液面センサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、液面センサーのメーカー16社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。液面センサー関連企業の2023年08月注目ランキングは1位:アズビル株式会社、2位:日本計器株式会社、3位:パナソニック株式会社となっています。
東北大学大学院理学研究科化学専攻(理学修士)
ディスプレイエンジニアとして、セイコーエプソン(株), ソニー(株), (株)ジャパンディスプレイなどに従事。
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https://www.linkedin.com/in/chihiro-tanaka/
田中千浩のプロフィール
液面センサーは、タンクや容器に入った液体の液面の高さを計測するための測定装置です。これによって、液体を貯蔵しているタンクなどの残量などを調べることができます。単純に液体が有るか無いかだけを検出するものと、連続的に測定を行うことで、残量のパーセンテージなどを算出することができるものがあります。レベルセンサーなどとも呼ばれることがあります。液体センサーの中には、砂などのような粒子状の固体にも流用できるものがあります。
産業分野において、材料となる液体や洗浄に使用する溶媒などは、密閉された中の見えない容器に貯蔵されていることがあります。液面センサーを使用すれば、容器を開放して中の液体の状態を調べなくてもよいので、特に石油の精製プラントや水処理場など大規模な施設で、タンク残量のモニターを行ったり、飲料、食品の製造工場、紙・パルプの生産現場でよく使用されたりしています。また、残量だけでなく、液体の劣化や品質などを調べる目的でも使用されます。
液面センサーには、さまざまな種類のものがあり、それぞれ異なる原理で動作しています。代表的なものは以下の4種類です。
タンクの上下に、ワイヤーを内蔵した管を取り付け、その管に沿って液面と連動して上下する磁石でできたフロート(浮き)を液面に浮かべます。フロートの上下と管内部のワイヤーが連動して変化した距離から液面レベルを測定します。
液面に向けて超音波を発信して反射させ、受信までの時間を計測することで、センサーから液面までの距離を計測します。
タンクの壁から少し離れた位置にセンサーを配置し、壁とセンサー間の静電容量をモニターします。センサーと壁の間に液体があれば静電容量は大きく、空であれば静電容量は小さくなります。
静電容量式液面センサーの測定原理を図に示します。
図1. 液面センサーの測定原理
ここでは、タンクの壁が金属製であることを前提としています。液体が非導電性である場合、液面の高さが高くなるほど、液体由来の容量成分の寄与が増大します。
一般に、非導電性液体の比誘電率は空気の比誘電率より大きいことから、モニターされる静電容量の値は、液面の高さが高いほど大きく、液面の高さが低いほど小さくなります。この関係を既知の関数としてあらかじめ取得しておけば、センサー出力の実測値から液面の高さを決定することができます。
一方で、液体が導電性の場合は、液体由来の容量成分が存在しないため、センサー電極を絶縁体(一定の比誘電率を有する誘電体)で被覆し、液面高さの変動に基づく空気由来の容量成分の変動を効果的に検出できるような構成とすることで、同様に液面の高さを決定することができます。
赤外線LEDと受光部によって構成されており、液体が無いときは赤外線が受光部に到達するように光学系が設計されています。センサーが液体に浸されると、屈折などにより受光部に光が届かなくなるので、液面上昇を感知することができます。
非接触式の液面センサーには、超音波式、電波式、レーザー式、放射線式、重量式、直視式のものが知られています。
超音波式は、超音波が液面から反射して戻ってくるまでの時間を測定します。液体の種類に依存せず測定することができる一方、結露や障害物に弱いという特徴があります。
電波式は、電磁波が液面から反射して戻ってくるまでの時間を測定します。耐環境性に強いという特徴がある一方、高価であること、装置のサイズが大きく、重いという短所があります。
レーザー式は、半導体レーザーを使い光の液面からの反射を利用して測定します。スポット径が小さいためタンク内の障害物の影響を受けないという特徴があります。一方で高価であること、またレーザの安全管理が必要となります。
放射線式は、ガンマ線の透過と吸収を利用して測定します。有毒、高温、腐食性の高い悪環境でも使用できる一方、人体に対するリスクが生じうるため安全管理が必要となります。
重量式は、タンクごと重量を測定することで液面を測定します。タンク内の影響を受けないというメリットがある一方、泡などの液比重の変化に弱いという特徴があります。
直視式は、目視で確認する方法です。最も安価に実行できますが、汚れたら清掃が必要であり、自動化が困難というデメリットがあります。
電極式の液面センサー(レベルスイッチ)は、可動部のない電気的なレベルセンサとして、鉄鋼・食品・化学・薬品・半導体などの諸工業や農業水・浄水場・汚水処理などの液面制御に汎用的に幅広く使用されています。
測定に際しては、アース電極と検出電極間に交流電圧を印加します。このとき、電極間が液体に接触してなければ電流は流れませんが、電極間が液体に接触していると電流が流れます。この原理を利用することにより導電性の液体のみを検出することができます。
装置は、電極保持部、プロセス接続、電極棒、リレーユニットで構成されています。リレーユニット以外に電子部品はなく可動部もないためシンプルな構成です。
参考文献
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/levelsensor/basics/type.jsp
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/levelsensor/type/electrode.jsp
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液面センサーのカタログ一覧はこちら企業
ワッティー株式会社 センサテック株式会社 イーソル株式会社 株式会社木村洋行 ピーティーエム株式会社 ターク・ジャパン株式会社 株式会社マツシマメジャテック エンドレスハウザージャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年08月の注目ランキングベスト10
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | アズビル株式会社 |
18.0%
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2 | 日本計器株式会社 |
11.6%
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3 | パナソニック株式会社 |
9.3%
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4 | エンドレスハウザージャパン株式会社 |
8.7%
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5 | ニコム測器株式会社 |
8.1%
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6 | ifm efector株式会社 |
5.8%
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7 | BBKテクノロジーズ株式会社 |
5.2%
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8 | ワッティー株式会社 |
4.7%
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9 | 株式会社旭光技研 |
4.7%
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10 | セムコ株式会社 |
4.7%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年8月の液面センサーページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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株式会社イワキ
■特長 IRS/IRSVシリーズは、CTS/CTS-N型タンク用のレベルセンサです。シンプルな構造のフロート式。安定して液面レベルを計測できます。...
