形状解析レーザー顕微鏡についての概要、用途、原理などをご説明します。また、形状解析レーザー顕微鏡のメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。形状解析レーザー顕微鏡関連企業の2023年1月注目ランキングは1位:株式会社キーエンス、2位:レーザーテック株式会社、3位:ライカマイクロシステムズ株式会社となっています。
形状解析レーザー顕微鏡 (英:3D laser scanning confocal microscope) は、レーザー光を用いて、物体の表面形状を測定できる顕微鏡です。
同様の機能を持ったものに、カンチレバーのような接触式のプローブを搭載した顕微鏡もありますが、表面に触れる必要があるので、試料を傷つけたり、破損してしまう恐れがあります。一方、形状解析レーザー顕微鏡は光の反射を利用するので、非接触での検査が可能です。
光学系は、一般的な共焦点レーザー顕微鏡と全く同じですが、3次元の情報を得るために、高速のMEMSスキャナーやレゾナントスキャナーを採用することで、スキャン時間を短縮する製品が多く販売されています。
形状解析レーザー顕微鏡は、様々な製品の検査や問題点の探索などに用いられます。
特に半導体部品やプリント基板は、部品自体が非常に小さく、精緻な表面構造をもっているため、非接触・非破壊での検査が可能な形状解析レーザー顕微鏡がよく使用されます。問題のない製品をリファレンスとして用いて、検査品の画像と重ね合わせることで、問題箇所の迅速な発見が可能です。
また非接触であることは、柔らかい試料にも対応でき、特殊な前処理なども必要ないことから、食品などの検査にも使用されます。
形状解析レーザー顕微鏡は、レーザーを照射してその反射光を検出することによって、表面の形状情報を取得します。
光の強度は距離の二乗で減衰するので、反射光の強度をモニターすれば、表面までの距離がわかります。このとき、非焦点からの光が挿入すると、反射光の増減が平均化されて感度が落ちてしまいます。
これを防ぐために、形状解析レーザー顕微鏡では、共役する焦点面にピンホールを配置した共焦点光学系を採用することで、非焦点面からの余分な光をカットします。こうして正確に得られる表面までの距離情報を、レーザーのXY方向スキャンにより、2次元情報として得ることが可能です。
さらに対物レンズをZ方向にスキャンすれば、立体的な3次元形状解析を行うことができます。平面方向の空間分解能は、一般的な光学顕微鏡と同様に、アッベの法則によりレーザーの波長に依存します。そのため、試料に問題が無ければ、より波長の短い405nmなどの近紫外レーザーを用いると、高分解能の測定が可能です。
顕微鏡には、主に光学顕微鏡、電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡の3種類があります。レーザー顕微鏡は、光学顕微鏡の中の1つです。
レーザー顕微鏡のレーザー照射から画像表示までの手順は、次の6ステップになります。
1ステップ:光源はレーザーを利用
2ステップ:対物レンズを通過したレーザーが測定対象を走査
3ステップ:測定対象からの反射光を、もう一度、対物レンズに入射
4ステップ:ハーフミラーで反射光の経路を検出器に向けて変更
5ステップ:結像位置に設けられたピンホールで散乱光を排除
6ステップ:検出器に入射したレーザーをアンプ等を使用した画像処理により、3次元画像として表示
レーザー顕微鏡における表面の粗さは、部品加工面の凸凹状態を表す指標です。
ハイト (高さ) やディープ (深さ) やディスタンス (間隔) が違う山および谷が連続する周期的な形状を表面粗さと言います。表面粗さによって、手触りや質感が変化しますが、表面粗さの大きい表面ほど触るとざらざらし、光の反射も減少します。逆に、表面粗さが小さいものは表面がなめらかで、ミラーの様に激しく光を反射します。
現代では製品の質感や手触り等が重要視されており、外観の品質管理上における粗さは重要な指標になっています。表面粗さを示す指標は、平均値を使った算術的な平均の粗さ (Ra) 、山と谷の合計を使った最大高さ (Rz) 等です。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj/57/8/57_8_559/_pdf/-char/ja
https://www.olympus-ims.com/ja/metrology/ols4500/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/laser/site/
https://www.keyence.co.jp/products/microscope/laser-microscope/vk-x100_x200/
https://optipedia.info/app/lsm/microscopy-maker/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/laser/difference/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/roughness/surface/
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形状解析レーザー顕微鏡のカタログ一覧はこちら企業
株式会社ジェイエイアイコーポレーション*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年1月の注目ランキングベスト8
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社キーエンス | 23.3% |
2 | レーザーテック株式会社 | 20% |
3 | ライカマイクロシステムズ株式会社 | 16.7% |
4 | 株式会社日本レーザー | 16.7% |
5 | 大倉インダストリー株式会社 | 10% |
6 | 株式会社島津製作所 | 6.7% |
7 | カールツァイス株式会社 | 3.3% |
8 | オリンパス株式会社 | 3.3% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年1月の形状解析レーザー顕微鏡ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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JAIは幅広い分野に高性能・高解像度のエリアスキャンとラインスキャンカメラを中心に幅広い製品を取り揃えています。単板式と独自のプリズム技術をベースに開...
2022年12月6日
SENSOFAR METROLOGYは、測定物の表面粗さ及び形状を非破壊で検査できる形状解析レーザー顕微鏡です
レーザー顕微鏡としての性質に加え、共焦点顕微鏡、光干渉顕微鏡の機能も持ち合わせており研究開発の場に1台3役として活用できます。
共焦点顕微鏡の性質から、同一計測面に反射率の異なる物質が存在していてもそれぞれの高さを正確に検出することができます。
最大5軸の精密制御ステージをオプションとして採用すれば、複雑な形状をもつサンプルでも360°精密に計測可能です。
VK-D1は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
試料台は電動2軸の平面ステージとなっており、サンプルを載せたあとは再度触れることなく計測位置を調整することができます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
AIによる解析結果の補助機能もあるため、データ処理に関して不慣れな作業者でもすぐに使用することができます。
VK-S1は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
試料台は2軸の手動ステージで可動範囲は70mm角と広いため、サンプルを再セットすることなく計測位置を調整することができます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
AIによる解析結果の補助機能もあるため、データ処理に関して不慣れな作業者でもすぐに使用することができます。
VK-X1000は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
レーザー光と白色光光源を使ったデュアルスキャン機能により、より高精細な計測画像が得られます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
AIによる解析結果の補助機能もあるため、データ処理に関して不慣れな作業者でもすぐに使用することができます。
VK-X1050は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
レーザー光と白色光光源を使ったデュアルスキャン機能により、より高精細な計測画像が得られます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
計測ワークが大型の場合でも、オプションとして全自動の大型ステージが選択できるため、問題なく計測することができます。
VK-X1100は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
レーザー光と白色光光源を使ったデュアルスキャン機能により、より高精細な計測画像が得られます。
紫色の404nm波長の半導体レーザーを使用しているため、一般的な赤色レーザー光に比べて約1.5倍の微細構造まで計測することができます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。