EMIフィルタについての概要、用途、原理などをご説明します。また、EMIフィルタのメーカー17社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。EMIフィルタ関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社村田製作所、2位:デルタ電子株式会社、3位:株式会社MARUWAとなっています。
EMIフィルタとは、電子機器などから発生する雑音 (ノイズ) を遮断して、その他の電子機器に悪影響を与えない様に保護するためのフィルタです。
基板などの配線に接続され、配線を通じて伝えられる信号に電磁的なノイズがある場合に、EMIフィルタによってノイズを除去します。ノイズを除去するためには、EMIフィルタ単体でも使用できますが、シールドやコモンチョークコイル、サージアブソーバなどと同時に利用することで、正確な信号の伝達を行うことができます。
なお、EMIとは「Eloctro Magnetic Interference」の略で、日本語では エミッション・電磁妨害放射規制のことです。
EMIフィルタは、主に信号を受信する機器や送信する機器の電気回路全般で使用されます。生産工場における計測器やレーダ内の測定部や受信部や、基地局や人工衛星の発信部や、基地局や人工衛星などから発信される信号のノイズを除去するのに有用です。
ノイズにはさまざまな種類があるので、EMIフィルタがそのノイズに対応しているか注意が必要です。また、EMIフィルタでも製品ごとにノイズ除去の精度や方法が異なるので、適切に選定する必要があります。
EMIフィルタはさまざまな電子部品によってノイズを除去しますが、EMフィルタで使われる代表的な電子部品は、コンデンサとインダクタです。
コンデンサは回路の負荷に対して並列につなぐことで、ローパスフィルタとして機能します。コンデンサのインピーダンスの特性は、高周波ほど小さくなることです。
つまり、周波数が高いとコンデンサに電流が流れやすくなるため負荷には電流が流れにくくなります。またコンデンサの静電容量によって、除去する周波数を決定することができます。なお使用する回路のインピーダンスが高いほど、コンデンサのフィルタとしての機能を向上させることが可能です。
インダクタは回路中の負荷に対して、直列につなぐことで、ローパスフィルタとして機能します。原理はコンデンサの特性とは逆に、インダクタのインピーダンスは、周波数が高くなると大きくなるという特性を利用したものです。周波数が高くなるほど、この回路はインダクタのインピーダンスによって、電流が流れにくくなります。
フィルタは電波の伝導経路中に配置すると、回路の動作に必要な信号とノイズを選定し、ノイズのみを除去する働きを果たします。信号とノイズを選定する上では、両者を分離するための基準が必要です。
EMIフィルタではノイズを区分けするために、周波数分布の偏りを利用しています。対象となる電波雑音に対して、低周波のものを信号とし、高周波の電波は雑音として扱い、低周波の電波を通すため、ローパスフィルタとして機能します。
周波数分布で信号とノイズを分離するフィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーションフィルタの4つの種類です。EMIフィルタでは、対象のノイズ周波数を先に絞り込むことが難しい場合が多いため、ローパスフィルタが多く使用されます。
ノイズ分離には周波数分布以外にも、コモンモードチョークコイルでは伝搬モードや電圧の違い、サージアブソーバでは電圧の違いを利用してノイズを分離します。
EMIと類似した用語に、EMSやEMCがあります。EMIはここまで説明したとおり、機器から放射されるノイズを抑えるものです。
EMSは他の機器から発せられるノイズに耐える「Electoro Magnetic Susceptibility イミュニティ・電磁感受性」を指しており、EMIとEMSの両方を兼ね揃えた機器をEMC対応品「Electro Magnetic Compatibility 電磁環境両立性」といいます。
参考文献
https://www.murata.com/ja-jp/products/emc/emifil/knowhow/basic/chapter06-p2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejias/124/9/124_9_893/_pdf
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EMIフィルタのカタログ一覧はこちら企業
株式会社トーキン*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社村田製作所 |
21.7%
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2 | デルタ電子株式会社 |
13.0%
|
3 | 株式会社MARUWA |
13.0%
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4 | Semiconductor Components Industries, LLC |
10.9%
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5 | 株式会社コンド電機 |
6.5%
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6 | STマイクロエレクトロニクス株式会社 |
6.5%
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7 | Vishay Intertechnology, Inc. |
6.5%
|
8 | Coilcraft Japan |
4.3%
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9 | ウルトエレクトロニクスジャパン株式会社 |
4.3%
|
10 | Johanson Dielectrics, Inc. |
2.2%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年5月のEMIフィルタページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
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コア熱にも揺れにも動じないノイズの番人。トーキンのEMI対策用フェライトコアESDシリーズは、Ni-Zn系とMn-Zn系の2種類のフェライト材料を使用。Ni-Zn系はFM...
