形状計測センサーとは
形状計測センサー (英: Shape measurement sensor/Profile measurement sensor) とは、物体の形状を測定する装置です。
厚みや長さを測定する変位センサーの1種で、曲面や深さ複雑な形状の計測をするものを特に形状計測センサーと呼びます。食品から工業製品まで、幅広い業種の製造現場で利用されています。
非接触のレーザーで測定するタイプが主流で、対象物や求める測定精度によって選ぶことが大切です。
形状計測センサーの使用用途
形状計測センサーは、主に製品の外観形状を計測することに使用されます。製品の割れ、欠け、ヒビや凹みのほかに面積や体積などの仕上がり形状や部品の組付け状態を確認するために有用です。
例えば食品でいえば、クッキーやせんべいの割れや欠けなどの不良を自動で検出することができます。3D計測タイプの製品では、面積や体積も検出可能です。
工業製品であれば、各種加工製品の加工結果を自動で良否判定する用途などに使われます。溶接仕上がりの形状確認なども用途の1つです。
形状計測センサーの原理
1. 光切断方式の原理
非接触のレーザーを用いた光切断方式では、センサーからライン上のレーザーを出して測定対象物に反射させ、受光部 (素子) で受光することで対象物との距離を測定します。計測した距離から三角測量を用いて実際の形状を算出し、形状データの作成が可能です。
2. 測定の分解能
任意の位置に固定したセンサーに対してコンベアのようなライン上に対象物を乗せて動かすことで連続して全体を測定します。単位時間あたりのセンサー取り込み回数の多さで測定の分解能の1つが決まり、例えば1秒間に1m動くラインで1秒当たり1,000回取り込むことができれば、1mm単位で形状の取り込みが可能です。
測定した結果をコンピュータ処理し、ディスプレイなどに表示することで結果を確認することができます。幅や高さ、面積、体積などの測定結果を自動的に処理する製品もあります。
光を当てて反射させる原理のため、反射が多いガラス製の製品 (電子部品のCCDやCMOS、水晶振動子の水晶片など) 、反射しにくいゴム製品 (タイヤなど) や反射しにくい色の対象物の形状を計測するにはそれらに特化したセンサーが必要です。
形状計測センサーの種類
1. 光学式変位センサー
三角測量を検出原理としたセンサーで、受講素子にPSDを使用したものと撮像素子を利用したものがあります。
2. リニア近接センサー
コイルに交流電流を流すと磁束が発生しますが、金属である対象物を通過すると対象物に対して渦電流が生じます。この渦電流の向きは発生した磁束変化を妨げる磁束を発生させるような向きで生じます。
結果、コイルのインダクタンスが変化することとなり、インダクタンスの変化量を読み取ることで、コイルと対象物間の距離変位を測定することが可能です。
3. 超音波変位センサー
送波器を使用して対象物に超音波を発信し、その反射波を受波器を用いて受信します。超音波の発信と受信間の時間を測定することで、距離を算出する方式です。
形状計測センサーのその他情報
三角測量
三角測量とは、三角形の原理を用いて離れた地点との距離を計測する手法です。ある2点間の正確な距離が分かっている場合、その2点から離れた場所のある地点との距離はその2点との角度さえ分かれば算出できます。
これは、「三角形の一辺とその両端角が定まれば三角形が確定する」という性質を基に確定しています。形状計測センサーにおける三角測量方式のメリットは、色や背景の影響を受けにくい点です。
一般的な受光量判別型とは違って、ワーク表面で反射したレーザー光で距離を判別するため、ワークや背景の色や材質の影響を抑えることができます。例えば、ワークと背景が同系色であったとしても安定した位置判別が可能です。
参考文献
https://www.japanlaser.co.jp/product_category/geometry/
https://www.optex-fa.jp/products/jfas/3d-eye5000/index02.html
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/56/202/index.html