デジタル照度計とは
デジタル式照度計とは、人間の視覚によって知覚される光の明るさを測定して数値化する測定器です。
国際単位系 (SI: International System of Units) における照度の単位であるルクス (Lx: Lux0)を用いて測定します。また、デジタル式照度計には連続的に変化する照度を段階的な数値データとして扱えるように、表示板が取り付けられているのが特徴です。
一方でアナログ式照度計には、連続的に変化する照度を連続的な変化を示す針等によって認知できる目盛板が取り付けられています。
デジタル照度計の使用用途
デジタル照度計は、光の明るさを測定する際に使用されます。表示される値が比較的読み取りやすいため、測定の初心者には扱いやすいです。
デジタル照度計には、センサー部と表示部が繋がった一体型、ケーブル等で離しているセパレート型があり、移動に従う場合や屋外にて簡易に照度を調べる場合は一体型、実験や試験などで人工気象室内の値をとる場合はセパレート型が適しています。
一体型は、携帯性が良いので持ち運びに便利なものが多いです。手軽に測定できる安価なものから、特殊環境やデータロガー機能を有する高価なものまであります。セパレート型は、光源の種類や測定環境に合わせた受光部を選択して変更することができたり、多点を同時に測定してデータを記録できたりするものがあります。
また、労働安全衛生規則第604条において、作業面の照度基準ですが、精密な作業は300Lx以上、普通の作業は150Lx以上、粗な作業は70Lx以上となっています。JIS Z9110において、営業室、設計室、玄関ホール等は 750-1,500Lx、役員室、会議室、電算機室等は300-750Lxです。そのため、労働衛生環境を維持する必要のある学校、工場、家、ビル等の施設でも使用されます。
デジタル照度計の原理
照度計の受光部には光の照射によって、電気抵抗が低下するフォトレジスタ、または電流や電圧を発生させるフォトダイオードを組み込んだものが多いです。これらの電子部品を用いると、光の強度を電流値や電圧値にアナログ変換できることから、照度を認知できるようになります。
さらに、アナログ変換された照度の値をデジタル変換するために、A/Dコンバーター (英: Analog-to-digital converter) を回路に組み込み、表示板で数値化します。光の強度を目の感度に合致させるための光学フィルタを受光部の上に設置して、標準光源としてフィラメント型電球を用いて検量線を引き、デジタル照度計の値を校正します。
そのため、標準電球と異なる波長特性を有する蛍光灯、LED照明、異なる天候時の太陽光などの照度は、構造や部品の異なる照度計を用いて測定した場合、異なる照度になることがあります。照度データを取得後に比較する際には、同じ構造や部品で構成された同じ型番のデジタル照度計を用いるような工夫が必要です。
デジタル照度計の選び方
デジタル照度計を選ぶ際には、以下の点を考慮する必要があります。
1. 測定範囲
デジタル照度計を選ぶ上で最も重要なことは、測定をしたい照度範囲に対応しているかどうかです。範囲に加え、精度を重要視する場合は高精度な測定ができる照度計を選ぶ必要があります。
2. 単位と表示
使用する国や業界の標準に合った照度単位を表示できるか確認が必要です。また、デジタル表示が明瞭で読み取りやすいものの方が読み取り間違いを防止できます。
3. 操作性と使いやすさ
ボタンの配置やメニュー構造が分かりやすく、直感的な操作が可能な照度計がポイントです。使いやすいインターフェースがあり、設定やデータの読み取りが簡単なものがおすすめです。
4. 応答時間
照度変化を素早く検知し表示する時間なので、瞬時の変動や高速な動作環境で使用する場合には、短い応答時間を持つ照度計を選ぶことが重要です。必要に応じてアラートや早急な対応を要することもあります。
5. 電源とバッテリー寿命
デジタル照度計は電源を必要としますが、使用する環境に合わせて電池駆動やACアダプター対応などの電源オプションの状況を確認しておきます。また、バッテリー寿命が長く、充電時間が短い製品を選ぶことも重要です。