双腕ロボットについての概要、用途、原理などをご説明します。また、双腕ロボットのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。双腕ロボット関連企業の2023年11月注目ランキングは1位:セイコーエプソン株式会社、2位:カワダロボティクス株式会社、3位:川崎重工業株式会社となっています。
双腕ロボットとは、ロボットの胴体と胴体から伸びる2本の腕 (アーム) を有するロボットのことです。
それぞれのアームに役割を持たせて、それぞれのアームを個別に動作させることができます。そのため、2本のアームによって複雑な作業を実施できる点が双腕ロボットの利点です。
双腕ロボットに似たロボットとして、1本だけのアームを持つ単腕ロボットがあります。双腕ロボットは、単腕ロボットよりも人間らしい動作が可能で、物を浮かせた状態でも作業ができます。
双腕ロボットは、製造業や物流業、飲食業などで使用されています。病院・介護施設などの医療福祉現場や大学などの研究現場で使用されることも多いです。
なお、双腕ロボットは関節部分の構造から2種類に分類できます。1つは垂直多関節型ロボットで、もう1つは水平多関節型ロボットです。水平多関節型ロボットはスカラロボットと呼ばれたりします。
垂直多関節型ロボットは、立体的な作業に向いています。垂直多関節型ロボットが実際に行う作業は、加工や研磨、検査、塗装、溶接、組立、ピッキング、ハンドリングなどです。
水平多関節型ロボットは、平面上での作業に向いています。水平多関節型ロボットが実際に行う作業は、検査や組立、ハンドリングなどです。
双腕ロボットは、一般的なロボットの仕組みと変わりません。先端のハンド部分とアーム部分、関節 (リンク) 部分で構成されています。垂直多関節型ロボットは、基本的に6軸以上で構成されています。
それぞれの軸を回転させることで、3次元空間上を自由に移動できるような動作が可能です。垂直多関節型の双腕ロボットの中には、片腕が7軸で構成され、腰1軸を持つ人型ロボットもあります。水平多関節型ロボットは、基本的に4軸で構成され、水平方向に動作する3軸と垂直方向に動作する1軸を持っています。
双腕ロボットのハンドおよびアームを動かす際には、モーターを使用しています。主として使用されるモーターは、サーボモーターです。同様の機能を有するモータとしてステッピングモーターもありますが、ステッピングモーターでは、エンコーダを使用していないことから、自身の位置を把握できません。そのため、ステッピングモーターはハンドやアームの駆動源に不向きです。
双腕ロボットでは、複数のカメラや力覚センサーなどによるセンシング機能によって自律能力を持たせることが可能です。胴体、アーム、ハンド、関節、カメラ、力覚センサー、画像処理、物体認識、力覚制御、これらを組み合わせることで人間に近い双腕ロボットを作り出しています。このおかげで複数の単腕ロボットが必要な作業でも双腕ロボット1台で賄うことができます。
かつての双腕ロボットの相場は500万円以上のものが大半で、双腕ロボットの購入が難しいと考えている企業が多いのが実情でした。しかし近年では、双腕ロボットが活躍できる食品工場や介護施設などで需要が見込まれるとみて、200万円~300万円台の双腕ロボットが開発されています。
双腕ロボットの低価格化だけではなく、ロボット自体の軽量化や安全性の向上に成功しています。今後の需要に合わせて、低価格で安全な双腕ロボットが増えていくことが期待されます。
複雑な作業が行える
冒頭で紹介したように双腕ロボットは2本のアームを活用するので、他のロボットよりも複雑な作業を行えます。例えば、一方のアームで部品を取り外し、もう一方のアームで部品を取り付けることができます。 こうした複雑な作業を行うことで、作業の効率化を図れるのが大きな利点です。
安全性が高い
厚生労働省の労働安全衛生規則によると、80W以上のロボットの場合、安全柵で囲って、ロボットの作業半径への作業者の立ち入りを禁止する必要があります。しかし、双腕ロボットでは80W未満のモーターが使用されていることが多いので、作業者と共同で作業ができます。
また、作業者の安全も守ることができる点も双腕ロボットの利点です。なお、規制緩和によって一定の条件を満たせば、80W以上のロボットと人間が同じ作業スペースで働くことが可能になりました。
導入コストを抑えることができる
先ほども述べたように、双腕ロボットの低価格化が進んでいます。双腕ロボット自体もそこまで大きくなく、導入のコストを抑えることも可能です。また、作業の効率化を図れるので、人件費の削減にもつながります。
