FFTアナライザについての概要、用途、原理などをご説明します。また、FFTアナライザのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。FFTアナライザ関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:株式会社小野測器、2位:株式会社エー・アンド・デイ、3位:リオン株式会社となっています。
FTT (Fast Fourier Transform)アナライザは、高速フーリエ変換を(FFT)行う解析機器です。測定される信号の波形は時間を横軸にしたオシロスコープなどで観察可能です。
一方で、信号に含まれる周波数成分(サイン波やコサイン波)を観察したいときには周波数分析器が必要になります。
波形の変換を扱う装置で、スペクトラムアナライザやメモリレコーダとは共通点もありますが、利用目的によって選択されます。スペクトラムアナライザとの異なる点として、以下があります。
従来スペクトラムアナライザはアナログ回路で構成されていたのに対して、FFTアナライザではADコンバーターによって、得られた波形をデジタル化した後に高速フーリエ変換処理を行うことによって、周波数の強度分布を算出しています。
FFTアナライザは主に低周波信号の周波数成分を観察するときに用いられます。
FFTアナライザの大きな特徴として、複雑な波形を単純な波形の組み合わせで表現可能なため、信号成分の解析が可能です。実際の装置から測定される波形においては、一見不規則なものも多くあり、装置系が複雑になるほど、その傾向は顕著です。
例えば、波形観測でよく使われるオシロスコープでは、波形の時間的な変化を見ることは出来ますが、波形の時間的変化がどの要因に起因しているか特定する事は困難です。
そこで、FFTによって周波数解析を行うことによって、どの周波数にどの程度の変化が生じたのか、その周波数はどの系から発生する周波数と考えられるかを検討することにより、異常原因並びにその部位を推定することが可能になります。
このようにFFTを用いることによって、従来のマクロ的な波形を検出することに加えて、微小な異常の検出も可能となります。
最近では、こうした振動分析による設備管理・異常診断に加え、事務機や家電製品などでは、静音性の評価や騒音原因及びその対策方法を検討するための騒音分析など様々な分野で周波数分析が利用されています。例えば、FFTアナライザを用いた周波数分析の一つに、機械類の振動の調査があります。
また同様に、低周波信号に対するノイズ源特定にも用いられることから、周波数信号を扱う製品のノイズ対策にも利用・応用されます。
高速フーリエ変換(FFT)は、フランスの数学者Fourierが提唱したフーリエ級数の理論を基にしています。
どんな複雑な波形でも周期性を持っているのであれば、単純な正弦波(sin波)、余弦波(con波)の級数で表現することができるという理論で、この級数の考え方を拡張したのがフーリエ変換となります。
実際測定しようとする信号はどこまで測定すれば、周期性があるかは不明であるため、一般的には観測される波形の内、適当な時間分を切り取り、切り取った波形が無限に繰り返される信号と仮定して、フーリエ変換を行います。
フーリエ変換黎明期には、フーリエ変換の計算は、膨大な回数の掛け算が必要でした。しかし、データ数を2のn乗回取ることによって、計算回数を少なくする方法が、J.W.TurkeyとJ.W.Cooleyによって提案されました。例えば、データ数を1024とすると、1024×1024=1048576回の計算が10240回に短縮されます。
この方法こそが高速フーリエ変換(FFT)と言われ、その頭文字を取って一般的にFFTと呼ばれるようになりました。
波形は、振幅と周波数(または周期)と位相(時間差)の3つのパラメータで表すことができます。
そこで、FFTアナライザでは、入力信号に対してフーリエ級数の係数を求めます。具体的な変換としては周波数による分解として観察することができます。
その結果、時間を横軸とした入力波形信号が、横軸を周波数とした波形信号に変換されます。縦軸はそれぞれの周波数における波形の振幅を表します。
FFTにより音響や振動など複数の原因の組み合わせで生じる信号を周波数という要素に分解できます。どの周波数のレベルにどれほどの変化が生じたか、その周波数はどこの部分から発生する周波数と考えられるか検討することにより、起因する要素を特定するための重要な情報が得られます。
FFTアナライザの価格は扱える周波数範囲や処理機能によって変わりますが、簡易的なハンディタイプで50,000円程度からあります。
高精度な計測の場合は安定して計測できる据え置き型を推奨します。本体価格は約2,000,000円程度です。これに、計測用のプローブやマイク、計測ユニットなどを追加すると一式3,000,000円になります。
入力信号はBNC端子を用いて1本のケーブルでFFTアナライザに接続するタイプが一般的です。
よく使用されるのは、機械や設備、建造物の振動解析です。測定対象物に加速度ピックアップを固着し、電気信号に変換してFFTアナライザへ入力し、演算処理をして周波数成分を解析します。機械や建造物が発する振動、および共振周波数を確認し、疲労故障が発生しないように構造物を補強したり、振動の抑制をするために使います。
もうひとつの使い方として、モータの回転ムラの検出があります。ドライブ波形、またはモータからモニタ信号を取り出し、これをFFT解析して回転速度のばらつきや、ふらつきを確認することができます。
音声解析にも広く使われています。人や楽器が発する音の領域を確認したり、騒音を周波数分析してどのような場所、設備から発しているかを確認します。この場合はマイクロフォンを用いて音声をアンプに通し、信号変換および増幅をしてFFT解析を行います。
FFTアナライザとスペクトラムアナライザは、どちらも信号を周波数分解して、周波数ごとの信号の強さを解析するために使用する計測器です。
