カラーアルマイト

カラーアルマイトとは

カラーアルマイト

カラーアルマイトとは、アルミニウムの表面に電解処理によって生成された酸化被膜に、染料を浸透させて着色させたもののことです。

アルマイトは、アルミニウムの表面に人工的な酸化被膜を生成することで耐錆性を高める技術であり、無垢のアルミニウムに比べて錆びにくいのが特徴です。ただし、アルマイト自体は無色透明なため、カラーアルマイトは特殊な技術が必要です。

カラーアルマイトは、アルマイトで生成された酸化被膜に直径10μm程度の孔を開け、そこに染料を浸透させることで着色されます。そして、染料を吸着させた後に封孔処理を行うことで、染料がはがれにくく、耐久性が向上します。アルミニウム製品に色を付け、見た目の美しさが向上するだけでなく、耐摩耗性や耐食性の向上にもつながります。

カラーアルマイトの使用用途

カラーアルマイトは、アルミニウム製品の色を変えられる点が特徴です。さらにアルミニウムは軽量かつ錆びにくいため、日常品や産業製品に広く使われています。商品の寿命を延ばすだけでなく、色彩によるデザイン性向上にも貢献しています。

具体的な用途は、弁当箱ややかん、鍋、パソコンのフレームなどです。さまざまな日常品をはじめ、スポーツ用具や自転車のフレームなどの産業製品まで広く使われています。カラーアルマイトによって、製品の外観を変えられるため、ブランドイメージや付加価値の向上につなげることも可能です。

カラーアルマイトで着色できるカラーは、アルマイト処理業者によって異なりますが、グリーン、レッド、ピンク、ブルー、ゴールド、ブラックなどがあります。カラーを組み合わせたり、異なるカラーで模様を作ったりすることで、より多様なデザイン性を実現できます。機能性とデザイン性を兼ね備えいているため、製品作りに欠かせない技術の1つです。

カラーアルマイトの原理

カラーアルマイトは、アルミニウムに含まれるシリコンや銅の量が多いと、着色が上手くいかない場合があります。一般的なアルミニウムダイカスト製品 (例えばADC12) には、シリコンや銅が多く含まれており、それが原因で色が薄くなったり、黒色が灰色になったりします。

装飾品としての魅力を損ねてしまうこともあるため、着色の際は注意が必要です。めっきは、電解液中の金属イオンを還元析出させ、対象物の表面に金属めっきを形成します。一方、アルマイトは、アルミニウムの表面を酸で溶解させ、被膜を形成します。

被膜は浸透被膜と成長被膜から構成され、膜厚を指定する場合には、溶解された分だけ被膜が形成されるため、めっきよりも盛り上がり量は少なくなります。

カラーアルマイトの種類

カラーアルマイトには、単色系のアルマイト、2色系のアルマイト、光沢系のアルマイトの3種類に大別されます。カラーアルマイトは、用途に応じて選ぶことが大切です。

被膜の厚さや着色方法によっても異なる色合いや質感を表現できるため、デザイン性に優れた製品に仕上がります。

1. 単色系のアルマイト

単色系は、1色のみのアルマイト被膜で、主に黒、青、赤、緑などのカラーがあります。基本的な色調が揃っており、色味を統一して表現する際に用いられます。

2. 2色系のアルマイト

2色系は、2色のアルマイト被膜が交互に重なったもので、黒と赤、青と赤、緑と青などが代表的です。2色系は、単色系に比べてより個性的な色合いを表現できるため、デザイン性に優れたアルマイト被膜を実現することが可能です。

3. 光沢系のアルマイト

光沢系は、高光沢の仕上がりが特徴で、金属的な質感があります。主に銀やゴールド、ブラスなどが使われ、高級感を演出することが可能です。

参考文献
https://www.masudakagaku.com/business/

FPGA開発

FPGA開発とは

FPGA開発とは、FPGAをカスタム設計して、求める機能を持つICを開発することです。

FPGAとは、「Field Programmable Gate Array」の略で、開発現場で機能をフログラムできる集積回路のことです。FPGAの中には、演算器、メモリ、レジスタ、簡単な論理回路などの回路が多数配列されています。

何も手を加えなければ、何の機能も持たない回路の配列にすぎませんが、内部の回路を組み合わせ、論理回路を設計することによって、開発者が求める機能を自由に持たせることができます。

FPGA同様にユーザーの希望をカスタマイズできるASIC (Application Specific Integrated Circuit) がありますが、これはカスタム機能を設計してからICを製造するものです。設計・開発に時間がかかるうえ、一度製品になった後は現場で自由に機能を変えることはできません。

FPGA開発の使用用途

FPGA開発は、ICを含む電子機器や基板の開発に欠かせません。通信、車載、医療機器、民生機器、その他あらゆる分野の電子機器開発の現場で、FPGA開発を行っています。

