ドアスイッチのメーカー7社・33製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
ドアスイッチとは、ドアの開閉に応じてある回路の接点オンオフを切り替え、動作している装置の動きを電気的に遮断する安全機器装置の一種です。
可動範囲が大きく、また大きな力や回転部を持つ装置は、稼働中に人間が近づくと不慮の事故につながることがあります。そのため、装置全体を安全柵で加工などの対策を取りますが、柵で覆うだけでは横着する作業者が柵を開けて稼働中の装置に近づくことができてしまいます。
そういった状況をなくすため、安全柵が開いている場合は、装置の動力を断つように組み込むものがドアスイッチです。
主に、大型の製造装置など安全対策を怠ると、人が大けがをしてしまう恐れがあるような現場に組み込まれます。
例えば、製造業の大量生産ラインでは、大型のロボットなどのマシンが高速に動作を続けています。そのマシン制御は全自動でプログラムされていることが多く、人間が近づいたことを検知する仕組みがない場合、近づくと危険です。
一般に、人感センサーなどの設置は高額になることが多く、また設置個所によっては死角が発生してしまいますが、ドアスイッチは比較的簡単に設置することができます。
ドアスイッチは、開閉するドアの両側にそれぞれスイッチを設置し、ドアが開いている状態では回路が遮断され、ドアが閉まった状態で接点が閉じるように設計されています。
機械的なドアスイッチでは、両端の端子が機械的に接続されることで接点が閉じるようになっているため、安全ですが、しっかりとロックする必要があり操作が煩雑であり、摺動部から発塵するなど問題点もあります。
一方、非接触式のドアスイッチでは、リードスイッチの接点開閉に、専用のアクチュエータに内蔵された磁石の磁力が使用されます。機械的な接触に対して、磁力を用いることでドア自体の接触は不必要になるため、様々な用途に対応しやすいという利点があります。
また、この非接触型のドアスイッチの内部接点を開閉するには、そのドアスイッチ専用のアクチュエータが必要となります。この点が、ドアスイッチ以外のリミットスイッチとは異なり、ほかの金属製の部品による接点の誤作動を防止します。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/products/safety/safety-door/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
富士電機機器制御株式会社のPreventa XCSシリーズは、金属製・プラスチック製はもちろん、小型タイプや非接触タイプと、様々なラインナップが用意されているため、幅広い環境条件やガードタイプに対応できます。
プラスチック製のものは使用温度範囲が-25 〜+70℃と非常に広いので、極寒・酷暑など、厳しい条件下での用途に適しています。
非接触タイプなら、ロック機構がないため、摩耗粉が発生することがありません。そのため、精密機器等の製造工程にあるクリーンルーム内の設備や、食品工場に最適です。
不二電機株式会社のTLC-Wは、ツイン接点が施されているため、微小電力負荷となる信号入力やリミットスイッチなどの用途に適しています。
また防塵構造になっているため、粉塵など異物混入による接触不良のリスクが低く、高い信頼性を誇ります。
この防塵構造とツイン接点の二段構えにより、あまりクリーンではない環境でも、塵埃の心配をせず安心して使用できます。
構造もシンプルで、内部の確認が容易にできるため、メンテナンス性にも優れています。
パナソニック株式会社のSG-B2シリーズは、作業者がキーにより物理的にドアを操作する「ホステージ制御」により高い安全性を実現しているため、工場など危険性が高い現場での使用に適しています。
ドアロックをキーで解除すると装置が停止し、そのキーを危険区域内に持ち込んで作業することで、危険区域内に閉じ込められたり、装置が作動するリスクがなくなります。
安全の要となるキーについても、セキュリティ性の高いピンタンブラー構造を採用しています。
さらにドアの施錠・解錠はキーを用いて行うため、ドアスイッチへの電源供給は不要で、省エネも実現しています。
オムロン株式会社のD40Zシリーズは、非接触式で擦れる機構がないため、粉塵が発生せず、精密機器や半導体などクリーンな環境が要求される製造工程に最適です。
万が一異常が発生した場合は、各スイッチをPLCに接続することで集中監視が可能になり、異常が発生している場所を瞬時に特定できます。
さらにスイッチにLEDランプが搭載されており、LED表示パターンから異常動作の原因の特定が可能なため、メンテナンスの時間短縮に貢献できます。
これらの優れたメンテナンス性から、異常時に製造ラインが長時間止まると大きな損失が発生するような工場での利用に最適です。
IDEC株式会社のHS5L形ソレノイド付安全スイッチは、小型でスリムな製品なので(同社従来品より約13%の小型化)、設置スペースが小さい小型扉などに適しています。
操作ヘッド部が外れた場合ロックモニタ回路がOFFになる「操作ヘッド部外れ検出機能」を搭載することで、万が一操作ヘッド部が外れた場合はいち早く検出することができます。
またスプリング式端子台により振動による緩みが生じにくい構造になっているため、常時振動のある機器への設置にも適しています。