ASICについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ASICのメーカー23社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ASIC関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:株式会社ロジック・リサーチ、2位:セイコーエプソン株式会社、3位:ダイトロン株式会社となっています。
ASICは「Application Specific Integrated Circuit」の略で、通信や画像などの高速処理など特定の用途に特化して作成された集積回路のことです。
高い性能が得られること、コンパクトに作成できること、製造時のコスト削減につながることがメリットして挙げられます。しかし、FPGAと比較してソフトや回路の書き換えなどができないため、開発期間や開発費がかかることがデメリットです。
ASICの使用用途は、家電や通信機器、画像処理、産業機器、コンピューターなど多岐に渡ります。
ASICは特定の機能に特化しているため性能が高く、単価も安いです。しかし開発期間や設計試作に要する開発費の回収が可能かどうかを考慮する必要があります。
ASICは一般的にセミカスタムのASICが採用されるため、下記ではゲートアレー型とセルベース型の原理を紹介します。
ゲートアレー型ASICは半導体製造過程の内の配線工程までは既存のシリコンウェーハを用いて配線工程での用途に合わせて配線をカスタマイズする方法です。開発時は配線回路レイアウトに関する設計のみであるため、開発にかかるコストや期間を削減できるメリットがあります。
セルベース型ASICは半導体製造過程内のトランジスタ素子や抵抗、容量など全てのマスクの工程でIC内の回路をカスタマイズする方法です。設計最適化が可能なため非常に自由度が高く性能の良いASICを作成できます。しかし、開発にかかるコストや期間がゲートアレー型に比べて多くなります。
ASICマイニングの概要
ASICマイニングとは、暗号資産 (旧呼称:仮想通貨) のためにASICを使用することを指します。暗号資産の世界では、ひとつひとつの暗号資産の取引を担保するためにマイニング (発掘) と呼ばれる作業が必要になります。
マイニングにはハッシュ関数が使われ、さまざまな値を探索し、特定の値を満たす場合にマイニングが成功します。一連の計算は膨大であり、このマイニングが成功することにより、暗号資産の取引が承認されます。このように膨大な計算に使用されるのがASICマイニングです。
ASICマイナーへの要求事項
ハッシュ関数の実行アルゴリズムを回路やICチップにまとめた専用ASICを搭載した機器はASICマイナーと呼ばれます。膨大な演算処理が必要であり、そのASICマイニング処理はハッシュパワーとも称されます。
このハッシュパワーを支える電力に関する議論は、昨今の環境問題と絡んで世界中で盛んに行われている状況です。よってASICのさらなる高速演算特性の向上と小型、低消費電力化への期待は大きいと言えます。
ASICの開発期間はFPGAやプロセッサに比べて長くなるのが一般的です。理由は専用の用途に応じて集積回路設計が個別に必要になり、マスクを払い出した後は回路やレイアウト修正ができない為です。開発期間や工数に最も影響を与えるものとしては、試作回数と特性の最適化があげられます。
ただし専用設計なので、無駄な機能を削除し小さくできるASICチップの製造コストはFPGAとの比較では抑えられ、優れた特性が得られる利点があります。ASICを使う場合は開発費が回収可能かどうか良く見極める事が重要です。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ieejjournal1888/113/12/113_12_999/_pdf
http://repository.aitech.ac.jp/dspace/bitstream/11133/2754/1/%E7%B4%80%E8%A6%8149%E5%8F%B7%28p103-p109%29.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社ロジック・リサーチ |
20.7%
|
2 | セイコーエプソン株式会社 |
9.8%
|
3 | ダイトロン株式会社 |
8.7%
|
4 | 株式会社ジャパンセミコンダクター |
8.7%
|
5 | オン・セミコンダクター株式会社 |
6.5%
|
6 | CMSC Japan(CMSC, Inc.) |
5.4%
|
7 | インフィニオンテクノロジーズジャパン株式会社 |
4.3%
|
8 | 株式会社メガチップス |
4.3%
|
9 | マーベルジャパン株式会社 |
4.3%
|
10 | 内藤電誠工業株式会社 |
4.3%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月のASICページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
Metoreeに登録されているASICが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
ロームは、創業60年以上の半導体・電子部品メーカーとして、創業時より掲げる「品質第一」の企業目的に基づき、民生機器やIT機器、自動車、そして産業機器に...
2023年5月15日
MegaChipsのASICサービスは、企画から開発、製造、量産工程のすべてを一貫してサポートするASICのソリューションサービスです。
製造を中止したASICの再生や再開発、長期の安定供給を行うことができ、アイデアの段階からの相談や、生産の委託までサポートしてくれます。
FPGAをASICに転換するときに、ローコスト化や低消費電力化を実現できるような設計を行ってくれます。
開発に関する、細かな課題に対してもサポートが付き、よりよいASICを製造することができます。
カスタムSoCソリューションは、様々な産業向けに、システムLSIを軸としたソリューションを提供しているASICのサービスになります。
SOCIONEXT社のシステムLSI資産を基準に開発されるASICから、完全にオーダーメイドのASICの設計まで対応しているサービスです。
要望に応じて、高性能化や省電力化、小型化などに柔軟に対応してくれ、最適なASICを設計してくれます。
DesignExpressという開発支援サービスがあり、使用検討から評価、設計までの支援を行っていくれます。
インフィニオンのASICソリューションは、ASIC/SoC設計、システムインパッケージ設計、システムオンボード設計、安全性やターンキーのソリューションがあります。
ソリューションとしては、システムの最適化や製品機能の対応を通じての革新的で付加価値の高いものです。
多くの製品を取り揃えているため、必要な機能がすぐに手に入り、品質を担保した状態で、短期間での製品の市場投入が可能になります。