フェライトコアについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フェライトコアのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フェライトコア関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:TDK株式会社、2位:星和電機株式会社、3位:エレコム株式会社となっています。
フェライトコアと関連するカテゴリ
フェライトコアはフェライトという鉄を主成分としたセラミックの磁性体を用途に応じて加工したものをいいます。
フェライトを磁心として用いることで、高周波電流を阻害することができるため、ノイズ除去として使用されます。
フェライトにはその組成によって系統が分かれていますが、絶縁加工が不要なことや高周波特性が優れていることなどにより、現在はNi-Zn系が主に用いられています。
リング状のフェライトコアにケーブルを通すことでノイズが除去できるため、非常に単純で安価なノイズ対策部品として重用されています。
フェライトコアはノイズ対策に用いられます。
リング状にしたフェライトコアの穴にケーブルを通して固定することでノイズが除去できます。
フェライトコアのノイズ除去効果は、ケーブルに流入するノイズだけでなくケーブルから発するノイズを除去することもできます。
また、取り扱いが非常に簡単なため、基板や回路の設計変更をすることなくノイズ対策を行うことができますので、最終仕様を確定させる前の実験的な使用方法やとしてや応急的なノイズ対策として用いることもできます。
フェライトコアがノイズを除去する仕組みは、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、高周波をカットするフィルターのように振る舞うことで、高周波電流に起因するノイズを除去しています。リング状のフェライトコアの穴に通した導線に電気が流れることでインダクタが構成され、フェライトコアの磁化に応じた値で導線のインピーダンスが変化します。この時、高周波になるほどインピーダンスが高くなり、ノイズに代表される高周波電流を減衰することができます。
ふたつめはヒステリシス損失によって、ノイズ電流のエネルギーを熱として放出することです。フェライトコアによって構成されるインダクタに交流電流が流れると発生する磁場は時間とともに大きさ、方向が周期的に変化します。フェライトコアの磁化が一周してもとに戻るために加えられたエネルギーは、熱として放出されます。フェライトコアの磁化が一周することをヒステリシスループと呼び、その際に起こるエネルギーの損失をヒステリシス損失と呼ばれています。
フェライトコアに用いられるのは、主にソフトフェライトと呼ばれる軟磁性材料で、ニッケル、鉄、亜鉛、銅といった遷移金属の酸化物を主原料とします。ソフトフェライトは、その組成によって固有の透磁率を持つため、主原料の配合によってインピーダンスをチューニングする事ができます。
インピーダンスには、リアクタンス成分とレジスタンス成分がありますが、フェライトコアを用いたノイズ除去には、特にレジスタンス成分を高める配合がなされています。そのため、昨今のフェライトコアのノイズ除去は、高周波をカットするフィルターの効果よりも、ヒステリシス損失によってノイズ電流のエネルギーを消費する効果の方がが高くなっています。
フェライトコアのノイズ除去性能はインピーダンスによって評価され、以下のような計算式で求められます。
インピーダンス=材料特性×形状ファクター×巻き数^2
材料特性は、前述したとおりソフトフェライトの組成によって決まります。形状ファクターはフェライトコアの断面積を平均磁路長で割ったものと定義されます。つまり断面積は大きく、内径が小さい形状のフェライトコアの方が性能は良くなります。
ノイズ除去効果が弱いと思われる場合は、導線をフェライトコアに複数回巻き付けることも有効です。しかし導線を2回以上巻きつけると、巻き始めと巻終わりが接近して、これらの間に浮遊容量を持ちます。浮遊容量によって、高周波成分への対策効果が低減されてしまうため、対策したい周波数帯域を見極めながら巻きつける必要があります。
フェライトコアを用いたノイズ対策は、主にケーブルで発生するノイズ、あるいはケーブルに流入するノイズが対象です。これはフェライトコアの原理からもわかるように、フェライトコアの内部を電流が通る必要があるためです。
一般に放射ノイズはノーマルモードとコモンモードに分類されます。
ノーマルモードとは、2本のハーネス間に逆位相に信号伝送された場合の電流のループによって生じ、ループ面積に比例します。ケーブル内では2本のハーネスが隣接しているため逆位相で流れる電流から発生する電磁場は、お互いに打ち消しあいます。しかし、ケーブルの接続先の回路では配線の間隔が広くなるためその効果は大幅に低減します。ノーマルモードノイズの発生源はケーブルの先であり、フェライトコアによるノイズ対策の適用範囲外です。
ノーマルモードノイズを低減するためには、ケーブルの接続先である回路のループ面積を小さくするなど、回路自体の設計を見直す必要があります。
一方で、コモンモードノイズは2本のハーネス間に同位相に信号伝送されている場合に生じます。したがって2本のハーネス間で発生する電磁場はお互いに強め合い、強いノイズとして観測されます。コモンモードノイズはハーネス長に比例します。すなわち、長いケーブルの方がより大きなコモンモードノイズが発生しやすく、逆に言えば、ケーブルの長さを短くすれば、ノイズを低減することができます。
しかし、ケーブルの長さを任意に決められない場合もあり、そこでフェライトコアが活用されます。最近では後付タイプのフェライトコアも販売されており、誰でも簡単にノイズ対策を行うことができます.
