EMC対策部品についての概要、用途、原理などをご説明します。また、EMC対策部品のメーカー14社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。EMC対策部品関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社トーキン、2位:メディカル・エイド株式会社、3位:岡谷電機産業株式会社となっています。
EMC対策部品とは、信号を扱う電気機器に対するノイズの対策に使う電子部品のことです。
EMCは「electro-magnetic compatibility (電磁環境両立性) 」の略で、「compatibility」は両立性と訳されます。EMCは大きく分けて、EMI (electro-magnetic interference:電磁干渉) と呼ばれる当該機器自身が放出する電磁波ノイズを規制するものと 、EMS (electro-magnetic susceptibility: 電磁的感受性) と呼ばれるもので当該機器自身が受けるノイズにより動作傷害などを起こさないようにするものに分類できます。
国内ではJIS C61000、国際的にはIEC61000などの規格により詳細を定義しているのが一般的です。他方で電気回路などを設計する段階においてノイズの発生度合いや外来ノイズへの耐性を予測することは難しく、製品を試作して動作させてみないとEMIやEMSの具合を伺い知ることができないのが実情です。
一般的な開発プロセスでは、設計→試作→評価→生産という流れの中で、評価の段階で実験的に測定して知り得ることになります。
EMC対策部品は、当該機器自身が出して周辺機器に悪影響を及ば差ないように規制されたEMIと、外部から当該機器自身がノイズの影響を受けて誤動作を起こさないように規制されたEMSに効果を発揮する用途で使用されます。
EU圏向けではCEマークが付いたもの、国内向けでは概ね電気用品安全法で規制されている◇で囲われるPSEマークが付いた家電製品やOA機器、自動車部品、医療機器などです。我々が日常的に接する機会がある電気製品の大半が対象で、それらの開発途上においてEMC試験により基準を満たなかった場合の対策部品として使用されます。
EMC対策部品は大別すると、電気回路上で電気的に対策するもの、電気回路外で電磁的に対策するもの、サージ系のノイズに対策するものの3つに分類できます。
電気回路上で短時間で大きな電位の変化が生じると、これが電波となって機器の外部に電波として放出され、この放射されたノイズはEMIとして扱われます。そのため、電気回路設計においては、なるべくこの様な放射ノイズが発生しないように工夫する必要があります。
例えば、スイッチング回路であればスナバ回路を付帯したり、電源回路ならば電源フィルターを付帯したり、信号回路ならばLPF (low pass filter) を付帯したりするのが有効的です。これらの対策部品は、抵抗やコンデンサ、コイル等により構成され、時定数やコンデンサやコイルの周波数特性を組み合わせ特定の周波数帯域に作用します。この周波数帯域をノイズの周波数帯域と併せることで、ノイズに作用させることが可能です。
電気機器を設計する場面においては、例えばモーターに配線したり、ランプに配線したり、基板間を電線で接続したりするなど、電線を用いる場合が多々存在します。そのような状況で、電気回路では対策しきれず電線上にノイズが乗ってしまうと、電線がアンテナのような作用をしてしまい、ノイズが放射されやすくなる現象が起きやすいです。
このような線路上のノイズを対策するために、磁気的な対策部品としてフェライトコアなどがあります。磁気的な部品は、線路 (電線など) に装着することで、電線自身にインダクタンス特性を発生させ、電波として放射されやすい周波数帯域のノイズを減衰させる作用があります。
EMS規格の中で静電気に対する耐性は、JIS C61000-4-2などで定義されています。人が触った際にその静電気で誤動作しないことなどを定めた物で、製品群により規格は電圧は異なります。しかし、気中放電の最大で言えば15KVもの電圧に耐えるようにしなければなりません。
一般の電子回路は数V~数十Vの電圧で設計されているため、このような大きな電圧が直接印可して回路を誤動作させたり破壊しないようバリスタ、ツェナーダイオード、サージフィルターなどにより電圧の制限を行う素子で静電気に対して対策する必要があります。
現在、国内販売向けならPSE認証、EU圏へ輸出する際にはCE認証を取得しなければ、その商品自体を販売できない法律があります。PSEやCEなどの認証を受ける際には、JISやIECの規格で定めるEMCの試験に合格することが必須の条件です。
EMC対策部品は、開発途上の製品をこれらの規格をクリアさせて合法的に製品を販売できるようにすることを目的としています。
