X線分析装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、X線分析装置のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。X線分析装置関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:株式会社日立ハイテクサイエンス、2位:株式会社島津製作所、3位:株式会社リガクとなっています。
X線分析装置は、蛍光X線分析装置のことをいいます。
X線分析装置は物質の定性分析や定量分析に活用されており、試料を破壊することなく短時間で調べることができるので物質の組成の検査方法として利用されています。
物質にX線を照射すると、その物質由来の蛍光X線を発しますので、その蛍光X線の波長、つまりエネルギーを測定して物質を特定しています。
X線分析装置は固体、液体でも測定が可能で、しかも定性分析の手法として高感度で信頼性が高い検査装置です。
X線分析装置は、固体、液体を問わず試料の定性分析、定量分析を非破壊で行うことができます。
とくに合金材料や土壌に含まれる有害金属の有無とその含有量を調べるために利用されています。
例えば、岩石、隕石など成分が未知の物質の組成を調べるにはこのX線分析が有効です。
最近では、環境や安全保全の観点からプリント配線のハロゲンフリー化が進められており、その保証のためにX線分析装置で分析がされています。
他に、有害性化学物質の定性と定量に利用され、RoHS指令で定める物質の検査に利用されます。
簡単に持ち運べる携帯型装置も販売され、用途が広がっています。
X線分析装置では、物質の蛍光X線の波長と強度を分析しています。
物質にX線を照射すると、その元素はエネルギーを吸収して励起し、その元素由来の波長を持つ蛍光X線を発します。
蛍光X線の波長は固有なので、検出したスペクトルから物質を特定することができます。
発される蛍光X線の強度を調べることで定量を、蛍光X線の波長を調べることで物質の種類を特定しています。
X線分析装置では、まず高電圧をかけて電子線を発生させ、タングステン等のターゲットに照射しX線を発生させます。
そのX線を試料に照射し、試料の元素由来の蛍光X線を検出器で検出し、定性分析を行います。
定量分析においては蛍光X線の強度を測定し検量線を作成して、含有量を求めます。
また、X線分析装置の仕組みには波長分散型とエネルギー分散型があります。
波長分散型では、蛍光X線を分光結晶で分光し、検出器で測定します。
高感度で分解能も高く精度がよいですが、大型になる傾向があります。
一方エネルギー分散型では、半導体の検出器がそのまま蛍光X線の波長を分析することができるため、小型でスリムな設計になっています。
しかも短時間で、2種類以上の元素を同時に分析することができます。
エネルギー分散型蛍光X線分析装置(略称:ED-XRF、またはEDX)は試料にX線を当てる為のX線管(X線発生部)、分析を行う試料室、及び試料から発生する蛍光X線を受光分析する装置により構成されるシステムです。試料に当てるX線は、高電圧を印加したフィラメントに電子を衝突させて発生させます。そのX線管から放たれたX線が分析される試料に当たると、試料から元素固有の蛍光X線が発生します。次にこの蛍光X線を半導体検出器で検出し、そのスペクトルとエネルギー強度を測定します。その結果、スペクトルから試料に含まれている元素が分かり、エネルギー強度から元素の含有量が分かるのです。この蛍光X線は、X線管から放射された一次X線と異なるX線(蛍光X線)になる為、「エネルギー分散型」と呼ばれています。
「エネルギー分散型」は蛍光X線を高性能半導体で検出し、電気信号に変換して対応するスペクトルを分離します。具体的には半導体検出器に入射した蛍光X線を検出器内の半導体内でパルス電流に変換しています。その後種々の増幅分析装置を通してエネルギー強度を測定します。その結果、本装置では測定範囲の検出可能元素を一度に検出して分析結果を得ることが出来ます。またX線の検出部は半導体検出器のみの簡単な構造の為、機器の小型化が可能です。
エネルギー分散型蛍光X線分析装置(略称:ED-XRF、またはEDX)は高速分析や他元素同時分析等多くの利点を有しています。また、検出器は半導体検出器のみの簡単な構造です。しかし、ED-XRFはその特性から微量元素の検出が難しく、また半導体検出器の経時変化によりスペクトルの再現精度が低くなります。したがって精密な定量分析には波長分散型蛍光X線分析装置(略称:WD-XRFまたWDX)が用いられます。
波長分散型蛍光X線分析装置(略称:WD-XRF、またはWDX)では、試料から発生した蛍光X線を分光結晶で分光し、検出器で測定します。その際、分光結晶に入射した蛍光X線(入射角θの場合)は「ブラック条件」により波長λは2dsinθ=nλを満たす角度2θの方向に出射されます。その時、分光結晶の出射される蛍光X線の分光角度2θは、分光結晶の面間隔dにより元素毎に変わります。
分光結晶と検出器を「ブラック条件」に基づいて回転させ検出器で蛍光X線を測定すると、試料中の元素により固有の角度でピークを得ることができます。つまり、この固有の角度2θで元素分析が出来、ピークの大きさ(エネルギー強度)で元素の含有量が分かることになります。このように分光結晶を用いて蛍光X線を検出する為「エネルギー分散型」に比べ測定時間は長くなりますが、隣接ピークの切り分けが出来て高精度分析が可能となるのです。そのため、「波長分散型」は「エネルギー分散型」より大型装置となります。
参考文献
https://www.hitachi-hightech.com/hhs/products/tech/ana/xrf/descriptions.html
https://www.matsusada.co.jp/column/words-xfs.html
http://www.process.mtl.kyoto-u.ac.jp/pdf/shinpo_41_29_44
https://www.malvernpanalytical.com/jp/products/technology/x-ray-fluorescence/energy-dispersive-x-ray-fluorescence
https://www.jaima.or.jp/jp/analytical/basic/xray/eds/
http://www.rada.or.jp/database/home4/normal/ht-docs/member/synopsis/040303.html
