LiDARセンサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、LiDARセンサーのメーカー12社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。LiDARセンサー関連企業の2023年09月注目ランキングは1位:株式会社光響、2位:BEAJapan株式会社、3位:北陽電機株式会社となっています。
LiDARセンサーとは、レーザー光を照射し反射光や散乱光を検出することで、対象物までの距離や形状を測定する装置の総称です。
LiDARセンサーのうちのLiDARは「Light Detection and Ranging」の頭文字から名づけられた名称で、「ライダー」と読みます。特に、光の検出において飛行時間を計測する場合が多く、TOF (Time-of-flight ) センサーとも呼ばれます。
また、高度な計測にはドップラー効果を活用した周波数連続変調方式も用いられ、こちらの名称はFMCW (Frequency Modulated Continuous Wave)方式です。この様に離れた場所から距離などの測定を行う技術をリモートセンシング技術といいます。
LiDARセンサーの現在の代表的な使用用途は、自動車の自動運転技術向けや、スマートフォン向けの画像検出技術向け等ですが、もともとは航空機のレーダーや気象観測に長年用いられて来た歴史ある技術です。
最近ではADASと並んで、自動車において障害物や周辺車両の検出など、自動運転技術を実現するための不可欠な要素となっており、小型化や低コスト化など、積極的に開発が進められています。
さらに工場において、画像処理装置と組み合わせてまた、スマートフォンのカメラなどと組み合わせて写真撮影で効果的にピントをぼかすアシストや、VR (仮想現実) ・AR (拡張現実) のための技術として利用されはじめている状況です。また、Apple製のiPhone12ProとiPhone12ProMaxにも採用されたことは、LiDARセンサーの認知度を飛躍的に高める出来事でした。
LiDARセンサーの原理は、光源であるレーザーと受光素子によって構成され、照射したレーザー光を何らかの物理的な手法で受光することで、対象物までの距離を測定することにあります。例えば、現在最も広く用いられているTOF方式では、対象物にレーザー光を照射し反射や散乱によって戻ってくるまでの時間 (飛行時間:time-of-flight,TOF) を測定し、対象物までの距離を割り出します。
レーザー光の照射の仕方として、広視野で照射する方式と特定の方向に照射しそれをスキャンするスキャン方式があります。
広視野で照射する方式は一般的なカメラと同様に扱えるためTOFカメラとも呼ばれます。TOFカメラは一度の光照射で視野全体の情報を一度に取得可能で、光学系も極めてシンプルなため、装置としては比較的低コストです。
ただし、センサー全体をカバーするようにレーザー光を広げる必要があるため、一画素あたりの光子密度が低下してしまうのが課題で、環境光などの影響を受けやすく、測定距離も短いという短所があります。
一方、スキャン方式はミラーを用いてレーザー光を走査します。一画素ごとに走査を行うポイントスキャン方式と、一列ごとに行うラインスキャン方式があります。前者は高精度ですが、測定時間を要すため、空間解像度が高い必要のない場合には、反対の特徴を有するラインスキャン方式が用いられます。
LiDARセンサーの検出方式には、TOF (飛行時間) 方式とFMCW (周波数連続変調) 方式の2つがありますが、大きな違いはその距離の検出方式に用いる物理量の違いです。TOF方式は対象物にパルス照射したレーザー光が反射して戻ってくる時間量を計測して距離計測を実施しますが、FMCW方式においては、周波数を変化させながら連続波を照射した際の、対象物体からの反射波のドップラー効果を利用して測長が可能です。
TOF方式の方が原理的に簡単であり、LiDARセンサーのコスト抑制ができます。ただし、物体に照射したレーザー光が、自分が出したものか、他から出されたものかの識別が困難なため、現在の自動運転技術用の本命技術とはなりにくく、より高度な計測が可能なFMCW方式が有望視されています。
FMCW方式も計測距離を制限するコヒーレンス問題やコスト低減など、自動運転に向けてのクリアすべき課題がありますが、世界の研究機関を中心にこれらの課題をクリアするための、より高度な研究開発が現在活発に行われている状況です。
LiDARセンサーとカメラは通常別々になっています。しかし、LIDERセンサーとカメラが別々のユニットだと、LiDARセンサーとカメラのデータを合成した際にわずかな視差が発生してしまい、高い精度を出すことができません。そこで、カメラとLiDARセンサーを一つにしてまとめたタイプのセンサーが登場しています。
このタイプのセンサーでは、カメラとLiDARセンサーのデータを組み合わせることで高解像度の3D画像の作成を生成することが可能です。また、視差とひずみ差のない高精度な計測が可能になるので、車載用センサーとしての利用が期待されています。
昨今、トヨタ株式会社を中心に、自動運転技術の研究開発が盛んになっており、それに伴いLiDARセンサーやレーザー業界も熱気を帯びています。
マーケット調査会社である矢野経済研究所は、2030年までにLiDARセンサーやレーザーのマーケット規模が4,959億円まで増加するという予測をしています。また、別のマーケット調査会社のヨール・デベロップメントでは、LiDARセンサーのマーケット規模は2024年までに60億$まで拡大するという予測を(2019年の調査で)発表しています。
先進国を中心にLiDARセンサーの需要は、今後ますます増加していくものと見られています。
参照元:LiDARセンサーの需要予測
参考文献
Royo et al. Appl. Sci. 2019, 9(19), 4093; https://doi.org/10.3390/app9194093
https://www.kyocera.co.jp/tech/other/lidar.html
https://jidounten-lab.com/y_lidar-toha-matome-eye
https://robotstart.info/2020/06/20/livox-tele-15.html
https://eetimes.jp/ee/articles/2004/13/news028.html
https://wired.jp/2019/07/24/lidar-cheap-make-self-driving-reality/
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
LiDARセンサーのカタログ一覧はこちら企業
株式会社光響 BEAJapan株式会社 ローム株式会社 Innoviz Technologies Ltd. XenomatiX Suteng Innovation Technology Co., LTD ジオサーフ株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年09月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 株式会社光響 |
32.6%
|
2 | BEAJapan株式会社 |
23.6%
|
3 | 北陽電機株式会社 |
12.5%
|
4 | Velodyne Lidar, Inc. |
8.5%
|
5 | ジック株式会社 |
5.0%
|
6 | オプテックス・エフエー株式会社 |
4.2%
|
7 | 株式会社ジェピコ |
3.0%
|
8 | Innoviz Technologies Ltd. |
2.7%
|
9 | XenomatiX |
2.4%
|
10 | 株式会社村上技研産業 |
2.1%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年9月のLiDARセンサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
LiDARセンサー2製品が登録されています。
ジオサーフ株式会社
Aeries™ IIは、次世代の自律性を実現するためにゼロから構築された、比類なき機能を持つ世界初の4DLiDARセンサーです。 Aeva社独自の周...