FPGAに必要な機能をプログラムし、実際に電子機器に載せて実機検証を行い、その結果をフィードバックできることは、FPGA開発にメリットがあります。ASIC設計に比べると開発時間が短いため、やり直しやチューンナップも容易です。

また、ASICに比べると生産コストが高いというデメリットがあり、開発段階ではFPGAを使い、設計が確定後、最終製品にはASICを載せるという傾向にありました。しかし、最近では半導体製造技術の向上によりFPGAの高集積化、低コスト化が進み、最終製品にFPGAを使う事例も増えています。

FPGA開発の原理

FPGA開発のフローは、基本的にASICなど他のIC開発と同じです。ASIC開発では試作工程を製造部門が担当するのに対し、FPGA開発ではASICの試作に相当する実チップへプログラムを実装する工程も、FPGA開発者が行うことが特徴です。

FPGA開発フローには、以下のような工程があります。

1. 仕様決定

FPGAに実装する機能、FPGAを組み込むシステム上の他の部品とのインターフェース、タイミング制約などの「仕様」をまとめ、仕様に見合うFPGAを剪定します。

2. 論理回路設計

VHDL、Verilog-HDLなどのハードウェア記述言語を用いて、論理動作を記述します。

3. 機能検証

ファンクション・シミュレーションを実施し、論理回路の動作が正しいことを確認します。

4. コンパイル

HDL記述からFPGA上のゲートで構成される論理式を生成し、さらに論理式を最適化してネットリストを生成します。その後、実際のFPGA上で各回路を配置し、回路間の配線を決めます。この一連の工程をコンパイルと呼びます。

5. タイミング検証

配置・配線情報から、物理的な遅延時間をシミュレーションし、タイミング制約を満足していることを確認します。

6. ダウンロード

生成した回路データをFPGAにダウンロードします。この工程を経て、ゲートの配列にすぎなかったFPGAが、開発者が望む回路へと変わります。

7. FPGA動作検証

FPGAを動作させ、機能の不具合や性能不足がないことを確認します。動作検証には、評価ボードにFPGAをセットし、評価シミュレーションを流す方法と、実際にFPGAをシステムに搭載して動作させる実機検証とがあります。実機検証は検証にかかる時間が短いため、ゲート規模の大きいFPGA向きです。

FPGA開発のその他情報

1. FPGA開発のプログラミング言語

FPGAのコード記述に使用するHDLは低水準言語であるため、従来は回路設計ができるハードウェア技術者でなければ記述が難しいものでした。現在は、統合ソフトウェアプラットフォームを用いることでHDLの知識が無くても別のプログラミング言語でFPGA開発をすることができます。

プラットフォームは高級言語を低級言語に変換することで、FPGAの機能を実現しています。TensorflowやPytorchのフレームワークで作成された学習済みのディープラーニングモデルを使用してFPGAの高速化を実現することも可能です。

2. ハードウェア効率化

ASICなどのデバイスではプログラムとメモリ間をジャンプする方式であり、データの格納や取得に電力を使用したり、リアルタイム性の低下が見られていました。FPGAではプログラムとメモリ間のジャンプの必要性は無く、効率的なデータ格納と取得が可能です。また、電力の消費が大きいタスクをオフロードすることも可能です。FPGAは簡単にハードウェアの効率化を実現できます。

参考文献
http://www.ieice-hbkb.org/files/10/10gun_01hen_03.pdf
https://www.cqpub.co.jp/dwm/Contents/0038/dwm003800970.pdf
https://japan.xilinx.com/japan/fpga-koza/chapter01.html

DPSSレーザー

DPSSレーザーとは

DPSSレーザー (英: Diode Pumped Solid State Laser) とは、半導体レーザーダイオードを励起光として使用したレーザーです。

励起光源としてダイオードレーザーを使用することで、従来よりも高い効率と信頼性を有する点が特徴です。これにより、少ない電力で高出力を実現できます。軍事からエンターテイメントまで、様々な分野で使用されています。

また、 ダイオードレーザーは小型のため、レーザー全体を小型化することが可能です。これにより、設置スペースが制限されている場所や携帯用途に適しています。長寿命であり、幅広い波長での出力が可能である点も特徴の一つです。

DPSSレーザーの使用用途

DPSSレーザーは様々な用途で使用されます。以下はその一例です。

1. バイオ・医療

DPSSレーザーはレーザー手術において、微細な切開や凝固を行うために使用されます。眼科の網膜手術やレーシック手術などにおいて、DPSSレーザーが使用されることが多いです。

また、バイオ医学研究において、蛍光染料を励起するために使用される場合もあります。生体試料中の構造を可視化するために、蛍光顕微鏡などに組み込まれています。

2. 通信

DPSSレーザーは光ファイバーを介してデータを送信するための光源として使用されます。特定の波長で高い出力を発信できるため、高速かつ信頼性の高いデータ伝送が可能です。また、レーザー距離計や測距装置に使用することもできます。

