分光分析装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、分光分析装置のメーカー9社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。分光分析装置関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:日本分光株式会社、2位:ジャパンマシナリー株式会社、3位:株式会社エス・テイ・ジャパンとなっています。
分光分析装置 (英: Spectrometer)とは、物質が発光する光、吸収する光のスペクトルを調べることができる分析装置の総称です。
装置は主に光源、分光部、試料部、検出器などから構成されています。分光分析装置は、使用する光源の種類や装置の仕組みなどによって細かく分けられています。
具体的には、紫外可視分光光度計 (UV-Vis) 、赤外分光光度計 (IR) 、誘導結合プラズマ発光分光分析装置 (ICP-AES)、原子吸光分析装置 (AAS) 、蛍光X線分析装置 (XRF) 、X線光電子分光分析装置 (XPS) などがあります。各装置で分析できることは異なるので、目的に応じて使い分ける必要があります。
分光分析装置には紫外可視分光光度計や誘導結合プラズマ発光分光分析装置などいくつかの種類があり、装置によって分析可能なことが異なります。
基本的には、試料に何らかの光を照射し、このとき試料に吸収、反射、もしくは試料から発光される光を観察することで、試料に関する様々な情報を得ることができます。これらのデータを解析することにより、例えば、試料の定性分析や定量分析、分子構造の評価、材料特性の評価などを行うことができます。研究開発や品質管理、化学分析などの分野ではよく使用される装置です。
分光分析装置では、物質が発光する光や吸収する光を検出し、種々の分析を行うことができます。ここでは、6つの代表的な装置について触れ、各装置の概要について簡単に記述します。
紫外線や可視光線を光源として、物質が透過、反射した光を調べることができる装置です。試料中の成分の定性、定量分析を行うことができます。
赤外線を光源として、物質が透過、反射した光を調べることができる装置です。試料中の成分の構造推定や定量を行うことができます。
誘導結合プラズマ中に試料を導入し、その際に生じる発光現象を検出することができる装置です。感度が非常に高いので、微量元素の定性、定量分析を行うことができます。
原子が固有の波長の光を吸収する現象を利用し、微量元素の定性、定量分析を行うことができる装置です。
X線を光源として、物質の元素分析を行うことができる装置です。各元素固有の蛍光X線を観測することで、試料の定性分析、定量分析を行うことができます。
軟X線を光源として、固体表面を構成する原子や分子の情報を得ることができる装置です。
分光分析に使用される光の波長は、その領域はとても広く、かつ分光という言葉どおり特定に波長域を取り出すことが可能です。分光分析装置にて分光した特定領域の波長を物質にあてると、コンピュータ上でスペクトルという波形図を得られます。
この波形図では、ある波長にてピークと呼ばれる尖がった線が見られます。このピークを読み取ることで物質の特性や構造などを知ることができます。主なもので紫外・可視領域波長では分子中の電子状態、X線は固体面の原子や分子配列、赤外線は有機化合物の原子間の振動状態などです。
分光分析による物質情報の取得とは、スペクトルと呼ばれる波形図内のピークを読み取ることです。各分光分析装置のスペクトルは何を示しているのか解説します。
紫外可視分光光度計
ピークは山のような形で検出されることが多いです。ピークは電子が励起状態となったときの波長はいくつだったのかを表しています。
赤外分光光度計
ピークは波長によって山なりになったり、鋭くなったりします。有機化合物の原子間の振動を波長から同定することができます。
誘導結合プラズマ発光分光分析装置
物質が発光するとき、電子は励起状態になっています。発光後に電子はエネルギーを放出しながら励起状態から基底状態に戻ります。この放出したエネルギーを波長に換算しピークとして検出されます。
原子吸光分析装置
主に無機物質を構成する原子に光を当てると電子が励起状態になります。この励起状態になるときに波長をピークとして取得できます。
蛍光X線分析装置
発光と同じ原理で、X線照射により励起状態から基底状態に電子が落ち着くとき、放出するエネルギー時の波長がピークとなります。
X線光電子分光分析装置
固体表面では原子や分子に軟X線を当てると原子や分子のイオン化が起こります。イオン化に伴って放出された電子のエネルギーをピークとして検出します。
参考文献
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ha/spectrophotometric_analysis.html
