USBアナライザのメーカー6社を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
USBアナライザはUSBバス上で通信を行うホストと周辺デバイス間に挿入し、バス上を流れるデータパケットをキャプチャすることにより、USBプロトコルに従ってバスの解析を行うために使用する機器です。
USBバスが規格化されるまではPCと周辺デバイスとのインターフェースは機器ごとに異なりキーボード、マウス、プリンタ等、夫々別々に用意する必要があったため非常に煩雑であるばかりかコストもかかるものでした。何故なら、夫々のインターフェース規格に合わせてバスを駆動する回路並びにドライバソフトウェアを用意する必要があったからです。
USBバスのプロトコルがリリースされたことにより周辺機器はインターフェースとしてUSBバスプロトコルにのみ対応すれば良いようになりました。
以上のUSBバスプロトコルを解析するため、通常はPC上にバスをモニタリングするソフトウェアを置くことにより比較的安価に解析が可能な場合もあります。しかし、これらのソフトウェアはあくまでPCとデバイスドライバ間のデータの通信を解析できるのみです。
USBバス上で実際にどのようなバケットデータのやり取りを行っているかまでは解析することができません。このような場合にUSBアナライザは非常に効果的です。
USBはPCやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話をはじめデジカメやプリンタ、PC周辺機器、更に最近では車にも使用されるようになっています。また1台の機器でも数個のUSB端子を有するものもあります。
夫々の機器に装備されたUSB端子は、機器のサイズやその制約から複数の形状が用意されています。
Type-Aは、コネクタの挿入口が、外から覗き込んだときに長方形をしています。このタイプは標準的なコネクタで通常PC用として利用されています。
プリンタ等の比較的大きな機器に利用されているのがTYPE-Bです。その他、よく見かけるのが、スマートフォン等に使用されているMicroUSBやデジカメ等に利用されているのがMiniUSBです。
更に、差し込む方向を気にせずに利用することができ、高速転送をサポートしたUSB3.1規格に対応しているのがTYPE-Cです。最近では、ノートPCやスマートフォンの小型化に伴い、軽量化され小型化も進んでいるこのタイプのコネクタも増えてきています。
USBアナライザは以上の様なUSB端子を有する機器におけるUSBバス上のデータ通信の解析を行うための機器です。
USBバスでは、1台のホストに対して、最大5台の中継器(ハブ)を従属的に接続でき、最大127台の周辺機器を接続することができます。
USBアナライザは以上のUSBバスにおいて定められたプロトコルに従いバスの解析を行います。従って、その原理を理解することはUSBのプロトコルを理解することと等価です。
USBにおいてはビット列のかたまりを最小の単位としたパケットにより、ホストと周辺デバイスの間で通信を行います。
このパケットを複数集めたデータ列の通信をトランザクションと呼びます。これがデータ通信の基本となり、この物理的な通信の上で行われる通信の転送モードとして、コントロール転送、インタラプト転送、バルク転送、アイソクロナス転送の4種類が存在します。
以上の通信形式にて、例えば、USB周辺デバイスとして、マウスが接続された場合を考えます。一般的に新たなデバイスとしてマウスがPCに接続されてもデバイスドライバのインストールを求められることはありません。
これは、USB周辺デバイスが、自分が何者であるかを、PCに接続して、通信が開始された直後にホストに知らせるという手続きを取るからです。この周辺デバイスからの情報をもとにホストは、内部に保持している標準のデバイスドライバを取り出して設定します。
これにより、USB周辺デバイスが新たに接続されるたびにデバイスドライバのインストールを要求されることがなくなります。
コントロール転送ではデータの転送が行われます。これは、3つのステージ、セットアップステージ、データステージ、ステータスステージから構成されています。
USBプロトコルは、世代が変わるにつれ、サポートする通信速度が劇的に早くなっています。その他の進化も含め、主なバージョンとその概要は以下の通りです。
初代は1996年1月にリリースされたUSB1.0で最大12Mbpsのスピードをサポートしました。
1998年9月に発表されたUSB 1.1では転送スピードは変わらず最大12Mbpsではあったが、USB1.0に対して電源管理等の機能改善が提案されました。Windows98がリリースされた年でもあったためUSBは広く知られるようになりました。
2000年4月に発表されたUSB 2.0では、Hi-Speedモードをサポートし、一気に最大480Mbpsまでスピードを上げた規格としてリリースされました。
2008年11月に発表されたUSB3.0では、それ以前のバージョンとの後方互換性を持ちつつ最大転送速度を4Gbpsとしました。
以降、2017年7月にUSB3.2がリリースされ、現在、USB4.0の規格化が進められています。
USBアナライザは大きさから機能まで多種多様なものがあります。一般的な据え置きで常時PCと接続しているタイプのほかに、以下に紹介する2種類が代表的なタイプのものです。
USBアナライザ用ソフトは他のデバイス同様、有料ソフト・フリーソフト・製品付属のバンドルソフトがそれぞれあります。以下に代表的なソフトを紹介します。
参考文献
http://www.kumikomi.net/archives/2011/06/usb_guide.php
https://www.pro.logitec.co.jp/about_hdd/hddssd/20191018/
https://www.sanwa.co.jp/product/cable/howto/usb.html
https://mypage.otsuka-shokai.co.jp/contents/business-oyakudachi/pc-techo/2014/201403.html
https://www.ipros.jp/product/detail/2000096254?hub=146+2+USB%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B6
https://www.ipros.jp/product/detail/17701001?hub=146+2+USB%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B6
https://www.unipos.net/find/product_item.php?id=128
http://mcn.oops.jp/wiki/index.php?USB%2FDevelop%2FUSB%20Protocol%20Analizer
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Wi-Spyは安価で簡単なUSBタイプのスペクトルアナライザです。
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USB接続ハンディ音響アナライザはPC制御による最新世代のポータブル汎用音響・振動解析装置です。
WindowsPCに接続することによって、広範囲のアプリケーションソフトを使用することができます。
様々な音響や振動を測定することができ、規定に準拠した測定だけでなく、リアルタイム測定やポスト処理も可能な装置です。
使用用途としては、研究開発のためだけでなく、品質保証や産業安全、環境保護のためにも用いられます。
Keysight Streamlineはコンパクトで容易に接続できるポータブルタイプのUSBベクトル・ネットワークアナライザです。
300kHz~26.5GHzまでの非常に幅広い周波数レンジを持っています。
最大4ポートまでテストポートを拡張することが可能で、全ての電子校正モジュールをサポートしています。
また、ネットワーク・アナライザ・ソフトウェアを利用することができるため、デザインの調査や評価、増幅器、フィルターとしても使用することができます。
MS46121BはPC制御で使用できる1ポートUSBベクトルネットワークアナライザです。
40MHz~4GHzと150kHz~6GHzの二つの周波数オプションを選択して使用することができます。
また、非常に小型で直接被測定物と接続できる上に、低コストで省スペースである点も優れています。
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