3. 軍事

DPSSレーザーは軍事用途において、目標の位置を指示するためのレーザーポインターとして使用されます。地図上の特定の地点を指し示すために利用することが可能です。また、機関銃などの照準器として使用され、精密な射撃を支援します。

4. エンターテイメント

コンサートやイベントなどのエンターテイメント目的でも使用されます。多彩な色彩やパターンを投影することで、魅力的なライトショーを演出することが可能です。テーマパークなどのエンターテイメント施設では、レーザーディスプレイやレーザーアートに使用される場合もあります。

DPSSレーザーの原理

DPSSレーザーはダイオードレーザーからの励起光を使用してレーザー媒質を励起することで光を生成します。レーザー媒体には固体結晶が使用されます。Nd:YVO4やYb:YAGなどが代表例です。

内蔵されたダイオードレーザーから光を発し、レーザー媒質に照射します。これにより、レーザー媒質内の特定の原子を励起し、エネルギーレベルを上昇させます。励起された原子から放射する光がレーザー共振器内を複数回反射し、最終的に増幅されて外部に出力される仕組みです。

DPSSレーザーの波長は、使用されるレーザー媒質や励起光源、共振器の設計によって決定されます。特定の波長を得るためには、適切なレーザー媒質と励起光源を選択し、共振器の光学パラメータを制御する必要があります。

一例として、レーザー結晶にNd:YVO4を用いた場合、波長808nmのレーザーダイオードで励起することで、1064nmの赤外光を放射することが可能です。この赤外光を非線形結晶であるKTPによって532nmの緑色レーザ光に変換することができます。さらに、非線形結晶であるBBP結晶によって266nmのUVレーザ光に変換することもできます。

DPSSレーザーの選び方

DPSSレーザーを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 用途

DPSSレーザーを使用する具体的な用途を確認することが必要です。様々な分野で使用されますが、それぞれの用途に適した波長・出力などが存在します。

2. 波長

波長はレーザーが発信する光の波長です。機器構成や素材に応じて多様な波長の光を生み出すことができます。 医療分野ではNd:YAGレーザーの1064nmが広く使用されており、通信分野では1310nmや1550nmなどが一般的です。

3. 出力

レーザーの出力は単位時間あたりに発生する光のエネルギーを示す指標です。ワット (W) で表されることが多く、光学系や励起源の設計によって決定されます。一般的には高出力の製品が高価なため、コストや効率性を考慮して選定することが多いです。

参考文献
https://www.fiberlabs.co.jp/tech-explan/about-dpss/

3Dビューア

3Dビューアとは

3Dビューアとは、近年増えている、設計データ(3D-CADデータ)や3Dのキャラクターなど3Dで構成された画像を表示するソフトウェアのことです。

設計現場などで視認性の良さから導入が進んでいます。3D-CADで作製した3Dデータやキャラクターなど専用ソフトで作製した3Dモデルを表示し、回転・移動させたり、拡大縮小、など様々な方向から形状等を確認することができます。

仮想空間であるメタバースも、閲覧するソフトは3Dビューアの1つと言えるでしょう。

また、背景と合成して表示することもできます。なおビューアには3Dモデルを表示するだけの機能しかなく、編集機能はありません。

3Dビューアの使用用途

設計現場では、3D-CADで作製した3Dモデルを3Dビューアを使ってデザインレビューを行います。また、お客様に概要説明の際にも視認性がよい3Dモデルを提示する際に使用します。持ち運びしやすいモバイルパソコンでストレスなく表示することができます。

V-Tuberなどキャラクターを3Dモデルで作製し、3Dビューアで背景や複数のキャラクターを同時に動かしたり、ライトをつけて影をつけたり、さまざまな映像(動画)を作成することができます。

3Dビューア

3Dビューアの原理

3D-CADで作製した3Dモデルは当然3D-CADで表示することができます。ではなぜ、3Dビューアが普及しているのでしょうか?

それは、3D-CADはソフト自体が非常に高価ということと、快適に操作するためには高性能なパソコン(ワークステーション)が必要というのが大きな理由です。

レビュアーは特殊で高価なソフトである3D-CADをもっているとは限りません。そこでフリーであまり高性能なパソコンを必要としない3Dビューアが活躍する場が増えているのです。

ほとんどの3Dビューアは複数の拡張子に対応していますが、使用している3Dモデルの拡張子と一致していなければ表示することができないので注意が必要です。

最近の3D-CADは汎用的に使用されているPDFの3次元版である3D-PDFで保存できるものも増えてきており、Adobe社のAcrobatを3Dビューアとして使用することもできるようになっています。

