LCRメーターについての概要、用途、原理などをご説明します。また、LCRメーターのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。LCRメーター関連企業の2023年10月注目ランキングは1位:キーサイト・テクノロジー株式会社、2位:日置電機株式会社、3位:株式会社マザーツールとなっています。
LCRメーターは、インピーダンスを測定するための装置です。LCRはL(インダクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)を示す記号です。これら3つを合わせてインピーダンスと呼びます。LCRメーターは、インピーダンスを測定する測定機器を指します。
L・C・Rの各成分には、電気的な特徴があります。それぞれを代表する電気部品はコイル、コンデンサ、電気抵抗です。
L成分はインダクタンス(Inductance)と呼ばれます。電磁誘導に関する法則であるレンツ(Lenz)の法則の頭文字からLと名付けられたと言われていますが、諸説あります。単位はヘンリー(H)です。
コイルに流れる電流が変化すると、その変化を妨げる方向に電力を生み出す性質があります。この性質の強さがインダクタンスと呼ばれる成分です。L成分が高い回路は電流変化に疎くなります。急峻なノイズ電流などに強い反面、交流回路で使用すると力率が遅れて効率が低下します。
C成分はキャパシタンス(Capacitance)と呼ばれます。コンデンサを英訳したキャパシタ(capacitor)が由来です。日本語では静電容量とも呼ばれます。C成分は電気の源である電荷を貯められる容量を示します。単位はファラッド(F)です。
コンデンサは回路上ではコイルと逆の役割を果たします。したがって、C成分が高い回路は電流を急峻に変化させます。交流回路では力率を進ませますが、ノイズ電流などを増幅する危険性があります。直流制御回路では電圧を増幅させたり、平滑化する役割を果たします。
R成分はレジスタンス(resistance)と呼ばれます。日本語訳すると抵抗で、文字通り電気抵抗を指します。単位はオーム(Ω)です。
電気抵抗が高いと、交流回路も直流回路も電流が流れにくくなります。交流直流共に送電効率が悪くなる半面、故障時の最大電流も小さくなります。
LCRメータは、産業分野では電子機器の開発や試験などにおいて用いられることが多いです。具体的にはコンデンサやコイルなど、電力・電子部品の性能試験に用いられます。日常生活では、主に医療分野においてLCRメータが使用されています。具体例としては、体脂肪率測定器などです。人体のインピーダンスを測定することで体脂肪率や水分量を測定できます。
上記の理由から医学研究でも重宝されます。LCRメータはCTやNMRのような高価な装置ではなく、低コストで導入しやすいというメリットがあります。
LCRメーターを用いたインピーダンスの測定は、対象物に交流電流を印加して測定します。基本原理としては、交流電圧を印可し、電流や位相差を測定してインピーダンスを計算します。
LCRメータは発振器・ベクトル電圧計・電流電圧変換器の3つの回路からなる自動平衡ブリッジと呼ばれる構成をしています。これはオペアンプを用いた反転増幅回路と同じ構成です。インピーダンスの計算はADコンバータを用いたデジタル変換で行われます。
LCRメーターを構成する要素として最も重要なのはベクトル電圧計で、ロックインアンプの原理を応用して入力信号に同期した参照信号を発生させることで、振幅や位相差を検出します。
自動平衡ブリッジをもとにしたLCRメーターでは100kHzを超えない低周波の測定に向いています。100kHz以上の高周波領域では、特性インピーダンスと呼ばれる部品自体のインピーダンスの影響が大きくなることが原因です。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jceeek/2018/0/2018_371/_pdf
https://www.techeyesonline.com/tech-column/detail/Reference-LCRMeter-01/?page=2
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LCRメーターのカタログ一覧はこちら企業
クロマジャパン株式会社*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
企業の並び替え
2023年10月の注目ランキングベスト7
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
---|---|---|
1 | キーサイト・テクノロジー株式会社 |
27.7%
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2 | 日置電機株式会社 |
20.2%
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3 | 株式会社マザーツール |
17.0%
|
4 | 株式会社エヌエフ回路設計ブロック |
12.8%
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5 | 株式会社テクシオ・テクノロジー |
10.6%
|
6 | アール・エス・ティエンジニアリング株式会社 |
7.4%
|
7 | Siborg Systems Inc. |
4.3%
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注目ランキング導出方法について
注目ランキングは、2023年10月のLCRメーターページ内でのクリックシェアを基に算出しています。クリックシェアは、対象期間内の全企業の総クリック数を各企業のクリック数で割った値を指します。社員数の規模
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歴史のある会社
2 件の製品がみつかりました
コーンズテクノロジー株式会社
60人以上が見ています
■LCRメータの原理と仕組み ほとんどの電子回路にはインダクタ・抵抗・コンデンサが使用されており、部品それぞれの正確な動作値を測定す...
Metoreeに登録されているLCRメーターが含まれるカタログ一覧です。無料で各社カタログを一括でダウンロードできるので、製品比較時に各社サイトで毎回情報を登録する手間を短縮することができます。
LCRメータLCR-6000シリーズは、測定周波数に応じて5つのモデルをそろえた測定器です。
測定項目や設定が見やすい2種類の表示モードを用意し、測定結果を素早く把握することができることや、AC測定と直接抵抗測定を行うことができるのが特徴です。
主な用途として、様々なコンポーネントの測定に対応し、汎用的に用いることが出来ます。
コンデンサなどの有極性アプリケーションなどに用いて、内部DCバイアス電圧を測定し、データ保存や可視化することができます。
LCRメータZM2371/ZM2372シリーズは、最高速度2msで測定周波数分解能5桁を有する回路素子測定器です。
DC測定やコンパレータ機能もあり、DCバイアス用の電源も内蔵しています。
基本確度0.08%を有し、高精度でありながら高速にパラメタの絶対値を測定することが出来ます。
主な用途として、コイルやコンデンサ、抵抗などの電子部品など、生産における品質保証や電子デバイスにおける研究開発まで、多岐にわたる幅広い測定に使用されています。
LCRメータIM3536シリーズは、4ヘルツから8ヘルツの周波数帯に対応した測定周波数を持った測定器です。
最速1msの高速測定に加え、基本確度0.05%を有した高精度な測定が可能で、コンパレータやBIN測定、トリガ機能、ロード機能、メモリ機能などの様々な機能が充実しています。
カラー表示に加えてタッチパネルにより、操作性に優れている点も特徴です。
低インピーダンス測定も行うことが出来、研究開発用途から生産現場におけるラインでの使用まで、様々な領域で使用することが出来ます。
プレシジョンLCRメータE4980ALシリーズは、業界標準のLCRメータとして、確度と速度と汎用性に優れています。
基本確度0.05%と高く、低・高インピーダンスのどちらのレンジにおいても高精度に測定を行うことが出来ることに加え、高い測定速度も有しています。
主な用途として、コンポーネントや材料において、研究開発や、生産における製造テストなどに使用されており、装備されているPCインターフェイスにより、デザイン性や測定の生産性を向上させることが出来ます。
LCRメータ3601シリーズは、様々なコンポーネントに対して用いることができ、幅広く活用できる測定器です。
電子ロック式押しボタン方式を操作スイッチに採用することで、耐久性や操作性に優れており、最適な範囲を自動的に選択することができるオートモード機能を搭載しています。
主な用途として、抵抗器やコンデンサやコイルの測定や、スイッチ・リレーなどの接触抵抗の測定に用いたり、半導体における接合容量や電池の内部抵抗などを測定することに用いることが出来ます。
モノタロウでチェック
アズワンでチェック