バイメタル式温度計についての概要、用途、原理などをご説明します。また、バイメタル式温度計のメーカー29社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。バイメタル式温度計関連企業の2022年7月注目ランキングは1位:有限会社横河計器製作所、2位:株式会社安藤計器製工所、3位:山本計器製造株式会社となっています。
バイメタル式温度計(Bimetal thermometer)とは、熱膨張の異なる2種類の金属板(バイメタル:Bimetal)を巻くことによって、温度が変化すると湾曲する力を利用して、表示板のメモリを指す針の軸を回して測定温度を直読する機器です。
ガラスの温度計と比べて、耐久性もあり、取り扱いも容易で安全性であり、構造が単純であるため、保守点検も簡単である事から、家庭用から工業用まで幅広く用いられています。
バイメタル式温度計の使用用途について記述します。
屋内において、壁掛け型や据え置き型の気温計として使用されます。主にメモリが印刷された円形の表示板の針を動かすために、ゼンマイ状のバイメタルを組み込んで製造します。
その他、水温計、土壌温度計、調理用温度計として利用されますが、表示板の裏側にある突出した筒の中に、つる巻き状のバイメタルを組み込んで組み立てています。
市販されているバイメタルの種類と仕様については、JIS C 2530に規定されています。
さらに、産業用途でも、防水性、耐腐食性、耐薬品性、耐圧性等を付加しやすい特徴から、化学プラント等のライン温度管理にも使用されています。
バイメタルは、鉄とニッケルを混ぜて作った合金で、室温付近にて熱膨張率がほぼ0になる低熱膨張合金と、マンガンにクロムや銅などを添加した熱膨張係数が非常に大きい合金を重ね合わせて、冷間圧延によって1枚の金属板として製造します。長期間使用すると、熱により性質が変化する場合がある事から、製造には高度な技術が要求されます。
バイメタルを加熱することによって、膨張係数の大きい合金側が延びることから、低熱膨張合金側を内側にして反り返ります。この時に生じる力を利用して、温度計の針を動かす機構を有するものがバイメタル式温度計です。
低熱膨張合金は、英語読みでインバー(invar)、フランス語読みでアンバーと表現され、鉄を64パーセント、ニッケルを36パーセント、マンガンを微量に含む合金であり、その特徴ですが、温度が上昇しても、結晶全体としてほとんど熱膨張が起こらない低熱膨張性にあります。
製品を落下させたり、製品に過度な衝撃が加わったりすると、示度に狂いが生じてしまうため、注意が必要です。
振動に対しても注意が必要で、感温部が振動している状態が続くと、温度計の各部品が摩耗し、破損に繋がります。感温部の振動は、指針が小刻みに震える現象として観察されます。このような現象が確認された場合には、放置せずに速やかに適切な対策を講じる必要があります。
周囲の温度と、測定対象物の間に温度差がある場合、周囲の温度の影響で測定誤差が生じる場合があります。そのような場合には、使用設備を保温し、放熱や吸熱を抑制することで改善する場合があります。
測定対象物の温度が氷点下を下回る場合には、温度計の内部が凍結してしまい、製品の破損に繋がる場合があります。凍結環境下にて製品を使用する場合には、専用の製品を取り付ける必要があります。稀に専用の製品でも内部が凍結してしまう場合がありますが、そのような場合には、シリコンオイル入りのものを使用するなど、特殊な仕様の製品を選択することで、解決できる場合があります。
温度計を設置する条件によっては、保護管の使用が推奨されています。
特に、以下のような条件下では、保護管の使用は必須です。
・測定対象物が感温部を腐食させる可能性がある場合
・感温部に高い圧力がかかる可能性がある場合
・測定対象物が流体である場合
・温度計を取り外すと測定対象物が漏れ出て支障がある場合
測定対象物に腐食の恐れがある場合には、保護材の材質は耐食性のあるものを、感温部に圧力がかかる場合には、耐圧性のあるものを選定します。基本的には、機器の材質と保護管の材質は同じ種類を選定します。
保護管の種類としては、非鉄性保護管、ステンレス製溶接保護管、くりぬき保護管などが挙げられます。感温部の長さなどを考慮して選定します。
保護管を配管に取り付ける際には、配管内部への感温部の突き出し寸法に注意が必要です。突き出し部分の寸法が長すぎる場合には、折れて破損事故の原因となり、また短すぎる場合には、測定誤差の原因となります。
参考文献
https://ktc-bimetal.co.jp/pdf/bimetal.pdf
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.107.065901
http://www.yokokawakeiki.co.jp/thermometer/install.php
http://www.yokokawakeiki.co.jp/thermometer/protect.php
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2022年7月の注目ランキングベスト10
順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | 有限会社横河計器製作所 | 14.7% |
2 | 株式会社安藤計器製工所 | 14.7% |
3 | 山本計器製造株式会社 | 14.7% |
4 | 長野計器株式会社 | 14.7% |
5 | 日本計量器工業株式会社 | 5.9% |
6 | 兵田計器工業株式会社 | 5.9% |
7 | 株式会社高島計器 | 5.9% |
8 | 東洋計器興業株式会社 | 5.9% |
9 | ネステック株式会社 | 2.9% |
10 | 株式会社エスコ | 2.9% |
注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2022年7月のバイメタル式温度計ページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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