非破壊検査装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、非破壊検査装置のメーカー20社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。非破壊検査装置関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:非破壊検査株式会社、2位:株式会社島津製作所、3位:コメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社 エクスロン事業部となっています。
非破壊検査装置とは、検査対象物を破壊したり傷を付けずに内部或いは表面を検査する装置です。検査の目的は検査対象物の内部や表面に存在する傷や不良、クラック、ボイド(気泡)等の有無を確認する事などです。
この検査によって製造した製品を破壊せずに検査出来たり、製品の信頼性、保証を付与する事が出来る様になります。
非破壊検査装置には複数の原理に基づく多くのタイプがあり、検査対象の特性や検査目的などによって使い分けられます。また、非破壊検査装置を使いこなし、6種類の検査カテゴリー毎に検査技術を規定通り満たしているかを判断する非破壊試験技術者資格試験があります。
溶接部内部の溶け込みや溶接不良の有無や、素材内部のひびや割れ、ボイド等の欠陥、不良の有無、素材表面にある目視では識別できない傷や割れなどの判断に用います。
非破壊検査には装置を必要としない手法(目視検査や浸透探傷検査など)もありますが、装置を要する検査用途としては飛行機の機体検査やビル、橋梁、トンネル、高架橋などのコンクリート内部にある鉄骨の経年変化検査、鋼管や銅、アルミ管の生産工程中検査、原子力発電所内の容器や配管の検査などに活用されています。人の身体を検査するX線撮像やCTスキャン、磁気共鳴撮像も非破壊検査装置の仲間です。
非破壊検査には多数の原理に則った検査法がありますが、ここでは装置を必要とする検査法、装置の原理について説明します。
超音波探触子から高電圧の超音波を発振させ、検査対象物表面や内部に伝播、透過する振動が内部欠陥や表面傷に反射した際のエコーを受信して、内部欠陥や表面傷の場所。大きさ等を特定する装置です。 超音波探傷検査にはパルス反射法、透過法、共振法の3つがあり、検査対象の形状等で使い分けられます。
磁性を持った検査対象物に強い磁場を印加し、検査する箇所へ着色された鉄粉や蛍光磁粉をかけると、表面傷のある箇所だけ磁束の乱れが生じ、傷のある箇所だけ鉄粉や蛍光磁粉が磁束の漏れた形状に整列し模様や光の集合として目視できるようになります。 通常、この手法は装置を用いない目視での検査が主流ですが、画像認識装置を搭載した自動磁粉探傷装置も用いられます。
銅線を巻いたコイルが埋め込まれたプローブに交流電流を流し、検査対象物表面に近接させ、対象物表面に生じる過電流の乱れを測定する事で傷の有無を判断します。傷の判別精度や感度は検査対象物に見合ったコイル形状が必要な為、同じ形状の検査対象を多数検査する場合によく利用されます。
放射線の中でも透過性能が高く、高エネルギーなX線を用い、検査対象物へ放射線をあて、透過した放射線を検出器で受信し、その信号を描画或いは画像認識装置によって検査対象内部の欠陥を検出します。 従来は人体のレントゲン検査と同じ様に放射線でフィルムを感光させて欠陥の有無を目視で判断していましたが、現在では画像認識で自動判別する装置が増えています。
非破壊検査装置の測定原理からも、非常に便利なものであることは疑う余地がありません。しかしながら、各測定原理にはデメリットがあることを把握しておかなければ、適切な検査結果が得られたどうかがわかりません。
ここでは各検査のデメリットをご紹介します。
球状のきずや空洞に対してはエコーが四方八方に反射してしまうため、検出が困難です。また、複雑な形状の検査や、粗粒材にも適していません。それぞれの組織の境界で生じる微小なエコーが乱雑に広がり、検出すべきエコーにノイズとして重畳されるからです。
非磁性材質の検査には適用できません。
不導体の検査や、内部のキズを検出することが難しいです。また、形状が複雑な対象も不得手です。
厚みのある対象の検査には非常に高いエネルギーを持つ放射線が必要となるため、特殊な装置が必要です。また、表面のキズや密着した割れなどを検出することが苦手です。何よりも放射線の安全管理には十分な注意が必要です。
日本での非破壊検査の市場規模は、機器の販売に検査サービス市場を加えると2000~3000億円といわれてます。メーカーが自社内で検査するだけでなく、検査会社に依頼している事例が多くなってきています。
