真空エジェクタについての概要、用途、原理などをご説明します。また、真空エジェクタのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。真空エジェクタ関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社大阪真空機器製作所、2位:山本産業株式会社、3位:シュマルツ株式会社となっています。
真空エジェクタ (英:vacuum ejector) とは、圧縮エアーを使用することで、ベンチュリ効果により真空を発生させる機器です。
真空ポンプなど複雑な機械的構造を備えた真空発生機器とは異なり、機器内部にベンチュリ効果による真空発生構造を備えたシンプルな構造が特徴です。このベンチュリ効果を発生させるために、生産現場などで使用される圧縮空気が用いられることで、部品の持ち上げ動作などに必要な真空がエジェクタによって得られます。
真空エジェクタは、自動化された生産ラインに多く使われます。また、集塵用途や粉体輸送にも使用されます。
真空ラインに吸着パッドを取り付け、ワークに押し当てると、ワークを吸着できます。ワークの重量やサイズ、材質に応じて吸着パットの形状や材質の選定が必要です。
真空エジェクタと吸着パットによって、部品のピックアップやワークの搬送などに利用されます。また、真空エジェクタと吸着パットを複数使用することで、自動車生産工場におけるフロントガラスなどの重量物のピックアップや搬送などにも利用が可能です。
真空エジェクタを室内で使用すると、真空エジェクタの真空ポートへの空気の流れが発生し、室内の埃や塵を吸引することができます。半導体や電子部品の製造ライン、食品製造ラインなどの埃や塵の付着が嫌われる環境で、真空エジェクタにより室内の清浄化に使われます。
バキュームコンベアを密閉状態にし、真空エジェクタを使って減圧します。ノズル口から空気を入れると、配管内の気流とともに、粉粒体が搬送できます。
真空エジェクタの構造は、機器内部に圧縮エアー入口、ノズル部、ディフューザー部、及び圧縮エアー出口を直線上に設けたものです。このノズル部とディフューザー部の間に真空発生ラインが垂直に設けられ、この構造よってベンチュリ効果が得られるようになっています。
ベンチュリ効果による真空発生の原理は、圧縮エアー入口より小径となったノズル部によって絞られた流体が高速化することで、ノズル部とディフューザー部の空間で圧力が低下し、真空が発生します。発生した真空により、吸引された流体と圧縮エアーの混合流体は、高速のままディフューザー部と出口に向かい排出されます。これにより、高い真空度が得られます。
ワークの表面とパッドが吸着したときに、どれだけ空気の漏れ量があるかによって真空エジェクタを選定します。部分的な吸着や、通気性が低く平らな表面にパットをつける場合は、シンプルなタイプの真空エジェクタが適しています。
表面が凹凸して通気性がよいワークを運ぶ場合は、吸い込み量の大きい真空エジェクタを選びます。
各メーカのホームページにも記載されていますが、平均吸い込み量Qが、2~3の真空エジェクタを選定します。平均吸い込み量Q=V×60÷T1で算出できます。
※空気の漏れ量がある場合は、算出したものにプラスします。
※V: 配管容量 l T1: 吸着後安定した圧力の63%に達するまでの時間 s
真空エジェクタには、通常タイプと省エネタイプがあります。通常の真空エジェクタは、空気を流している間に真空を作りますが、真空を作っている間は常に空気が必要というデメリットがあります。
省エネタイプの真空エジェクタは、1度真空を作ったら自動で電気を切り、空気の供給を止めることが可能です。空気が漏れなければ真空は保たれるので、大きなワークを運ぶ時などは、大きな省エネに繋がります。
ただし、ワークの表面に凸凹があるなど、空気の漏れ量が多い場合には、真空圧の変動が大きく、こまめなスイッチの切り替えがあるので、製品寿命が短くなる傾向にあります。
真空エジェクタと真空ポンプは、ともに真空空間を作ります。真空エジェクタは、真空ポンプと比較すると、構造が簡単でイニシアルコストが安く、省スペース、電源不要などのメリットがあります。
反面、ランニングコストが大きく、真空流量が少ないなどは、デメリットです。また、真空エジェクタは、真空発生時は常に圧縮エアを消費するため、タクトタイムが長いのも短所です。
したがって、真空流量が少ない用途には、真空エジェクタが適し、大流量の真空空気が必要な場合は、真空ポンプが使われます。また、ワークの搬送のタクトタイムが1秒以下の工程では、真空ポンプが有利です。
参考文献
http://www.hokuto-mfg.com/product/item04.html
https://www.pisco.co.jp/dl/pdf/VGVP4-01_01.pdf
