電波暗箱についての概要、用途、原理などをご説明します。また、電波暗箱のメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。電波暗箱関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:日本シールドエンクロージャー株式会社、2位:マイクロニクス株式会社、3位:森田テック株式会社となっています。
電波暗箱とは、外部から内部へ電磁波を透過させない、また内部で発生した電磁波を反射させず外部へ漏洩させないように電磁シールド素材で覆った箱型の電磁波遮蔽装置のことです。
同様の機能を持ったものに電波暗室がありますが、こちらはその名の通り、電磁波を遮蔽する部屋であり、非常に大掛かりな施設です。一方で、電波暗箱はそれよりも小型のものを指し、価格も抑えられています。
電波暗箱は電磁波や高周波関連の測定器を覆うものや測定対象物を格納可能な箱型の形状をしているもの、製品によっては持ち運びができるようなものも販売されています。
電波暗箱は、外部からの電磁波の影響のない状態での無線システムの評価を実施したい場合や、開発途中で未認証の周波数信号の電磁波の外部での測定を実施したい場合などに広く用いられています。モバイルネットワークや無線LAN、RFIDなど無線通信を用いたシステムやそれに関する製品の開発において、試験を行う際は十分な注意が必要です。
試験の段階では、開発途中の製品は技術基準適合証明が取得できておらず、外部に信号電波が漏洩すると電波法違反になるためです。電波暗箱は、このような状況を防ぐために使用されています。また、反対に外部で使用中の電波の影響を排除した測定目的にも活用されます。
電波暗室でも同様の目的は達成できますが、電波暗室の設置は非常に高額な上場所も必要とするため、試験を行うものがさほど大きくなければ、電波暗箱のほうが導入しやすいです。
電波暗箱の原理は、暗箱の内部を電波吸収体と呼ばれる電磁波を吸収する素材で覆い、評価に際しその影響を排除することを可能としている点にあります。電波暗箱は内外からの電磁波を遮断することはもちろん、試験の目的で使用する際は内部で電磁波が反射しないことも要求されます。
そのため、電波暗箱の内部は電波吸収体で覆われているのが特徴です。電波吸収体の素材はフェライトを焼き固めたものやフェライト粒子やカーボンをウレタン樹脂などに練り込んだものなどが用いられます。この際、広い周波数帯で電波吸収を実現させるために、フェライトやカーボンの濃度に勾配をつけます。
しかし、実際には塗装によって勾配を実現するのは製造コストの観点から現実的ではありません。そこで、ピラミッド上の構造に加工してそれを並べることで、吸収材を何層にも積層した効果を得ています。
したがって、電波暗箱や電波暗室の内部の壁は、このような立体的幾何学形状をしています。電波吸収材のシールド特性に応じてピラミッドの山の高さを変えることで、吸収できる電磁波の周波数などをコントロールすることが可能です。
電波暗箱で遮蔽可能な周波数帯は、一般によく取り扱われるマイクロ波帯のLow Band帯である700MHzからSub6GHzの6GHzまでを扱うものが多いですが、ミリ波帯の30GHz程度まで評価可能な機種もあります。
高い周波数は比較的対応できますが、低い周波数はその波長が長いために小型化との両立には高い技術力が必要です。内部の電波吸収体の形状や素材を工夫し、複数の吸収体の組み合わせにより、各社遮蔽周波数の広帯域化を図っています。
電波暗箱の性能指標は、電波を遮蔽可能な周波数とその電磁波のシールド (遮蔽) を意味する反射減衰量が代表的です。目安としては、反射減衰量 (絶対値) 10dBではほとんど効果はありません。20dBで最低限のシールド効果あると言えます。
平均値は30~60dBであり、このレベルはちょうど携帯電話がその電波を認知できずに圏外と扱われるレベルです。よって、所望の電波周波数で60dBのシールド効果が性能指標の目安です。また、電波暗箱内部においてシールド効果の性能指標である反射減衰量の分布値が、大きくばらつくのも好ましい状態ではありません。
実際にアンテナを内部に格納し、電波の指向性分布から好ましいばらつきを抑制された反射減衰量分布となるように、各メーカーにて電波吸収体の配置に創意工夫が施されています。
参考文献
http://www.micronix-jp.com/products/shield-box/
http://t-sato.in.coocan.jp/terms/rf-absorber.html
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
電波暗箱のカタログ一覧はこちら企業
日本シールドエンクロージャー株式会社 マイクロニクス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本シールドエンクロージャー株式会社 |
37.2%
|
2 | マイクロニクス株式会社 |
14.0%
|
3 | 森田テック株式会社 |
9.3%
|
4 | 株式会社ノイズ研究所 |
9.3%
|
5 | 有限会社シールドテック工業 |
7.0%
|
6 | 株式会社テイエスエスジャパン |
7.0%
|
7 | TDK株式会社 |
4.7%
|
8 | 日本イーティーエス・リンドグレン株式会社 |
2.3%
|
9 | 株式会社新日本電波吸収体 |
2.3%
|
10 | エレナ電子株式会社 |
2.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の電波暗箱ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
10 件の製品がみつかりました
マイクロニクス株式会社
290人以上が見ています
最新の閲覧: 4時間前
軽量で持ち運びも便利な小型サイズ。 20万円以下と大変お求め易い価格でのご提案。 ・低価格、軽量、短納期 ・計測器メーカーが提供す...