設計段階において、事前にEMCを全て予見して対策することは非常に困難です。多くの場合では、設計→試作→評価→生産という一連の流れの中で、評価段階でEMCに対する評価を行い、その結果から対策方針を決めていくような流れとなっています。
そのため、設計上で事前に対策する場合は、過去の経験や回路の性質からノイズ源になりそうな箇所をピックアップして、そこにフィルターなどを後付けで追加できるように予め基板設計をしておくと、対策の選択肢を増やすことができます。
EMC (特にEMI) は予見が難しく、かつ評価の段階では開発が進捗した状態であり、試作にも費用を投じた後であるため、大きな設計変更ができない可能性が高いです。
そのような場合に、大きな効果を発揮してくれる可能性を秘めているのがフェライトコアです。フェライトコアに信号線や電源線を通すだけで大きな効果を発揮する場合もありますが、フェライトコアは後付けできるタイプも多く、開発途上の機器に大きな変更を加えず対策できるという利点があります。
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
EMC対策部品のカタログ一覧はこちら企業
デンカエレクトロン株式会社 株式会社トーキン メディカル・エイド株式会社 日本ケミコン株式会社 E-SONG EMC CO., LTD. 特許機器株式会社 積水テクノ成型株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社トーキン |
16.4%
|
2 | メディカル・エイド株式会社 |
11.5%
|
3 | 岡谷電機産業株式会社 |
11.5%
|
4 | パナソニック株式会社 |
9.8%
|
5 | 双信電機株式会社 |
9.8%
|
6 | コーセル株式会社 |
9.8%
|
7 | 積水テクノ成型株式会社 |
8.2%
|
8 | 星和電機株式会社 |
6.6%
|
9 | 株式会社オリナス |
4.9%
|
10 | Schaffner Holding AG |
4.9%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のEMC対策部品ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
EMC対策部品11製品が登録されています。
フィルター β版
さらにEMC対策部品を絞り込む
デンカエレクトロン株式会社
耐熱温度260℃の テフロン熱収縮チューブです。 自動車、 航空宇宙など特殊な環境でも お使い頂けるように設計されています。 ・FTEチュ...
Metoreeに登録されているEMC対策部品が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
トーキンのノイズ抑制シート「バスタレイド®」は、ミクロンオーダーの金属磁性体粉末を樹脂中に分散・混合し、シート化した複合磁性体であり、電子機器から発...
2022年2月1日
トーキンのノイズ抑制テープ「バスタレイド ®」は、ケーブルの EMI 対策に最適化されており、ケーブル表面の伝導ノイズを減衰させ、放射を効果的に低減できる...
2022年2月1日
トーキンの RFID 用磁性シート「バスタレイド ®」は、磁気損失( μ”) を抑えたまま比透磁率 ( μ’) を高めることにより、磁束収斂効果をアップ。ループアンテナ...
2022年2月1日
日本ケミコンのインダクタ(コイル、リアクトル)総合カタログです。 インダクタ全シリーズの仕様を掲載しています。 掲載内容 ◆コモンモードチョークコイル(...
2022年1月27日
SMT EMIガスケット(自動実装ガスケット、PCBグラウンドコンタクト)は、電子機器内部から発生する電磁波ノイズを減殺させ、電気サージ(Surge)から回路を保護す...
2022年12月12日
- 電波吸収体(電波吸収シート)は金属磁性体粉末と樹脂を分散させてシートの形で製作した製品である。- 電子機器内回路でお互いに電磁波干渉と近接部品間の遺...
2022年12月20日
- NFC・RFID磁性シートは近距離無線通信(NFC)、無線充電(WPC)、マグネティック保安伝送(MST)などに対応できるノイズ抑制磁性シートである。- NFCアンテナに接...
2022年12月20日
- 電磁波シールドテントは、空間、コストなどの問題でシールドルームの設置が厳しい場合、簡単に様々なサイズのシールドルームの代わりとして活用することが...
2022年12月20日
- 電磁波シールドチューブ(ケーブルジャケット)は、配線整理及び電磁波遮蔽用の製品であり、 電気絶縁性、 導電性、難燃性シートを用途に適用製作する。- 半...
