LiDARセンサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、LiDARセンサーのメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。LiDARセンサー関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:北陽電機株式会社、2位:株式会社光響、3位:ジック株式会社となっています。
LiDARセンサーはレーザー光を照射し反射光や散乱光を検出することで、対象物までの距離や形状を測定する装置の総称です。
LiDARはLight Detection and Rangingの頭文字をとっており、「ライダー」と読みます。
特に、光の検出において飛行時間を計測する場合が多く、TOF(Time-of-flight )センサーと呼ばれます。この様に離れた場所から距離などの測定を行う技術をリモートセンシング技術といいます。
LiDARセンサーはもともと航空機のレーダーや気象観測に用いられて来ました。
近年では自動車において障害物や周辺車両の検出など、自動運転技術を実現するための不可欠な要素となっており、小型化や低コスト化など、積極的に開発が進められています。
さらに,工場において、画像処理装置と組み合わせてまた、スマートフォンのカメラなどと組み合わせて写真撮影で効果的にピントをぼかすアシストや、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)のための技術として利用されはじめています。またアップル(Apple)製の iPhone 12 Pro と iPhone 12 Pro Maxにも利用されています。
LiDARセンサーは光源であるレーザーと受光素子によって構成されています。対象物にレーザー光を照射し、反射や散乱によって戻ってくるまでの時間(飛行時間;time-of-flight, TOF)を測定します。
レーザー光の照射の仕方として、広視野で照射する方式と特定の方向に照射しそれをスキャンする方式があります。
広視野で照射する方式は一般的なカメラと同様に扱えるためTOFカメラと呼ばれます。
TOFカメラは一度の光照射で視野全体の情報を一度に取得でき、光学系も極めてシンプルなため、装置としては比較的低コストです。ただ、センサー全体をカバーするようにレーザー光を広げる必要があるため、一画素あたりの光子密度が低下してしまうという特徴があります。
そのため環境光などの影響を受けやすく、測定距離も短いという短所があります。
一方、スキャン方式はミラーを用いてレーザー光を走査します。一画素ごとに走査を行うポイントスキャン方式と、一列ごとに行うラインスキャン方式があります。
ポイントスキャン方式
ポイントスキャン方式では一画素ずつ情報を得ることができるため光子密度を犠牲にすることなく高精度に測定が可能ですが、視野全体の情報を得るために時間がかかります。
ラインスキャン方式
これに対してラインスキャン方式は空間的な解像度はポイントスキャンに比べると劣りますが、高速で情報を取得することができます。飛行時間の測定にも直接TOF法と間接TOF法があり、前者は射出した光の遅延時間を直接測定するのに対し、後者は強度を変調させた連続波を照射し、戻ってきた光の位相のズレから飛行時間を計算します。
LIDERとカメラは通常別々になっています。
しかし、LIDERとカメラが別々のUnitですと、LIDARとカメラのデータを合成した際にわずかな視差が発生してしまい、高い精度を出すことができません。
そこで、カメラとLIDARを一つにしてまとめたタイプのセンサーが登場しています。
このタイプのセンサーでは、カメラとLIDARのデータを組み合わせることで高解像度の3D画像の作成を生成することができます。
カメラとLIDARを1つのレンズにまとめることで、わずかなずれを無くすことができます。ずれが無くなることによって遅延を生じさせることがなく、視差とひずみ差のない高精度な計測が可能になるので、車載用センサーとしての利用が期待されています。
昨今、トヨタ株式会社を中心に、自動運転技術の研究開発が盛んになっています。
それに伴って、IDARセンサーやレーザー業界も熱気を帯びています。
マーケット調査会社である矢野経済研究所は、2030年までにLIDARやレーザーのマーケット規模が4,959億円まで増加するという予測をしています。
また、別のマーケット調査会社のヨール・デベロップメントでは、LIDARのマーケット規模は2024年までに60億$まで拡大するという予測を2019年の調査で発表をしています。
先進国を中心にLIDARセンサーの需要はますます増加していくと見られています。
LIDARセンサーの価格はその性能により、高い物では7万5,000ドル、安い物では数千ドルと価格の幅が広いです。
例えば、DJI JAPAN株式会社では、自動運転向けの長距離検出用LIDAR Livox Tele-15を1,500ドル程度で販売しています。
ZMP株式会社では小型サイズのMEMSソリッドステート型3D-LiDAR RSLiDAR-M1を25万円で販売しています。