https://www.xrite.co.jp/colorknowledge-blog/color-expert-blog/536-blog-20180619.html https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcrsj1959/29/2/29_2_149/_pdf 井野正三
https://www.mst.or.jp/method/tabid/1222/Default.aspx
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/10/4/10_172/_pdf 佐伯慎之助 https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ha/spectrophotometric_analysis.html
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株式会社朝日ラボ交易 レニショー株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト9
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日本分光株式会社 |
31.6%
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2 | ジャパンマシナリー株式会社 |
19.7%
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3 | 株式会社エス・テイ・ジャパン |
11.8%
|
4 | 三洋貿易株式会社 |
7.9%
|
5 | 株式会社島津製作所 |
7.9%
|
6 | アメテック スペクトロ事業部 |
6.6%
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7 | 伯東株式会社 |
6.6%
|
8 | 株式会社アペレ |
3.9%
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9 | ニッシン産業株式会社 |
3.9%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月の分光分析装置ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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2022年2月4日
高性能卓上型NMR『Spinsolve』 90MHZ
2022年3月11日
ハイエンドラマン分光システムです。
2023年1月6日
直径110mmの大型試料台3枚を収容し全自動で資料をハンドリングしながらの分析が可能なX線分子分光分析装置です。1台でスペクトルモードとイメージモード両方の測定に対応しています。
装置内2か所に配置されたCCDテレビカメラで得られた光学像を元に測定位置を簡単に設定、分析箇所と測定データがリンクたデータとして得られます。
独自の帯電中和機構を装備しており、導体や絶縁物など測定対象を選ばずに測定可能です。
スキャニング機能を搭載した高精度な紫外可視分光分析装置です。PCと接続しての測定の他、スタンドアローンでもスキャニング可能です(測定波長範囲:190~1100nm)。
スプリットビーム方式で、スペクトルバンド幅は2nmです(波長正確さ:±0.5nm)。
キュベットホルダーは6連(自動)に対応しています(機種による)。
ガラスキュベット(4本)および石英キュベット(2本)が標準で付属しています。
測定波長範囲は190~2700nmと幅広い範囲をカバーしている紫外可視近赤外分光分析装置です。スペクトル測定や定量測定のほかカイネティクスなど様々な測定に対応します。
USPやJISなど、様々な規格に対応したバリデーションを行うことが可能な装置です。
起動時の自動診断機能を搭載しています。ランプ点灯時間の管理システムも装備し、光源(重水素ランプ)の交換時期に迷うこともありません。
分光分析装置の清吾はPCまたは専用小型モジュールいずれかで行います(購入時選択)。
金属分析のための卓上型発光分光分析装置のエントリーモデルです。コンパクトサイズで設置が容易、ランニングコストも低く抑えられています。
測定操作はサンプルをセットし測定ボタンを押すだけです。測定結果は装置に接続したPCに表示されます。
製造業での受入検査や製品検査、炭素測定による炭素鋼判別などの用途に適しています。
マルチCCDを搭載し、測定波長領域は175-420nm、焦点距離は300nmです。
CCD検出器を搭載した発光分光分析装置です。チル化が不完全なサンプルの炭素量も測定可能な特殊メソッドを有します。
測定波長範囲として140~670nmをカバーしています。光電子増倍管タイプと比較して分析可能な元素が非常に多く、多元素、他金属の分析が容易に行えます。
標準化に必要なサンプルは1つだけのため、大幅な作業時間の軽減を可能にしています。
システムの保守を容易にする自己診断ソフトウェアを搭載しています。