形状解析レーザー顕微鏡についての概要、用途、原理などをご説明します。また、形状解析レーザー顕微鏡のメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。形状解析レーザー顕微鏡関連企業の2022年6月注目ランキングは1位:株式会社キーエンス、2位:オリンパス株式会社、3位:株式会社島津製作所となっています。
形状解析レーザー顕微鏡は、レーザー光を用いて、物体の表面形状を測定する事ができる顕微鏡です。同様の機能を持ったものに、カンチレバーのような接触式のプローブを搭載した顕微鏡もありますが表面に触れる必要が有るので試料を傷つけたり破損してしまう恐れがあります。一方で、形状解析レーザー顕微鏡は光の反射を利用するので、非接触で検査を行えるというメリットがあります。光学系などは、一般的な共焦点レーザー顕微鏡と全く同じですが、3次元の情報を取ることを前提としているので、高速のMEMSスキャナーやレゾナントスキャナーを採用することでスキャン時間を短縮している製品が多く販売されています。
形状解析レーザー顕微鏡は、様々な製品の不具合検査や問題点の探索などに用いられます。特に半導体部品やプリント基板は、部品自体が非常に小さく精緻な表面構造をもっているため、非接触・非破壊で検査を行える形状解析レーザー顕微鏡がよく使用されてます。問題のない製品をリファレンスとして用いて検査品の画像と重ね合わせることで、迅速に問題箇所を発見することができます。また非接触であることは、柔らかい試料にも対応でき、特殊な前処理なども必要ないことから、食品などの検査にも使用されることがあります。
形状解析レーザー顕微鏡は、レーザーを照射してその反射光を検出することによって表面の形状情報を取得しています。光の強度は距離の二乗で減衰するので、反射光の強度をモニターすれば、表面までの距離がわかります。このとき、非焦点からの光が購入すると反射光の増減が平均化されてしまい感度が落ちてしまします。これを防ぐために、形状解析レーザー顕微鏡では共役する焦点面にピンホールを配置した共焦点光学系を採用することで、非焦点面からの余分な光をカットしています。こうして正確に得られる表面までの距離情報を、レーザーをXY方向にスキャンすることで二次元情報を得ることができます。さらに対物レンズをZ方向にスキャンすれば、立体的な三次元形状解析を行うことができます。平面方向の空間分解能は、一般的な光学顕微鏡と同様に、アッベの法則によりレーザーの波長に依存します。そのため、試料に問題が無ければ、より波長の短い405 nmなどの近紫外レーザーを用いると高分解能を達成することができます。
顕微鏡には、主に光学顕微鏡、電子顕微鏡、走査型プローブ(原子間力)顕微鏡の3種類があります。
1番目の光学顕微鏡は、測定したいものに光を当てて、その反射や透過した光を焦点レンズで結像させて拡大観察します。
2番目の電子顕微鏡は、測定したいものに電子線を当てて拡大観察します。
3番目の走査型プローブ顕微鏡は、測定したいものの表面を触針や探針などの測定用プローブで触れて表面の形状を拡大観察します。
ここで、レーザー顕微鏡は、光学顕微鏡の中の1つに位置付けられています。
レーザー顕微鏡のレーザー照射から画像表示までの流れは次の6ステップになります。
1ステップは光源はレーザーを利用すること。
2ステップは対物レンズを通過したレーザーが測定したいものを走査すること。
3ステップは測定したいものからの反射光を、もう一度、対物レンズに入射すること。
4ステップはハーフミラーで反射光の経路を検出器に向けて変更すること。
5ステップは結像位置に設けられたピンホールで散乱光を排除すること。
6ステップは検出器に入射したレーザーをアンプ等を使用した画像処理による三次元画像を表示すること。
この流れの中で、特に1ステップと5ステップと6ステップがレーザー顕微鏡の特長です。
レーザー顕微鏡における表面の粗さとは、部品加工面の凸凹状態を表すものです。
ここで表面の粗さに関して解説していきます。
ハイト(高さ)やディープ(深さ)やディスタンス(間隔)が違う山および谷が連続する周期的な形状を粗さ(表面粗さ)と言います。
それによって、手触りや質感が変化しますが、表面粗さの大きい表面ほど触るとザラザラし、光の反射も減少します。
逆に、表面粗さが小さいものは表面がなめらかで、ミラーの様に激しく光を反射します。
改めて、現代では製品の質感や手触り等が重要視されており、外観の品質管理上における粗さは重要な指標となりつつあります。
参考で表面粗さを示す指標には、平均値を使った算術的な平均の粗さ(Ra)、山と谷の合計を使った最大高さ(Rz)等があります。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sfj/57/8/57_8_559/_pdf/-char/ja
https://www.olympus-ims.com/ja/metrology/ols4500/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/laser/site/
https://www.keyence.co.jp/products/microscope/laser-microscope/vk-x100_x200/
https://optipedia.info/app/lsm/microscopy-maker/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/laser/difference/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/roughness/surface/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年6月の注目ランキングベスト7
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社キーエンス | 21.4% |
2 | オリンパス株式会社 | 17.9% |
3 | 株式会社島津製作所 | 17.9% |
4 | ライカマイクロシステムズ株式会社 | 14.3% |
5 | レーザーテック株式会社 | 10.7% |
6 | 株式会社日本レーザー | 10.7% |
7 | 大倉インダストリー株式会社 | 7.1% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年6月の形状解析レーザー顕微鏡ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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SENSOFAR METROLOGYは、測定物の表面粗さ及び形状を非破壊で検査できる形状解析レーザー顕微鏡です
レーザー顕微鏡としての性質に加え、共焦点顕微鏡、光干渉顕微鏡の機能も持ち合わせており研究開発の場に1台3役として活用できます。
共焦点顕微鏡の性質から、同一計測面に反射率の異なる物質が存在していてもそれぞれの高さを正確に検出することができます。
最大5軸の精密制御ステージをオプションとして採用すれば、複雑な形状をもつサンプルでも360°精密に計測可能です。
VK-D1は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
試料台は電動2軸の平面ステージとなっており、サンプルを載せたあとは再度触れることなく計測位置を調整することができます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
AIによる解析結果の補助機能もあるため、データ処理に関して不慣れな作業者でもすぐに使用することができます。
VK-S1は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
試料台は2軸の手動ステージで可動範囲は70mm角と広いため、サンプルを再セットすることなく計測位置を調整することができます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
AIによる解析結果の補助機能もあるため、データ処理に関して不慣れな作業者でもすぐに使用することができます。
VK-X1000は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
レーザー光と白色光光源を使ったデュアルスキャン機能により、より高精細な計測画像が得られます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
AIによる解析結果の補助機能もあるため、データ処理に関して不慣れな作業者でもすぐに使用することができます。
VK-X1050は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
レーザー光と白色光光源を使ったデュアルスキャン機能により、より高精細な計測画像が得られます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。
計測ワークが大型の場合でも、オプションとして全自動の大型ステージが選択できるため、問題なく計測することができます。
VK-X1100は、数十mmから1nmオーダーまで広範囲の波長領域を計測可能な形状解析レーザー顕微鏡です。
レーザー光と白色光光源を使ったデュアルスキャン機能により、より高精細な計測画像が得られます。
紫色の404nm波長の半導体レーザーを使用しているため、一般的な赤色レーザー光に比べて約1.5倍の微細構造まで計測することができます。
スタンドアローン型のレーザー顕微鏡ですが、ウェハなどの鏡面から石英ガラスのような透明体まで幅広い反射率のサンプルの計測が可能です。