2022年12月26日
EMI シールド スパイラル・スプリング・ガスケットは電磁波遮蔽効果がとっても優秀であり、高度の電磁波遮蔽性能が要求される装備で使うのに理想的な遮蔽素材...
2023年1月9日
高単性の錫/ニッケルメッキベリリウム銅もしくはSUS板をスパイラル化し、単性と柔軟性が優秀であり、遮蔽効果が優れた電磁波遮蔽素材である。電磁波遮蔽効果...
2023年1月9日
電子顕微鏡向け環境振動・外乱磁場・音響ノイズのトータルソリューション!最適設置環境をアクティブ除振装置+アクティブ磁場キャンセラー+防音エンクロージ...
2022年2月14日
電子線応用装置を磁場変動から守る!電車、自動車、エレベータなどの磁性体の通過や電源などが原因である磁場変動は、電子顕微鏡のような電子ビーム応用装置な...
2022年11月14日
EMC対策部品のカタログ21件分をまとめてダウンロードできます!お迷いの方は便利な無料の一括ダウンロード機能をご利用ください。
企業
デンカエレクトロン株式会社 株式会社トーキン メディカル・エイド株式会社 日本ケミコン株式会社 E-SONG EMC CO., LTD. 特許機器株式会社 積水テクノ成型株式会社・特殊銅製シートを使用することによって、今までより不要輻射に強く、電磁波シールド効果を大幅に改良したノイズ対策製品です。
・アルミシールドチューブ/導電布よりも電磁波シールド効果の向上を実現しました。
・銅箔にハンダ付けが非常に容易にできるため、アースの取り付けが短時間で完了します。
・屈曲性が非常に優れており、アルミ箔や金属メッシュタイプより柔らかいノイズ対策シールドチューブのため、狭くてスペースのとれない箇所にもご使用可能です。
・マジックテープで開閉するタイプのノイズ対策シールドチューブのため、開閉、着脱、後入れ作業が容易に出来ます。ケーブルを包みマジックテープで閉じるだけで完了です。
MGネットは、純銀をコーティングした特殊な構造のネット型EMC対策ユニットになります。
複数枚のMGネットを重ねることで遮蔽性の向上ができるうえ、粗目編みの構造のため、通気性や透過性が高く、内部の物が見やすいとこが特徴です。
糸くずが全くでない様に作られているため、精密機器の中のEMC対策としても利用するとこができます。
金属アレルギーを起こしにくい素材で作られているため、アレルギーを持っている人も安心して使用することができます。
EMCボックスは、試験の条件に応じて自由設計が可能な、電磁波シールドボックスのEMC対策ユニットになります。
開閉が便利なマグネットドア式と、持ち運びと組み立てが便利なファスナー式のラインラップがあります。
銀繊維を使用して作られているため、金属アレルギーを起こしにくいことが特徴です。
電磁波のシールド性能は、100kHz~3GHzの帯域において、2重にすると30㏈以上、4重にすると50㏈以上になり、正確な測定環境が保証されます。
EMCルームは、電磁波をシールドする大型で簡易的なルーム型のEMC対策ユニットになります。
据え置き型で、使用する場所の形状に合わせて、自由に設計をすることができます。
マグネット式のドアのため開閉が容易に行えるうえ、使用時には光源や空調設備が不要です。
部材には銀繊維を使用しているため、EMC対策ユニットでよく使用されるニッケルやメッキなどの金属にアレルギー反応がある人も、問題なく使用することができます。
コモンモードノイズフィルタは、コモンモードノイズを抑制することや、信号の位相のずれを改善する機能がある、EMC対策ユニットになります。
汎用のものから、小型、2つのフィルターがあるアレイ品まで、使用用途に応じたラインラップがあります。
シンプルな構造や製造技術によって、品質や信頼性が保証されており、機器を長寿命で使用できます。
信号の通過帯が広いため、高速のデータ通信が可能なことが特徴です。
電磁波シールドフィルムは、フィルム上のEMC対策ユニットになります。
電界や電磁波からのシールド性能が高いこと、柔軟で薄く軽量なフィルムの特性を生かして、省スペースの機器に搭載されることや、曲面などの複雑な形状において使用することができます。
防錆性が高く、ほつれが少なく、抜き打ち加工が可能な銅+ニッケル2層蒸着タイプと、伸度が高く、細幅のスリットの作成が可能な銅単層蒸着タイプの2種類のラインラップがあります。