2022年12月23日
チップフェライトビーズは、村田製作所のEMI除去フィルタの製品ラインラップにおいて、数MHz~数GHzの周波数帯において使用に適している製品になります。
軽度のノイズ対策として、幅広い範囲で使用することができます。
低周波数の状態では、微小のインダクタンスを持つインダクタとして利用することができるうえ、高周波数の状態ではインピーダンスを発生するため、ノイズの部分に挿入して使用することで、ノイズの伝導を防ぎ、ノイズを吸収することができます。
チップエミフィルは、3端子のコンデンサをチップ形状に加工したEMIフィルタで、複合型から特定の使用用途に特化した製品まであります。
製品ラインラップが豊富で、構造から、寸法、特徴、カットオフ周波数、特性や定格電圧などを選択することができ、使用用途に応じて最適なEMIフィルタが使用できます。
内部構造が貫通コンデンサの様になっているため、グランド側のインピーダンスが小さくなり、高周波領域のノイズを除去することに適しています。
コモンモードチョークコイル/コモンモードノイズフィルタは、コモンモードにおけるノイズを減衰するために使用するEMIフィルタになります。
USBやHDMIなどの差動伝送や、平衡伝送、電源や音声ラインで不要なノイズを除去するために使用します。
ノイズが発生する対象の信号に影響を与えずに、数MHz~数百MHzのコモンモードのノイズの除去を行うことができます。
製品ラインラップが豊富で、一般向けの製品から、自動車用の製品まで購入することができます。
高周波用大電流EMIフィルタPMZAMVシリーズは、車載向けのEMIフィルタで、155℃の環境でも問題なく使用することができる信頼性の高いことが特徴です。
ノーマルモードやディファレンシャルモード、コモンモードのノイズのすべてに対応しており、使用できる幅が広く、1000MHz以上の高周波数帯でも使用できます。
5.3×3.2㎜と小型であるにもかかわらず、定格電流が10Adcと優れており、許容電流の大きい大電流が使用される電源ラインにおいても、使用することができます。
DNMシリーズは、貫通型のセラミックコンデンサと大容量の積層セラミックコンデンサ、インピーダンス素子を複合した特殊な構造を持つ、高性能なEMIフィルタになります。
特殊な構造で、電流経路内部に接続部が無いため、許容電流が15AまでのDCに対応しており、産業用電子機器やコンピュータ、周辺機器のDC電源ラインでの使用に適しています。
DNMシリーズのEMIフィルタで、プラスとマイナスのノイズを除去することができ、広帯域では挿入損失特性が得られます。
DPNシリーズは、デジタルTVやエンターテインメント用の機器、音響機器などのデジタルアンプのノイズ除去に使用するためのEMIフィルタです。
低価格と多彩な機能を備えているため、EMIフィルタを使用する機器のトータルコスト低減と部品の点数の削減をすることができます。
MARUWA独自の材料と構造の最適設定によって、ゆがみ率が低く、高精度に利用することができます。
特定有害物質に対する使用制限の国際的な基準であるRoHSに対応しています。
ハイブリッドEMIフィルタのDVMSA28シリーズは、VPT社製のDVSAシリーズDC-DCコンバーターと同時に使用し、電線を伝ってきたノイズを除去するために使用されるEMIフィルタになります。
使用可能な温度範囲は、-55~+125℃と軍事用に使用できるほどであるため、過酷な条件下での使用に適しています。
大きさが0.27インチ、質量が12gの薄型軽量のEMIフィルタであるため、様々な設置条件に対応することができます。
電力ディレーティングが無く使用することができます。
ハイブリッドEMIフィルタのDVMHシリーズは、VPT社製のDVHFを2つ使用するとき、または、DVTRシリーズDC-DCコンバータを使用するときに、電線を伝わるノイズを除去するため言使用されるEMIフィルタになります。
軍での使用規格を満たす-55~+125℃の温度条件で使用することができるため、過酷な条件下での使用に適しています。
設置に便利なフランジ付きの製品も用意されており、取り付けを簡単に行え、EMIフィルタを傷つけずに済みます。
薄型軽量設計のため、設置場所の制約が少ないです。
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