一般的に、FFTアナライザはどのような周波数成分を持つかわからない場合に使用し、スペクトラムアナライザは既知の高周波信号(たとえば携帯電話やWiFi発信機)の周波数成分分析に使用されます。
FFTアナライザはDC~100kHzまでの低周波信号を扱います。入力信号を入力して高速フーリエ変換により周波数分解し、基本周波数、2倍波、3倍波の強さを解析します。基本周波数のふらつき幅の解析などにも使用されます。
一方のスペクトラムアナライザは、周波数レンジが10kHz~10GHzと非常に広い点がFFTアナライザとの大きな違いです。最近の機種だと、DC~50GHzまで対応できるものもあります。
参考文献
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/analyzer/FFT1/fft_1.htm#mark1
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-FFTAnalyzer-01/?page=3
各種FFTアナライザの値をグラフにプロットし、表にしました。ベータ版機能のため一部製品のみの表示となっております。
横にスクロールすると表の全体をご覧頂けます。
製品名 | ポータブル 2/4 ch FFTアナライザ CF-9200/9400 | OR30シリーズ マルチJOB FFTアナライザ | OR10 モバイルDAQデバイス | SR770 Single Ch. FFT Spectrum Analyzer | SR780 Dual Ch. Dynamic Signal Analyzer | FFT SPECTRUM ANALYZER ZET 038 | A19-U2 FFT SPECTRUM ANALYZER | 小型4ch振動・騒音解析システム AD-3661(WCAmini) | 車載型リアルタイム振動・騒音解析システム AD-3651(CompactWCA) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイナミックレンジ[dB] | 120 | 125 | 130 | 90 | 145 | 110 | 126 | 100 | 100 |
最大サンプリング周波数[kHz] | 100 | 2.048 | 102.4 | 100 | 102.4 | 400 | 200 | 40 | 40 |
会社名 | 株式会社小野測器 | 株式会社東陽テクニカ | 株式会社東陽テクニカ | Stanford Research Systems | Stanford Research Systems | ZETLAB Company | ZETLAB Company | 株式会社エー・アンド・デイ | 株式会社エー・アンド・デイ |
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FFTアナライザのカタログ一覧はこちら企業
株式会社アコー リオン株式会社 ZETLAB Company 株式会社小野測器 オメガウェーブ株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社小野測器 |
31.2%
|
2 | 株式会社エー・アンド・デイ |
16.9%
|
3 | リオン株式会社 |
13.0%
|
4 | 株式会社東陽テクニカ |
9.1%
|
5 | ZETLAB Company |
7.8%
|
6 | オメガウェーブ株式会社 |
5.2%
|
7 | 株式会社ケーエンジニアリング |
5.2%
|
8 | 株式会社アコー |
5.2%
|
9 | Stanford Research Systems |
3.9%
|
10 | エヌティーエンジニアリング株式会社 |
2.6%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月のFFTアナライザページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
FFTアナライザ2製品が登録されています。
株式会社ケーエンジニアリング
振動、音響、信号の周波数分析と判定はお任せください! 筐体には業界初のスケルトンボディが採用されています。 懐かしのスケルトンカ...
価格はメトリーに登録されているFFTアナライザ2製品中の価格データです。
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企業
株式会社アコー リオン株式会社 ZETLAB Company 株式会社小野測器 オメガウェーブ株式会社・直感的な操作を可能にしており、非常に使用しやすい
・機動性抜群(連続5時間でコードレス操作可能)かつスピンドルレスで無音・無振動
・その場で即座に解析可能で、解析用PCを必要としない
・FFT解析はもちろん、RTA、回転トラッキング解析、Logスイープ/加振制御機能など追加機能も充実
・USBパスパワー駆動で約330gの小型軽量の設計
・簡使いやすさを追求し、易測定支援メニューによって”FFT解析” ”トラッキング解析”を簡易に操作することが可能
・MFUファイルにより過去のデータを無駄にしない
・オプションライセンスの追加によりパソコン単独でのオフライン解析まで可能
・A4サイズのコンパクト設計により場所を問わない使用が可能な車載型リアルタイム振動・騒音解析システム
・MFUファイルにより完全互換のため過去のデータを無駄にしない
・筐体間接続による32、48、64、チャンネルシステムを実現し、16チャンネルとの使い分けが可能
・外部アプリケーションをもって柔軟なカスタマイズが可能
・幅広い機能を装備することにより専門分野への対応が可能
・測定データ及び、波形記録はSDカードに収録しPCに転送できる
・PCコントロールとバーチャルキーボード機能によりPCのマウスで製品を操作可能
・オプションにより最小0.4HzステップのFFT高解像度スペクトルを追加できる
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