近赤外カメラについての概要、用途、原理などをご説明します。また、近赤外カメラのメーカー18社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。近赤外カメラ関連企業の2023年3月注目ランキングは1位:バスラー・ジャパン株式会社(Basler Japan)、2位:株式会社ジェイエイアイコーポレーション、3位:浜松ホトニクス株式会社となっています。
近赤外カメラ (英: near infrared camera) とは、一般的なカメラでは映すことができない赤外線波長域の光を撮影できるカメラです。
近赤外線は、波長が700nmから2,500nm (0.7~2.5μm) の電磁波の1種です。人間の目で見ることができる可視光よりも波長が長いので、肉眼で見ることができません。
物体はその組成によって光の反射や吸収の仕方が異なっているため、この特性の違いを利用し、人間の目で見えない光を近赤外カメラによって可視化することが可能です。そのため、近赤外カメラは電子部品から農産物まで幅広い製品の検査で利用されます。
近赤外カメラの使用用途は、人間の目で見ることができない近赤外線を写すことができるため、監視や検査、観察などです。被写体は様々で、医薬品や電子部品などから、農産物や食品など多岐にわたります。
具体的には、農作物の鮮度を判別したり、食品に異物が混入していないかを検査したり、医薬品の成分や肌の水分を分析したりする際に使用されます。また、塩・砂糖・調味料の区分が可能です。
果実のキズや木材の割れの検出、水と油の分別、ICカード内の回路読み取りなどの用途があります。今後も更なる使用領域の拡大が期待されます。
近赤外カメラは、物質ごとの近赤外光の吸収量を画像として表示するものです。近赤外線は赤外線をさらに分別した中で、可視光線よりも波長が長く、電波よりも短い赤外線です。
近赤外線は太陽光中にもあるような日常に身近なので、人体や食物などに照射しても影響のない安全な光と言えます。色や熱には特徴を示しませんが、光の中で物体に一番吸収されやすい光です。
近赤外カメラの原理は、物質によって光の反射や吸収の度合いが異なることを利用する方法です。波長域の異なる光によって見え方が違うので、その違いのコントラストを強調させることで、異なる物質同士でも可視化することができます。
被写体に近赤外線が含まれた光を投射すると、異なる物質で光の反射や吸収の違いが特徴として画像に表れ、これを映すことで可視化しています。
赤外線は、さらに細かい波長域で3分類されます。
近赤外カメラと遠赤外カメラは、可視化出来る波長の範囲が異なります。また、カメラの検査対象となる被写体も近赤外カメラと遠赤外カメラとで異なっています。
近赤外カメラの対象は、食料品や医薬品、化粧品などの不良品検査に対し、遠赤外カメラは防犯セキュリティや車のドライビングアシスト用に、暗部での人や動くものが対象です。<近赤外カメラは、自ら熱を発するような物体の検知はできません。
そのほとんどが日中の太陽光下や照明器具による反射光を利用して観測を行います。近赤外カメラでのノイズ対策は比較的容易です。余計な反射を行う箇所を反射しない黒い布で覆えば改善できます。
遠赤外カメラは、熱を発するものをほとんど検知できるため、どんなに暗闇でも被写体と背景の間に温度差があれば、観測が可能です。ただし、日中は熱を発する物体が多くあるため、検査対象ではない物体は、すべてノイズとして観測されます。
近赤外線は電磁波の1種なので、人間の肉眼では見ることができない光です。しかし、可視光下で見分けがつかない被写体に対して、近赤外カメラで撮影すると、通常見分けができない被写体に対しても見分けることができるようになります。
例えば、食塩、砂糖、調味料は可視光下ではほとんど見分けがつきませんが、1.5μmの近赤外カメラで撮影すると、それぞれを見分けることが可能です。3種類の粉体の赤外光吸収度が、可視光下ではほぼ同じなのに対して、近赤外線下では異なることが理由として挙げられます。
塩は約1.1μmの吸収波長ですが、砂糖は約1.3μm、調味料は約1.5μmの赤外光吸収波長を有しています。そのため、1.5μmの近赤外カメラで撮影すれば3種類の粉体を見分けることが可能です。
参考文献
https://www.avaldata.co.jp/solution_imaging/near_infrared/near_infrared_camera.html
https://www.avaldata.co.jp/products/imaging/near-infrared-camera
https://www.baslerweb.com/jp/vision-campus/camera-technology/nir-cameras/
https://www.asanumashoukai.co.jp/sanki/industry/photographic-equipment/ingaas
https://www.ko-pro.tech/200317marutto/
