焦電型赤外線センサーとは
焦電型赤外線センサーとは、焦電効果と呼ばれる物理現象を赤外線検出へと応用したセンサーです。
人体や物体から発生される熱を赤外線として検出し、熱源を捉えるセンサーとして機能します。焦電効果は、強誘電体に熱が加えられたときに固体内部に分極が生じる現象のことです。材料としてはケイ酸塩鉱物や酒石酸などが用いられます。
これまでに世界各国で取り入れられ、防犯用警報器や人感照明器のセンサーとして活用されています。
焦電型赤外線センサーの使用用途
焦電型赤外線センサーは、熱を持った物体から赤外線を検出し、熱源である人やモノを検知するための機器です。
小型かつ高性能の焦電型赤外線センサーが普及しており、センサーを必要とする様々な場面で使用されています。主に防犯を目的とした侵入者警報器や、人感照明器としての導入例は数多く存在します。さらに近年では一般家庭においても、冷暖房機器やテレビ、IoT機器などでも人を検知することを目的として焦電型赤外線センサーが使用されています。
焦電型赤外線センサーの原理
焦電効果とは誘電体の結晶を加熱した際に、誘電体表面の分子の分極により電荷が生じる現象のことです。温度の上昇により、誘電体内部の分極はただちに応答し、分極が緩和するように構成分子が応答します。
しかし、表面の電荷は分子の分極ほど即座に応答できないため、誘電体の表面では分極が緩和した分だけ電荷が現れます。誘電体の両面の電極に高インピーダンスの負荷を接続すると、電極間に電流が流れます (焦電流と言います) 。この焦電流により、表面に生じた電荷を検出します。
温度変化が生じたときに焦電流が生じるため、外部からの熱エネルギーが加えられたときにセンサーとして機能します。そこで外部の熱源から発せられた赤外線をフレネルレンズと呼ばれる光学レンズによってセンサーへと集光します。また太陽光や照明などの影響を避けるための光学フィルタも使用します。センサーからの出力は増幅器を透過させ、その信号強度を高めることで、波形として検出する仕組みです。
参考文献
https://www.murata.com/ja-jp/products/sensor/infrared
https://kotobank.jp/word/%E7%84%A6%E9%9B%BB%E5%8A%B9%E6%9E%9C-79568