参考文献
https://aprico-media.com/posts/3152

電力監視

電力監視とは

電力監視とは、使用電力や電力量を計測して監視することです。

電力は使用量を目視できませんが、発電設備を持たない場合は電力会社より購入しなければならないエネルギーです。したがって、請求電気代が妥当であるかを確認するために、電力量計や電力監視システムを使用して監視する必要があります。

従来、電力監視は電力料金の削減が目的でした。近年はそれだけではなく、CO2削減などの環境保護活動の一環としても実施されます。また、一定規模以上のエネルギーを使用する事業者は、省エネ法によりエネルギー管理が義務づけられています。

事業活動する上で、電気は大きな割合となりやすいエネルギーです。そのため、エネルギー管理の中でも特に電力監視は重要項目の1つです。

電力監視の使用用途

電力監視は、商業や産業において幅広く実施される活動です。一般家庭において実施される場合もあります。以下は、電力監視の実施例です。

  • 大規模施設における使用電力量の監視
  • ソーラーパネルを持つ商業施設の発電量監視
  • 家計における日毎の電力量監視

大規模施設を持つ企業・団体は、多くの場合は電力監視システムを導入します。電力監視システムでは施設全体の消費電力量だけでなく、設備・セクター毎の使用量などを確認可能な場合が多いです。エネルギー消費状況を詳細に分析可能で、効率的な省エネ検討や電力管理ができます。

ソーラーパネルや発電機を持つ施設では、発電の電力監視を実施している場合もあります。また、近年では電力会社のアプリケーション開発などにより、家庭での使用電力も管理できるようになってきました。

電力監視の原理

電力は主に電流、電圧、力率などを測定することで監視します。電力は電流と電圧の掛け算で求められます。ただし、電流と電圧の位相がずれるにしたがって、有効に消費される電力が発生しなくなっていきます。

電力は電流と電圧の実効値だけではなく、位相一致具合の比率である力率を掛け合わせることで計算可能です。電流の測定では変流器 (CT) を使用し、電圧の測定には計器用変圧器 (VT) を使用するのが一般的です。CTとVTによって測定した電流・電圧を電力計などで演算し、力率を算出しつつ電力へと変換します。電力量計の場合は、これらで測定した電力を時間積分し、電力量として出力します。

なお、位相のずれた電流・電圧によって発生する電力を無効電力と呼びます。無効電力が発生すると負荷に消費されない電流が送電線を行き来し、送電設備容量を圧迫するため電力会社側にとって不利です。したがって、高圧以上の電力契約を締結する場合、力率を高く保つことによる割引項目が盛り込まれることが多いです。

電力監視の構造

家庭用の電力契約は、一般的にアンペア契約です。電流の上限はアンペア契約で決まっていますが、負荷機器を多くつなげれば契約以上の電流が流れてしまいます。ただし、アンペア契約では負荷機器が増えると、契約電流以上の電流が流れた際にブレーカーが遮断して、電力供給を打ち切ります。

一方、高圧または特別高圧で受電する施設は、電力を遮断すると復電に手間や時間が掛かるため非経済的です。病院などの公共施設では、人命に関わる場合もあります。したがって、電力会社も上限を超えた際に電力を遮断せず、デマンド料金制で電力契約を締結することが多いです。

デマンド料金制とは、30分の平均電力の上限予想値を契約電力とする方式です。30分の平均電力値を需要家と電力会社の両者で監視し、契約電力を超えそうになった場合は需要家が使用電力を制限して対応します。契約電力を超えてしまった場合は、電力会社から違約金や契約電力の見直しを請求します。

デマンド料金制における30分電力予想値の管理をデマンド監視と呼びます。高圧以上の需要家では、30分平均電力予想値を分単位で監視したり、使用電力を制限したりすることが可能な電力監視システムを導入して、電力監視します。

参考文献
https://www.watanabe-electric.co.jp/contact/material/pdf/booklet/05.pdf

避雷器

避雷器とは

避雷器

避雷器とは、雷害から電子機器を守るための装置です。

落雷などによって過渡的に生じた過電圧を制限し、余計な電流を分流することによって、電子機器を保護するのが避雷器の役割です。サージ防護デバイス (英: Surge Protective Device) とも呼ばれ「SPD」と省略されます。

私たちが使用する電子機器には、適切な電圧で使用されなければなりません。しかし、電子機器が使用されている建物などが落雷を受けると「雷サージ」として、電子機器は過電圧を受けます。過大な電圧はサージ電圧と呼ばれ、電子機器には本来あってはならないレベルの高電圧が瞬間的に印加され、ダメージを与えます。

避雷器は、落雷時やスイッチ開閉時に発生する瞬間的な異常電圧を抑制し、電気機器に異常電圧が印加されないよう保護する機器のことです。避雷器と似た言葉で「避雷針」というものもありますが、避雷針は落雷から建物や人身を守るものであって、避雷針を設置しただけでは電気機器を守ることはできません。

