放射温度センサーについての概要、用途、原理などをご説明します。また、放射温度センサーのメーカー20社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。放射温度センサー関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:神港テクノス株式会社、2位:株式会社チノー、3位:アズビル株式会社となっています。
放射温度センサーと関連するカテゴリ
早稲田大学大学院でMBE法による窒化物半導体成長に関する研究に従事。2016年に大学院を修了後、非鉄金属系メーカーへ入社。金属製錬工場における設備保全・エンジニアリングの業務に従事。2022年に化学系メーカーへ転職。同様の業務に従事。
前田 理也のプロフィール
放射温度センサーとは、物質から発せられる赤外線を感知して温度を測定する装置です。
あらゆる物質は温度の高低にしたがって赤外線を放射されるため、赤外線量を検知して温度を測定する仕組みです。物質内部の温度や気体の温度は測定できませんが、物体に触れず瞬時に温度を測定することができます。
測定可能範囲 (スポット径) と測定距離が機器によって決まっており、状況に応じて選定します。
放射温度センサーは高速に温度測定ができるほか、直接触れずに非接触での温度測定も可能です。そのため、移動・回転する物体やセンサーの接触で温度が変化する小熱容量物体の温度測定に適しています。
産業プロセスや研究分野などと、広範囲で用いられています。以下の場合は、放射温度センサーの活用が有効です。
人間を含め、全ての物質は赤外線を放出しています。手のひらを頬に近づけると温かさを感じますが、これは、頬から発せられている赤外線を手の皮膚が感知しているためです。一般に、物質の温度が高いほど放出される赤外線量は多くなります。
放射温度センサーは、まず物質から放出された赤外線をサーモパイルと呼ばれる検出素子に集めます。サーモパイルとは吸収した赤外線によって電気信号を発する検出素子です。
サーモパイル内では複数の熱電対が温接点を中心部に向けた状態で直列接続されており、その温接点が向かう中心部には赤外線吸収膜が設置されます。レンズで集められた光は温接点部分にのみ当たるため、外側にある冷接点側との間に温度差が生じます。これによりゼーベック効果によって電圧差が生まれ、温度測定ができる仕組みです。
赤外線放射とは電磁スペクトルの一部であり、その周波数は可視光と電波の間程度です。この周波数範囲において、0.7ミクロンから20ミクロンの周波数のみが実用的な温度測定に用いられます。
放射温度センサーは汎用品で±1℃以内と高い精度です。ただし、実際の測定時に機器の測定条件を正しく守らなければ測定誤差が生じるため注意が必要です。測定精度を決める条件は下記3点です。
測定ポイント
測定対象からの距離に従い測定範囲 (またはスポット径) が異なります。一般に測定距離が離れるにつれて測定範囲が大きくなります。 放射温度センサーの種類により測定距離と測定できる範囲が変わるため、この2つの条件を確認します。
温度ドリフト
放射温度センサーの環境温度を急激に変化させると温度変化によって測定値が変化する場合があります。 したがって、環境温度を急変させないように保ちます。
測定する表面の放射率
放射温度センサーは測定対象の物体表面から放たれる赤外線の強度を測定して温度を測定します。その際、測定対象から 放射された赤外線の強度は測定対象の温度だけでなく、放射率と呼ばれる係数によって決定されます。 したがって、温度測定の際は放射率による補正が必要です。
近年、衛生意識向上の影響で体温を放射温度センサーで測定するケースが増加傾向です。一般に外部温度が体温より低いケースで体温測定をすると、外気温の影響で体温が低く表示されることがあります。
反対に、ヒーターの近くのような外気温が高いケースでは、高い温度表示がされることがあるため注意が必要です。体温測定の際は、放射温度センサーの取扱説明書を確認して、正しい外部環境で測定します。
非接触で温度を測定する装置にサーモグラフィーがあります。サーモグラフィーは測定対象全体の表面温度を色の濃淡で色別し、視覚的に見易くした装置です。具体的な使用例は以下です。
サーモグラフィーの内部には放射温度センサーが使用されています。
参考文献
https://www.jp.omega.com/technical-learning/infrared-temperature-measurement-theory-application.html
https://ureruzo.com/ondo-hInfo.htm
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/infrared-thermometers-guide
https://www.horiba.com/jp/process-environmental/products-jp/thermometry/notice/
https://www.testo.com/ja-JP/products/pyrometer
https://www.horiba.com/jp/process-environmental/products-jp/thermometry/how-to-select-a-thermometer/
