インピーダンスアナライザのメーカー5社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
インピーダンスアナライザーとは、その名の通りインピーダンス(抵抗)の分析器です。インピーダンスは、電気工学の世界では常識的な言葉となっていますが、抵抗を指します。
抵抗については、中学校の理科で習うオームの法則で有名ですが、電圧を電流で割ったものが抵抗になります。但し、電気工学において、単純に抵抗(レジスタンス)と言えば、
直流成分のみを対象にしたものが抵抗ですが、実際に家庭や社会で使われている電力会社が供給する電源は全て直流ではなく交流ですので、交流を含んだ電気回路における抵抗は、
レジスタンスではなくインピーダンスと呼ばれています。
この交流成分を含んだ電気抵抗であるインピーダンスを分析する機械が、インピーダンスアナライザーです。
インピーダンスアナライザーの使用用途については、交流成分を含んだ電気抵抗であるインピーダンスに関して、その成分の詳細を解析する際に使用することになります。
例えば、その解析結果は、大抵のインピーダンスアナライザー場合、横軸が周波数に対して、縦軸を電圧や電流と言ったユーザーが欲しいパラメータ(変数)で表したグラフをインピーダンスアナライザーの画面に表示させています。同様の装置には、LCRメータと言うものもあります。
しかし、LCRメータはピンポイントの結果を数値で表示するのみですが、インピーダンスアナライザーは、幅広い周波数帯域を対象とした範囲における各種パラメータをグラフで
表示できるので、まさに電気の世界で、インピーダンスを解析したい時には、大変便利で欠かせない装置となっています。
インピーダンスアナライザーの原理は、交流成分を含んだ抵抗であるインピーダンスを測定することから始まります。その結果を画面上で、ピンポイントで表示したり、各種パラメータを用いてグラフ化したりするのは全て、このインピーダンスの測定が行われてからの話になります。
では、インピーダンスの測定がどのように行われるかですが、インピーダンスは、直流抵抗と交流抵抗(通称リアクタンス)の合計なので、先ずは直流抵抗分を測定します。直流は時間の要素がないので、中学校で習う最も簡単ですが重要で基本的なオームの法則で測定します。
つまり、直流抵抗は直流電圧を直流電流で割ったものになります。次に少々大変なのが、交流成分抵抗(リアクタンス)の測定です。リアクタンスには、主に2種類の抵抗があります。
1つはコイルなどの巻線を代表するL(インダクタ)成分を対象とした誘導性リアクタンスです。
2つ目はコンデンサを代表とするC(キャパシタ)成分を対象とした容量性リアクタンスです。
これらは、各々電気の電圧や電流や抵抗を測定するテスターと呼ばれる装置にも多用されて、電気を扱う世界では日常的に広く使われており、業務上、必要不可欠なものになっています。
インピーダンスアナライザとネットワークアナライザは、どちらもDUT(被試験片)に信号を入力し、出力側に現れた信号強度と位相を入力と比較することにより、DUTのインピーダンス成分を計測する装置です。
インピーダンスアナライザは10kΩ以上の高インピーダンスを精度よく計測する目的で使用されます。ただし、計測できる周波数範囲は100MHz程度までです。
ネットワークアナライザは10GHz程度まで計測することができ、10kΩ以下のインピーダンスを計測する場合に適しています。通信機用のデバイスは高周波域までの特性計測が必要なため、ネットワークアナライザが使用されます。
インピーダンスの計測には4端子が使われます。
入力電流を印加するための端子、入力側の電圧を計測する端子、出力側の電流を計測する端子、および出力側の電圧を計測する端子です。
計測する対象(DUT)は入力側と出力側の間に挟んで使用しますが、より精度よく計測するためには、フィクスチャと呼ばれる計測用の治具を使用します。
フィクスチャはDUTを安定して保持するのと、外来ノイズを減らし、信号の伝搬を減衰させないために使用される重要な計測治具です。
計測できる周波数レンジやインピーダンスによって価格の幅があります。
おおよそのインピーダンスを計測するための簡易的な計測器は、100,000円程度で入手できます。
実験や開発で使用されるような高精度な機種であれば、2,000,000円~5,000,000円が相場です。これに、計測のためのDUT保持治具やケーブルとして1,000,000円程度必要です。
参考文献
https://www.hioki.co.jp/jp/products/list/?category=32
https://www.keysight.com/ja/pc-1000000382%3Aepsg%3Apgr/impedance-analyzers?cc=JP&lc=jpn
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているインピーダンスアナライザのカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
