真空包装機とは
真空包装機とは、プラスチックフィルムなどで包装された密閉袋の中の空気を除去し、袋内部に真空状態を作る装置です。
空気と反応して腐敗しやすい食品でも真空包装によって長期間保存できます。袋内の空気を除去すると袋のフィルムと食品が密着した状態となり、体積が大幅に小さくなって保管しやすいです。
真空包装機は卓上型と据置型の2種類に分けられ、設置スペースやコストなどを考慮して選択できます。
真空包装機の使用用途
真空包装機は食品の保存や衛生の管理が求められる場面で一般的に使用されています。食品を包装する袋内を真空状態とすると空気に触れずに長期間保存可能で、袋をコンパクト化して収納を容易にする効果もあります。
主に食品を包装するために使われ、使用先は食品工場や外食産業、スーパーマーケットなどです。食品の保存管理や衛生管理が容易なため、業務の効率化が期待できます。卓上型や据置型など、用途に応じたタイプの真空包装機が使用されています。
真空包装機の原理
真空包装は食品などが空気と触れて酸化による微生物の発生と食品の腐敗を防ぐために真空状態で保存する方法です。真空包装の際にはインパルスシールと呼ばれる方法で密封される場合が多いです。リボン状のヒーターに瞬間的に大電流を流して発熱させ、対象を熱的に接着します。
真空包装機には大きく分けてノズル式とチャンバー式の2種類があります。包装方法は、真空包装、脱気包装、ガス置換包装の3種類に分類可能です。
1. ノズル式
袋にノズルを挿入して開口部をノズルと密着させ、袋内部の空気を排出します。
2. チャンバー式
密閉可能な容器内に食品が詰められた袋を設置し、容器全体を真空状態にします。
3. 真空包装
袋の中にある空気を抜いて真空にして、食品の酸化、腐敗、変色を防止します。
4. 脱気包装
袋の中を完全に真空にせず、空気の量を調整します。
5. ガス置換包装
袋を真空にして窒素ガスのような不活性ガスを封入します。
真空包装機の種類
真空包装機は業務用真空包装機と家庭用真空包装機に分類できます。
1. 業務用真空包装機
袋の中にある食品の空気も含めて抜きます。
2. 家庭用真空包装機
食品を入れた袋の中だけを脱気可能です。一般的に液体を包装できず、対応する袋が限定されます。
真空包装機の選び方
真空包装機には数多くの種類があり、それぞれメリットとデメリットがあるため用途に応じて選択できます。
1. 業務用
ほとんどの真空袋を使用でき、液体でも包装可能です。短時間で味を浸透させます。長期的に保存できますが、大きいため設置場所を取られます。オイルやヒーター線などの消耗品代が別に必要となり、導入コストが高いです。
2. 家庭用
導入コストが安く、長期的に保存しない場合にはコスパが良いです。袋の中の空気を抜くだけであれば十分効果があります。しかし使用できる袋が限られており、対応する真空袋が少ないです。液体を真空包装できないタイプが多いです。
3. 卓上型
コンパクトでスペースを問わず使用できます。
4. 据置型
サイズが大きいため一度に複数の商品を効率的に真空包装できます。
5. ノズル式
大きな袋でも効率的に真空排気できます。安価かつ短時間で真空にできますが、真空度が低いです。液体の真空包装にも向いていません。
6. チャンバー式
複数の小型の袋を同時に真空包装可能です。少量の液体を真空包装でき、真空状態が高いです。機械によって真空包装できる袋の大きさが決まっており、真空状態を得るために時間がかかります。
7. 真空包装
幅広い製品に使用可能です。ただし柔らかい製品や生野菜は潰れる可能性があります。
8. 脱気包装
保存の際に空気が多少必要な柔らかい製品や生野菜に適しています。
9. ガス置換包装
酸化や腐敗を防止し、不活性ガスがクッションとして働きます。柔らかい食品が形を崩すことなく保存できます。
参考文献
https://www.orikane.co.jp/orikanelab/3797/
https://www.sanko-shoji.jp/lecture/cn9/pg128394.html