ポリエチレンテレフタレートについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ポリエチレンテレフタレートのメーカー15社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ポリエチレンテレフタレート関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:三菱ケミカル株式会社、2位:帝人株式会社、3位:株式会社クラレとなっています。
ポリエチレンテレフタレートと関連するカテゴリ
2020年 修士(工学)大阪大学大学院 有機金属錯体の研究室にて錯体を触媒とする重合反応の研究をおこない学位取得。現在、総合化学メーカー勤務。
芥川 心之介のプロフィール
図1. ポリエチレンテレフタレートの構造
ポリエチレンテレフタレートとは、工業的に生産されているポリエステルの一種です。
プラスチック素材の中でも最も有名なもので、頭文字をとってPETと表記されることもあります。ポリエチレンテレフタレートは、形状などにもよりますが、透明性や強度、靭性、耐熱性、耐寒性、耐水性、耐薬品性、染色性などに優れたポリマーです。電気絶縁性が良いことや、燃焼しても有毒ガスを放出しないことも特徴として挙げられます。
ポリエチレンテレフタレートの主な使用用途は、ペットボトルや包装容器、磁気テープの基材などです。また、ポリエチレンテレフタレートを使用して作られた合成繊維は、フリースなどの様々な洋服に使用されています。
ポリエチレンテレフタレートの代表的な使用用途であるペットボトルは、ボトルの形状や厚み、加工時の処理方法によって、炭酸飲料に耐えられる耐圧ボトルや、温かい飲料に耐えられる耐熱ボトルなど用途が異なります。
図2. ポリエチレンテレフタレートの合成方法
ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸ジメチルまたはテレフタル酸とエチレングリコールを反応させた後に、この生成物からグリコールを留去して重縮合することで得られます。ポリエチレンテレフタレートは加工方法によって、C-PET (結晶性ポリエチレンテレフタレート) とA-PET (非晶性ポリエチレンテレフタレート) に作り分けることが可能です。
C-PETはポリマーを溶融させた状態からゆっくりと冷却させることによって、結晶性を高くした状態です。高結晶性ゆえに、強度や耐熱性が高いです。
その耐熱性を活かし、オーブンでの加熱が可能な容器や、レトルト食品の容器などに用いられます。また、酸素バリアー性も高いため、食品容器の場合は長期保存を可能にします。
一方で、A-PETはポリマーを溶融させた状態から高速で冷却することによって得られます。C-PETよりもしなりやすく、高い耐衝撃性が特徴です。ただし、長期間にわたって使用したり熱がかかったりすることによって結晶化が進んでしまうことがあります。こちらも食品容器などの用途があります。耐熱性が必要ない、サラダや刺身などの容器に良く用いられます。
ポリエチレンテレフタレートの中には、エチレングリコールの一部を1,4-シクロヘキサンジメタノールに置き換えたG-PET (グリコール変性ポリエチレンテレフタレート) というポリマーがあります。G-PETは成型加工時の冷却速度に関係なく、非晶性のポリマーです。長期間の使用や熱への暴露によって結晶化してしまうこともありません。
G-PETは、透明性や光沢性、印刷特性、引張強度、耐衝撃性などに優れています。そのため、高機能な化粧品用の容器や、3Dプリンター用のフィラメントとして用いられる場合が多いです。
普通のPETで厚みの大きい容器を製造しようとすると、冷却速度が遅いことで結晶が生成し不透明な見た目になりますが、G-PETは肉厚でも透明性の高い綺麗な外観の製品を製造することが可能です。
ポリエチレンテレフタレートとガラス繊維を混ぜることで、本来の耐熱性や耐薬品性、寸法安定性に加え、高い機械強度を示すエンジニアリングプラスチックのGF-PET (ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート) になります。この加工によって軽量かつ高強度の素材となったポリエチレンテレフタレートは、自動車や家電製品、電子機器の部品として用いられます。
参考文献
https://www.petbottle-rec.gr.jp/more/characteristic.html
https://nature3d.net/explanation/petg.html
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ポリエチレンテレフタレートのカタログ一覧はこちら企業
エンズィンガージャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 三菱ケミカル株式会社 |
18.3%
|
2 | 帝人株式会社 |
16.5%
|
3 | 株式会社クラレ |
15.6%
|
4 | 東洋紡株式会社 |
11.9%
|
5 | ポリプラスチックス株式会社 |
9.2%
|
6 | 株式会社ベルポリエステルプロダクツ |
5.5%
|
7 | 三菱商事プラスチック株式会社 |
4.6%
|
8 | ユニチカ株式会社 |
4.6%
|
9 | 山宗株式会社 |
3.7%
|
10 | シグマアルドリッチジャパン合同会社 |
2.8%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月のポリエチレンテレフタレートページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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2022年8月25日