ToFカメラのメーカー5社・11製品を一覧でご紹介します。まずは使用用途や原理についてご説明します。
目次
Time-of-flight(TOF)カメラとは、光の飛行時間を測定することで対象物との距離を可視化するカメラです。
通常のカメラでは対象物の二次元的な情報しか得られないのに対し、TOFカメラで撮影した画像には奥行きの情報が含まれているため、三次元的な情報を得ることができます。
TOFカメラは以下のように産業・医療など幅広い分野で応用されています。
TOFカメラカメラは主にレンズ、撮像素子とこれに同期する光源によって構成されています。
搭載された光源から照射された参照光を対象物に反射させ、検出器に到達するまでの時間(飛行時間)を測定しています。
光の速度は約30万km/sと既知であり、これは不変の定数です。したがって両者を掛け算することで対象物までの往復距離を算出することができます。
飛行時間の計測手法は大別して直接TOF法と間接TOF法の二種類があります。
参照光としてパルス光を照射し、反射光の遅延時間を直接計測することで飛行時間を計測します。参照光の照射と同時に、測定用回路の内部で既知の幅と周期を持った測定用パルス電流を発生させ、反射光が撮像素子に飛び込んでくるまでにそのパルス電流が何回発生したかをカウントすることで遅延時間を測定してます。
光源から出る連続波の振幅を変調して周波数が既知の正弦波を生成します。これを参照光として対象物に照射し、対象物からの反射光の位相のずれを検出します。位相のずれは正弦波の周波数を用いて時間差に変換することができ、飛行時間を算出することができます。具体的には参照光の1周期に対して反射光の強度を4回測定します。これを離散フーリエ変換することによって参照光との位相のずれを求めることができます。
参考文献
He Yin et al. Sensors 2017, 17, 92 doi: 10.33900/s17010092
Foix et al. "Lock-in Time-of-Flight (ToF) Cameras: A Survey," in IEEE Sensors Journal, vol. 11, no. 9, pp. 1917-1926, Sept. 2011, doi: 10.1109/JSEN.2010.2101060.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/70/11/70_880/_pdf
https://www.baslerweb.com/en/vision-campus/camera-technology/what-is-time-of-flight/
社員数の規模
設立年の新しい会社
歴史のある会社
4本の850 nmレーザーダイオードと6 mm単焦点レンズを搭載した3D-TOFカメラです。
有効画素数は約30万ピクセルで、1.5 mの近距離であれば、ビデオレレートの30 fpsで撮影が可能な製品です。
6 mmの単焦点レンズを標準装備しているので、非常に広い視野の測定を行うことができます。
ギガビット・イーサネットインターフェースに対応しているので外部電源なしに、一本のケーブルで給電と画像の高速転送が行えます。
TOFcam-635-S-UWFは屋内の使用で最大限の効果を発揮する、ミニチュアサイズの3D-TOFカメラです。
57 x 45 x 25 mmの圧倒的な小さで、空間的に制限される場所でも設置が可能です。
カメラのコントローラにはユーザー独自のアプリケーションソフトウェアを組み込むことができるので、高い自由度でシステムの構築ができます。
USBプログラムインターフェースを採用しているので誰でも簡単に安全性の高いプログラミングを行うことができます。
TOF>frame 611はミニチュアサイズで低コストを実現した3D TOFカメラです。
独自の環境光低減技術を搭載したイメージセンサーを採用しているので、太陽光の影響を受けやすい屋外での使用においても低ノイズで信頼性の高い測定を実現しています。
非常にコンパクトなLED光源ユニットと小型でも高性能のイメージセンサーにより本体サイズは小さく押さえられ、空間的に複雑なシステムにも組み込み安くなっています。
TOFcam-635は広角撮影用と望遠撮影用の二本のビームを搭載した非常にコンパクトで使いやすい3D-TOFカメラです。
広角撮影用では19 x 50度で7.5 mまで、望遠撮影用では5 x 5度で15 mの画角で測定を行うことができます。
画素数は160 x 60ピクセルで、最高50 fpsの高速撮影を行うこともできます。
外乱光にも強く、最大で100,000 lxまでの太陽光の影響を受けずに安定して測定することができます。
blazeは940 nmのパルス式レーザーダイオードを搭載した産業用3D-TOFカメラです。
一度の撮影で、距離、輝度、信頼性マップの情報を元にした多視点画像を作成することができるので、2D画像と3D画像を同時に作成できるのが最大の特徴です。
SONY社製の画像センサーを採用しているので、環境光による影響をあまり受けず、高い測定精度を実現するとともに、優れたコストパフォーマンスを有します。
またIP67に対応しており、高い防水・防塵性能で過酷な環境でも安定した使用が保証されています。