真空エジェクタのメーカー10社・45製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
真空エジェクタとは、コンプレッサなどの圧縮エアーを使用することで、ベンチュリ効果による真空を発生させる機器です。
真空エジェクタは、真空ポンプなど複雑な機械的構造を備えた真空発生機器とは異なり、機器内部にベンチュリ効果による真空発生構造を備えたシンプルな構造が特徴です。このベンチュリ効果を発生させるために、生産現場などで使用される圧縮されたエアーが用いられることで、部品の持ち上げ動作などに必要な真空がエジェクタによって得られます。
一般的に真空エジェクタは、機器単体で使用することは無く、真空エジェクタの真空ラインを延長した先に吸着パットが用いられます。この吸着パットは、ワークの重量やサイズ、材質に応じて吸着パットの形状や材質の選定が必要ですが、真空エジェクタと吸着パットによって部品のピックアップやワークの搬送などに利用されます。
また、真空エジェクタと吸着パットを複数使用することで、自動車生産工場におけるフロントガラスなどの重量物のピックアップや搬送などにも利用されます。
真空エジェクタは、真空ポンプなど複雑な機械的構造を備えた真空発生機器とは異なり、機器内部にベンチュリ効果による真空発生構造を備えたシンプルな構造が特徴です。
また、真空エジェクタの構造は、機器内部に圧縮エアー入口、ノズル部、ディフューザー部、圧縮エアー出口が直線上に設けられ、このノズル部とディフューザー部の間に真空発生ラインが垂直に設けられ、これらの構造よってベンチュリ効果が得られるようになっています。
このベンチュリ効果による真空発生の原理は、圧縮エアー入口より小径となったノズル部によって絞られた流体が高速化することで、ノズル部とディフューザー部の空間で圧力が低下すると同時に真空が発生します。ノズル部とディフューザー部の空間で発生した真空は、垂直に設けられた真空ラインによって得られると同時に、吸引された流体と圧縮エアーの混合流体は、高速化したままディフューザー部と出口に向かい排出されることで高い真空度が得られます。
真空エジェクタには、通常タイプと省エネタイプが存在します。
通常の真空エジェクタは、空気を流している間に真空を作りますが、真空を作っている間は常に空気を送り続けなければいけないというデメリットがありました。
省エネタイプの真空エジェクタは、一度真空を作ったら自動で電気を切り、空気の供給を止めます。空気が漏れなければ真空は保たれるので、大きなワークを運ぶ時などは、大きな省エネに繋がります。
省エネタイプの真空エジェクタには、電磁弁と圧力スイッチがついており、空気漏れで圧力に変動があったら電磁弁にスイッチが入り、もう一度真空を作り出します。圧力の変動が起きるまでは空気の供給を止め、圧力が変動したら空気を供給するという構造になっています。
ただし、ワークの表面に凸凹があるなど、空気の漏れ量が多い場合には真空圧の変動が大きく、こまめなスイッチの切り替えがあるので、製品寿命が短くなる傾向にあります。また、電磁弁や圧力スイッチがすでにとりついているタイプの真空エジェクタなので、取り付けスペースが大きくなります。
真空エジェクタの選定方法をご紹介します。
(1)ワークの通気性から考える
ワークの表面とパットが吸着したときに、どれだけ空気の漏れ量があるかによって真空エジェクタを選定します。部分的な吸着や、通気性が低く平らな表面にパットをつける場合は、シンプルなタイプの真空エジェクタがおすすめです。表面が凹凸していて通気性がよいワークを運ぶ場合は、吸い込み量の大きい真空エジェクタを選ぶようにしましょう。
(2)計算式から算出する
各メーカのホームページにも記載されていますが、「平均吸い込み量Q×2~3」の真空エジェクタを選定しましょう。
平均吸い込み量Q=V×60÷T1 で算出できます。
※空気の漏れ量がある場合は、算出したものにプラスしてください。
※V:配管容量(L) T1:吸着後安定した圧力の63%に達するまでの時間(s)
参考文献
http://www.hokuto-mfg.com/product/item04.html
https://www.pisco.co.jp/dl/pdf/VGVP4-01_01.pdf
https://www.smcworld.com/assets/products/pickup/ja-jp/vacuum_device/select/4-P0033.pdf
http://www.smcworld.com/upfiles/pgpdf/sp107x-001j.pdf
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/vacuum-generators.html
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
マイクロエジェクタFMEは、圧縮空気をノズルから噴き出して誘引作用により真空が発生します。
非常に小型軽量な真空エジェクタですが、圧縮空気を排出する騒音を従来の74dBから46dBへと大幅に静かにしました。
省エネも一つの特徴で、空気消費量を従来より約20%減少させた設計です。
主な用途として製品を吸着して搬送するのに使用しますが、到達真空度を-88kPaにアップし、同じパッド径の場合吊り上げ荷重が向上します。
エアーエジェクタTV-3 Seriesは、E型がラインアップされてエコロジータイプとして注目されている真空エジェクタです。
マニホールドを5連まで接続でき、真空圧力スイッチや破壊圧力スイッチの取り付けが可能など多くの機能が備わっています。
マニホールド型はまとめて排気すること可能で、クリーンルーム用途に適しています。
電子部品等の小型軽量品の搬送では、従来より小さいノズルを使用しながら効率を上げているので、空気消費量を低下させることが出来ました。
Ejector エジェクター EV-1は、圧縮空気により真空を発生させ真空エジェクタです。
シンプルな構造で可動部がないためメンテナンスフリー、安価で安全、さらに本体はSUS316製のため耐蝕性に優れています。
搬送用の吸着装置、ミキシング、希釈装置、紙送り装置、バブル発生機、ポンプなど広範囲な用途が可能です。
ノズル径3mm、空気消費量147NL/minの場合、真空圧は-93kPaに到達します。
基本エジェクタ SBP / SEGは、樹脂製あるいはアルミ製の真空エジェクタであり、小型軽量で搬送システムの負荷を軽減します。
0.5mmから2.5mmまで6サイズのノズルを用意しており、マニ ピュレータ、工業用ロボッ ト、搬送システムなど多彩なアプリケーションに対応できます。
ベンチュリ式ノズルを最適設計して、最小限の圧縮空気で最大吸込み量を実現しています。
開放型サイレンサを採用し、 メンテナンスが容易です。
多段エジェクタ ZL1/ZL3/ZL6は、圧縮空気を吹き出すノズル後流のディフューザーを3段に設けた真空エジェクタです。
エジェクターの多段化による効率向上と省エネ機能付き真空圧力スイッチにより、空気消費量を従来に比べ91%削減させたので、大幅な省エネが出来ます。
フィルターエレメントや吸音材の交換は工具不要で、メンテナンス工数が削減できます。
自動車用ガラスの吸着搬送やジグ・ワークの吸着クランプ、段ボールの吸着搬送などに最適です。
モノタロウでチェック
ミスミでチェック