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株式会社マツシマメジャテック
レーダー式マイクロ波レベル計とは、電波式レベル計とも呼ばれ、工場の原料や製品などが入ったタンクやサイロの貯蔵レベルを連続的に計...
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価格はMetoreeに登録されている液面センサー15製品中の価格データです。
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2023年7月13日
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2023年8月10日
液面センサーのカタログ19件分をまとめてダウンロードできます!お迷いの方は便利な無料の一括ダウンロード機能をご利用ください。
企業
ワッティー株式会社 センサテック株式会社 イーソル株式会社 株式会社木村洋行 ピーティーエム株式会社 ターク・ジャパン株式会社 株式会社マツシマメジャテック エンドレスハウザージャパン株式会社HL-Hは、フロート式の機構を採用しながら、マグネットを使用せず電磁誘導方式を用いた小型の液面センサーです。
HL-Hは、マグネットを使用しない電磁誘導方式を用いているため、鉄粉が付着せず、液面センサーの本体材質にはPPやPA+NBRが使用されていることから長期的な動作不良を防ぎます。
使用温度範囲はPP仕様が最大80℃までと、PA+NBR仕様が最大120℃まで対応し、測定範囲は50mmと200mmに対応するため、比較的小型の水槽で使用する液面センサーとして最適です。
HL-APは、耐薬性に優れたPP樹脂を本体に使用しながら、磁気抵抗方式を用いたフロート式の液面センサーです。
HL-APは、PP樹脂を本体に使用し耐薬性に優れながら、5mmステップの測定性能を実現させ、測長範囲は50mm、150mm、300mmの3種類をラインナップしています。
さらには、一般的なフロート式の液面センサーと異なる機能として、-20°C~80°Cの環境下でも温測可能な温度センサーを内蔵し、アナログ出力も可能なため、液面管理しながら温測が必要な環境下での使用に適しています。
XMP/XTP-800シリーズは、小型でプラスチック製のフロート式液面です。
XMP/XTP-800シリーズは、液面センサー本体の取り付け部は3種類がラインナップされ、フロートの材質はPVC、PP、PVDFと耐薬性材質から選択できることや、軸の全長は最大1780mmまで対応するため、簡単にカスタマイズできることが特徴です。
さらには、フロートの最小検出幅が6.35mmであることや、アナログ(電流、電圧)の出力にも対応しているため、大型タンクや薬液タンクなど、さまざまな用途に対応できます。
XT-1000シリーズは、計測原理に物理的磁歪効果を採用している磁歪式の液面センサーです。
磁界を加えることにより発生する機械的歪みを計測原理に使用しているため、使用する液体の温度の影響を殆ど受けずに計測精度 ±0.2mm以下、分解能 0.1mm以下と、一般的なフロート式液面センサーを凌ぐ高精度を必要とする用途などの液面レベル測定に適しています。
XT-1000シリーズは、液面センサー本体やフロート材質にステンレススチール、316Ti、ハステロイCなどの選択が可能なうえ、計測長は最大4000mmまで対応しているため、カスタマイズも容易です。
EX-F1は、従来モデルと比較してロープライスを実現したアンプ内蔵型でパイプ取り付け式の液面センサーです。
EX-F1は、ロープライスを実現しながら、センサー応答時間は2ms以下と十分な反応速度と、一般的なパイプ取り付け式の液面センサーと同様に、適用パイプ径は外径ø6~ø13mmの透明樹脂パイプに対応しています。
液面センサーは結束バンド2本で簡単に固定できることや、内蔵アンプの動作表示灯は出力ON時赤色LEDを点灯するため、直感的に状況確認も可能なことから、水槽などの液面検出に最適です。
HPF-Tシリーズは、タンクなどの液面監視用に設けられるパイプ越しに液面レベルを光学式で検出する液面センサーです。
このシリーズは、ファイバタイプで水滴や気泡の影響を軽減するため、16光軸ファイバの採用により安定した検出を可能にしながら、HPF-T032シリーズはパイプの曇りや気泡に強いことが特徴です。
センサー用ファイバアンプにHPX-AGシリーズを使用することで、パイプ越しに液面レベルを検出する目的に応じたセンサーのチューニングが容易になることも特徴です。
HPF-Dシリーズは、タンクなどの液中で直接検出する液面挿入形でファイバスイッチ式の液面センサーです。
この液面センサーはPFAチューブ内に集光レンズを採用することで液有り無しの光量レベル差を十分に確保して検出する機構を備えながら、液体検出先端部には独自の液溜まりが起きにくいテーパ構造を採用し誤動作を防いでいます。
一般的なフロートタイプと比べ構造が単純になるため、機械的な誤動作を防ぎながら、液体検出部にφ6・φ4のPFAチューブ材を採用することで取り回しも容易になるため、薬液タンクなどへの使用に最適です。