信号リレー

信号リレーとは

信号リレー

信号リレーとは、比較的小電流の電気信号をオンオフする電気回路用部品です。

2A程度以下の信号を開閉する製品が一般的です。

信号リレーの使用用途

信号リレーは、電気信号のオン・オフ切り替えに使用します。電気回路を有する製品内に必ずと言って良いほど使用されており、家電から産業機器まで用途が幅広い部品です。具体的な使用用途は、以下の通りです。

  • 家庭用テレビリモコン
  • 空調機や冷凍機に使用する制御基盤内部
  • 給湯器用制御基盤内部
  • 産業ロボット用制御基盤内部
  • PC制御基盤内部

主に制御基盤にマウントして使用します。ただし、制御盤DINレールにマウントして使用する専用ソケットをオプションとしている製品も販売されています。

信号リレーの原理

信号リレーは、ケーシング、入出力端子、絶縁パーツ、接点開閉部品などから構成されます。

1. ケーシング

信号リレーを保護するケースです。多くの場合は樹脂製の絶縁材料で製作されます。電気回路へ人が接触するのを保護します。また、簡単な仕様や製造番号などが印字されている場合もあります。

2. 入出力端子

信号を送受信する端子です。一般的な入出力端子はピン形状で、信号リレーから複数本突き出しています。専用のソケットに端子を差し込んだり、電気回路に半田付けしたりして使用します。

3. 絶縁パーツ

信号を絶縁しつつ支えるための部品です。金属製の構造物で支えると入出力回路が混触してしまうため、一般的に樹脂などの絶縁材料が使用されます。製品によって形状は様々です。

4. 接点開閉部品

入力信号を基に、接点を開閉する部品です。信号リレーの種類によって部品の構造が異なります。有接点リレーの場合は可動鉄片と接点、電磁コイルなどから構成されます。無接点リレーの場合は、フォトカプラなどが接点開閉部品に当たります。

信号リレーの種類

信号リレーは接点の方式によって、主に有接点リレーと無接点リレーの2種類に分類できます。

1. 有接点リレー

有接点リレーとは、実際に電磁コイルやばねを駆使して電気接点を開閉しているリレーです。メカニカルリレーとも呼ばれます。電磁コイルによって接点が付属する可動鉄片を動かして、接点を開閉する方式が一般的です。

接点の材料は電気抵抗が低い銀が用いられます。さらに、接触抵抗を低減するために柔らかい金でメッキした製品も販売されています。接点の摩耗や可動部の劣化が発生するため、接点開閉頻度による寿命があることが特徴です。

2. 無接点リレー

無接点リレーは機械的な接点を有さないリレーです。ソリッドステートリレーとも呼ばれます。

MOSFETなどの半導体電子部品によって接点を開閉させます。実際に接点を動かさないため、接点の開閉頻度による余寿命がありません。したがって、有接点リレーと比較して長寿命です。ただし、半導体部品が高温や熱に弱いため、高温環境下での使用に不向きと言えます。

信号リレーのその他情報

信号リレーの接点

リレーの接点は、a接点、b接点、c接点と分かれます。それぞれの接点を使い分けて制御回路を構成します。

1. a接点
a接点とは、入力端子に信号を入力していない場合は接点を開放しており、入力されると導通する接点です。ノーマルオープン接点や、メーク接点とも呼ばれます。信号絶縁のみを行う最も一般的な接点です。

2. b接点
b接点は、入力端子に信号を入力していない場合は接点を導通させており、入力されると開放する接点です。ノーマルクローズ接点や、ブレイク接点とも呼ばれます。a接点とは反対の動きをするのが特徴で、入力信号を反転出力させることができます。インターロック用回路や異常時遮断回路に多く使われます。

3. c接点
c接点はa接点とb接点を組み合わせた3端子接点です。コモン端子とa接点端子、b接点端子の3端子を持ちます。入力端子に信号を入力していない場合はコモン―b接点端子間が導通しており、コモン―a接点端子は開放しています。

入力端子に信号を入力すると、コモン端子―b接点端子が開放し、コモン―a接点端子が導通します。正転―逆転切替の回路などに使用されます。また、c接点は有接点リレーのみに適応されるのも特徴の一つです。

参考文献
https://www.omron.co.jp/
https://emb.macnica.co.jp/articles/10201/

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