インピーダンスアナライザZA57630は、最高で36MHzの周波数に対応しており、±0.08%の確度の機能を持つ製品になります。
インピーダンスアナライザの製品の中でも最速の0.5ms/pointでの測定が可能となっており、生産ラインでのタイムの短縮ができます。
測定モードは4種類あり、幅広い範囲の周波数を高確度で測定することができる標準モードや、10MHz以上の周波数を安定的に測定できる高周波測定モード、大電圧用のアンプなどを接続して、広範囲のインピーダンスを測定することができる外部拡張測定モード、伝達特性測定が可能なゲイン・フェーズ測定モードがあります。
インピーダンス・ゲインフェーズアナライザZGA5920は、インピーダンスやゲインフェーズの測定することで、特性や性質を正確に分析することができる総合解析装置になります。
専用のソフトウェアが搭載されており、解析結果を使用したシミュレーションやレポートの作成などをパソコンを操作している様な状態で、操作することができます。
0.1mHzの超低周波領域の測定や、高電圧回路、パワーデバイスなどの入力電圧が高い測定にも対応しています。
インピーダンスアナライザIM7587は、日置電機社のインピーダンスアナライザのラインナップの中でも、最大で3GHzの周波数が測定でき、最も高周波数の測定が可能な製品になります。
インピーダンスアナライザ本体はハーフラックサイズで、持ち運びに適しており、設置場所に困らずに使用することができ、テストヘッドは手のひらサイズであるため、ストレスなく使用できます。
専用の確度計算のソフトがあるため、分析などを簡単に行うことができます。
インピーダンスアナライザIM7581は、日置電機社のインピーダンスアナライザのラインナップの中でも、最も小さい100kHzの周波数の測定が行える製品になります。
アナログ計測時間は最速で0.5msであるため、短時間で測定を完了できるうえ、繰り返し検査を行うことができるLCRメータ機能が搭載されており、生産工程で使用する場合、時間を節約することができます。
装置の大きさは、本体がハーフラックサイズ、テストヘッドは手のひらサイズであるため、便利に使用することができます。
ケミカルインピーダンスアナライザIM3590は、電気化学部品や材料、電池などの研究開発における、イオン挙動や溶液抵抗測定に対しての使用向けのインピーダンスアナライザになります。
LCR測定やスイープ測定など幅広い測定に使用することができます。
基本確度が±0.05%と非常に正確に測定することができるため、部品の動作保証の検査から、研究開発用の測定にまで対応しています。
無負荷状態の電池の、内部インピーダンスの測定にも対応しています。
PSM3750は、業界最高クラスの位相確度が0.025%と非常に正確な測定が可能な、位相と振幅特性解析とインピーダンス解析が可能な測定装置になります。
10μHz~50MHzの幅広い周波数レンジの測定が可能です。
500Vpkアイソレーションの発振器と入力によって、電源のフィードバック解析を、差動プローブや絶縁トランスを使用せずに測定を行うことができます。
RS332やUSB、LAN、GPIBのインターフェースに対応しており、様々な装置との通信が可能です。
E4990Aインピーダンス・アナライザは、業界最高クラスの基本確度0.045%と、非常に正確に測定することができる製品になります。
電子部品や半導体デバイス、半導体材料の研究開発や品質管理、検査向けの製品になります。
測定値から回路の解析を行うことができ、シミュレーションのモデルは7種類対応しており、幅広い解析が可能です。
キーサイト社の他のアクセサリーとの互換性が非常に優れており、アクセサリーを追加することでアップグレードすることができます。
E4991Bインピーダンスアナライザは、キーサイト社のインピーダンスアナライザのラインナップの中でも、カスタム性が優れており、3つの周波数オプションや周波数アップグレードを使用することで、コストを最小限に抑えることができます。
半導体関係の製品の研究開発や品質管理、出荷前の検査の場面での使用に適しています。
7種類のシミュレーションモデルがあり、正確で効率的に測定対象をシミュレーションすることができます。
E5061BENAシリーズネットワーク・アナライザは、様々な測定に対して、最適な構成を選択することができる、1台でインピーダンスアナライザとネットワーク解析が可能な製品になります。
電子部品や半導体関連の測定に適しており、測定対象と使用する測定によって、専用のソフトウェアが用意されており、短時間で簡単に解析結果の処理が可能になります。
キーサイト社の他の製品との互換性に非常に優れており、簡単にアップグレードすることができます。
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