参考文献
https://www.epson.jp/products/robots/souwan/w01/
https://newswitch.jp/p/20537
https://www.robot-befriend.com/blog/dual-arm-robot/
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双腕ロボットのカタログ一覧はこちら企業
大電株式会社 中外テクノス株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年11月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | セイコーエプソン株式会社 |
30.9%
|
2 | カワダロボティクス株式会社 |
16.8%
|
3 | 川崎重工業株式会社 |
16.8%
|
4 | 株式会社三明 |
13.6%
|
5 | THK株式会社 |
11.5%
|
6 | 株式会社アールティ |
6.3%
|
7 | 日本バイナリー株式会社 |
4.2%
|
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年11月の双腕ロボットページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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各ロボットケーブルのシリーズを紹介した製品カタログとなります。≪掲載内容≫可動用ケーブル RMDHシリーズ RMDVシリーズ RM205シリーズ RMFEVシリーズ R...
2022年12月27日
【ロボットならではの効率的で高品質な検査が可能】X-VARIOS はロボット機構により、検査物毎に事前に記憶した熟練者の検査条件を読出し撮影・判定を行うこと...
2023年6月11日
研究者向け 双腕ヒューマノイドロボット baxter Research Robotは片腕7軸、フロントカメラに360°ソナーセンサー、画像認識や直感的なインターフェース等全てが一体化された研究・開発向けの双腕ロボットです。
マサチューセッツ工科大学が特許を取得したSEA(直列弾性アクチュエータ)を左右全ての腕の関節に備えられており、万が一人体と衝突した場合でも人体への衝撃を和らげてくれるため安心して作業にあたることができます。
また研究用としてロボットプログラミングにおいてデファクトスタンダートとなりつつあるオープンソースのROSを用いることができるため、様々なアプリケーションの開発に使用することが可能です。
duAro1は生産ラインにおける組立や搬送、研磨、シーリング作業等への適用を主目的とする水平多関節型の双腕ロボットです。
自由度は左右各アームで4軸ずつ、位置の繰り返し精度は±0.05mmであるため双腕を用いた複雑な強調動作を行わせることが可能です。
駆動出力を低く抑えているため安全柵が不要で、アーム重量は各2kgずつと軽量かつ柔らかい表面素材を使用していることと併せて人間が同じ空間にいても安心して作業を行うことができるように設計されています。
またduAro1専用の拡張パーツを組み合わせることがでアームを100mm伸ばすこともできるため、より柔軟性の高いレイアウトとすることが可能です。
自律型双腕ロボットWorkSense「W-01」は自律型の双腕ロボットです。
片腕7軸、左右合計14軸のアームと高機能・多目的ハンドにより人のような複雑な動きが実現可能です。
メインカメラによりCADデータとのマッチングとマーカー検出、サブカメラにより小さなパーツの認識、ハンドカメラで手元近くのパーツ認識と3段階の画像認識でワークを立体的に認識してアームを動かすことが可能です。
画像認識の後画像処理・物体認識・力覚制御・アーム軌道の自動生成により次の動作を決定、力覚センサーによるフィードバックを受けながら多目的ハンドと左右の7軸アームで自律的な作業を行わせることが可能です。
NEXTAGEは製造現場における生産性向上、安全確保を目的とする、アーム・画像認識・コントローラ等が統合された汎用の双腕ロボットです。
左右それぞれ6軸、腰に1軸、首に2軸の合計15軸を備え人間と同じスペースで、人間と同様の動作をさせることもでき、更にロボットの移動やレイアウトの変更が簡単に行うことができます。
またリスクアセスメントの徹底により、各軸80W以下の駆動出力のため安全柵無しで人間との協働が可能なため、様々な現場に導入を検討することができます。