https://www.researchgate.net/profile/Keita_Yamasaki2/publication/324889181_Improving_the_Precision_of_EDXRF_using_the_Fundamental_Parameter_Method/links/5ae963b645851588dd817988/Improving-the-Precision-of-EDXRF-using-the-Fundamental-Parameter-Method.pdf
http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000171791.pdf
https://www.jeol.co.jp/corporate/envi/download/seminar/2008/seminar_20080618_05.pdf
https://www.researchgate.net/profile/Keita_Yamasaki2/publication/324889181_Improving_the_Precision_of_EDXRF_using_the_Fundamental_Parameter_Method/links/5ae963b645851588dd817988/Improving-the-Precision-of-EDXRF-using-the-Fundamental-Parameter-Method.pdf
https://www.jaima.or.jp/jp/analytical/basic/xray/wds/
http://analysis.ikaduchi.com/XRF-wav-en.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト6
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社日立ハイテクサイエンス | 23.7% |
2 | 株式会社島津製作所 | 18% |
3 | 株式会社リガク | 16.6% |
4 | 株式会社堀場製作所 | 16.1% |
5 | 日本電子株式会社 | 13.3% |
6 | Malvern Panalytical Ltd. | 12.3% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月のX線分析装置ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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本製品は、高感度な測定が可能で最大250×200mmエリアをマッピング可能な高速ステージを採用しているため、非常に高速なマッピング測定を可能としています。
最大500点の指定ができるためオートサンプラのよう連続多点測定が可能、また微小部品の中のどの箇所にも一目で着目元素の確認が可能な製品となっています。
また、樹脂や金属などに含む微量な環境規制物質を短時間で測定でき、複数の材料が組み合わさる試料の測定も可能となっています。
本製品は、新しいシリコンドリフト検出器を搭載されCd・Ka・Od・Ka・などのエネルギー帯に対する高い感度でのスループット測定が可能な製品です。
高い分解能かつ高い計算率を可能にし検出器によって、従来よりも主成分に近い微量元素の検出に優れ、金属の品種管理などにも貢献されています。
真空システムとこの新しい検出器の組み合わせによって軽元素を含んだスラグやセグメントなど、どの工程管理・品質管理でも発揮されています。
本製品は固体・粉体・液体などの元素分析(非破壊)が可能で有害元素の受入検査や医薬品・食品の異物分析、考古学試料や成分分析など様々な分野で活用されています。
最大で300×275×100mmの試料を装着可能で本体サイズも460mm幅と小型、またX線発生時はX線表示灯と全面ランプが点灯し、分析している時もX線表示灯の両側が青点灯するなど、装置の状態が簡単に確認することができます。
また、1画面で試料の画像表示や分析条件の選択、試料名の入力などを行うことができ、非常にシンプルな画面のため、はじめて利用される人でも簡単に操作が可能な仕様となっています。
本製品は、粉末の試料から粉が飛んでも光学系へ影響を与えない試料保護フィルムも必要がない上面照射方式を採用しています。
試料の標準値と情報を入力するだけで、分析線や光学系の測定、共存元素の補正、重なり補正などを自動測定してくれる機能が備わっています。
「らくらく分析」機能により、一連の分析をお気に入り登録することで、ワンタッチで分析を行うことができる機能が搭載、またデータベースの変更や削除などの操作ミスを防止するための設定がオペレータ事に可能でフィーマンエラーの防止も可能となっています。
本製品は、一般的な定性・定量分析やRoHS元素のスクリーニング機能を装備しており、タッチパネル操作で簡単に元素分析を可能にしたエネルギー分散型の蛍光X線分析装置です。
土壌汚染対策や異物調査、材料判定、食品分析、環境分析、考古学や鉱石の分析など、幅広い分多での使用が可能となっています。
分析には新開発したスマートFP法を採用しており、標準試料を準備することなく自動的に残成分及び厚さ補正を行った高い精度での定量結果を得ることができる製品になります。
また、新開発のFP法と自社のSDDと新設計された光学系、全エネルギー範囲対応フィルターにより、高い感度分析を可能にしています。
本製品は、40×40cmと小型で省スペースが高く、パワフルで堅牢性が高く、現場などへも携帯できて元素分析が可能な卓上蛍光X線分析装置になります。
このイプシロン1は、分光器、コンピュータ、分析ソフトで構成されたたちスクリーン可能なエネルギー分散型のXRF分析装置になります。
測定にはサンプル調整等は必要なくサンプルを直接測定可能、また50kV X線管とジェネレータにより重元素の励起に最適で分析時間を短縮かつ高精度化された感度をもっています。
USBやネットワーク接続が可能なため、拡張使用やアプリ開発などにも使用可能となっています。
本製品は、大気もしくはHeガス雰囲気下で炭素もしくはフッ素からアメリシウムまで希ガスを除く元素分析に対応した蛍光X線分析よりも快適なデスクトップ型EDX装置になります。
固体・液体・粉体(プレスプレットや粉体をそのまま)・フィルタなど、形態の異なるサンプルをこの1台で分析可能、かつ重量も数mgからバルクタイプまで幅広く測定可能となっています。
サンプルチェンジャ測定モードから大型試料測定モードへの切り替えが簡単なためルーチン測定から携帯でんわ のような比較的大型な試料の測定もこれ1台で可能となっています。
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