ハンドレイアップとは
ハンドレイアップとは、FRP (繊維強化プラスチック) を成形する手法です。
具体的な工程はまず成形型に離型剤を塗り、強化繊維をセットします。次に硬化剤を混ぜた樹脂を刷毛やローラーで含浸させて、脱泡します。そして所定の厚さになるまで繰り返し行い、常温で硬化させます。最後に型から外してトリミングすれば完成です。メリットは少額の設備投資でたくさんの形状の製品を作れることやデザインの自由度が高いこと、常温・無圧で大型成形品を成形できること、肉厚・複合材の変更が簡単なことなどさまざまあります。特に設備にお金をかけずに済むためコストパフォーマンスが高いです。さまざまなデザインに対応できる所もメリットで、あらゆる要件に応えられます。一方で、ハンドレイアップは手作業で行うため製品の品質が作業者の熟練度に左右される場合もあります。そのため作業者作業者の熟練度をどれだけ上げられるかが重要になります。
ハンドレイアップの使用用途
ハンドレイアップは以下の用途で使われています。
1. 複雑な形状の製品の成形
特殊な機械を使わずに、基本的に手作業のため少し形状が変わっていたとしても再現しやすいです。設備投資が少ないためコストがあまりかかっていなく、コストパフォーマンスも高いものがあります。
2. 少量多品種の成形
仕様の異なる多くの製品を少量ずつ製造する生産方法との相性も良いです。デザインの自由度が高いことが活かされ、様々な形状に変えられます。熟練度の高い作業者がいれば、それぞれの製品で仕様が異なっていたとしても対応でき、短時間で多くの数を生産可能です。
3. 大きい製品の成形
製品の大きさに制限が無いため、大型タンクや漁船、大口径のパイプなど大きい製品でも作ることができます。大きい分時間がかかりますが、完成度は非常に高いです。他の素材と組み合わせることで耐久性や耐衝撃性、軽量性などの機能性を向上させられます。機能性が高いと、より多くの場面で使えるようにもなり、活用の幅が広がります。