都市や産業の高度化に伴って、「安全」・「安心」・「品質管理」が重要視され、非破壊検査が担う役割も大きくなりつつあります。安全性や自然環境への配慮という観点からも、非破壊検査の市場規模は今後一層の成長が期待されています。
たとえば建築・土木産業について紹介すると、コンクリート構造物の非破壊検査・診断の市場規模が今後ますます拡大していくと思われます。これはコンクリート建造物の長寿命化が重要視されるようになってきたことと、劣化が顕著になるまえに、予防保全を行わなければならないという側面からくるものです。
土木以外にも、エネルギー産業や重工業分野でも非破壊検査が拡大していくと想定され、今後の成長期待市場でもあります。
参考文献
日本サポートシステム株式会社 https://jss1.jp/column/column_140/
http://www.tetras.uitec.jeed.or.jp/files/kankoubutu/h-055-06.pdf
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非破壊検査装置のカタログ一覧はこちら企業
カールツァイス株式会社 株式会社フジ ヤマト科学株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 非破壊検査株式会社 | 12% |
2 | 株式会社島津製作所 | 10.6% |
3 | コメットテクノロジーズ・ジャパン株式会社 エクスロン事業部 | 8.5% |
4 | 電子磁気工業株式会社 | 7.7% |
5 | ポニー工業株式会社 | 6.3% |
6 | 株式会社東陽テクニカ | 6.3% |
7 | テックス理研株式会社 | 5.6% |
8 | カールツァイス株式会社 | 5.6% |
9 | 有限会社エヌ・ケイ・システム | 4.9% |
10 | 泉谷機械工業株式会社 | 4.2% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月の非破壊検査装置ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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Metoreeに登録されている非破壊検査装置が含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
小型部品の検査に特化した、高分解能CT検査が行える非破壊検査装置です。
150nmまでの微細構造を鮮明にX線撮影できるのが他にない特徴で、直径270mm×高さ700mm、最大質量17kgまでのワークを搭載できます。
装置の操作性も高く、2つのタッチパネルからアイコンを使って簡単に操作できます。
Quick/QualityScan機能や、コーンビームCT、ヘリカルCT、仮想回転軸、視野角の拡大など、測定における様々な工夫がされています。
半導体や電子部品やMEMS、2次電池、小型ダイカストなど、小型部品の精密な検査に活用できます。
工業品のX線CT計測が行える、非破壊検査装置です。
直径300mm×高さ300mm、最大質量10kgまでのワークをセットでき、最大許容指示誤差±3.8~9.8μmと精度が高いのが特徴です。
CT画像を撮影すると共に、画像から内部寸法や体積を高精度に読み取り、3次元データを作成することも可能です。
複雑な条件設定も不要で、炭素繊維強化プラスチックなどの樹脂やアルミのような金属など、幅広い材質のワークを検査できます。
手軽に赤外線検査を行える、非破壊検査装置です。
ワーク表面を加熱、または冷却する検査方式で、欠陥によって起きる熱伝導の阻害を、赤外線センサーで検出することで、ワーク内部の欠陥を発見できます。
携帯できる装置サイズで、付属のハロゲンランプやキセノンランプで加熱し、簡単に2次元の撮像ができるのが特徴です。
解析ソフトで温度変化の時間グラフや位相解析結果の画像表示なども可能なので、検査だけでなく、ワークの熱特性の確認としても使用できます。
鉄鋼業向けに特化した、非破壊検査のソリューションです。
厚版や鋼管、線板コイルなど、鋼材の形状に合わせた非破壊検査を、インラインに導入できるのが特徴です。
磁粉探傷検査から、超音波探傷検査、渦電流探傷検査、浸透探傷検査があり、検査ごとに様々な方式から選択できるため、鋼材の形状、サイズやラインのレイアウトに合わせた最適な試験を行えます。
インラインの脱磁装置や刻印読み取り・鋼板幅測定装置なども取り扱っているので、加工ラインの検査工程を総合的に依頼することが可能です。