避雷器の使用用途

避雷器は、架空電線からの引込口に使用されます。特に高電圧架空電線からの引込口は、国が定める電気設備技術基準で、避雷器の設置が義務づけられています。

ビルや多くの電子機器を扱う建物でも、避雷器が設置されています。建物全体の雷害対策の1つとして、避雷器は主電源引込盤、各フロアに設置されている分電盤、そして各電子機器に設置されています。大切な電子機器を雷害から保護するためには、設置場所に応じて複数の避雷器を使うことが大切です。

避雷器の原理

避雷器の原理は、電子機器が使用される電圧では絶縁体として働き、過大な電圧が生じると余分な電流を流すことができる非線形抵抗の働きを利用したものです。避雷器には放電ギャップと呼ばれる隙間と、電圧が電流と比例しない非線形抵抗で構成されます。

電源線に電気機器が接続されているとき、避雷器は電気機器と並列になるよう、電源線と接地との間に設置します。印加される電圧が通常レベルのときは、避雷器の中の非線形抵抗は高抵抗であり、さらに気中ギャップがあるため電流は流れず、避雷器は電気を通さない絶縁物と同じ存在です。

しかし、雷サージや開閉サージなどで異常電圧が発生した場合、気中ギャップに電圧が印加され、非線形抵抗は瞬時に低抵抗になってサージ電流を接地側に流し、電気機器へ過電圧がかかることを阻止します。放電後は、非線形抵抗は再び高抵抗になり、電源電圧からの続流は流れません。避雷器の動作開始電圧は、電気機器の使用電圧よりも高く、電気機器の耐電圧よりも低い位置が望ましいです。

避雷器が動作した後、残留電圧が発生する場合もあり、避雷器の選定にはこの残留電圧を考慮しなければなりません。なお、非線形抵抗には、金属酸化物バリスタ (MOV) 、アバランシェブレークダイオード、サージ防護サイリスタなどの半導体素子、ガス入り放電管などが使われます。

避雷器の種類

避雷器には大きく2種類あります。電源用避雷器と、通信・回専用避雷器です。さらに、それぞれの避雷器には、使われる用途によって区分けがあります。IEC (International Electrotechinical Commission: 国際電気標準会議) によって規格化されており、JISもIECに準じて規格化しています。

電源用避雷器の分類を定めているのは、IEC 61643-1 / JIS C5381-1 「低圧配電システムに接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法」」です。クラスⅠ〜Ⅲに分けられており、避雷器の設置場所によって使い分けます。

通信・回線用避雷器を分類しているのはIEC 61643-21 / JIS C5381-21 「通信及び信号回線に接続するサージ防護デバイスの所要性能及び試験方法」です。この規格では、通信・回線用避雷器を10のカテゴリに分けています。電源用避雷器とは異なり、カテゴリは機器の設置場所によって使い分けるのではなく、1つの避雷器に対してさまざまな試験方法が行えるようになっています。

参考文献
https://www.m-system.co.jp/mstoday/plan/mame/2010-2011/1101/index.html

フライバックトランス

フライバックトランスとは

フライバックトランス (英: flyback trans) とは、フライバック方式のコンバータに用いられるトランスのことです。

絶縁型DCDCコンバータやACDCコンバータなど絶縁型スイッチング電源の回路方式の1種で、そのほかにもフォワード方式やLLC共振方式、プッシュプル方式などがあります。

フライバック方式では、電力変換の際にトランスへのエネルギーの蓄積と放出が繰り返し行われます。そのため、フライバックトランスには他の方式のトランスとは異なり、大きなエネルギーを蓄積する特性が必要です。

フライバックトランスの使用用途

フライバックトランスは、民生機器や産業機器の様々な用途で用いられるスイッチング電源回路のトランスに使用されています。この電源で扱うことができる電力は数十W程度であり、他の方式の絶縁型スイッチング電源に比べ、比較的小電力の用途に向いています。

一方で、入力電圧範囲が広いのが特徴です。電源回路構成がシンプルで部品点数が少なく、コストがかからないというメリットがあります。しかし、ピーク電流が大きくなるため、スイッチング素子や整流ダイオードなどの部品を選ぶ際には仕様に注意が必要です。

また、リップル電流が他の方式に比べて大きいので、平滑化コンデンサの容量を大きくしなければなりません。

フライバックトランスの原理

フライバックトランスは、トランスの1次側に電流が流れた際に充電し、電流が遮断されたのちトランスの2次側を介して放電することを基本としています。動作の原理上、トランスに電磁エネルギーを蓄積させることが特性面で非常に重要です。