マイクロニクス株式会社
230人以上が見ています
携帯電話、無線LAN、無線通信器等の空間結合による通信品質試験、アンテナ試験に最適。 ・携帯電話・ETC・無線系試験に最適 ・低周波から1...
注目ランキングについて: Metoreeに登録されている電波暗箱製品10点の中での2023年12月5日時点でのアクセス数を元に算出しています。
価格について: Metoreeに登録されている電波暗箱の製品10点の2023年12月5日時点での価格データを元に算出しています。
Metoreeに登録されている電波暗箱が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
・アンテナ評価の開発・設計用に。・小型で高性能な電波暗箱。・小型は卓上での使用も可能。大型はキャスター取付により移動も可能です。・アンテナの指向性...
2023年2月8日
【MH3800】は、実機環境で手軽に無線通信機器の「ハンドオーバー(ハンドオフ)」評価や、距離減衰による「フォールバック(伝送速度の低下)」動作試験を行...
2023年4月26日
電磁波放射パターン測定システムMRP770は、無線機器やアンテナ等の電磁波放射パターンを自動測定する試験設備です。シールド性能の高い電波暗箱と指向性受信...
2023年4月26日
ミリ波対応。5G NR対応端末・デバイス・チップセット等の、簡易的なOTA試験(プロトコル機能、スループット等)に好適。対応周波数は700MHz~30GHzで、5G NR...
2023年4月26日
小型アンテナ・無線機器の評価に好適な電動ターンテーブル。アンテナ放射パターン、ビームフォーミング、ビームトラッキング等の評価に使用できます。小型か...
2023年4月26日
外部遮音電磁波シールドパネルボックスの内側に電波吸収体JSE-8を設置した、マイクロ波用電波暗箱です。
小型は卓上での使用、大型はキャスター取付により移動が可能なサイズとなっています。
アンテナの指向性・パターン測定・実効放射電力測定に対応しており、小型電子機器の設計・開発用、および、携帯電話・無線LAN・Bluetooth等の通信装置の評価などへのアプリケーションに最適です。
また、大型電波暗室での評価の前にプリチェック用暗箱としての利用も効果的です。
ME8662N(E)は、1人での持ち運びも可能な小型サイズの簡易型電波暗箱です。
サイズは、360(W)×166(H)×340(D)mmであり、重量は約7kgとなっています。
ME8662Eでは、3重構造(電波吸収体、銅板、アルミ板)が採用されており、60dB type@2.4GHzというシールド性能を実現しています。
小型無線通信機器(携帯電話、無線LAN、ETC車載器)の同軸ケーブル接続における送受信の評価などのアプリケーションに最適です。
従来の電波暗室と比べ小型軽量で、キャスター付きのため移動も用意な電波暗箱です。
ボックス内外の電磁波を遮断する電磁波シールドの機能に加え、 ボックス内のアンテナや無線モジュールからの輻射された電磁波の反射を抑え、マルチパスの少ない良好な電磁波結合の環境を実現します。
被試験物に合わせた、インターフェースのカスタマイズが可能となっています。
手軽さと高性能を両立した、様々なアプリケーションに対応できる電波暗箱です。
K-15は、移動可能な電波暗箱でありながら、1680×1280×1280mmという電波暗室クラスの大きさを誇る大型の電波暗室です。
使用電波吸収体は4インチピラミッドを用いており、シールド部分はパン工法を用いることで完全不燃構造となっています。
測定者が電波暗箱内に入ることなく測定が可能なので、測定誤差が少なくなります。
設置の手続きが不要で手軽に用いることができる電波暗室としてのアプリケーションにも対応できます。
日本電計株式会社でチェック
アイアールシー株式会社でチェック