インピーダンスアナライザについての概要、用途、原理などをご説明します。また、インピーダンスアナライザのメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。インピーダンスアナライザ関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:日置電機株式会社、2位:岩崎通信機株式会社、3位:株式会社東陽テクニカとなっています。
博士研究員として大阪府立大学の装置工学グループで全固体電池のための正極複合粒子の製造に関する研究に従事。
長岡技術科学大学では、資源エネルギー循環研究室に所属し、CO2分離を目的としたDDR型ゼオライト膜の開発とそれを用いた下水処理場から発生する消化ガスからのCO2回収に関する研究を実施。
https://researchmap.jp/eiji-hayakawa
論文
https://doi.org/10.3390/membranes11080623
http://www.ijcea.org/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=109&id=1177
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1387181119305529?via%3Dihub
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S138358661833154X?via%3Dihub
早川栄二のプロフィール
インピーダンスアナライザとは、その名の通りインピーダンス(抵抗)の分析器です。インピーダンスとは交流回路における電圧と電流の比であり、電流の流れにくさを表す指標です。インピーダンスは複素平面のベクトル量で表示され、虚数軸のリアクタンスと実数軸の抵抗(レジスタンス)成分で表されます。
電流が直流の場合、抵抗成分のみとなり、オームの法則で表されるV=IRで表されます。リアクタンスには、主に2種類の抵抗があります。1つはコイルなどの巻線を代表するL(インダクタ)成分を対象とした誘導性リアクタンスです。2つ目はコンデンサを代表とするC(キャパシタ)成分を対象とした容量性リアクタンスです。この交流成分を含んだ電気抵抗であるインピーダンスを分析する機械が、インピーダンスアナライザです。
インピーダンスアナライザの使用用途については、交流成分を含んだ電気抵抗であるインピーダンスに関して、その成分の詳細を解析する際に使用することになります。
例えば、その解析結果は、大抵のインピーダンスアナライザの場合、横軸が周波数に対して、縦軸を電圧や電流と言ったユーザーが欲しいパラメータ(変数)で表したグラフをインピーダンスアナライザの画面に表示させています。同様の装置には、LCRメータと言うものもあります。
しかし、LCRメータはピンポイントの結果を数値で表示するのみですが、インピーダンスアナライザは、幅広い周波数帯域を対象とした範囲における各種パラメータをグラフで表示できます。
インピーダンスアナライザは様々な周波数の交流信号を印加し、電流、電圧、位相差を測定することでインピーダンスのレジスタンス成分とリアクタンス成分を計測することが可能であり、共振法、I-V法、自動平衡ブリッジ法など様々な測定手法があります。
ここでは代表的な例として自動平衡ブリッジ回路による測定方法を説明します。自動平衡ブリッジ回路では信号源と二個の電圧計、電流―電圧変換機が使用されています。試料に流れる電圧と基準抵抗を流れる電圧の比を計算することで試料のインピーダンスを測定することが可能です。
自動平衡ブリッジ法では110MHz以下の周波数を広く測定可能です。より高周波のインピーダンスを測定する場合は、RF I-V法などが用いられます。
得られたデータは横軸周波数、縦軸をインピーダンスでプロットしたボード線図や横軸をレジスタンス、縦軸をリアクタンスでプロットしたコール・コール・プロットなどでグラフ化することで解析を行います。これらを等価回路解析することで、回路の設計や電極等の抵抗成分の分離を行うことが可能になります。
インピーダンスアナライザとネットワークアナライザは、どちらもDUT(被試験片)に信号を入力し、出力側に現れた信号強度と位相を入力と比較することにより、DUTのインピーダンス成分を計測する装置です。
インピーダンスアナライザは10kΩ以上の高インピーダンスを精度よく計測する目的で使用されます。ただし、計測できる周波数範囲は100MHz程度までです。
ネットワークアナライザは10GHz程度まで計測することができ、10kΩ以下のインピーダンスを計測する場合に適しています。通信機用のデバイスは高周波域までの特性計測が必要なため、ネットワークアナライザが使用されます。
インピーダンスの計測には4端子が使われます。入力電流を印加するための端子、入力側の電圧を計測する端子、出力側の電流を計測する端子、および出力側の電圧を計測する端子です。
計測する対象(DUT)は入力側と出力側の間に挟んで使用しますが、より精度よく計測するためには、フィクスチャと呼ばれる計測用の治具を使用します。フィクスチャはDUTを安定して保持するのと、外来ノイズを減らし、信号の伝搬を減衰させないために使用される重要な計測治具です。
計測できる周波数レンジやインピーダンスによって価格の幅があります。おおよそのインピーダンスを計測するための簡易的な計測器は、10万円程度で入手できます。
実験や開発で使用されるような高精度な機種であれば、200万円~500万円が相場です。これに、計測のためのDUT保持治具やケーブルとして100万円程度必要です。
参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/products/list/?category=32
https://www.keysight.com/ja/pc-1000000382%3Aepsg%3Apgr/impedance-analyzers?cc=JP&lc=jpn
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 日置電機株式会社 |
28.0%
|
2 | 岩崎通信機株式会社 |
18.6%
|
3 | 株式会社東陽テクニカ |
17.8%
|
4 | キーサイト・テクノロジー株式会社 |
16.1%
|
5 | 株式会社エヌエフ回路設計ブロック |
16.1%
|
6 | 株式会社NFテクノコマース |
3.4%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のインピーダンスアナライザページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
インピーダンスアナライザ1製品が登録されています。
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スペクトリス株式会社 ホッティンガー・ブリュエル・ケアー(HBK)事業部
■9737型 ポータブルインピーダンスメータ このキットは、材料サンプルを取り外すことなく、材料の音響特性を迅速に測定します。本キット...