フライバックトランスの一次側にスイッチング素子 (パワートランジスタパワーMOSFETなど) が接続され、二次側に整流用ダイオードを通して平滑化コンデンサが接続されています。トランスの一次側に励磁電流を流した際に、二次側の整流ダイオードがオフする向きに電圧が発生するように巻線の極性を反対にします。

スイッチング素子をオンにすると、トランスの一次側に励磁電流が流れ、トランス内に電磁エネルギーが蓄積されます。この状態でスイッチング素子をオフにすると、一次側の励磁電流が遮断され、二次側の電圧の向きが反転し、トランスに蓄積された電磁エネルギーが整流ダイオードを通して放出されます。これをコンデンサで平滑化することで直流電圧を出力することが可能です。

フライバックトランスには、大きな電磁エネルギーを蓄積させる必要があります。他の方式のようにエネルギーの伝送を目的とするトランスの場合、透磁率の高いコア材料を用いて結合係数を高くしますが、そのような材料は通常大きな電磁エネルギーを蓄積することができません。そこで、フライバックトランスでは、コアの一部にエアギャップを設けることで透磁率の低い箇所を作り、そのギャップにエネルギーを蓄積させています。

フライバックトランスのその他情報

1. フライバック型電源とフォワード型電源の違い

フライバック型電源はトランスに電磁エネルギーの蓄積が必要なため、比較的大きなトランスが必要であり、微小なギャップをコアの一部に設けることで透磁率を下げて電磁エネルギーを蓄積させます。一方でフォワード型電源は、トランスに電磁エネルギーの蓄積が不要なため、そのような微小ギャップは不要で、トランスを小さくすることが可能です。

また、フライバック型電源は、1次側と2次側の帰還回路の絶縁分離が不要で回路構成を非常にシンプルにできるのに対して、フォワード型電源は絶縁分離が必要で、出力からの電圧帰還回路を構成する必要があります。

2. フライバックトランスに用いられるフェライト材料

フライバックトランスは、その構成上AC-DCスイッチング電源に広く用いられますが、AC-DCスイッチング電源の損失の大きい箇所として、スイッチング用の半導体デバイスとトランスが挙げられます。高速なスイッチング動作時にトランス内では急激な磁束の変化を生じるために、トランスコアに鉄芯を用いると渦電流損失により発熱して使用できなくなります。

このため、高周波用のAC-DCスイッチング電源向けフライバックトランスには、そのコア材料としてフェライトを使用する場合が多いです。フェライトの特性は周波数や温度依存性を有するため、所望の動作速度に適したフェライト材をコアに用いたフライバックトランスを選定することが重要です。

参考文献
https://www.kamidenshi.co.jp/magazine/1256/
https://ednjapan.com/edn/articles/1206/11/news010.html
https://ednjapan.com/edn/articles/1003/01/news100_2.html

セーフティドアスイッチ

セーフティドアスイッチとは

セーフティドアスイッチとは、安全柵のトビラやカバーなどの開閉状態を確認するために使用する安全装置です。

産業機械は強力なトルクや圧力が掛かる機器が多く、ドアやカバーが開かれた状態で機械が作動すると、人身災害が生じる可能性があります。したがって、安全柵内へ侵入可能な状態では装置が起動できない、またはトビラが開いたタイミングで装置を停止するなどのインターロック機構として使用されることが多いです。

ISO14119などさまざまな安全規格が存在し、規格品は単一故障でも安全センサとして機能を失わないようになっています。国内外の認証機関が発行する認証マークを持つセーフティドアスイッチを選択することで、より高い安全性を確保できます。

セーフティドアスイッチの使用用途

セーフティドアスイッチは、安全または装置保護のために使用されます。以下はセーフティドアスイッチの使用用途一例です。

1. 機械・ロボット制御

機械の起動・停止の制御や産業用ロボットの安全性を確保するために使用されます。製造現場で多く使われている産業機械の可動範囲外側には安全柵があり、ほとんどの場合がセーフティドアスイッチです。ドアやカバーが開いた際に、機械を自動的に停止させるように設計し、人身事故を防止します。

2. 防犯用途

建築物の防犯にも使用される場合があります。建物の出入口のドアにセーフティドアスイッチを取り付け、不用意な開閉時に警報を発報することで、不審者侵入を防止します。

3. 医療機器

機械保護や安全性向上の目的で、医療機器にも使用されます。MRI (磁気共鳴画像診断) 検査室などには、セーフティドアスイッチが付いたドアがあり、開閉時に検査を中断します。セーフティドアスイッチは、MRI検査の安全性を確保するために不可欠な役割を果たしています。

セーフティドアスイッチの原理

セーフティドアスイッチは、センサーと制御回路などで構成されます。

1. センサー

ドアやカバーの開閉状態を検出するための部品がセンサーです。これらはマイクロスイッチリミットスイッチ、または磁気リードスイッチのような形状をしています。ドアの開閉状態を検知して制御回路に信号をフィードバックします。