参考文献
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-noise-countermeasures-lesson-8
https://www.techno-kitagawa.com/techinfo/tech/ferrite.html
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-noise-countermeasures-lesson-8
https://techweb.rohm.co.jp/knowledge/emc/s-emc/01-s-emc/6899
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フェライトコアのカタログ一覧はこちら企業
北川工業株式会社 日本ケミコン株式会社 デンカエレクトロン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | TDK株式会社 | 19% |
2 | 星和電機株式会社 | 14.3% |
3 | エレコム株式会社 | 10.4% |
4 | デンカエレクトロン株式会社 | 10.4% |
5 | トミタ電機株式会社 | 9.8% |
6 | 竹内工業株式会社 | 9.2% |
7 | エイム電子株式会社 | 8.1% |
8 | JFEフェライト株式会社 | 7.8% |
9 | ウルト・エレクトロニクス・ジャパン株式会社 | 7% |
10 | King Core | 3.9% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のフェライトコアページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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Metoreeに登録されているフェライトコアが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
非分割オーバルコアDCMHシリーズは、低周波対策用の高透磁率MnZnコアを使用している電磁波ノイズ対策製品です。
キューリー温度が高いため高温時においても優れた電磁波ノイズ減衰効果を発揮することができる他、表面を樹脂コーティングすることで電線被覆の傷つきを防止できることや、丸形コアと比べてスペースの有効活用が可能であることが特徴です。
パソコンやプリンター、FAX 、複写機、AV機器、家電製品、測定器等の電子機器装置全般での使用に最適です。
星和電機株式会社の「E04RVA」シリーズは、利便性が高く、高温環境下でも安定性能のGHz帯対応のフェライトコアです。
GHz帯に対応しているため、1.5GHz 帯域のGPS帯域のノイズ対策への利用が可能です。
また、車載機器、車載ハーネス、高速処理機器や高速通信ケーブル等のEMS対策への対応にも適した製品です。
1GHz近傍のノイズ対策は、従来の一般的なフェライトコアでは、基板対策でしか行えませんでした。しかし、「E04RVA」シリーズは、これまでの同様の利便性を維持しながら、後付けで対策することが可能です。
主な用途としては、車載機器や5Gに関する通信機器に利用されます。
イージーロックフェライトは、ワンタッチで好きな場所に取り付けることが可能なフィルタリング(フェライトコア等)です。
線材が斜めになってもずり落ちにくいケースになっている他、低周波のノイズへの対策やケーブルノイズを低減することに適していること、形状の改良によって線材抱合範囲が広くなったためずれにくいという特徴があります。
ノイズ対策用として、放送機器、映像機器、医療機器など多方面での使用に最適です。
NF-01LGは、高周波ノイズの吸収効果に優れているフェライトコアです。
プラスティックケースにフェライトコアが一体化されているため、インターフェイスや電源ケーブルにワンタッチで取り付けることが可能な他、コモンモードノイズに効果があるため信号の品質に影響なくノイズ対策ができることや、各種のケーブルサイズに対応できるようにケーブル外径別にシリーズ化されていることが特徴です。
各種デジタル機器のインターフェイスケーブルなどが原因となる不要輻射、雑音端子電圧及びイミュニティ対策に最適です。
EPコアは、RoHS指令対応製品かつハロゲンフリーな通信機器用のフェライトコアです。
トランスの実装されるべき単位空間が立方体となっていることから最適寸法比が計算されている他、端子取り付け面以外は完全にコイルを覆う構造になっていることや、コイルの断面を円形にすることによってコアの低周波特性を向上させ実効体積を増加していることが特徴です。
通信機器用トランス及びコイルとして使用する際に最適です。
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