https://www.smcworld.com/assets/products/pickup/ja-jp/vacuum_device/select/4-P0033.pdf
http://www.smcworld.com/upfiles/pgpdf/sp107x-001j.pdf
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/vacuum-generators.html
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
真空エジェクタのカタログ一覧はこちら企業
株式会社スター精機*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社大阪真空機器製作所 |
15.0%
|
2 | 山本産業株式会社 |
15.0%
|
3 | シュマルツ株式会社 |
13.8%
|
4 | SMC株式会社 |
12.5%
|
5 | CKD株式会社 |
10.0%
|
6 | 株式会社日本ピスコ |
10.0%
|
7 | コンバム株式会社 |
6.3%
|
8 | Piab Japan Ltd |
5.0%
|
9 | 株式会社TKY |
5.0%
|
10 | 株式会社コガネイ |
3.8%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の真空エジェクタページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されている真空エジェクタが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
各種エジェクターです。プラスチックエジェクター ……………………………… 3-41エアーエジェクター ……………………………………… 3-42小型フィルター …………………………………………… 3-43小型チ...
2022年7月18日
・小型成形機20トン以下の超小型成形品取出しに威力を発揮します。・小型で高機能なマルチエジェクター(吸引式)を採用。・円筒マルチエジェクターは、ジャ...
2022年7月18日
基本エジェクタ SBP / SEGは、樹脂製あるいはアルミ製の真空エジェクタであり、小型軽量で搬送システムの負荷を軽減します。
0.5mmから2.5mmまで6サイズのノズルを用意しており、マニ ピュレータ、工業用ロボッ ト、搬送システムなど多彩なアプリケーションに対応できます。
ベンチュリ式ノズルを最適設計して、最小限の圧縮空気で最大吸込み量を実現しています。
開放型サイレンサを採用し、 メンテナンスが容易です。
マイクロエジェクタFMEは、圧縮空気をノズルから噴き出して誘引作用により真空が発生します。
非常に小型軽量な真空エジェクタですが、圧縮空気を排出する騒音を従来の74dBから46dBへと大幅に静かにしました。
省エネも一つの特徴で、空気消費量を従来より約20%減少させた設計です。
主な用途として製品を吸着して搬送するのに使用しますが、到達真空度を-88kPaにアップし、同じパッド径の場合吊り上げ荷重が向上します。
エアーエジェクタTV-3 Seriesは、E型がラインアップされてエコロジータイプとして注目されている真空エジェクタです。
マニホールドを5連まで接続でき、真空圧力スイッチや破壊圧力スイッチの取り付けが可能など多くの機能が備わっています。
マニホールド型はまとめて排気すること可能で、クリーンルーム用途に適しています。
電子部品等の小型軽量品の搬送では、従来より小さいノズルを使用しながら効率を上げているので、空気消費量を低下させることが出来ました。
Ejector エジェクター EV-1は、圧縮空気により真空を発生させ真空エジェクタです。
シンプルな構造で可動部がないためメンテナンスフリー、安価で安全、さらに本体はSUS316製のため耐蝕性に優れています。
搬送用の吸着装置、ミキシング、希釈装置、紙送り装置、バブル発生機、ポンプなど広範囲な用途が可能です。
ノズル径3mm、空気消費量147NL/minの場合、真空圧は-93kPaに到達します。
多段エジェクタ ZL1/ZL3/ZL6は、圧縮空気を吹き出すノズル後流のディフューザーを3段に設けた真空エジェクタです。
エジェクターの多段化による効率向上と省エネ機能付き真空圧力スイッチにより、空気消費量を従来に比べ91%削減させたので、大幅な省エネが出来ます。
フィルターエレメントや吸音材の交換は工具不要で、メンテナンス工数が削減できます。
自動車用ガラスの吸着搬送やジグ・ワークの吸着クランプ、段ボールの吸着搬送などに最適です。
モノタロウでチェック
ミスミでチェック