https://www.japansensor.co.jp/faq/1014/index.html
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企業
ジャパンセンサー株式会社 株式会社ビットストロング グリッドリンク株式会社IR-SAシリーズは厳しい環境でも使用できる放射温度センサーです。
耐熱性に優れており、低温用・中温用・高温用のタイプがそろっています。最大で90℃の環境下でも使用することが可能です。
また、小型で強固なステンレスケースを採用しているので非常に丈夫で、IP67の防水防塵機能も兼ね備えています。
さらに、精度が高く高速応答が可能なことから、非接触で温度計測が必要である様々な環境で使用されます。
IR-CAシリーズは、本体に温度表示機能や外部出力機能を備えたオールインワンタイプの放射温度計です。
低温域から高温域まで最適なカメラが見つかる豊富なラインナップが特長で、特に高温域では3500℃までの測定が可能であり、鉄鋼などの溶融金属の温度測定に適しています。
オールインワンタイプのため1台で測定からデータ出力までできますが、外部オプションを組み合わせることで遠隔操作も可能となるため、作業者の安全を保った運用ができます。
IR-CZシリーズは、本体に温度表示機能や外部出力機能を備えたオールインワンタイプの放射温度計です。
低温域から高温域まで広くカバーした設計となっており、低温域ではワイドレンジな計測を、高温域では金属と炭素の共晶点から温度校正を行い高精度な測定結果が得られます。
オールインワンタイプのため1台で測定からデータ出力までできますが、外部オプションを組み合わせることで遠隔操作や保守運用が可能なため、作業者の安全を保てます。
IR-CDシリーズは防爆対応の放射温度計で、主に可燃性のガスや液体が多く存在するプラントや地下の工事現場、半導体工場などでの温度測定に適しています。
一般的な防爆構造の温度計に対して、7.5kgと軽量化してつくられているため、導入設置時のハードルが下がります。
放射率の設定範囲も幅広く様々な放射温度を測定できる上に、自動放射率演算機能も搭載しているため、深い知識がなくとも対象物の温度を計測することができます。
IR-BAシリーズは、コンパクトな安価版の放射温度計で、ガラス基板や燃焼ガスからアニール材など測定用途に応じた幅広いラインナップを揃えています。
高速で移動する物体の測温が可能なため、ベルトコンベアで搬送する鉄鋼半製品などの温度計測に最適で、応答性も50msと高速対応しています。
小型で安価ながら機能は充実しており、測定値をアナログ出力したり、放射率を任意の値に設定したりできるため、詳細な測定を高精度で実施することができます。
IR-BZシリーズは、本体と検出部を分離させて温耐性を高めることで高温環境下での計測に特化した放射温度計です。
測定応答性は15msと超高速なため、生産ラインのスループットを落とすことなく安定した温度測定が可能です。
小型分離型タイプの放射温度計でありながら、測温可能域は0℃から1000℃と幅広く、あらゆる工場の生産ラインに適しています。
周囲温度の急激な変化にも対応しているため、常に温度ドリフトの少ない良好な測定結果が得られます。
FTシリーズはレーザーポインターを当てることで非接触で計測できる温度センサーです。
高温タイプと中温タイプがあり、測定する温度によって使い分けます。また、測定対象までの距離に応じた型もいくつかあり、設置場所を問わず様々な環境で使用することが可能です。
さらに、エアパージボックスという保護具を採用しており、このボックスでセンサを覆うことで環境耐性を高めることができます。煙や粉塵、高温の湯気などで機器が故障するのを防ぐことができるのです。
FTKXシリーズはセミオーダータイプのファイバ型放射温度計です。
センサヘッドとファイバ、温度変換器をそれぞれ分離させることが可能で、用途に応じて使い分けます。
測定温度が100℃~2000℃までの9種類があり、対象物の温度に適した幅広い測定が可能です。
グリーンLEDを使用しているため目視で対象に合わせやすく、反応速度が速いためレーザーを照射してすぐに温度を計測することができます。
あらゆるシーンに適用可能で、窓越しの測定にも適しています。
FTHXシリーズは、ファイバーレス型の放射温度センサーで、ガラス製の真空チャンバー内などの窓越し計測が可能です。
堅牢さに加え、耐薬品性も備えているため、半導体製造工場などにも設置することが可能です。
ファイバーレス型のため、価格は抑えてありながら、その測温応答時間は1msと世界最高レベルの速度を誇ります。
小型化するために本体には最低限の機能を搭載しつつ、計測位置合わせの補助としての緑色LEDライトは温度計測中も発光可能でであり、位置ズレの心配はありません。
PIシリーズは設置型の赤外線サーモグラフィーであり、測定物を面でとらえて温度分布を計測することができる温度センサーです。
解像度が高いため細かな温度分布を解析することが可能で、フレームレートが高いため高速応答ができます。
また、ラインスキャナ機能が搭載されているため、製造ラインで流れてくる製品の温度を計測することもできます。
測定エリアが狭くても高い精度で素早く測定したい場合に適しています。