Metoreeに登録されているLiDARセンサーが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
カタログを企業ごとに探す
カタログを種類ごとに探す
ToF技術を使用したレーザーセンサー7層のレザーカーテンにより、ドア、シャッターの前に広いセンサーエリアを作り出します。このセンサー一つで、ドア、シャ...
2023年8月10日
縦横、最大9.9x9.9Mの検知エリアを設定できます。縦・横別々に10㎝刻みで検知エリア範囲を設定することができます。障害物をさけた検知エリアの設定も可能で...
2023年8月10日
LZR-H800は出庫警報、駐車場ゲート向け車両検知センサーです。ループコイルの埋設や、受光部が不要なセンサーなので、より簡単に設置することができます。人...
2023年8月29日
ロームは、創業60年以上の半導体・電子部品メーカーとして、創業時より掲げる「品質第一」の企業目的に基づき、民生機器やIT機器、自動車、そして産業機器に...
2023年5月15日
2021年7月17日
2020年12月22日
Aeries™ IIは、Aeva社独自の周波数変調連続波(FMCW)技術と世界初のLiDARオンチップモジュールデザインを活用することで、3次元の位置に加えて、各点の4次元...
2022年9月21日
ドイツQuantum-Systems社のTrinity F90+は、固定翼ドローンのように効率よく長時間飛行しながら、マルチローター・ドローンのように簡単に垂直離着陸すること...
2022年9月21日
LiDARセンサーのカタログ12件分をまとめてダウンロードできます!お迷いの方は便利な無料の一括ダウンロード機能をご利用ください。
企業
株式会社光響 BEAJapan株式会社 ローム株式会社 Innoviz Technologies Ltd. XenomatiX Suteng Innovation Technology Co., LTD ジオサーフ株式会社LED-10は光の透過性の高い液体やガラス、フィルムなどの透明体までの距離を測定するのに最適なLiDARセンサーです。
LED光源を採用しているので低コストで鮮明な情報を得ることが出来ます。
マイコンを搭載しているので、独自のシーケンスを組んでプログラマブルな測定にも対応しています。
7 msの応答速度で移動する対象物の測定にも最適で、防塵・防水仕様なので過酷な環境でも信頼性の高い測定をすることができます。
北陽電機株式会社のUST-30LXの特徴は、コンパクトなサイズでありながら、検出距離を30mという高い性能を備えている点です。
また、使用周囲温度-30~50℃で、汚れにも非常に強く、頑丈なため、屋外などのあらゆる環境に対応できるというのも、この製品の利点の一つです。
主な使用用途としては、搬送ロボットやサービスロボットなどの環境認識と障害物検出用センサとしての活用が想定されます。
TiM1xxは最大200度の広角な範囲で二次元の距離・形状情報を取得できる2D LiDARセンサーです。
非常にコンパクトな設計で、自由度の高いコネクタを搭載しているので、設置作業も簡単で保守・メンテナンスの費用も低く押さえることが出来ます。
取得範囲はソフトウェアからの設定で自由に選択することが出来ます。
消費電力も低く押さえられているので、バッテリー駆動の自動車などでエリア監視をするための用途に最適です。
Z-Lシリーズは、レーザーを搭載しているにも関わらず、LED光源並の低コストを実現したLiDARセンサーです。
レーザー光源なので、400 mm離れた距離でも約2 mmの極小スポットを実現しており、最高250マイクロ秒の応答速度で高速スキャンにも対応しています。
また、一体成形構造を採用し、IP67の防水・防塵性能を持っており、50Gまでの対衝撃性能を持っているので過酷な環境でも安定して使用できます。
Alpha primeは広範囲でハイクオリティな空間情報を得ることができるLiDARセンサーです。
水平方向は360度、垂直方向は40度の非常に広範囲かつ、最大220 mの長距離測定が可能です。
0.2 x 0.1度の高解像度でフルフレームレートの測定が可能で、工場内の他のLiDARセンサー同士の干渉を低減し、信頼度の高い測定が保証されています。
下部のコネクターにはケーブル延長オプションが適用可能で、離れた場所でも設置することができます。