2. 制御回路

制御回路は、機械の自動停止などを担う電気回路です。センサーからのフィードバックで制御回路は作動し、ドアが開かれた場合に機械を自動的に停止させます。

緊急停止スイッチと組み合わせて使用することもあります。緊急停止スイッチは、危険が発生した場合にすばやく機械を停止させるスイッチです。

セーフティドアスイッチと緊急停止スイッチを組み合わせることで、作業者や周囲の人々をより確実に守れるようになります。

セーフティドアスイッチの種類

セーフティドアスイッチは、非接触式と電磁ロック式に大分されます。

1. 非接触式

非接触式のドアスイッチは、内部にリードスイッチを内蔵したドアスイッチです。専用のアクチュエータが付属しており、内蔵された磁石で開閉を検知します。ドアと接触しないため、機械的に摩耗するような部品が少ない点が特徴です。

一般的なリードスイッチは磁石を使用すれば接点の開閉が可能ですが、セーフティドアスイッチは専用のアクチュエータを使用しなければならない構造になっています。これはリードスイッチの誤動作などを防止するためです。

2. 電磁ロック式

電磁ロック式は、電磁ロックによるドアの施錠機能を有したドアスイッチです。電磁ロック式を選定することで、ドアの施錠によって誤侵入防止が可能です。一般的には、施錠時に無理やりこじ開けると設備が停止するようにインターロックを設けます。

セーフティドアスイッチのその他情報

類似した安全機器

セーフティドアスイッチに類似した安全機器として、ライトカーテンやレーザースキャナが挙げられます。これは、可視光・赤外光の遮断で侵入を検知する機器です。

近年の製造現場では、省スペースやレイアウト変更に柔軟に対応するために、ライトカーテンやレーザースキャナを使う機会が増えています。

参考文献
https://www.keyence.co.jp/products/safety/safety-door/

プログラマブルディレイライン

プログラマブルディレイラインとは

プログラマブルディレイライン (英: Programmable delay line) とは、電気信号の伝搬時間を遅らせるディレイラインと呼ばれる電子回路の1種です。

遅らせる時間をプログラムによって変更できます。そのほか、受動素子のみで構成されたパッシブディレイラインや、外部ICを駆動できるアクティブディレイラインがあります。

信号を任意の時間だけ遅らせることで、他の信号とタイミングを合わせたり、意図的に時間差を持たせたりすることが可能です。通信機器をはじめ、さまざまな電子機器に使われています。

プログラマブルディレイラインの使用用途

プログラマブルディレイラインは、データ信号とクロック信号のタイミングを合わせるために用いられています。特に、高速になるほど僅かなタイミングのずれが問題になるので、正確に調整できることが重要です。

そのほか、信号のパルス幅変換や発振回路、周波数マルチプライヤーや周波数ディスクリミネータなども用途として挙げられます。応用分野は、医療、放送、軍事、宇宙などです。各種検出機器や通信機器などにおいて、正確にタイミングを合わせなければならない場合に用いられます。

プログラマブルディレイラインの原理

プログラマブルディレイラインは、インダクタンスLとキャパシタンスCで電気信号の伝播を遅延させるシンプルな原理です。プロセスや温度、電圧などの条件が変化しても、規定の遅延時間を精度良く出すディレイラインを作るのは難しいとされています。

精度を高める1つの方法として、フィードバックが挙げられます。規定のディレイ時間に対する誤差を求め、その誤差を小さくするようにディレイラインにフィードバックします。電源電圧の調節などを行い、遅延時間を制御します。電圧を高くすると、ディレイ時間を短くすることが可能です。

遅延誤差を求める方法としては、電圧を周波数に変換する方法が挙げられます。ディレイラインの出力を反転させて入力にフィードバックすると、遅延時間1/2の周波数が出力されます。この機構は電圧制御発振器 (VCO) と呼ばれています。

プログラマブルディレイラインの構造

プログラマブルディレイラインは、信号を遅らせるディレイラインと、任意の遅延時間を選択するマルチプレクサから構成されています。ディレイラインを構成する方法はいくつかあり、現在最も用いられているのは、インダクタンスLとキャパシタンスCのはしご型の伝送回路網です。

N段のはしご型回路の遅延時間は、1区間あたり√(L×C)、全体でN×√(L×C)となります。他の構成として、論理ゲートの伝搬遅延時間を電源電圧で制御する電圧制御ディレイライン (VCDL) を用いる方法もあります。

マルチプレクサではしご型回路の任意の段をアドレス信号により選択することで、所望の遅延時間を得られます。プログラマブルディレイラインを用いる場合には、遅延時間の正確さ、周波数特性や位相特性の良さ、損失の少なさ、温度特性の良さなどの特性を考慮し、用途に応じて必要な性能やビット数を満たすようにすることが重要です。

