一般的です。バーコードリーダーのようにレーザーを正確に合わせる必要もありません。また、データの読み取りだけでなく、ICカードに情報を書き込む機能を備えている製品も販売されています。
NFCリーダーの使用用途
NFCリーダーは以下のような用途で使用します。
1. 決済システム
最も広く知られている用途は小売店や飲食店における代金の支払いです。POSレジや決済端末に接続されたNFCリーダーに、スマートフォンやクレジットカードをかざすだけで支払いを完了できます。現金の受け渡しが発生しないため、レジ待ちの解消につながります。また、店舗スタッフが金銭に直接触れる頻度も減るため、衛生面での安全性を高める効果も期待できます。
2. 入退室管理
オフィスビルへの出入りを管理するセキュリティシステムとしても活用されます。社員証やセキュリティカードをドアに設置されたNFCリーダーにかざすことで、解錠しつつ入退室の記録を自動的に保存します。物理的な鍵を使用しないため、紛失時の無効化処理も迅速に行えます。
3. 物品管理
倉庫や製造現場において、在庫や資産を効率的に管理するためにも使用します。商品や機材に取り付けられたNFCタグをリーダーでスキャンすることで、物品の名称や数量といった情報を即座にデジタルデータとして取り込めます。手書きの台帳や目視確認による管理と比較して、記入ミスや数え間違いといったヒューマンエラーを大幅に削減できます。