アメリカにあるスタートアップ企業のLuminarは、500ドルという低価格のLiDARを発表しています。
自動運転技術が発展するに伴って、LIDERの価格もより安価になっていくものと予想されます。
参考文献
Royo et al. Appl. Sci. 2019, 9(19), 4093; https://doi.org/10.3390/app9194093
https://www.kyocera.co.jp/tech/other/lidar.html
https://jidounten-lab.com/y_lidar-toha-matome-eye
https://robotstart.info/2020/06/20/livox-tele-15.html
https://eetimes.jp/ee/articles/2004/13/news028.html
https://wired.jp/2019/07/24/lidar-cheap-make-self-driving-reality/
Metoreeでは各社カタログを無料で一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
LiDARセンサーのカタログ一覧はこちら企業
株式会社光響 Innoviz Technologies Ltd. XenomatiX Suteng Innovation Technology Co., LTD*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 北陽電機株式会社 | 28% |
2 | 株式会社光響 | 23.2% |
3 | ジック株式会社 | 11.4% |
4 | Velodyne Lidar, Inc. | 9.9% |
5 | オプテックス・エフエー株式会社 | 6.7% |
6 | 株式会社ジェピコ | 5.8% |
7 | 株式会社村上技研産業 | 4.1% |
8 | Innoviz Technologies Ltd. | 3.4% |
9 | XenomatiX | 2.9% |
10 | Ibeo Automotive Systems GmbH | 2.5% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のLiDARセンサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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Metoreeに登録されているLiDARセンサーが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
LED-10は光の透過性の高い液体やガラス、フィルムなどの透明体までの距離を測定するのに最適なLiDARセンサーです。
LED光源を採用しているので低コストで鮮明な情報を得ることが出来ます。
マイコンを搭載しているので、独自のシーケンスを組んでプログラマブルな測定にも対応しています。
7 msの応答速度で移動する対象物の測定にも最適で、防塵・防水仕様なので過酷な環境でも信頼性の高い測定をすることができます。
北陽電機株式会社のUST-30LXの特徴は、コンパクトなサイズでありながら、検出距離を30mという高い性能を備えている点です。
また、使用周囲温度-30~50℃で、汚れにも非常に強く、頑丈なため、屋外などのあらゆる環境に対応できるというのも、この製品の利点の一つです。
主な使用用途としては、搬送ロボットやサービスロボットなどの環境認識と障害物検出用センサとしての活用が想定されます。
TiM1xxは最大200度の広角な範囲で二次元の距離・形状情報を取得できる2D LiDARセンサーです。
非常にコンパクトな設計で、自由度の高いコネクタを搭載しているので、設置作業も簡単で保守・メンテナンスの費用も低く押さえることが出来ます。
取得範囲はソフトウェアからの設定で自由に選択することが出来ます。
消費電力も低く押さえられているので、バッテリー駆動の自動車などでエリア監視をするための用途に最適です。
Z-Lシリーズは、レーザーを搭載しているにも関わらず、LED光源並の低コストを実現したLiDARセンサーです。
レーザー光源なので、400 mm離れた距離でも約2 mmの極小スポットを実現しており、最高250マイクロ秒の応答速度で高速スキャンにも対応しています。
また、一体成形構造を採用し、IP67の防水・防塵性能を持っており、50Gまでの対衝撃性能を持っているので過酷な環境でも安定して使用できます。
Alpha primeは広範囲でハイクオリティな空間情報を得ることができるLiDARセンサーです。
水平方向は360度、垂直方向は40度の非常に広範囲かつ、最大220 mの長距離測定が可能です。
0.2 x 0.1度の高解像度でフルフレームレートの測定が可能で、工場内の他のLiDARセンサー同士の干渉を低減し、信頼度の高い測定が保証されています。
下部のコネクターにはケーブル延長オプションが適用可能で、離れた場所でも設置することができます。