プログラマブルディレイラインのその他情報

1. 特性インピーダンス

ディレイラインは同軸ケーブルのような伝送路であり、固有の伝送インピーダンスを持ちます。特性インピーダンスは、回路内のインダクタンスとキャパシティに依存したパラメータです。波形歪を少なく伝送するために、特性インピーダンスがディレイライン内で均一であることが重要になります。

2. 立上り時間

ディレイラインが固有に持つ立上り時間は、最小伝送パルス幅を制限します。パルス幅が狭いと、高い周波数成分を持つことになるため速い立上り時間が求められます。

ディレイラインを無理なく通過するパルス幅は、ディレイラインの持つ立上り時間の3倍以上が必要です。

参考文献
https://jpc-inc.co.jp/wp-content/themes/jpc-inc/pdf/DL.pdf
https://engineer-education.com/delay-line/
https://pdfserv.maximintegrated.com/jp/an/A4617J.pdf

形状計測センサー

形状計測センサーとは

形状計測センサー

形状計測センサー (英: Shape measurement sensor/Profile measurement sensor) とは、物体の形状を測定する装置です。

厚みや長さを測定する変位センサーの1種で、曲面や深さ複雑な形状の計測をするものを特に形状計測センサーと呼びます。食品から工業製品まで、幅広い業種の製造現場で利用されています。

非接触のレーザーで測定するタイプが主流で、対象物や求める測定精度によって選ぶことが大切です。

形状計測センサーの使用用途

形状計測センサーは、主に製品の外観形状を計測することに使用されます。製品の割れ、欠け、ヒビや凹みのほかに面積や体積などの仕上がり形状や部品の組付け状態を確認するために有用です。

例えば食品でいえば、クッキーやせんべいの割れや欠けなどの不良を自動で検出することができます。3D計測タイプの製品では、面積や体積も検出可能です。

工業製品であれば、各種加工製品の加工結果を自動で良否判定する用途などに使われます。溶接仕上がりの形状確認なども用途の1つです。

形状計測センサーの原理

1. 光切断方式の原理

非接触のレーザーを用いた光切断方式では、センサーからライン上のレーザーを出して測定対象物に反射させ、受光部 (素子) で受光することで対象物との距離を測定します。計測した距離から三角測量を用いて実際の形状を算出し、形状データの作成が可能です。

2. 測定の分解能

任意の位置に固定したセンサーに対してコンベアのようなライン上に対象物を乗せて動かすことで連続して全体を測定します。単位時間あたりのセンサー取り込み回数の多さで測定の分解能の1つが決まり、例えば1秒間に1m動くラインで1秒当たり1,000回取り込むことができれば、1mm単位で形状の取り込みが可能です。

測定した結果をコンピュータ処理し、ディスプレイなどに表示することで結果を確認することができます。幅や高さ、面積、体積などの測定結果を自動的に処理する製品もあります。

光を当てて反射させる原理のため、反射が多いガラス製の製品 (電子部品のCCDやCMOS、水晶振動子の水晶片など) 、反射しにくいゴム製品 (タイヤなど) や反射しにくい色の対象物の形状を計測するにはそれらに特化したセンサーが必要です。

形状計測センサーの種類

1. 光学式変位センサー

三角測量を検出原理としたセンサーで、受講素子にPSDを使用したものと撮像素子を利用したものがあります。

2. リニア近接センサー

コイルに交流電流を流すと磁束が発生しますが、金属である対象物を通過すると対象物に対して渦電流が生じます。この渦電流の向きは発生した磁束変化を妨げる磁束を発生させるような向きで生じます。

結果、コイルのインダクタンスが変化することとなり、インダクタンスの変化量を読み取ることで、コイルと対象物間の距離変位を測定することが可能です。

3. 超音波変位センサー

送波器を使用して対象物に超音波を発信し、その反射波を受波器を用いて受信します。超音波の発信と受信間の時間を測定することで、距離を算出する方式です。

形状計測センサーのその他情報

三角測量

三角測量とは、三角形の原理を用いて離れた地点との距離を計測する手法です。ある2点間の正確な距離が分かっている場合、その2点から離れた場所のある地点との距離はその2点との角度さえ分かれば算出できます。

これは、「三角形の一辺とその両端角が定まれば三角形が確定する」という性質を基に確定しています。形状計測センサーにおける三角測量方式のメリットは、色や背景の影響を受けにくい点です。

一般的な受光量判別型とは違って、ワーク表面で反射したレーザー光で距離を判別するため、ワークや背景の色や材質の影響を抑えることができます。例えば、ワークと背景が同系色であったとしても安定した位置判別が可能です。

参考文献
https://www.japanlaser.co.jp/product_category/geometry/
https://www.optex-fa.jp/products/jfas/3d-eye5000/index02.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/56/202/index.html