インピーダンスアナライザZA57630は、最高で36MHzの周波数に対応しており、±0.08%の確度の機能を持つ製品になります。
インピーダンスアナライザの製品の中でも最速の0.5ms/pointでの測定が可能となっており、生産ラインでのタイムの短縮ができます。
測定モードは4種類あり、幅広い範囲の周波数を高確度で測定することができる標準モードや、10MHz以上の周波数を安定的に測定できる高周波測定モード、大電圧用のアンプなどを接続して、広範囲のインピーダンスを測定することができる外部拡張測定モード、伝達特性測定が可能なゲイン・フェーズ測定モードがあります。
インピーダンス・ゲインフェーズアナライザZGA5920は、インピーダンスやゲインフェーズの測定することで、特性や性質を正確に分析することができる総合解析装置になります。
専用のソフトウェアが搭載されており、解析結果を使用したシミュレーションやレポートの作成などをパソコンを操作している様な状態で、操作することができます。
0.1mHzの超低周波領域の測定や、高電圧回路、パワーデバイスなどの入力電圧が高い測定にも対応しています。
インピーダンスアナライザIM7587は、日置電機社のインピーダンスアナライザのラインナップの中でも、最大で3GHzの周波数が測定でき、最も高周波数の測定が可能な製品になります。
インピーダンスアナライザ本体はハーフラックサイズで、持ち運びに適しており、設置場所に困らずに使用することができ、テストヘッドは手のひらサイズであるため、ストレスなく使用できます。
専用の確度計算のソフトがあるため、分析などを簡単に行うことができます。
インピーダンスアナライザIM7581は、日置電機社のインピーダンスアナライザのラインナップの中でも、最も小さい100kHzの周波数の測定が行える製品になります。
アナログ計測時間は最速で0.5msであるため、短時間で測定を完了できるうえ、繰り返し検査を行うことができるLCRメータ機能が搭載されており、生産工程で使用する場合、時間を節約することができます。
装置の大きさは、本体がハーフラックサイズ、テストヘッドは手のひらサイズであるため、便利に使用することができます。
ケミカルインピーダンスアナライザIM3590は、電気化学部品や材料、電池などの研究開発における、イオン挙動や溶液抵抗測定に対しての使用向けのインピーダンスアナライザになります。
LCR測定やスイープ測定など幅広い測定に使用することができます。
基本確度が±0.05%と非常に正確に測定することができるため、部品の動作保証の検査から、研究開発用の測定にまで対応しています。
無負荷状態の電池の、内部インピーダンスの測定にも対応しています。
PSM3750は、業界最高クラスの位相確度が0.025%と非常に正確な測定が可能な、位相と振幅特性解析とインピーダンス解析が可能な測定装置になります。
10μHz~50MHzの幅広い周波数レンジの測定が可能です。
500Vpkアイソレーションの発振器と入力によって、電源のフィードバック解析を、差動プローブや絶縁トランスを使用せずに測定を行うことができます。
RS332やUSB、LAN、GPIBのインターフェースに対応しており、様々な装置との通信が可能です。
E5061BENAシリーズネットワーク・アナライザは、様々な測定に対して、最適な構成を選択することができる、1台でインピーダンスアナライザとネットワーク解析が可能な製品になります。
電子部品や半導体関連の測定に適しており、測定対象と使用する測定によって、専用のソフトウェアが用意されており、短時間で簡単に解析結果の処理が可能になります。
キーサイト社の他の製品との互換性に非常に優れており、簡単にアップグレードすることができます。
モノタロウでチェック
横河レンタ・リース株式会社でチェック
株式会社メジャーでチェック
株式会社ショップエアラインでチェック