ディップスイッチのメーカー21社・76製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ディップスイッチは、デュアル・インライン・パッケージスイッチを省略して呼んでいます。
端子間距離が3㎜程度、高さも3㎜程度と非常に小型で、精密ドライバー等で切り替えます。設定用スイッチとして使用され、操作の頻度は低いです。
操作方式には、スライドスイッチやプッシュロックスイッチ、ロータリースイッチ等があります。また、基板の穴に挿入するタイプと実装するタイプがあります。極数やシール性能も多種が展開しています。
ディップスイッチは温度調節器やサーボコントローラ、自動実装機、といった産業機器はもちろん、パソコンやモデム、ストレージの基板にも使用されています。スイッチとして電子機器の基本設定を保持するために利用されており、各種の家電製品、通信機器、音響機器など広範囲の製品に組み込まれています。
各種の多様な使用条件に耐えるため、バリエーションが広く、高温の使用にも耐える耐熱仕様や、薄型仕様など様々なタイプがあります。
通常のスイッチと同様にオン、オフを切り替えることで回路を替えます。ディップスイッチはとても小さいので、切り替えには先の細いドライバーやピンセット等が必要です。
ストライカと呼ばれるつまみと摺動子が連動しており、摺動子と接点が接続したり遮断したりすることで回路が切り替わります。ストライカは、摺動子と接点を安定して接続するおもりの役割も果たしています。
接点と端子はベースとなる樹脂と一体に成型されています。はんだ付けの際に高温になるので、ベースの樹脂には耐熱性の高いプラスチックが使用されています。部品を一体に成型することで、小型化を可能にしています。また、ベースは端子の保護の役割もしています。
接点端子の形状は基板穴に挿入するタイプと表面に実装するタイプがあります。
長期間スイッチが放置されやすいので、酸化しないよう接点に金メッキを施したり、接点表面のスイッチの摺動をセルフクリーニング機構として異物や酸化物の除去に役立てている製品もあります。
スイッチは用途によって、物体の位置検出に用いる検出用のスイッチや、人による操作入力を行う操作用スイッチ、機能上の切り替えを行う設定用スイッチなどの種類があります。構造の特徴でスイッチの種類を分けると以下のような種類があり、産業機器や設備、民生機器など様々な場所で使用されています。
ディップスイッチは操作方法によっていくつかのタイプに分かれます。操作部を摺動させて切り替えるスライドタイプや、操作部を押し下げて切り替えるピアノタイプ、操作部を回転させて値を設定するロータリタイプなどです。形状も様々で、スライドタイプは操作部がフラットなものや凸型になっているものがあります。またピアノタイプの操作部はレバーが短いものや長いものなどあります。ロータリタイプについては、操作部が基板に対して垂直上面から操作するタイプと水平方向の側面から操作するタイプなどがあります。操作部以外についても実装の方式や、極数などその特性により様々な種類があります。
一般的なディップスイッチの構造は、カバー、ストライカ、摺動子、ベースの4つから構成されます。カバーは、スイッチ上面を覆う樹脂の射出成型部品です。ベースと嵌合させて内部機構を保護します。ストライカはスイッチの操作部です。摺動子に力を伝え、接点を変えます。摺動子は加工された金属板などで可動する接点です。ベースは、金属端子と接点を樹脂射出成型により一体化したもので、はんだ付けをする際の熱が伝わる部分のため耐熱性をもった樹脂材料が使われたものです。
参考文献
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81
https://xtech.nikkei.com/dm/article/LECTURE/20120605/221411/
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/basic-knowledge-of-switches/part-2-omron-s-switch/dip-switch
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https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/basic-knowledge-series/basic-knowledge-of-switches/part-2-omron-s-switch/dip-switch
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
日本電産コパル電子株式会社のDIPスライドスイッチ CVSは、業界初の端子ピッチ1 mmのディップスイッチで、ビット数は1~8ビットがラインアップされています。
実装高さは1.45 mmで業界最薄です。カバー・可動接点・アース端子の材料はステンレス、金メッキで、固定接点と端子は銅合金、金メッキです。
ノブの高さは0.2 mmで操作性が優れており、またEUの環境指令RoHSに対応しています。
実装方法は表面実装です。シール性は洗浄が不可です。
DIPスイッチ5435802-7は、直角型9極のディップスイッチです。
スイッチ端子の嵌合面のメッキは金であり、ハウジングの材料はポリエステルです。自動挿入には対応していません。
スイッチのピッチは2.54 mm、単極 - 単投の9接点、定格電圧はDC50 V、定格電流は1.5 Aです。
CEおよびCSA認定に対応でき、耐候性、防塵性、防水性を選択できます。小型家電、テレビ、セットボックスなど幅広い用途があります。
オータックス株式会社のスライドKSD (S)シリーズは、ナイフエッジを使用して接触を確実にしたディップスイッチです。
固定接点に可動接点を強い圧力で接触させる方式により、200 kg/mm^2の圧力で押し付けるので振動・衝撃による誤動作が生じない特徴があります。
端子のサイズと形状がICと同じなので自動取付ができます。
定格はDC5 V 10 mA、接触抵抗は50 mΩ以下、寿命は1000 回です。カバーとケースの材料はPPS、可動片と固定片は金メッキされています。
ディップタイプスイッチSSGMシリーズは、アルプスアルパイン株式会社が提供する2~10 回路に対応するディップスイッチです。
接点は金メッキを使用して信頼性を向上させており、ICと同じような形状で自動挿入ができます。
接触抵抗(初期/寿命後)は50 mΩ max/100 mΩ max、最大定格は25 mA 24 V DC(開閉時)、0.1 A 50 V DC(通電時)、動作寿命は無負荷 3,000 cyclesです。
主な用途は、家電、分電盤、蓄電池などです。
NKKスイッチズ株式会社のスライドスイッチJS01-04AP4-STは、4極のディップスイッチです。
鉛フリー対応で、ICの端子と同形状のPC端子形です。そしてダブルの接点とセルフクリーニングを採用しているので接触信頼性がより高くなりました。
金メッキした接点を採用して環境性を良くし、計測器、通信機器、FA・OA機器などの信号切換えに使用されています。
EUのRoHS指令規則の使用禁止10物質に対応しており、環境に十分配慮しています。
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