光スペクトラムアナライザのメーカー9社・26製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
光スペクトルとは、横軸に波長・縦軸に強度をプロットした、波長ごとの強度分布です。光スペクトラムアナライザ(英語: Optical spectrum analyzer)はこの光のスペクトルを測定するための分光装置です。
同様の装置に光波長計がありますが、光スペクトルアナライザには、測定値を補正する機能や、波長をスキャンするためのミラーが搭載されており、光波長計よりも光学系は複雑になりがちですが、多機能で汎用性が高いのが特徴です。そのため、装置の価格は比較的高額になります。
光スペクトラムアナライザは、主に光学系の性能評価に利用されています。
特にレーザー光源やLED光源は産業・医療応用・情報通信・学術研究に至るまで、非常に幅広く応用されており、その波長特性を調べることは非常に重要です。
光スペクトラムアナライザは、分光方式によって二種に大別されます。
分散分光方式は、分光素子を用いて波長成分を空間的に分解し,波長ごとの強度を測定します。
分光素子にはプリズムや回折格子が用いられます。
干渉分光法は測定したい光を干渉させ、その干渉パターンからスペクトルを測定します。測定したい光を干渉させるためにビームスプリッタを用いた二光束干渉方式と、対向させた高反射ミラーを用いる多光束干渉方式があります。二光束干渉方式では二光束の光路長を変化させ、干渉光強度の変化を測定し、これを逆フーリエ変換することでスペクトルを算出できます。一方、多光束干渉方式は測定したい光を多重反射させると共振した波長成分だけを取り出すことができます。ミラーの間隔を変えれば共振する光の波長も変わるのでこれを繰り返すことでスペクトルを測定することができます。
光スペクトルアナライザ(光スペアナ分光器)は光ネット通信やフォトカプラなどの光半導体の開発で利用されています。
その他、光を使った分析や水分や膜厚測定、医薬や生物等のバイオや化学を始めとした全ての光関連部品分野に応用されています。
その中でも回折格子による分光器は、近赤外を主な対象とした波長域で分光するすることが可能なため、現在では分光機器に不可欠な存在です。
特に光通信用や光学部品の評価で用いる1.2μ~1.7μmの波長帯域にて、高度な分解能で高効率な分光器が必要であり、その性能をクリア出来る回折格子分光器は最重要品です。
分光器は基本的に入射用格子、コリメートと呼ばれる鏡とレンズ、回折格子、集光用のカメラやレンズ、出射用の格子で構成されています。
その取り扱う波長の掃引機構によって、出射用格子を通る光の波長を変えたり、出射する格子の幅を可変することで出射する光の分解能を変更することが可能です。
又、波長を掃引する機構が存在しない場合、回折格子を使って、その波長の分散する方向に光応用ダイオードを並べて、各々の光ダイオードに発する光を受光する手段もあります。
干渉分光方式のひとつである二光束干渉方式は、被測定光を分波し、分波した2光束間の光路長差を変化させます。
これによって得られる干渉光強度変化(インターフェログラム)を測定し、それを逆フーリエ変換して光スペクトルを求めます。
つまり、この方式は入力された各波長成分の被測定光を同時測光した時系列データを元に、スペクトルを算出する方式です。
そして、ダイナミックレンジの性能は時系列データを検出するアナログ回路のダイナミックレンジに依存します。
従って波長毎に分離した光の強度を検出する分散分光方式に比べるとダイナミックレンジの性能が劣ります。
ですが、波長確度は内蔵する基準光源(He-Neレーザー)の波長確度に依存している為、高波長確度が得られます。
さらにインターフェログラムを元にCDやDVD用LDの評価等に用いられるコヒーレンス(可干渉性)解析を行うことができるという優れた特徴を持っています。
参考文献
https://www.rp-photonics.com/optical_spectrum_analyzers.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/lsj/39/5/39_354/_pdf
https://dl.cdn-anritsu.com/ja-jp/test-measurement/files/Technical-Notes/White-Paper/MS9740A_JR1100.pdf
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/ms9740b
https://www.jstage.jst.go.jp/article/lsj/39/5/39_354/_pdf
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている光スペクトラムアナライザのカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
・従来機種のAQ6370D光スペクトラムアナライザに比べて、最大2倍の速さで掃引可能
・フリースペース構造は、測定時の使用光ファイバーに依存しない高い結合効率と安定した測定再現性を提供する
・使用環境の変化による波長誤差を自動補正する波長校正機能を搭載
・高解像度で応答性の高い8.4型のマルチタッチ対応静電容量式タッチパネルを搭載。
・業界初のポータブル式を実現
・タッチパネル式モニタ(7インチ)を搭載
・C-band帯(1527.8 ~ 1568.8 nm)対応、高い分解能(1.75GHz(15pm))
・WDM伝送路の品質チェックや光ファイバセンサ敷設現場でのメンテナンス作業、LiDAR用レーザ光の分析などに最適
・広ダイナミックレンジ、高分解能、高速掃引を実現
・測定処理時間1/2以下を達成
・マルチモードファイバ入力に対応し、850 nm帯のVCSELの製造・評価に最適
・光の中心波長やレベル、OSNR、スペクトラム幅などを一括測定、その解析結果を一画面で表示可能
・超小型の為、現場でモジュール(1スロット)が交換可能
・全波長レンジ・カバー(1260 - 1630 nm)搭載
・波長とパワーのドリフト測定を実現
・OTDRモジュールと一緒に使用可能
・グレーティング技術をベースにした一般的な光スペアナの500倍の分解能を実現
・3つの内蔵波長キャリブレータにより、優れた波長精度(+/-3pm)を実現している為、波長計としても使用することが可能
・83dB以上のダイナミックレンジを実現しており、極力ピークポイントに近づけることが出来る
・各内部チャンネルに直接接続する二つのPM入力のオプションもある
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