重量センサーとは
重量センサーとは、対象物の重量を量るためのセンサーです。
現在は、主にロードセルが用いられています。ロードセルが主流になる前は、機械的なレバー式の秤が重量測定の主流でした。レバー式の秤では、正確な測定をおこなうために校正やメンテナンスなどの手間がかかっていました。
一方で、ロードセル式の秤は設計上可動部分や摩擦部分を持たないため壊れにくく、簡単なメンテナンスのみで長期間使用可能です。測定精度が高い、測定の際に温度の影響が少ないなど優れた特徴も持ち合わせており、広く普及しています。
重量センサーの使用用途
重量センサーは重量測定するための機器であり、あらゆる分野で活用されています。最も使用されるのが、重量の計測そのものです。具体的には、病院のベッドに設置して患者の体重を量ったり、生産現場で製品の重量をチェックしたりしています。
重量の検出に圧力を利用しているため、対象物にかかる負荷の測定も可能です。例えば、乗物のエンジンのトルクや車輪への負荷を知るためにも使用されています。
重量センサーの原理
重量センサーとしては、ロードセルが主流です。ここでは、ロードセルの原理を解説します。ロードセルは出力信号の違いから、油圧式ロードセル、空気圧式ロードセル、ひずみゲージロードセルの3種類に大別されます。なお、3種類の中で最も普及しているのは、ひずみゲージを用いたロードセルです。
1. 油圧式ロードセル
油圧式ロードセルは、ロードセルの内部に流体を充てんしたものです。ロードセルにかかる力が増加すると流体の圧力が上昇するように設計されており、流体の圧力の変化から重量を測定できます。
電子部品が使われていないため危険区域でも使用でき、タンクやホッパーの重量測定に用いられています。
2. 空気圧式ロードセル
空気圧式のロードセルは、空気圧を検出に利用したロードセルです。ダンピングチャンバーを複数用いることで、油圧式より測定精度が向上しています。油圧式のように液体を充てんしていないため、破損の際の汚染リスクを抑えられることが特徴です。
3. ひずみゲージロードセル
ひずみゲージロードセルは、ロードセルにかかった力を電気信号として捉えるものです。ひずみゲージに力がかかると変形が生じ、その結果ゲージの電気抵抗が変化します。
電気抵抗の変化はゲージの変形量、すなわちかかる力に比例するため、電気抵抗を検知して重量を測定しています。
重量センサーの種類
重量センサーとしてはロードセルが最も一般的ですが、その他にも種類があります。
1. 圧電素子式
水晶やセラミックによる圧電素子は、力を加えることで圧電効果により電荷が生じます。電荷の変化を測定して物体に生じるひずみを測定して重量の有無に置き換えることができます。
2. 静電容量式
圧力に変化に応じて変形する、2つの膜の間の静電容量の変化を計測することで重量に置き換えます。
3. フィルム積層タイプ
シートタイプのスイッチを応用したもので、重量を検知する、物体が接触したことを検知するのに使われます。
4. シート・マットタイプ
重量の有無を検知するシート状やマット状のものも、重量センサーの1つです。別名で、感圧シートやマットスイッチなどとも呼ばれます。この重量センサーは、2枚の樹脂やゴムなどの重量や負荷により変形する素材を組み合わせており、組み合わせ面に圧電素子や静電容量素子、接点などを配した構造です。
シートもしくはマットに重量が印加されると、電気的な変化が出力され、その変化で重量の有無を検知します。自動ドアの扉や無人搬送機のバンパーに装着されており、人間との接触を検知します。
重量センサーのその他の情報
重量センサーとiot
iot関連には多種多様なセンサーが利用されており、重量センサーもその1つです。例として、自動化された搬送ラインで物の有無を検知する、自動倉庫で在庫の有無を検知するのに使われています。
また、重量を計測できるセンサーを使えば、在庫品の量や出荷数を重量で自動的にカウントすることが可能です。そのため、遠隔地からのリモートでも、倉庫管理システムシステムなどを運用できるため期待されています。
参考文献
https://www.unipulse.tokyo/techinfo/loadcetthowto/
https://www.jp.omega.com/prodinfo/loadcells.html
https://www.dewejapan.com/daq/load-cell.html
http://www.marusan-name.co.jp/