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近赤外カメラのカタログ一覧はこちら企業
株式会社ジェイエイアイコーポレーション 株式会社ビジョンセンシング プライムテックエンジニアリング株式会社 東芝テリー株式会社 エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年3月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | バスラー・ジャパン株式会社(Basler Japan) |
20.1%
|
2 | 株式会社ジェイエイアイコーポレーション |
18.2%
|
3 | 浜松ホトニクス株式会社 |
9.4%
|
4 | 株式会社渋谷光学 |
8.2%
|
5 | 株式会社アバールデータ |
6.3%
|
6 | 株式会社ティー・イー・エム |
5.0%
|
7 | 株式会社ビジョンセンシング |
5.0%
|
8 | 株式会社アートレイ |
4.4%
|
9 | ビットラン株式会社 |
3.8%
|
10 | アイアールスペック株式会社 |
3.1%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年3月の近赤外カメラページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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企業
株式会社ジェイエイアイコーポレーション 株式会社ビジョンセンシング プライムテックエンジニアリング株式会社 東芝テリー株式会社 エドモンド・オプティクス・ジャパン株式会社株式会社渋谷光学のInGaAs近赤外カメラNVU3VLは、解像度が高く広いダイナミックレンジを有する高感度かつ高精度の近赤外カメラです。
InGaAsセンサーサイズは、640画素×512画素(1pixel=15µm)、分光感度特性は、0.97µm-1.65µmの近赤外波長域に感度を持ち、最大量子効率(QE)は90%@1.3µmを示します。
InGaAs近赤外カメラNVU3VLは、製造現場で使用される産業用カメラ、医療・研究分野で使用されるサイエンスカメラなど幅広い用途で利用されています。
株式会社東京インスツルメンツのC-RED3は、0.9µm-1.7µm波長域に量子効率(QE)70%以上のフラットな感度を持つ非冷却タイプの小型高速近赤外カメラです。
近赤外センサーにInGaAsセンサーを搭載した非冷却方式によって、わずか230gの超小型化かつ軽量化を実現しています。
測定可能波長域における量子効率(QE)がほぼ一定値(~75%)を示すため、分光測定による波長毎の強度比を精度よく分析することができます。
また、読み出しノイズが50e-@ 400fpsと低ノイズであることから、高いS/Nでの測定が可能です。
近赤外カメラとして過不足ない特徴があることから、天体観測機器のイメージャーや半導体検査機器、医療薬品検査機器など、幅広い用途で使用されています。
株式会社ケンコー・トキナーの近赤外対応(IR)レンズは、可視光から近赤外線までの幅広い波長域において、収差の発生を抑えた単一焦点面を生成する光学設計により実現されたレンズです。
従来の光学レンズを用いた撮像モジュールは、屈折率の影響によって、波長毎の焦点位置が異なるため、可視光線から近赤外線までの幅広い波長域では焦点距離にズレが発生し、測定波長帯に合わせたフォーカス調整が必要でした。
しかし、近赤外対応(IR)レンズを搭載した近赤外カメラは、焦点位置の再調整が必要ありません。
近赤外対応(IR)レンズを用いた近赤外カメラは、再調整不要な固定カメラとして、昼間~夜間までの24時間撮影し続ける監視カメラなどに利用されています。
Baslerの近赤外線カメラは、CMOSセンサーを搭載することで、安価な価格設定を実現しています。
これまでの近世外線カメラは、近赤外線波長域に感度を持つ高価なCCDセンサーを搭載することが一般的でしたが、近年のCOMSセンサーの性能向上により、850nm~の波長帯において40%以上の量子効率(QE)を達成するCOMSセンサーが製造可能になり、CCDセンサーと同等の性能を維持しつつ低コスト化に成功した近赤外線カメラが普及し始めました。
Baslerの近赤外線カメラは、交通監視、製品検査などの産業用カメラとして幅広い用途で利用されています。
アイアールスペック株式会社のInGaAs近赤外カメラは、高解像度・量子型InGasフォトダイオードアレイと撮像モジュールを搭載した近赤外カメラです。
InGaAsセンサーサイズは、640画素×512画素(1pixel=15µm)、分光感度特性は、0.97µm-1.65µmの近赤外波長域に感度を持ち、最大量子効率(QE)は90%@1.3µmを示します。
InGaAs近赤外カメラは、半導体製造や防災現場などで使用される産業用カメラ、リモートセンシングカメラなどの用途に適したカメラです。