元素分析装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、元素分析装置のメーカー26社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。元素分析装置関連企業の2023年5月注目ランキングは1位:株式会社ジェイ・サイエンス、2位:株式会社島津製作所、3位:株式会社日立ハイテクとなっています。
元素分析装置とは、化学物質を構成する元素の種類 (定性分析) と構成比率 (定量分析) を決定する装置です。
物質は全て元素から構成されているため、元素の種類と比率を明確にすることは物質の性質を知る上で非常に重要な項目の一つとなります。
物質は大きく有機物と無機物に分けられます。有機物は、炭素を含む化合物の多くを指します。元素分析によって、炭素 (C) 、水素 (H) 、酸素 (O) 、窒素 (N) といった元素の含有率を求めることで有機物の組成式を導くことができます。
一方、無機物は有機物以外と定義され、金属元素や非金属元素、水素化物、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、金属錯体などがあります。元素分析によって、ナトリウム (Na) やカリウム (K) といった金属元素、ホウ素 (B) やケイ素 (Si) といった非金属元素、塩素 (Cl) やフッ素 (F) といったハロゲンなどを定性、定量します。
対象の物質 (有機物か無機物か) や元素の種類、物質の状態 (液体、固体) などによって、様々な分析方法があります。
元素分析は様々な化学物質を分析対象としているため、幅広い分野で使用されています。代表例は下記の通りです。
有機物の元素分析は、サンプル中の炭素などの元素を測定容易な物質に変換し、その後、それぞれ適当な方法で定量するという手順で行います。
まず、元素を変換する方法としては、キャリアーガス中でサンプルを燃焼させる方法と、液体中で分解剤を加えて行う湿式法があります。様々な分析手法がありますが、以下に代表的な分析法を示します。
炭素と水素に関して、キャリアーガスに酸素を使用し、サンプルを完全燃焼させて炭素をCO2に、水素をH2Oに変換した後、適当な方法で捉えて定量します。窒素は、サンプルを二酸化炭素気流中で燃焼補助剤と共に完全燃焼させてN2に変換した後、体積を測定することで分析できます。
また、サンプルに分解剤を加えてアンモニアに変換した後、補修剤を用いて捉え定量する方法もあります。酸素は他元素の百分率の総和から計算します。
イオンクロマトグラフィー (IC) は、液体クロマトグラフの一種であるイオンクロマトグラフを用いて、主に溶液中のイオン性成分の定性・定量を行う分析手法です。測定対象成分は、無機陰イオンやアルカリ金属、アンモニアなどがあります。
高周波誘導結合プラズマ (ICP) を用いる分析手法も知られており、ICP発光分光分析法 (ICP-AES) とICP質量分析法 (ICP-MS) があります。いずれも水溶液サンプル中の約70種類の元素を一斉に測定することが可能で、広く活用されている分析方法です。サンプルが固体の場合は、分解や抽出により水溶液にすることで分析が可能となります。
ICP-MSでは、イオン化源としての誘導結合プラズマ (ICP) に水溶液試料を霧化・導入し、プラズマ中でイオン化した元素を質量分析計で分離・検出することで元素分析を行います。
一方、ICP-AESでは、水溶液試料を霧化・導入した後、励起された元素が基底状態に戻る際に放出される光を分光して、波長から元素の定性、強度から定量を行います。ICP-AESが不得意とする希土類などは、ICP-AES分析が適しています。ICP-AESとICP-MSを併用して分析を行うことにより、主成分~微量成分まで幅広い濃度範囲の元素情報が得られます。
原子吸光分析法 (AAS) は、希酸水溶液中の元素を原子化し、そこに光を照射し、光の吸収(吸光度)から元素濃度を測定します。全ての原子は、外から光エネルギーを与えられると、低エネルギー状態 (基底状態) から高エネルギー状態 (励起状態) に遷移しますが、基底状態と励起状態のエネルギー差は元素によって決まっています。そのため、吸光度を測定すれば、元素の定性・定量が行えることになります。
蛍光X線分析法 (XRF) は、測定サンプルにX線を照射して発生する固有の蛍光X線を測定することで、構成されている元素の同定と定量が行えます。特殊なサンプルを除いて、前処理が不要、非破壊で分析可能、固体表面の分析も可能という特徴があります。
サンプルにX線を照射後、発生する蛍光を測定するのですが、検出システムの違いによって、エネルギー分散型システム (EDXRF) と波長分散型システム (WDXRF) に分けられます。WDXは、発生した蛍光X線を分光結晶によって分光し、これをゴニオメーターを用いて計測するため、装置が大型になります。一方、EDXは検出器自体のエネルギー分解能が優れているため、分散系が不要となり、装置が小型になります。
参考文献
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/industrial/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/63/12/63_612/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/60/12/60_KJ00008548707/_pdf/-char/ja
http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~kikibun/04ichirann/souchi/PU2400/2400-1.html
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株式会社マイクロエミッション ライカマイクロシステムズ株式会社 ユーロフィンイーエージー株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年5月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 株式会社ジェイ・サイエンス |
13.7%
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2 | 株式会社島津製作所 |
12.3%
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3 | 株式会社日立ハイテク |
9.6%
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4 | 株式会社マイクロエミッション |
8.2%
|
5 | ジャスコインタナショナル株式会社 |
8.2%
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6 | 株式会社ニレコ |
6.8%
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7 | ヤマト科学株式会社 |
5.5%
|
8 | 和研薬株式会社 |
4.1%
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9 | 株式会社北浜製作所 |
4.1%
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10 | エレメンター・ジャパン株式会社 |
4.1%
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注目ランキング導出方法について
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株式会社ニレコ
X線蛍光分析計 (XRF) は試料にX線を照射することにより発生する各元素特有の蛍光X線を検出することにより、試料を構成する元素を同定...
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レーザー誘起ブレークダウン分光分析計 (LIBS) は試料表面にパルスレーザーを集光して照射して生成するプラズマを分光分析することに...
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企業
株式会社マイクロエミッション ライカマイクロシステムズ株式会社 ユーロフィンイーエージー株式会社FlashSmartは、ダイナミック閃光燃焼法を用いることで、試料中の水素、炭素、窒素、酸素、硫黄の濃度分析ができる装置です。
100ppmから100%までの幅広い濃度測定が可能です。
無機物、有機物、液体、固体の試料を測定可能です。
1つの試料に対して、5~10分で分析できます。
ガス流路を、2つの燃焼炉へ、自動切換え可能の為、自動で5元素の分析が行えます。
乾式分析法を用いている為、排気設備は不要です。